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2019年10月

安倍総理「韓国が日本企業の資産売却を実行することはないだろう」と発言……よーく大元の発言を見てみると?

安倍首相「韓国が日本企業の資産売却を実行することはないだろう」(中央日報)
日本の安倍晋三首相が9日発売の月刊誌「文芸春秋」とのインタビューで、強制徴用賠償判決をめぐる韓国内の日本企業の資産売却に対して、「売却などを実行するようなことはないと思う」と話した。

インタビューで安倍首相は韓日関係に対し、日本企業に賠償を命令した徴用工(強制徴用被害者)訴訟判決で韓国側が韓日請求権協定違反状態をそのまま放置していると批判し、国政を運営する政権として必ず守らなければならない基本は譲歩する考えはないと強調した。
(引用ここまで)

 安倍総理が「韓国が日本企業の資産売却を実行することはないだろう」と発言。
 うーん。中央日報での報道のしかたは若干、ニュアンスが違うかなぁ。

 いま出ている文藝春秋 12月号でインタビュー記事が掲載されていて、その中で資産売却について問われた際に「韓国側が『請求権協定を守っていく』と言われている以上、間違っても、日本企業の資産売却などを実行するようなことはないと思っています」と答えたものです。
 イ・ナギョン首相が訪日した際、額賀・河村両議員と会談した時に、そんな話をしていましたね。
 ただ、「日韓基本条約や日韓請求権協定と、徴用工裁判の大法院判決による賠償請求は矛盾しない」というのが韓国のスタンスではあるのでこんな言葉に実際には意味はないのですが。

 安倍総理の言葉について戻ると「別に韓国を信じている、信用している」というわけではなく。
 むしろ、この言葉は韓国に向けた圧力ですね。「まっとうな国家たるもの、国際法違反となるようなことをするわけないよな?」っていう。
 まあ、さすがに行政府の長が「韓国もムン・ジェイン政権信頼できないから、すでに対策はとってある」とも言えないでしょうよ。
 原則論に終始せざるをえないのはしょうがないところですかね。

今回も韓国ネタたっぷりです。
文藝春秋2019年12月号[雑誌]
藤原正彦 / 塩野七生 / 堂場瞬一他
文藝春秋
2019/11/9

韓国メディア「同盟国として日本が韓国よりも重視されようとしている、なぜだ?」→元アメリカ政府高官「対中国の戦略での貢献度が違いすぎるだろ……」

「対中圧力の貢献度で同盟国の序列変化、韓国よりも日本が米国にとって重要に」(朝鮮日報)
 米国の元政府高官らが「中国に対する圧力にいかに貢献するかによって(米国における)同盟国に対する序列の変化は避けられない」「(東アジアにおいて)韓国よりも日本の方がより重要になるだろう」と主張した。

 かつてホワイトハウスで大量破壊兵器調整官を務めたゲーリー・セイモア氏は8日(現地時間)、米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に出演し「(中国への圧力という)地域戦略に同盟国がどれだけ貢献しているかによって、米国の好感度や優先順位が変わるのは避けられない」と述べた。これは米国の対中国政策に同盟国はもっと貢献すべきと訴えた際に語られた。

 セイモア氏は「例えば日本は韓国よりも米国の反中国政策により積極的に参加する考えを示している」「中国を警戒するワシントンの政策立案者からすれば、韓国よりも日本の方がより重要な資産になるだろう」と説明した。
(引用ここまで)


 ハンチントン教授がその著書である文明の衝突で語ったように、日本は屹立した単独文明国家。
 その一方で中国の周辺国は中国文明国であって、将来的には収斂していくだろうというのが予測なのであまりありがたい話でもないのですが。
 そのおかげ(そのせい)もあって、ベトナムやインドと共に世界でもっとも早くに中国の危険性に気がついた国でもあります。
 まあ、いくつかの民族は気づいた時にはすでに「解放」されていたなんてこともありますが……。

 というわけでいち早くその包囲網を形成すべきであるという立場にあったわけです。
 安倍総理の唱えているインド太平洋ダイヤモンド安保構想は、それ以前の第1次安倍政権時代に提唱された「自由と繁栄の弧」構想を継承したものです。
 ちょっと前まで国家安保局長を務めていた谷内正太郎氏の立案だったとされています。
 平成18年にはじめて公にされたということですから15年弱ほどの歴史を持った構想となっているのですね。
 ざっくり言うといわゆる「自由と民主主義という価値観を共にする国家」と共に歩もう、という外交方針。
 これがアメリカにも伝わり、現在の自由で開かれたインド太平洋戦略になっているわけです。

 こういった日本の努力もあって地政学には遠いヨーロッパにもどうにかこうにか中国の危険性というものが伝わりはじめています。
 以前にも「去年の後半くらいから中国の恐ろしさというものがヨーロッパにも伝播しつつある」と書きましたが。
 フランス、イギリスといった西欧国が北朝鮮の瀬取りを理由に日本海、東シナ海へと艦船派遣を行っているのはそのあたりが大きな理由となっているのではないかと感じます。
 日本がファイブアイズに加盟するのではないかという話も同様ですね。

 その一方で韓国はインド太平洋戦略に対して、米韓首脳会談の共同声明で一度は賛意を示しておきながら翌日にそれを取り消すというポカをやらかしています。
 それ以前の三不の誓いもありました。
 アメリカと軍事同盟を組みながら、中国への配慮を常に怠らない国であるわけですね。
 そんな国と、インド太平洋戦略を提唱した国のどちらを重く見るのか、という話ですから。
 そりゃまあ、分かりきったことですよね。

 GSOMIA破棄についてアメリカが日本に対してほとんど言及せず、韓国にだけ「失望した」と言い続けているのはこういう部分があるから……なのですが。
 こういった視点が韓国からほぼ発信されていないのだよなあ。

まあ、一度は読んでおいて損はない書籍のひとつ。
文明の衝突 上 (集英社文庫)
サミュエル・ハンチントン
集英社
2017/8/22