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2020年02月

韓国でのドライブスルー方式のウイルス検査で「手袋を交換していない」とする件をチェックしてみた


 このようなTweetがありまして。
 当該映像がどれなのかは分かりませんが、このTweetをしているかたはかなり信頼に値する情報を書いているかたなので、そういった映像があったのだろうな……とは思うのですが。
 あ、ここでいうPPEは防護服のことです。

 VOAのTwitterでは韓国のドライブスルー検査の様子が掲載されていまして、手袋を変えているシーンが映っています。



 手袋を交換しているシーンは50秒くらいから。



 AFPのYouTube動画でも手袋を二重にしていて、上の簡易手袋を脱ごうとしているシーンがあります。脱ぐシーンそのものはありませんが。



 開始10秒前後くらい。

 いくらなんでも、いくら韓国でもさすがに手袋の交換をしていないっていうことはないんじゃないかなぁ……と思うのですが。
 ただ、こういったドライブスルーの検査場はすでに韓国にいくつもあるとのことです。主体は地方自治体なので、それぞれでやっていることは異なるでしょう。

 まあ、「そういうこともあるかもしれないなぁ」とは感じます。
 なにせ、これまでの韓国の医療状況を見ていますから。
 MERSの時はいうに及ばず。
 いまどき注射を使い回して肝炎を感染させている、なんてことが何度も起きるのが韓国の水準ではあるのですよ。
 医療関係者ですら手洗いの実践率が60-70%だった、なんてこともある国です。
 ただ、そうした状況だから、今回も「検体採取毎に手袋を交換していない」ってことがあるのかについては「それは分からない」としか言いようがないですね。
 当該の映像を楽韓さんは見ていないので。
 ただ、防護服が1日1着だとだいぶいやだなぁ……という感じではあります。コンタミ起きそう。

 んで喉粘膜と鼻粘膜をだいぶ優しくこすっていますが、コロナウイルスってこれで検出できるんでしょうかね?
 インフルエンザウイルスはかなり増殖が激しいのですが、それでも簡易検査の粘膜摂取はちょっとした拷問並にこすられます。
 それに比べてコロナウイルスは鼻や喉の粘膜ではそれほど増殖しておらず、ちゃんとした検体を取るのであれば下気道(気管・肺など)にチューブを差し込んで痰などを採取すべきではないかと。
 無症状の患者に対してあれで検出できるレベルの検体になるのかかなり疑問。

 それとこのドライブスルー方式で1人にかかる時間が15分に短縮されたってありますが、これはあくまでも検体採取だけの話。
 検体をラボに持っていてからが検査です。
 こうして山ほど検体が持ちこまれても、6時間かかるというPCR検査の時間が縮まるわけでもなければ、簡易検査キットがあるわけでもない。
 韓国では1日1万件以上の検査が行われているとの話ですが。
 あそこでやっているのって、ただの人海戦術ですからね。
 でもって感染者が見つかったら隔離して、軽症でも症状が出てれば入院させてベッドが埋まるってやっているんですから。
 そりゃ医療崩壊するわ。

大邱で「このままじゃ医療崩壊だ。重症者だけを入院させよう」という声が出る……いまさらトリアージにとりかかるのかよ

病床不足がもたらした悲劇…急がれる「重症者分類指針」(ハンギョレ)
韓国初の「完治後に再感染」…自宅隔離中にまた死亡(朝鮮日報)
コロナ19患者急増に病床不足... 「軽症患者施設の治療を考慮」(聯合ニュース・朝鮮語)
 大邱(テグ)で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数が急増し、検査で陽性反応の判定を受けたが病床がなく自宅で待機して入院を待っていた患者が27日に死亡した。COVID-19の検査を大幅に増やし、新規の患者が急増する可能性の高い状況だったにもかかわらず、保健当局が対策を講じなかったため起きた悲劇だ。医療専門家らは、患者の重症度によって病床を割り当て、比較的若くて軽症の感染者は自宅療養できるようにすべきだと提案する。

 この日の大邱市側の説明を総合すると、25日にCOVID-19の感染が確認された13人目の死亡者、Aさん(75・男)は病床がなくて自宅待機していた。しかし、同日午前6時に突然呼吸困難の症状を示し、嶺南大学病院へ移送されて心肺蘇生術を受けたが、午前9時に死亡した。彼は新天地大邱教会の信者で、保健当局の全数調査で陽性判定が出てから3日間にわたり自宅で待機していた。大邱市感染病管理支援団のキム・ジョンヨン副団長は「高齢で基礎疾患のある人は優先的に入院させるが、Aさんはあまり症状がなく、入院対象に含まれなかった」と述べた。

 しかし、チョン・ウンギョン中央防疫対策本部長は、「どの程度重症だったか調べなければならないが、高齢であり、基礎疾患を有していたため、優先的に入院措置が必要な状況だったと思われる」と述べた。中央と地方自治体との間で合意された判断基準が設けられていないことを示したわけだ。
(引用ここまで)

自宅隔離者の中から2人目の死亡者が出た。大邱市側が「27日午前、呼吸困難を訴えて大邱カトリック病院に緊急搬送され検査を受け、自宅隔離で結果を待っていた69歳の女性が28日に死亡した」と発表した。この前日、大邱市内でベッドに空きがなく自宅隔離になっていた74歳の男性が死亡している。大邱市だけでこの日、3人の死亡者が出て、韓国の死亡者は16人になった。
(引用ここまで)

新型コロナウイルス感染症(コロナ19)確定者の増加に病床不足の状況が悪化しつつ軽症患者を病院ではなく、独立した施設で治療しなければならないという指摘が相次いでいる。

1日の専門家たちは、症状がひどくない軽症の患者は、病院ではないが医療陣がいる施設に移し状態を観察し、症状がひどくなると、病院に運ばれなければならないと助言した。

感染確定が一日数百人ずつ発生する状況では、すべての感染者が病院に入院することができない。病床は重篤患者に割り当てて、軽症患者は家に隔離するより医療陣が体系的に管理することができる環境に移さなければならないというものである。
(引用ここまで)


 上ふたつの記事は昨日、一昨日のもの。
 危険性の高い患者なのに入院させず、死亡者が増えつつあるという状況。
 まるっきり現在の大邱にトリアージという概念がないことが分かります。
 そりゃまあ、医療崩壊一歩手前までくるわ。

 重症化する可能性がある患者に対して「ベッドがないから」という理由で自宅隔離。
 ハンギョレの記事では「高齢、かつ基礎疾患があるので入院措置が必要だった」と中央ではされており、大邱の現場では「あまり症状がない」ということで自宅隔離だった模様。
 一律の基準もないのか。
 朝鮮日報の記事も同様に呼吸困難を訴える肺炎症状が出ているのに自宅隔離。
 検査の結果待ちしているうちに死亡。

 今日の聯合ニュースでようやく「感染が確定している軽症患者は入院ではなく、どこかにまとめておいて重症化したら病院に持っていく」という優先順位のつけかたが提唱されている、というレベル。
 大邱の新天地教会の信者全員を検査するという決定をした際にはここまで増える、という覚悟がなかったのでしょうね。
 現状の韓国の方針は「感染確定+軽症でも症状が出ていれば入院」というもの。
 ひとつ前のエントリでもあるようにベッドが足りなくなっているので自宅隔離という選択肢も出ていますが、もうすでに医療崩壊の前兆が見えています。
 いまだに「トリアージ導入を」って言っているレベルじゃあ、何人かの医者がばたばた倒れてからじゃないと実際の動きはなにもない、ということなのでしょう。

新型コロナの激震地、大邱で医療崩壊中……無理矢理検査を増やして「患者」を急増させた結果がこれ

「病床いくら増やしてもひどい不足」……大邱では一日数百人ずつ感染確定(聯合ニュース・朝鮮語)
新型コロナウイルス感染症(コロナ19)確定患者急増に大邱地域病床不足の状況が改善される兆しを見せていない。

大邱では去る18日初確定患者が発生した後、一日数十人ずつ確定者増えていたが23日に148人増加したことを起点に急増し、25日から5日間に渡って数百人ずつ増えている。
啓明大東山病院は現在、240のベッドを感染確定者の治療に使用されているが、どんどん入ってくる患者を収容するのに途方に暮れる状況である。
コロナ19拠点病院の指定後、一日に少なくとも10人から数十人まで確定患者が入院するなど連日患者が殺到している。
病院側は300病床まで増やす方針だが、看護師などの医療スタッフの不足の解決策を見つけていない。

独自の人材200人余りが投入し、70人余りをサポート受けたが、疲労を訴える医療スタッフが少なくないことが分かった。
医師30人、24時間交代勤務をしコロナ19検査検体採取、確定患者の診療を担当している。
医師は毎日午前8時から午後8~9時まで休憩なしで患者の治療に邁進してみると、疲労蓄積を避ける難しいと述べた。
急な拠点病院指定であったため、医療スタッフの休憩スペースを設けることすら難しい。
看護師は病院内の葬儀場などでうとうとと寝て、患者の治療に加え、音圧病室隔離患者の食事配食まで務めているという。 (中略)

政府は来月1日まで病床1千600個を確保する計画である。
しかし、疑い患者など検体検査が拡大し、急増する確定患者数を病床数が追いつかず、入院待ち患者が増え続けている。
入院待機患者は、家族への二次感染の懸念だけでなく、治療受けられないまま解熱剤などを支給されて堪えるて状態が悪化する痛みを経験している。

同日現在、確定判定を受けても、自宅で入院待機中の大邱確定患者は1千304人に達している。 (中略)

イ・サンホ大邱市の社会コロナ19対策副本部長は、急増する確定患者を治療するために、政府と大邱市が対応方法を変えなければならないと主張した。

彼は「いくら病床を増やしても、今のように検査を多くすると確定者の増加面をたどることができない」とし「軽症の感染者が分離し、医師とマッチングさせ適切に管理することである」と述べた。
(引用ここまで)


 大邱で絶賛医療崩壊中。

 今日午前の発表で376人が感染確定。
 累計で3526人。
 うち、大邱での感染者数は新規で333人。累計で2569人。

 聯合ニュースはこんな動画をアップロードしています。
 タイベックでできた防護服、マスク、ゴーグルを着けたままで、ベンチでうたた寝する医療スタッフ。



 まあ、今日までで9万人も検査してるそうですし。
 ますます検査を増やすそうですから。特に患者の集中している大邱はこうなりますわな。
 陰圧病室なんてまったく足りていない。それどころか普通の病床すら足りていない。
 医者、看護師は連日の12時間労働。全国から募って大邱に向かわせているそうですが、そのせいで医者の休憩スペースを確保することもままならない。
 武漢で初期に起きたことのリプレイですね。
 まだ医療スタッフが大量に倒れるまでは行っていないようですが。

【記者手帳】韓国政府が送ったはずの防護服4万7000着、大邱では「見たことない」(朝鮮日報)

 政府からの支給品すら流通していない。政府と現地の温度差がすごいですね。
 基本、軽症でも入院方針とのことで。
 どう見てもトリアージができてないよなぁ……。軽症は「ただの風邪」ですから、病院でできることなんてなにもないのですけどね。
 軽症者の中でも既往症があるなり、高齢者であるなりで重症に転じる可能性が高いのであればともかく、それ以外だったら「飯食って暖かくして寝ろ」以上の対応が必要とも思えないのですが。
 韓国は新天地教会の会員20万人以上を全数検査するという修羅の道を行くそうなので。
 まあ、日本からは「せいぜいお気張りやす」ってえせ京都人風にエールを送ることくらいしかできませんね。

東日本大震災 石巻災害医療の全記録 「最大被災地」を医療崩壊から救った医師の7ヵ月 (ブルーバックス)
石井正
講談社
2012/2/20