相互RSS募集中です

2019年04月

韓国野党が「ムン・ジェイン政権はミサイルをミサイルであると呼ぶこともできないのか!」と大攻勢……発射40分後の「飛翔体」への修正はなぜ行われた?

韓国党「ムン政権、ミサイルをミサイルとは呼ばず……ホン・ギルトン政権」(中央日報)
自由韓国党が北朝鮮の短距離発射体発射のニュースに政府の対北朝鮮政策を一斉に非難し集中攻撃に出た。

特に韓国党は合同参謀本部が当初、北朝鮮が短距離「ミサイル」を発射したと発表したが、40分後に「発射体」に訂正された点については、政府が北朝鮮の挑発脅威を縮小したのではないかと問いただした。

ファン・ギョアン韓国党代表は休日である5日、国会で開かれた北朝鮮の核外交安保特別委員会の緊急会議に出席し「政府の発表訂正過程を徹底的に追跡してほしい」とし「もし政治的要因によるものであれば、その責任を必ず問わなければならない」と強調した。また「子どもがパチンコを撃ったわけでもないのに、どうして軍から発射体という言葉を使用したというのだ」とも述べた。 (中略)

韓国党はこの日、論評を通じて「ミサイルをミサイルと呼ぶことができず違反を違反ともできないムン政権はホン・ギルトン政権か」と皮肉った。

キム・ヒョナ韓国党院内スポークスマンは、「国防部は、北朝鮮が東海上に発射したことをミサイルではなく、発射体に変更思うよ朝鮮中央通信が写真まで公開して戦術誘導兵器と明らかにする、またまた新型戦術誘導兵器と訂正を発表した」とし「情報力不足の無能でなければ、国民を欺く欺瞞としか見ることができない」と批判した。
(引用ここまで)

 「ホン・ギルトン」というのはハングルではじめて書かれた小説とされてきた童話です。最近になって、もうちょっと古いハングルによる小説があるようだ、というように判明しています。
 ただ、それでもこのホン・ギルトンの物語はちょうど日本の昔話のようなもので、南北を問わずに朝鮮半島に住むものなら正式に学んでいなくともなんとなく物語の筋を知っている、というようなものになっています。
 で、この場合の「ホン・ギルトン政権」という使われかたをちょっと解説しておきましょう。
 物語中のホン・ギルトンの母親は出自が悪く(侍婢=奴婢)、息子であるはずのホン・ギルトンは父親を父として呼ぶことを禁じられてきたという背景があります。
 で、「実際はそうであるのに、そう呼ばせてもらえない状況」をして「ホン・ギルトン状態」みたいな使いかたをしているのでしょうね。
 この使いかたが一般的かどうかまでは分かりません。

 さて、昨日の「飛翔体発射」についてやはり韓国では蜂の巣をつついたかのような騒ぎになっています。
 特にこの「発射直後はミサイルとしていたのに、40分後に『飛翔体』としたのはなぜだ」ということが俎上に上げられてますね。
 大統領府から圧力があったのではないか、ともされています。

 また、与党共に民主党からはスポークスマンによって「ミサイルではなかったので、この発射は安保理決議違反ではない」ときっぱり声明が出ているのです。
 今日になってミサイルだということになり、「じゃあ、安保理決議違反なんだな」と追いこまれているっていう。

 イスカンデルは発射後にコントロールが行われて比較的低空を飛行するタイプのものということで、単純な弾道飛行をしていなかった……ということであれば「弾道ミサイルである」という判断が遅れてもしかたがないのかなぁ……とは思います。
 ただ、ひとつ前のエントリに書いた、北朝鮮側の画像公表後に発表された今日の国防部による分析でもいまだに「弾道ミサイルである」と触れていないのは大統領府からの圧力があったのだろうな、とは予想されます。
 どっちにしても極めて素性の悪い話ですね。

 これまでムン・ジェイン政権では無条件な北朝鮮擁護方針を徹底してきたからこそ、こうなってしまったということなのでしょうけども。
 これまで「北朝鮮は充分な非核化を行ってきた」と主張してきたムン・ジェイン政権にとっても、試練の時を迎えることとなってしまいましたね。

北朝鮮による短距離弾道ミサイル発射によって非核化問題は新しい展開を迎えることに……韓国はミサイルを無視、アメリカの反応は?

北朝鮮、新型弾道ミサイル発射か=4日の訓練、金正恩氏立ち会い(時事通信)
 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は5日、軍部隊の火力打撃(砲撃)訓練が4日、日本海沿いで行われ、金正恩朝鮮労働党委員長が立ち会ったと報じた。専門家の分析によると、朝鮮中央通信が配信した写真には、新型の短距離弾道ミサイルとみられる兵器の発射場面も含まれている。
 北朝鮮は4日、東岸の元山付近から飛翔(ひしょう)体数発を発射しており、訓練の報道はこれを指すとみられる。朝鮮中央通信は大口径長距離放射砲(多連装ロケット砲)や戦術誘導兵器の運用能力の点検などが訓練の目的と説明しているが、弾道ミサイル発射なら、国連安保理決議違反となる。
 米国の大量破壊兵器専門家ジェフリー・ルイス氏は取材に、「ロシア製短距離弾道ミサイル『イスカンデル』に酷似したミサイルを発射したようだ」と指摘。「北朝鮮は固体燃料型の弾道ミサイル製造施設を拡充している。今回発射されたミサイルは北朝鮮の新世代の固体燃料型ミサイルを代表している」と説明した。
(引用ここまで)

 今日最初のエントリに追記でよいかとも思ったのですが、割と大事になりそうなので新しいエントリにしてみましょう。
 今朝の北朝鮮の公式声明で多連装ロケット砲と戦術誘導兵器であることは判明していました。
 アメリカの発表では発射された弾数は9発。かつ、飛翔距離が200kmほどだったということから多連装ロケット砲は8連装のKNー09による300ミリロケット弾であろうと思われました。それにもう一発の誘導兵器ということでシルクワーム系のなにかかなと思っていたのです。

 ところがあに図らんや。
 続いて発表された画像によって、発射されたのはロシアのイスカンデルをコピーしたものであると判明しました。
 軍事ブロガーのJSF氏の記事が分かりやすいかな。


 イスカンデルは移動式装輪車に2発まで搭載でき、固定燃料を使用しているために展開から発射までのラグタイムが短いという特徴を持ちます。
 かつ、射程距離は400km。核弾頭を搭載できる短距離弾道ミサイル(CRBM)です。

 射程距離400km(以上)ということはDMZ付近から発射すれば韓国のほぼすべてが射程に収まります。
 例外は全羅南道の南端と済州島くらいなもの。
 ちなみに同じくイスカンデルをコピーした玄武2Bを韓国陸軍が配備していますね。

 で、なぜこのイスカンデルであることで、韓国ウォッチャーや軍事クラスタがざわざわしているのか。
 それは核兵器運搬能力のあるミサイル等(衛星打ち上げロケットを含む)の発射を禁じた国連安保理決議に違反するからです。
 もちろん、南北朝鮮がお互いに陸海空の敵対行為を禁じた2018年のピョンヤン宣言にも違反します。
 ムン・ジェイン曰く「南北独自の実質的な終戦宣言」でしたが……。

 今朝書いたようにKN-09から発射される300ミリロケット弾であればぎりぎり国連安保理決議違反は回避できていたとは思うのですよ。
 少なくとも「核弾頭運搬能力」はありませんから。
 ですが、この北朝鮮版イスカンデルは完全にアウト。フォローのしようがないレベルでアウト。
 ちなみに韓国国防部が分析結果を発表していますが、イスカンデルについては一切触れていません。

弾道ミサイル説に触れず=北朝鮮の飛翔体で韓国国防省(時事通信)

 大統領府から発表で触れるなと命じられたのだろうなぁ。

 ここまでの数ヶ月、北朝鮮核問題は米朝が対話しながらも事態が一切進まないという停滞期でした。
 完全に新たな章の幕開けを迎えたといえます。
 正直、ここで弾道ミサイルを発射した北朝鮮の意図が分かりません。イランとの二正面作戦はないと踏んだのか。
 逆にボルトン補佐官あたりはご機嫌でタップダンス踏んでてもおかしくないくらいの事態です。
 この後の展開の鍵はアメリカが持っています。アメリカの反応待ち……ですね。

どのくらい展開が変わったかというとガンダムUCでUNICORNが流れはじめたくらいには変わってます。
機動戦士ガンダムUC オリジナル・サウンドトラック
ビデオ・サントラ
ミュージックレイン
2010/3/10

韓国経済:「ムン・ジェインの政権発足の2年間で生活が苦しくなった」という韓国人 → 58.9%……それでもムン・ジェインは所得主導成長をやめないっ

【社説】発足2年で国民を生活苦に追い込んだ文在寅政権(朝鮮日報)
 朝鮮日報と韓国経済研究院による世論調査で、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、生活が苦しくなったと感じている人が58.9%に達した。1年前の調査時点(28.8%)の2倍だ。1年後に暮らしがさらに苦しくなるという悲観論も昨年の25.4%から今年は48.8%に増えた。特に自営業者は82%が文政権の発足後、生活状況が悪化したと答えた。「国民の全生涯に責任を負う」という政府がむしろ国民の生計を苦しくさせた格好だ。

 所得主導成長政策が弱者の財布を補うどころか、貧しさを増幅させるという皮肉は過去2年間一貫している。最貧層の所得が急速に減り、貧富の差が最悪にまで拡大。所得下位20%の半分以上が仕事のない無職に転落した。生活苦に追われる市民が保険を解約したため、保険解約返戻金が1年間で2兆ウォン近く増えた。正規の金融機関を利用できず、貸金業者から借金をした人は昨年、412万人を超えた。貧しい人ほど暮らしが苦しくなる現象が起きている。

 庶民経済は崩壊しつつある。昨年廃業した自営業者は100万人を超え、自営業の金融負債は文政権発足後に14%増えた。1世帯当たりの実質消費支出は1年間で2.2%減少した。家計の支出余力が低下したことを示しており、所得よりもはるかに急速に税金や社会保障費の負担が増えたためだ。昨年10-12月は前年同期に比べ、税負担が29%、社会保障費負担が12%増えた。
(引用ここまで)

Q)ムン・ジェイン政権発足後、生活が苦しくなった。

  1年経過   2年経過
        28.8%    58.9%

Q)1年後、さらに生活は苦しくなる。
  1年経過   2年経過
   25.4%     48.8%

 ムン・ジェインによる庶民殲滅政策は順調に動作している、ということですかね。
 もちろん、保守紙である朝鮮日報による調査なので、数字そのものは多少割り引いてみる必要があるとは思いますが。
 それでも同じ設問でそれぞれの数字が2倍に増えているという点は見逃せませんね。

 日本の世論調査でも同じなのですが、単発の調査よりも継続した調査における数字の上下を見たほうが統計の本質を捉えることができます。
 読売新聞系列と朝日新聞系列による世論調査や内閣支持率を比べた時に当然ではありますが、数字のぶれが出てきます。ただ、数字のぶれ自体は設問によって引き起こされている場合が多いのでそれほど問題ではありません。
 特に内閣支持率は毎月調査されているものなので、上下を見ることが大事になってきます。
 今回の朝鮮日報による調査もそれと同様で。

 ここ2年で生活が苦しくなったと実感している韓国人が2倍に増え、来年に向けて苦しくなるだろうと思っている韓国人も同様に2倍増えた。
 最初に「最低賃金を2020年までに1万ウォンに引き上げる所得主導成長こそがムン・ジェイン政権による経済政策の要だ」と宣言した時から、あるていど経済に明るい人間から見たら「確実に失業者が増えて最下層にしわ寄せが行くぞ」ってことは分かっていたのですよ。
 パイ全体の大きさが変わっていないのに、1人が取るパイの大きさを大きくしたらパイそのものを取れなくなる人間が増えて当然。
 そして2020年に1万ウォンにするという目標こそ取り下げたものの、基本方針は変わっていません。
 2年間の政権担当期間中に2回のマイナス成長を記録するなど明らかに経済構造に問題を及ぼしているにも関わらず、「韓国経済の基礎体力は高い」と豪語してくれていますからね。

 今年の7月上旬までには来年の最低賃金が決まります。
 去年の引き上げ率と同程度(10.9%)であるとするなら9200ウォン前後。2017年の6470ウォンからは実に1.4倍以上のジャンプアップ。
 いやぁ、夢のような話ですね。雇用が続く人にとっては。

今朝買ってちらと読んでみましたが、出だしから引きこまれます。
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。
ヤニス・バルファキス
ダイヤモンド社
2019/3/6

昨日の「飛翔体」発射はロケット砲の訓練と北朝鮮が発表。アメリカにとっては微妙な内容となる模様

金正恩氏 ロケット砲など訓練を指導=北朝鮮メディア(聯合ニュース)
北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が4日に実施された火力打撃(攻撃)訓練を指導したと報じた。

 訓練では大口径長距離放射砲(多連装ロケット砲)や戦術誘導兵器の運用能力などを点検。金委員長は「強力な力により真の平和と安全が保障される」ことを肝に銘じるよう強調した。
(引用ここまで)

 北朝鮮が公式に「多連装ロケット砲の運用能力を点検するための訓練を行った」とアナウンス。
 というわけで、昨日の「飛翔体発射」はKN-09の訓練であったことは確定しました。
 んで、昨日はKN-09を12連装と書いてしまっていたのですが、8連装の誤りでした。思い込みで書くのよくない。
 ですが、アメリカ側は「発射されたのは9発」と発表しています。もう1発はなんだろう。北朝鮮の発表ではロケット砲以外にも「戦術誘導兵器」ともあるから短距離ミサイルを混ぜたということ?

北朝鮮が“飛翔体”9発 「ロケット砲か巡航ミサイル」(FNNプライム)

 昨日も書きましたが、KN-09によって発射される300ミリロケット弾の射程距離は最大200km。日本にとっては影響のないもの。
 それでも韓国、及び在韓米軍を狙うには充分な射程距離を持つものでかなりの脅威となり得ます。
 「弾道ミサイル」の発射を禁止した国連安保理決議に引っかからないギリギリのレベルで挑発をしてみた……というところなのでしょう。

 と書いていたところ、ちょっと面白い話を見つけてしまいまして。
 軍事ブロガーのJSF氏によると、去年からアメリカはKN-09を短距離弾道ミサイルとして分類しているという記事があるとのこと。



 これはつまり、在韓米軍に害を為す兵器であるということでそう認定した……ということなのでしょう。
 ロケット砲は誘導できないから「弾道ミサイル」とするのは無理筋だと思うけどなー。
 現在のところ、トランプ大統領からは「(北朝鮮の動向を)注視する」というコメントのみが出されています。