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2019年04月

徴用工裁判:日本政府が韓国に「仲裁委」開催を要請。ここからどのような経緯を経るのか、解説しましょう

韓国に「仲裁委」開催を要請 政府、元徴用工問題で (日経新聞)
政府は20日、韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟をめぐり、第三国の委員を含む仲裁委員会の開催を韓国政府に要請した。韓国が政府間協議に応じていないため、日韓請求権協定に基づいて仲裁委で決着を目指すことにした。

外務省が発表した。仲裁委を求める理由として「日本政府として協定に基づく協議によって本件を解決することができなかったものと判断した」としている。政府は1月、韓国の裁判所が日本製鉄(旧新日鉄住金)の資産差し押さえを認めたことを受け、日韓請求権協定に基づいて協議を求めた。韓国側は「綿密に検討している」と回答しただけだった。 (中略)

1965年の日韓請求権協定は協定にかかわる紛争について2国間協議で解決するとしている。協議で解決できない場合には仲裁委員会を設置する。仲裁委は日韓と第三国の委員、あるいは日韓以外の3カ国が選ぶ3人の委員で構成する。
(引用ここまで)

 徴用工裁判の判決が出る前に書いた、「今後どうなるのか」という過程をそのまま通過していますね。
 このエントリでは「協議を韓国側から持ち出す」というように想定していますが、さすがにここまでリアクションゼロとは思っていなかったのですよね。
 で、仲裁委員会ですが、先のエントリで書いたように決まりません。絶対に決まりません。
 第三国をどこにするか。
 そして指名する委員を誰にするのか。
 日本側の委員は誰なのか。韓国側の委員は誰なのか。
 それぞれに紛糾してなにも決まらずにお流れになるでしょう。

 手順としてはまず30日以内に日韓が1名ずつの仲裁委員を決める。
 次にさらに30日以内に仲裁委員同士が第3の仲裁委員を決定する。
 その3人によって構成される委員会が問題を解決し、締結国(日韓)はその解決策に服する義務がある……と。
 すでに韓国大使を通じて通達が行われたので、今日から30日以内が第一の期限となります。

外務次官が駐日韓国大使に仲裁委協議要請(産経新聞)

   正直、G20よりも前にやってくるとは思わなかったなぁ。ムン・ジェインに圧力をかけるという意味もあるのでしょうね。

 仲裁委員が決められなかった場合、この場合であれば韓国側が委員を出さなかった場合には第三国に3人の委員を選定するよう依頼する、となっています。
 これまで仲裁委員会どころか、協議にすら行ったことがありませんでしたので前代未聞。
 ま、どちらにせよ韓国は委員を出してくるとも思えませんし、たとえ仲裁委員会を構成できてなんらかの決定があってもそれに従わないでしょう。

 となるとようやく国際司法裁判所への付託となるわけですが。
 これも韓国側には応じる義務がないのでスルーされるでしょう。
 ここでようやく対抗措置発動となるのです。
 いや長かった。
 そんな手順が必要になるのかって?
 必要だからやっているのですよ。

 韓国側は確実に「これは人権問題であって基本条約云々の問題からは外れている」という話をしてくる。間違いなくしてくる。
 それに対して一足飛びに「じゃあ対抗措置」なんて日本側がやっても国際的に理解が得られない。ここで対抗措置を発動して、ICJに持っていかれたら心証がどうなるか分からない。
 単純な条約の解釈だけでなく、政治部分に大きく踏み込んでくるであろうことはWTOの上級審を見ても分かるでしょう。
 あれをもう一度やられるわけにはいかないのですよ。
   手順を一歩一歩踏むしかないのです。
 まあ、ICJへの付託も無視することになると思うので、国連の認めている対抗措置として日本国内にある韓国政府の財産を差し押さえることになるでしょうけどね。

 まあとりあえずは30日後を楽しみにするとしましょう。

韓国大統領府からまたも「経済は希望的に変化している」との宣言……ああ、5カ年計画のように「そういう設定」になったのですね。

最悪の就職難なのに…今度は雇用首席が「青年就業・失業率は改善」 (朝鮮日報)
 韓国大統領府(青瓦台)の鄭泰浩(チョン・テホ)雇用首席秘書官は19日「経済・雇用状況が希望的かつ画期的に変化している」として「雇用増加のための政策の成果が出てきている」と述べた。

 鄭首席は同日、経済・雇用状況に関するブリーフィングで「各種の統計を総合すると、雇用状況は昨年より改善しており、困難ではあるが希望的」だとして、その背景に政策の成果があると述べた。さらに「補正予算案が(国会で)可決されれば雇用改善にとって大きな支えになるだろう」と述べた。

 鄭首席は「昨年の就業者の増加数は約9万7000人だったが、今年に入って就業者の増加数は2月が約26万人、3月が25万人、4月が17万人だ。昨年と比べると画期的な変化」だと述べた。しかし、就業者数増加の大部分が、税金によって生み出された60代以上の高齢者の短期雇用(30万人台の増加)という点には言及しなかった。経済の要である40-50代の雇用と製造業の雇用など民間の雇用は日に日に減少している。これについて青瓦台の幹部関係者は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が特別に青年向け対策を整備している。さまざまな政策を通じて問題の解決に向け努力している」と述べた。

 鄭首席は「雇用の質という面でも常用勤労者(契約期間が1年以上)の増加数が平均30万-40万人ほどで推移している。雇用保険の加入者数も毎月50万人以上を維持している」と述べた。さらに「もっとも困難な青年世代の就業者数・雇用率・失業率が改善している」とも述べた。

 しかし、青年層の体感失業率(求職活動をしても就職できないケースや、1週間の労働時間が少ない労働者を含めた失業者)は先月25.2%に達し、過去最悪の数値を記録している。鄭首席は経済状況に対する批判的な世論を意識したのか「自営業と製造業分野の就業者の増加数が減少し、全体の雇用環境が悪化している」と述べた。
(引用ここまで)

 それではここで韓国経済栄光の歴史を見てみましょう。

・9日 ムン・ジェイン「韓国経済は巨視的には大きく成功。認めて誇りに思うべき
・14日 ムン・ジェイン「韓国経済は成功に向かっている。統計と現場の温度差がある
・16日 大統領府関係者「マクロ経済でとてもしっかりとした状況に向かっている
・同日 ムン・ジェイン「職場に勤めている人々の所得と生活の質は明らかに改善された」

 チョン・テホ雇用首席秘書官「経済・雇用状況が希望的かつ画期的に変化している」「雇用増加のための政策の成果が出てきている」 ← NEW!!

 思えば、3月の末あたりからそんな話は出てました。
 「経済は堅調な流れ」にあり、「改善する様子が見られる」って言い出した頃から、もう韓国政府・大統領府はこの路線で行こうということに決定していたのでしょうね。
 「韓国経済は堅調」という設定になったのです。旧ソ連の経済五カ年計画のように。
 これはもう決定事項であって揺るがない事実。9日のムン・ジェイン大統領の言葉にあるように「このことを認め、誇りに思うべき」なのですよ。
 そうでない連中は反革命勢力。もしくは積弊勢力。

 実際の成長率とかどうでもいいのです。
 成長率がマイナス0.3%、設備投資がマイナス10.8%であっても関係ない。
 青年層拡張失業率が25%に到達していても関係ない。
 もう、そういうことに決定したのですから、その事実だけを認定しろと。
 「その通りです、同志」以外の返答は求められていない、というわけですね。

 とんだ時代錯誤だわ……。

いまさらですがソ連邦
速水螺旋人 / 津久田重吾
三才ブックス
2018/10/4

韓国経済:ムン・ジェイン「政府債務比率を40%の科学的根拠はなんだ?」と大規模な財政出動を予告……実は韓国政府の債務比率は残念なことに……

輸出依存の韓国、政府債務40%超えれば格付け低下の恐れ(朝鮮日報)
財政出動に前向きな文大統領「政府債務比率40%の科学的根拠は何か」(朝鮮日報)
朴槿恵政権の債務増を批判していた文大統領、なぜ立場を覆したのか(朝鮮日報)
 韓国政府はこれまで政府債務の対国内総生産(GDP)比を40%以内に管理してきた。今年の追加補正予算を編成しても、政府債務比率は39.5%に踏みとどまるとみられる。

 しかし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は16日、国家財政戦略会議で財政拡大を強調したことから、政府債務比率は来年には40%を超える見通しだ。(中略)

 経済協力開発機構(OECD)加盟国は、政府債務比率60%、財政赤字3%以内の維持を財政健全性の基準としている。(中略)韓国が先進国に比べ政府債務比率がはるかに低いものの、40%というラインの突破を特に懸念することには特別な事情がある。

 輸出に依存する韓国は財政健全性を徹底的に維持しなければ、国際的な信用を維持することができない。政府債務が急激に増加すれば、国家の信用格付け低下と対外信用度の低下につながる。信用格付け低下は経済危機へとつながる。さらに韓国ウォンはドルや円のように国際的に通用する通貨ではないため、有事の際に外貨を確保する上で困難を伴う。日本の政府債務比率が200%を超え、欧州主要国も100%を超えているが、これらの国々はドルの調達には問題がない。これに対し、韓国は金融不安が起きれば、たちまちドルを借り入れるのが難しくなる。1997年の通貨危機、2008年の世界的金融危機の際もそれが繰り返された。また、政府系企業の負債は全て政府が責任を持たなければならない。財政専門家は「政府系企業を含む韓国の政府債務は既に60%を軽く超えている」と指摘した。

 そうした懸念に追い打ちをかけるのは政府債務の増加ペースだ。2000-16年の政府債務の年平均増加率は11.6%で、OECD加盟国で4番目に速い。

 国会予算政策処によると、これは財政危機を経験したポルトガル(8.9%)、スペイン(7.0%)、ギリシャ(4.9%)を上回るペースだ。問題は少子高齢化が世界で最も急速に進んでいる点だ。人口が減少すれば税収が減り、高齢化で政府の福祉支出などは膨らむ。
(引用ここまで)
韓国政府はこれまで政府債務比率40%をマジノ線(最終防衛ライン)と見てきたが、これが崩れるということだ。だが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は16日に行われた国家財政戦略会議で、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部(省に相当)長官に「(政府債務比率を)40%とする根拠は何か」と財政出動を強調したことが分かった。
(引用ここまで)
文大統領は共に民主党代表だった2015年9月、朴槿恵(パク・クンヘ)政権の財政状況を批判し、「政府債務比率が防衛戦の40%ラインを超えた」とし、「セヌリ党政権8年、朴槿恵政権3年で国の財政が底をついた」と批判していた。政界からは「最低賃金引き上げ、労働時間短縮政策による副作用を税金で埋め合わせようとして、以前の立場が覆ったのではないか」との指摘が出ている。
(引用ここまで)

 金曜日のエントリでちらっと書いた「ファンダメンタルズについていうのであれば、韓国はまだまだ健全といえる」という話のリプライのような記事。
 政府債務は対GDP比で40%に至っていない。
 赤字国債を発行して財政出動するのであれば、情勢はそれを許すのではないかというのがムン・ジェインの考えですね。
 まあ、たかだか4年前にムン・ジェイン本人が国会で「40%を超えようとしている!」って糾弾していたのはなんだったんだって話になりますが。

 記事にもあるように韓国は1997年の通貨危機に対してトラウマともいえる畏怖を持っているのですよ。
 そのために国家債務を最小限度に減らすために小負担小福祉を貫き通してきたのです。今朝のエントリの自殺率が低くならない原因のひとつでもありますね。
 公的なセーフティネットをなにも用意せずにアメリカ並の弱肉強食の世界を作り出してきたのは、このトラウマが影響してきたのではないかと感じます。
 ただまあ、公企業の負債まで考えると6年前の時点で国家負債は1500兆ウォンを突破しているっていうのは黙っておくとして。
 去年、韓国電力が原発廃止政策を受けて史上最大の赤字を計上したことも黙っておくとして。

 ムン・ジェインは福祉を厚く充実させようとしているのは間違いありません。
 なので赤字国債もばんばん発行してみればいいんじゃないですかね。表面張力で膨らんだところに、最後の1滴でこぼれるまでは問題なく国家運営できるはずですから。
 ギリシャにできたことが韓国にできないわけがないですよ。
 アメリカに対して「終戦宣言も北朝鮮への制裁緩和も1度やってみて間違ったと思ったら引き返せばいい」って言っていたじゃないですか。
 同じように債務も増やしてみればいいのですよ。
 ムン・ジェイン、ファイティン!

お金というものは、どこからかぽんと魔法のように出てくるもの、ですからね。ギリシャの元財務相がいうのだから間違いない。
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。
ヤニス・バルファキス
ダイヤモンド社
2019/3/6

韓国の自殺率が極めて高い理由とは? 小負担小福祉で走り続けてきた結果……

韓国、自殺が15年連続OECD最多だが…予防予算はわずか年218億ウォン(中央日報)
韓国の自殺率は10万人あたり24.3人で、15連続でOECD最多。リトアニアが昨年5月にOECDに加入して韓国が2位になったが、事実上1位だ。

朱昇鎔(チュ・スンヨン)議員は「政府が5年以内に自殺率を半分に減らすという目標を立てたが、日本の2.5%ほどの予算でその目標を達成できるのか分からない。自殺予防予算を増やす必要がある」と指摘した。

テーマ発表をしたキム・ドンヒョン翰林大医大予防医学教室教授は「自殺は予防可能な疾患だ。韓国は高齢者の自殺が多いことを当然と考えるが、これは社会的な災難だ。毎年自殺による社会的支出は6兆5000億ウォン(約6000億円)にのぼる。がんによる社会的費用(14兆ウォン)に続いて2番目に多い。ところが、がん予防事業に保健分野予算の1.04%が投入され、自殺予防事業には0.05%だけが投入される。自殺予防に少なくとも予算の0.5%、現在の10倍以上が投入されなければいけない」と主張した。
(引用ここまで)

 「リトアニアが加入して2位になったが事実上1位だ」という記述の意味が分かりませんが、積極的にスルーしていきますよ。
 ちなみにトップ10を書いておきますか。OECDによってピックアップされている年度が異なっているので、正確な順位ではないですけどね。おおよその傾向として見てください。
 数字は10万人あたりの自殺者数。

1.リトアニア 26.7(2016)
2.韓国    25.8(2015)
3.スロバキア 18.1(2015)
4.ラトビア  18.1(2015)
5.日本    16.6(2015)
6.ハンガリー 16.2(2016)
7.ベルギー  15.8(2015)
8.エストニア 14.1(2015)
9.アメリカ  13.8(2015)
10.ポーランド 13.5(2015)

 バルト3国にはなにがあった……。
 OECD加盟国ではない世界での統計を見るとロシアがリトアニアと同レベル、ガイアナ共和国がそれに続く……という感じか。
 旧ソ連構成国は押し並べて高いからやっぱり経済だな、どう考えても。だいたいの物事はお金の流れで判断できるものです。すべてではないにしても。
 この数字を見ても「失業率4.4%」は怪しいよな、やっぱり。

 さて、最近も何度か書いていますが、韓国は徹底した小負担小福祉なのですよ。
 ムン・ジェイン政権になってからいろいろと増やしてはいますが、それでもまだまだ低い。

 年金についてちらっとまとめておきますか。ついでですし。
 65歳以上になってもらえる基礎年金が導入されたのは2014年(その前身である老齢基礎年金は2008年)から。
 その額も10万ウォン(老齢基礎年金)、20万ウォン(基礎年金・所得下位70%が対象)。
 ムン・ジェイン政権になってから25万ウォン、30万ウォンと引き上げられてきています。さらにこれを40万ウォンまで引き上げようとしているのですが、所詮は数万円単位。
 これに国民年金に規定の20年間、フルで加入していたとしても給付額は40万ウォン。しかも、国民年金がまともに動き始めたのは1999年からなので、フルで受給できるのは今年から。
 以前調べたところでは教師、公務員、職業軍人にはそれなりの年金制度が昔からあったのですが、韓国では現状の高齢者層の大半は年金をアテにはできない状況。
 これが小負担小福祉で突っ走ってきた国家の末路か。

 韓国の社会問題は2つ。いや、正確にいうなら3つなのですが。
 自殺率の高さと少子高齢化。
 要するに経済……というよりは雇用をなんとかしないことには改善されないことなのですが。
 まあ……ムン・ジェイン政権だからね。

楽韓さん、本日の動向 - 今年も日傘を買うのだが

 日傘は毎年更新したほうが紫外線遮蔽能力的によいという話を聞いてAmazonで買おうとしたのだけども……。
 中国のバイヤーが入っちゃっているジャンルだとAmazonでの買い物はもはや難しいな。Bluetoothヘッドフォンとかその最たるもので、最初から買うものが決まっている以外の状況では厳しいわ。
 国産の日傘も探したのだけどもさすがに1.5~2万円とかは出せない。4~5000円くらいであればよかったのだけど。まあ、無理なのかな。
 月内にはなにか買おう。買ったら報告予定。

 あとAmazonブランドの医薬品PHARMA CHOICEがクーポン配布中
 個人的には葛根湯は身体に張りを感じたくらいでもがぶがぶ飲んでよいと思っているので(体調に合うのであれば)、安く買えるのはありがたいところ。

【Amazon.co.jp 限定】【第2類医薬品】 PHARMA CHOICE 葛根湯 葛根湯エキス[顆粒]S 30包
PHARMA CHOICE(ファーマチョイス)
2018/5/23

今日のKindle日替わりセールからのピックアップこちら。先日亡くなられた希代の日本人数学者の自伝。買う。
記憶の切繪図
志村五郎
筑摩書房
2008/6/25