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2019年03月

米韓首脳会談の事前調整担当官「開城工業団地についてはまったく言及されなかった」と報告……「話すならワシントンに来るな」ってヤツ、本当だったんだ

大統領府国家安保室2次長「韓米首脳会談で良い結果出るだろう」(ハンギョレ)
キム2次長は11日、米ワシントンで開かれる韓米首脳会談の議題を調整するため、先月30日に出国した。

 キム2次長は、開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光の再開については、今回の訪米で取り上げておらず、首脳会談で協議することになるだろうと述べた。また「朝米の意見の隔たりを埋めるため、部分的な制裁の緩和や金剛山観光、開城工団の再開などが首脳会談の議題として取り上げられるか」という質問に対し、「金剛山や開城に関してはまったく言及されなかった」とし、「このような問題に関しては、首脳間でより深く話し合う予定だ」と述べた。
(引用ここまで・太字引用者)

 ひとつ前のエントリで書いた「開城工業団地と金剛山観光事業については米韓間の事前折衝で話し合われていない」という話なのですが。
 まあ、ソースを出しておきたかったというのと。
 「開城工業団地の話をするならワシントンには来るな」と言われていたっていうのは本当なのだろうなぁ……ということが確認できましたね。
 それだけでなく、開城工業団地についてはアメリカ政府高官から「操業再開の議論すら早すぎる」「(制裁免除を検討するのかという質問に対して)しない」っていうコメントも出ています。

 特に後ろの「しない(ノー)」って答はなかなか味わい深い。
 普通なら「米韓間で話し合いが行われるだろう」とか「その件については私の管轄ではない」とか直接的な物言いを避けるのですよ。外交というものは。
 ちょっとした言いかたひとつで角が立って開戦なんていう事態を招くようなことがないために、外交用語というのは角を丸められているものなのです。
 それが「ノー」の一言ですからね。

 どう考えたってアメリカは韓国の……というか、ムン・ジェインの意向に対して不満を持っている状況。開城工業団地、金剛山観光事業の再開については検討の余地もないと考えているのは間違いありません。
 事前協議すらできないレベルで。
 それでも……僕らのムン・ジェインはやってしまうのだろうなぁ。

日英が共同して北朝鮮の瀬取りを阻止 → 英国防大臣「非核化が達成されるまで制裁は維持されるだろう」

北の「瀬取り」、日英連携で初確認…国連に通報(読売新聞)
Royal Navy vessel identifies evasion of North Korea sanctions(イギリス政府サイト・英語)
 外務省は6日、北朝鮮が東シナ海で3月に行った洋上で積み荷を移し替える密輸取引「瀬取り」行為を、海上自衛隊が英海軍と連携して発見したと発表した。瀬取りの摘発で日英が連携するのは初めてだ。

 外務省と英国防省によると、海上自衛隊の補給艦「おうみ」と英海軍のフリゲート艦「モントローズ」が3月2日、東シナ海の公海上で、北朝鮮籍のタンカーと船籍不明小型船による瀬取りと疑われる行為を連携して確認した。両政府は、国連安全保障理事会制裁決議違反にあたるとして、国連に通報した。
(引用ここまで)

 イギリス海軍のフリゲート艦HMSモントローズが日本海で瀬取りをキャッチ。3月2日のことだそうです。
 片方が北朝鮮籍のタンカーであることは確認されているそうです。
 これが発表されたのが昨日のこと。
 イギリス政府のサイトには「制裁回避(の瀬取り行為)で北朝鮮は核兵器開発に資金を注ぎこむことができるようになる」「CVIDが達成されるまで制裁は維持されるでしょう」というイギリス国防大臣ギャビン・ウィリアムソンの言葉が掲載されていますね。
 「北朝鮮の制裁維持こそが国際社会の同意事項だ」ということを大きく報じた、というわけです。
 日英、そしてもちろんアメリカも含めての共同戦線の絆の強さを見せている、というのは間違いないでしょう。
 米韓首脳会談まで1週間というこの時期に。

 で、トランプ大統領は昨日、「北朝鮮のキム・ジョンウン委員長とはいい関係を保っている」と発言したとのこと。

トランプ大統領「金委員長とは良い関係…ただし正しい合意なければ」(中央日報)
この日の演説でイラン政府が核開発の野心を表わしているとして強く糾弾したトランプ大統領は北朝鮮に向けては融和的なメッセージを出した。

彼は「われわれは北朝鮮とうまくやっている。どうなるか見てみよう。だがわれわれは良い関係を結んでいる。私は金正恩委員長ととても良い関係を持っている」と繰り返し強調した。

その上で「私が就任した時、彼らはロケットと核爆発をし、多くのことが起きていた」とし、米朝対話局面が作られてから北朝鮮が核・ミサイル試験をしていない点を強調した。

続けてトランプ大統領は2月末にハノイで開かれた2度目の米朝首脳会談決裂について短く説明した後、非核化交渉を通じて「正しい合意」が出てこなければならないと主張した。
(引用ここまで)

 英語圏のニュースだとほとんどイスラエルとの関係性にしか言及していないですね。RJCがユダヤ人連合会であるということもあって。
 ほとんどが「キム・ジョンウンとの関係性にも言及した」というていど。
 この中で注目点は「正しい合意」でしょうね。
 それもこれもが米韓首脳会談への布石であると考えるのは誤りでしょうが「アメリカの基本的な考えかた」をすくい取ることができるのは間違いないところ。

 こんな状況の中、訪米して本当に「開城工業団地の再開は制裁の範囲外に置いてくれ」なんて話ができるんでしょうかね?
 ……まあ、するんだろうけども。
 先行している事務会談ではこの辺は折衝の話題としては出ておらず、「首脳会談での議題だ」って話が出ているくらいなので。
 どんな勝算があるのやら。

ムン・ジェイン政権、北朝鮮の機嫌を損ねないために脱北者を見殺しにする……

【社説】北朝鮮の顔色をうかがい脱北者を見殺しにした韓国外交部(朝鮮日報)
 韓国に向かっていた3人の脱北者が今月1日にベトナムで身柄を拘束され、中国に追放された。このままでは北朝鮮に強制送還される可能性が高いだろう。彼らを手引きした北朝鮮人権団体は韓国政府に支援を要請したが、韓国外交部(省に相当、以下同じ)は「待て」というだけで、結局3人が中国に追放されるのを阻止しなかったという。この北朝鮮人権団体によると、3人を逮捕したベトナム軍の指揮官は「(3人は)自分たちは韓国人と主張しているので、身元を保証する人物から電話さえあれば、韓国に送る」と言っていたそうだ。

 この人権団体の関係者は「外交部にベトナム軍指揮官の携帯電話の番号まで伝えたが、外交部は何もしなかった」と主張している。これに対して外交部は「指揮官に電話したのか」との質問に「細かく説明するのは難しい」としか回答しなかった。会見では同じような質問が相次いだが、外交部は「駐在国当局に働き掛けた」との説明を繰り返すばかりだ。脱北者の逮捕から追放までは36時間あった。その間に外交部がベトナム軍の指揮官に「確かに韓国人だ」と電話で一言伝えていれば、彼らの運命は完全に変わっていたはずだ。 (中略)

 このように地獄から逃げ出してきた脱北者からの支援要請に韓国の大使館などが顔を背けるケースは過去にも何度かあった。その理由は言うまでもない。韓国政府が北朝鮮の顔色をうかがっているため、外交官も北朝鮮と政府の顔色をうかがってしまうからだ。彼らには脱北者の人権や生命よりも北朝鮮との「平和ショー」、あるいは自分の出世や昇進の方が重要だ。 (中略)

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は脱北者だった朝鮮日報の記者に南北関連行事の取材を認めず、また北朝鮮人権団体への支援もストップした。その結果、米国務省が先月公表した人権報告書の中で「韓国政府は脱北者団体を抑圧している」と指摘されるに至った。北朝鮮は2015年に「違法越境罪」の量刑をこれまでの労働鍛錬刑1年から5年に変更した。韓国に向かった脱北者に対しては「祖国反逆罪」を適用し、最高で死刑とするケースもある。北朝鮮住民も韓国政府が変わったという事実を知っているが、それでもあえて脱北するのは北朝鮮での生活がそれほど苦しいからだ。このように必至に助けを求める彼らから顔を背ける人間たちは、韓国国内では今も民主や人権がどうこうと平気で口にしている。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインは就任からこれまで脱北者との会合を持ったことが一度もありません
 高位脱北者である元駐英公使のテ・ヨンホ氏は平昌冬季オリンピック中、活動の自粛を求められていましたし、その後には政府系シンクタンクから辞職させられました。もちろん、テ・ヨンホ本人は「自ら辞めた」と言っていますが、それを信じる人はいないでしょうね。
 FOXニュースとのインタビューでは「あなたはメディアや脱北者を弾圧しているといわれています」と問われるほどです。なお、ムン・ジェインは「いまがもっともメディアにとって自由を謳歌できている時です」って答えただけで脱北者については無言でした。

 ムン・ジェインにとっては「北朝鮮の現体制を否定する材料」である脱北者なんてものは邪魔でしかないのですよ。
 そんな大統領を国家元首に抱いているのですから、当然のように下部構造である官僚や公務員も同じように脱北者をないがしろにする。
 記事のタイトルは「北朝鮮の顔色を伺う外交部」となっていますが、実際には違う。
 北朝鮮の顔色を伺うムン・ジェイン政権の顔色を伺う官僚と公務員、なのです。
 ホロンの構造ですね。もはや韓国政府のどこをとっても脱北者が頼れる場所はないのです。
 ムン・ジェインの意向に従わなければ「積弊勢力」と糾弾される。「積弊勢力」と認定されればキャリアが終わるので誰もが従う。
 ちなみに「積弊清算」がもっとも激しく行われたのが外交部。そしてその外交部の現在の体たらくを見ればムン・ジェイン政権の実力というものが如実に分かるというものでしょう。

 ムン・ジェインはリベラルであるとされているけれども、その実はまったく異なっているという部分のひとつでもありますね。所得主導成長も社会的弱者を救うような経済政策であると見せかけていますが、その実態は低所得者を見殺しにするもの。大きな政府を標榜しているのはリベラル的ではありますけどね。
 脱北者の受け入れについても同様。
 自分のポリシーに従っているだけで、かつそれを柔軟に変更することもできない。これについてちょっと書きたいのだけどもなー。

韓国政府、いまだに「歴史問題と経済は別!」と叫び続ける模様……もう通用しないんだって……

未来志向の対日関係強調=歴史問題と分離-韓国高官(時事通信)
韓国大統領府の盧英敏秘書室長は4日、国会運営委員会での答弁で、悪化している対日関係について、「歴史問題のために未来志向的な関係が損なわれてはならない」と強調した。
 盧氏は「両国間の不幸な歴史問題の賢明な解決を模索する一方、経済や社会、文化、人的交流などすべての分野での協力を積極的に進めていく立場だ」と述べ、歴史問題とその他の分野を分けて対応する「ツートラック(2路線)」政策を説明した。
(引用ここまで)

 大統領府秘書室長は、韓国の権力序列ではナンバー2といえます。
 大統領になにかあったときに権限が移行されるのは首相ですが、実際の権力としては秘書室長のほうが上なのですね。
 ムン・ジェイン自身もノ・ムヒョン政権時代には秘書室長として権力を振るっていました。

 さて、現在の日韓関係でもっとも対応が必要なものといえば徴用工裁判。
 判決が出てから5ヶ月ちょっと。
 去年の11月に首相であるイ・ナギョンが対応タスクフォースを作ってから丸々5ヶ月。
 韓国からなんの動きもありません。まあ、水面下ではあるのかもしれませんが。

 ムン・ジェインが語るのはせいぜいが「韓国政府は司法の決定に介入できない」というコメントていど。公開ではない場所では「日本企業の問題であって、韓国政府が介入してはならない」「日本の内政干渉を許すな」なんてコメントもあったとのこと。
 とまあ、自分は言うだけ言っておいて対応はイ・ナギョンに丸投げ。
 そして自分はAPEC、ASEAN+3、G20と連続していた日韓首脳会談の機会から逃避しまくり。

 その権力の大きさから「皇帝のよう」ともいわれる大統領が逃げ回っている以上、その下の閣僚がまともな方策を出せるわけがないのですよね。
 で、挙げ句の果てにナンバー2からも「未来志向での日韓関係を」「政治と経済は別で」とか言わせる。
 韓国政府がいうところの政経分離とか、ツートラック外交とかが通用するとしたら、両国がその利点で一致した場合だけなのですよ。たとえば日中は「まあ、外交的にはいろいろあるけど棚上げしておいて、経済的利益が得られる部分は尊重しておこう」ということがとりあえずはできている。
 もはや韓国とはそれが難しい状況になりつつあるのに、なにを寝言なら寝ていえって言われておしまい。

 いやぁ正直なところ、ここまでなにもできないとは思っていませんでしたわ。
 楽韓Webでは11月の時点で「韓国政府は判決に対しての対応が遅い!」とか書いていましたが、「対応が遅い」って思うということは「なんらかの対応ができる」と考えているからこそなのですよね。
 これまでの経済政策や、それに起因した出来事への対応を見れば、なにもできない政府であるということを理解できていてもよさそうなもんですけどね。
 さすがに、ここまでなにもできないとは……。

 今度こそ日韓首脳会談があるだろうとされている6月末の大阪G20サミットまであと三ヶ月弱。
 ムン・ジェインはなにかを持ってくることができるのか。ちょっと楽しみではあるのですけどね。

楽韓さん、本日の動向 - 移転の準備はそれほどいらないものの……

 花見に行ってきたのですが、その話はまた後日。
 移転したらコメントのNGワードとかも引き継がないとダメなのか……。コピペ貼りつける連中にはなに言っても意味がないからなぁ。
 ま、地味にやっていくしかないか。

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 対象タイトルの中ではウイルスは生きている世界史を変えた薬が既読。
 タイムスリップものでも抗生物質がない時代とかおそろしくて行けないよなーというような話を友人とした覚えが。

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2013/2/21