相互RSS募集中です

2020年08月

韓国メディア「ボルトンは日本と結託して北朝鮮の非核化の意思を蔑ろにしたのだ!」……いや、そもそも非核化なんてするつもりなかったよね?

ボルトン-谷内の合意、核交渉を破局に追い込む(ハンギョレ)
 堅苦しく事務的な雰囲気で終わったと思われるチョン・ウィヨン-ボルトン会談とは異なり、ボルトン-谷内会談では、その後の朝米核交渉の方向性を事実上決定する「驚くべき化学作用」が発生した。谷内氏はボルトン氏に「核を持つという北朝鮮の決心は確定したものなので、この問題を平和的に解決しうる最後の機会に近づいている」とし、日本はブッシュ政権が2000年代半ばの6カ国協議で試みた「行動対行動」の解決策を望んでいないと述べた。「行動対行動」原則は一見合理的に見えるが、北朝鮮が意味ある措置を取る前に経済的利益を得ることを認めているため、肝心の非核化を「永遠に遅らせる」との理由からだった。谷内氏はさらに「トランプ政権下で直ちに(北朝鮮の核の)解体を開始し、(非核化に)2年以上かからないことを望んでいる」と述べた。するとボルトン氏は、自らが主導した2004~5年のリビアの非核化に言及し「6~9カ月あれば十分」と答えた。ボルトン氏は谷内氏が「返事の代わりに妙な笑みを残した」と書いている。ボルトン氏はこの会談について「東京の予測は韓国の予測と180度違い、簡単に言えば私と非常に似ている」と評した。ボルトン氏はトランプ大統領の深い信頼を得ている「安倍の日本」という友軍に出会ったのだ。

 1週間後には安倍首相が直接乗り出してきた。安倍首相は4月17~18日、フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」で「北朝鮮と合意を結ぶには、本当に実効性のある合意を結ばなければならない」と要求した。さらに北朝鮮に核だけでなく、あらゆる生物・化学兵器も放棄させねばならず、米国を攻撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)はもちろん、日本を脅かす中・短距離弾道ミサイルも放棄させるべきだと強調した。北朝鮮が事実上受け入れがたい「最大値の要求」をしたのだ。 (中略)

ボルトン氏の「強硬論」はその後、北朝鮮と直接交渉する国務省の「現実論」と対立し、浮き沈みすることになるが、結局ハノイでの2回目の首脳会談まで生き残り、核交渉を破局へと追い込むことになる。
(引用ここまで)


 ジョン・ボルトン前大統領特別補佐官の回顧録をハンギョレの記者が解体している、というような感じのコラム。
 あたかも日本とボルトンが結託して、アメリカ・韓国・北朝鮮を欺いたのだ……というような話になっているのですが。
 最大の問題は北朝鮮に非核化の意向があったかどうか、という話であるべきなのですけどね。

 韓国と日本・アメリカでは対北朝鮮交渉の目的が異なっていたのですよ。
 日本、アメリカはあくまでも非核化が優先……というより、目的そのもの。
 韓国にとってはは北朝鮮との交流が目的であって、非核化は手段ですらない。あってもなくてもいいという認識。
 ただ、アメリカが非核化を求めているから、そうしているかのように装う必要があるという認識はあったようですが。

 もちろん、アメリカの方針も個人個人で色々と意向はあったでしょうけども。
 トランプ大統領の基本的な意向としては「オバマのできなかった非核化」を達成することでレガシーを残す、というもの。
 であれば、韓国の意向は無視される以外ない。
 実際には「日本とボルトンが結託した」ではなく、韓国の意向が問題外だっていうだけの話だったということですよ。

 ま、ムン・ジェイン政権に近しくかつ統一を至上命題としているハンギョレ的には許しがたい話なのでしょうけども。
 そんなもん日本からしてみたら知ったこっちゃないわな。

ジョン・ボルトン回顧録 トランプ大統領との453日
ジョン・ボルトン
朝日新聞出版
2020-10-07

ドイツ、チェコと次々と中国に反旗を翻す中、韓国だけが中国に忖度して米韓同盟すら壊そうと画策へ……

文在寅が日米韓防衛会談を拒否、中国に忖度し堂々と米韓同盟を壊し始めた…(デイリー新潮)
 鈴置:韓国の保守系紙が大騒ぎしています。日米韓は8月29日にグアムで防衛相会談を開催する予定でしたが、韓国が欠席したからです。
 韓国は中国と北朝鮮の顔色を読んで、米国と少しずつ距離を置いてきました。それがついに堂々と「離米」するに至ったのです。
 朝鮮日報は社説「韓米日・国防長官会談に不参加、国民をどこに連れて行くのか」(8月31日、韓国語版)で「米韓同盟破壊」に悲鳴をあげました。結論部分を訳します。

・北朝鮮のSLBM(潜水艦発射型ミサイル)完成は目前だ。中国は東アジアの覇権を露骨に推し進めている。中ロは昨年、朝鮮戦争以降初めて東海(日本海)上空で合同訓練を実施し、ロシア軍用機は独島(竹島)領空を侵犯した。
・こんな北中ロの脅威を、韓米日による安保の共助なくしてどうやって防ぐのか。敵性国の顔色を見るほどに卑屈になって、国の安全保障を担保できるのか。

 米韓同盟に詳しい日本の安保専門家も「韓国はルビコン河を渡った。仮想敵に対し米国との絆を見せつけるための会談に参加しなかったのだから」と眉をひそめました。
(引用ここまで)

 鈴置高史氏のいつものコラム。
 対談している体でのコラムなので引用が難しいのですが、今回は米韓関係について書かれていることもあってかなり筆が疾っています。
 最後に「サムスン電子がファーウェイ制裁に参加するかどうかがキモ」と書かれていますが、今日になってサムスン電子がファーウェイとの半導体取引を中止するとのニュースが出てきました。

サムスンとSK、ファーウェイとの半導体取引を中止(ハンギョレ)

 また、LG、サムスンディスプレイが有機ELパネルの取引を中止するとの話も出ています。
 半導体ファウンドリとしてTSMCの代わりに使おうとしていたSMICも制裁リストに加えられ、かつサムスン電子・SKハイニックスが制裁側に加わったことで中国はかなり詰んでいます。
 NANDフラッシュメモリは中国でも生産が地味にはじまっていますが、DRAMについてはまだ聞こえてきていません。
 この「まだ中国でDRAMが作れない」というギリギリのタイミングでアメリカがこうして半導体禁輸攻勢をしかけてきて、かつサムスン電子もそれに従わせる。
 アメリカが本気も本気であることの証拠であり、かつ韓国をこちら側に置いておかなければならない理由でもありますね。
 韓国政府はどうでもいいけど、サムスンやSKハイニックスはそうではない、という感じです。

 中国はもはや材料も含めてゼロから半導体製造をしなければならない状況です。
 しかもアメリカ企業の持つ特許を回避して。無理ゲー。
 旧ソ連が最終的に崩壊に追いこまれたのは東ドイツにあった半導体工場をドイツ統一で失ったから、という説がありまして。どこで読んだんだったかな。
 その説をふと思い出しましたね。


 で、その中国ですが。
 インドとの国境紛争で45年ぶりの発砲があったとされています。

「国境での発砲は中国軍」 インド、中国批判に反論(時事通信)

 中印国境では紛争拡大を防ぐために銃器の保持を互いに禁じていたのです。6月の国境紛争では石や棍棒、素手で戦いが行われたとされていたのはこういった理由から。
 中国はインド国境近くの基地に虎の子のJ-20を配備し、インドはフランスから導入したてのラファールを配備。

 で、ドイツがインド太平洋戦略に賛意を示しています。ヨーロッパではフランスについでのこと。
 あのドイツが。
 中国封じ込めのインド太平洋戦略に賛意、ですよ?
 ヨーロッパでのインパクトはかなり大きいものとなっているようです。
 ちょっと前まで王毅外相がヨーロッパ歴訪していた直後にこれですからね。

 で、チェコの上院議長が中国からの圧力に対抗する形で台湾を訪問。
 そして「私は台湾人だ」とJ・F・ケネディの「私はベルリン市民だ」という演説からの一節を引用して語る。
 それに対してドイツ訪問中だった中国の王毅外相が「チェコに高い代償を支払わせる」と語って。
 フランス外務省が「チェコを脅すことは許されない」、ドイツのマース外相も「このような脅しは適切ではない」とそれぞれコメント。

 ASEAN外相会合では議長国のベトナムからさっそく「南シナ海地域の平和と安定への課題が常に存在する」と中国を牽制。
 日本も参加するARF(ASEAN地域フォーラム)の議長声明案も出てまして、こちらも中国を大きく牽制するものになっています。
 まあ、ASEANはEUに比べたら結束度合いは大きく異なりますけども。それでも沿岸国だけでも大きな戦力です。

 10年前、尖閣諸島で海保の船に中国漁船がぶつかってきても、国際的に大きな話題になりませんでしたが。
 いま同じことをやったらニュースバリューは大きく異なるでしょうね。
 いやぁ……時代は流れるもんだなぁ。
 自由主義国の中では唯一、この流れに逆らおうとしている国があるのですけどね。
 「バランサー外交」はムン・ジェイン大統領の師匠筋にあたるノ・ムヒョンの基本的な外交方針でした。ま、その結果は「あの大統領は反米的で少し頭がおかしい」とのゲーツ元国防長官からの評価でしたけどね。
 ムン・ジェイン大統領も同様にヨーロッパ某国の首脳から「少しおかしな人ではないか」との評価を得られているのでセーフ(なにが?)。

ニュージーランドでの韓国人外交官によるセクハラ事件が「国の恥」とされてもさほど盛り上がらない理由とは……

NZ大使館セクハラ事件、韓国がスルーしたい理由(JBpress)
今回はどうも社会の“温度”が低い。それは、このセクハラ疑惑の特殊性によるところが大きい。これまでのセクハラ事件は、男性が女性に対して働いた。ところが、今回は加害者も被害者も男性である。 (中略)

 韓国でのこの事件の扱いづらさは、根本的な理由として韓国とニュージーランドにおける性的マイノリティ(LGBT:性的少数者)に対する受容度の違いにあるように思われる。

 日本でも、彼らに対して社会がどれだけ開かれているかは、まだ疑問符が付くが、韓国はそれ以上に開かれていない。この問題に関しては、国ごとに価値観や道徳観が違っているので単純に比較したり批判することはできないが、いろいろ取材をしてみると、韓国の場合は「閉ざされている」と言った方が良いほど性的マイノリティに対する拒否感が根強い。

 若い世代の人たちも、拒否感までは示さないが、性的マイノリティは遠い存在と考えている。日本に旅行して衝撃を受けたことは何かと聞くと、男性なのに女装をした芸能人が活躍していることだと答える人が多い。

 韓国でも、テレビドラマ『梨泰院クラス』に出演して日本でも話題になったホン・ソクチョンのように、同性愛者であることをカミングアウトした芸能人はいるにはいる。だが、まだごく少数である。「テレビに出ているのは良いが、そういう人が近所や会社にいるのはちょっと・・・」と考える人もかなりの数にのぼるというのが実感だ。
(引用ここまで)


 漢陽女子大学で助教授をしている平井敏晴氏によるJBpressの連載コラム。
 元駐ニュージーランド韓国総領事(韓国大使代理も)だったキム・ホンコン氏が起した男性へのセクハラ問題が韓国で盛り上がらない理由を解説しています。

 「性的少数者への理解、受容度が足りていないから」

 そうではないかなーという感じではありましたね。
 ただまあ、なんとも証拠というべきものがなにもなかったので語れなかったのですが。
 平井氏も自分が感じている韓国の様子を書いているだけなので、証拠と呼べるようなものでもないのですけども。
 まあ、それでも渡韓が2005年の人物が感じていることならそう間違いではないでしょう。

 韓国の国会議員(外交統一委員長)による「文化の違い」という釈明の際にもちらと感じたことではあるのですけどね。
 「私の妻も被害者は女性だと思い込んでいたのに、180cmを超える40代男性職員だというではないか」とか言っていました。
 「女性が相手のセクハラなら許せないけど、男性だからいいじゃないか」くらいの認識なのだな、と。

 韓国のこうした意識が「先進国」のそれに近づくのはまだまだ時間がかかりそうだ、というところです。

インドネシアがユーロファイタータイフーン取得へ……韓国メディアが焦りながらこの話題を報じる理由とは?

インドネシア、韓国との次世代戦闘機開発を決めたが…他国に注目(中央日報)
韓国型次世代戦闘機(KF-X)の共同投資・開発国のインドネシアが別の戦闘機に目を向けている。KF-X事業分担金の履行が遅れているインドネシアが結局、事業を放棄するのではという懸念が出ている。

オーストリアの日刊紙クローネは6日(現地時間)、クラウディア・タンナー国防相が自国空軍のユーロファイタータイフーンをインドネシアに販売する交渉が進めていると公式発表した。インドネシア側の交渉対象者はプラボウォ・スビアント国防相だ。プラボウォ国防相は7月、タンナー国防相に書簡を送り、ユーロファイタータイフーンの購買に関心があると明らかにした。

中立国のオーストリアは空軍の戦闘機としてユーロファイター18機のみ保有している。15機は1人乗りで、3機は訓練用として使用される2人乗り。しかし2002年にユーロファイターを導入する過程で腐敗スキャンダルがあった。2度の議会レベルの聴聞会と検察の捜査が続いた。オーストリアはユーロファイター15機を2020年から段階的に退役させる方針だった。
(引用ここまで)


 おや、この間の「オーストリアの中古ユーロファイター15機をインドネシアが引き取る意向」というネタが真実味を帯びてきましたね。
 オーストリア側が乗ってきたそうです。
 軍事関連には観測気球的なネタが多く出るので、あれもそのひとつかなぁと思いつつ扱ったのですが。
 瓢箪から駒とでもいうべきか。

 トランシェ1 ブロック5のユーロファイタータイフーンは対地攻撃できないこともない、というレベル。一応、一部の誘導弾も射てるはず。……射てたよな?
 対空任務は充分にできるけども、それだけの機体です。
 オーストリア空軍は導入時に不正があったとかで双発機なんていう身分不相応なものを購入してしまい、パイロットも充足できていない。もう機体寿命もあまりまくり。
 もちろん、予算がないので機体のアップグレードもできていない。
 まあ、インドネシアにしてみたら航続距離長めでかつそれなりの迎撃性能のある戦闘機は欲しいところでしょうけどね。

 ただ、これが本決まりになるとかなりめちゃくちゃな保有数になりますよ。
 Su-27が5機とSu-30が11機。
 F-16A/Bが12機、F-16C/Dが25機。
 そこにユーロファイターが15機。
 米露欧の戦闘機が勢揃い。整備士地獄。
 あと訓練機兼攻撃機として、韓国製のF/A-50相当のT-50I、BAEのホーク200もあって、そのうちSu-35とKF-Xが入ってくるのではという状況。
 いや、本気?

 現状のインドネシアだったら30機くらいのグループをふたつくらいに集約するのがよいんじゃないかなーという感じ。
 ロシア機は西側艦艇を揃えている海軍とのデータリンクができないので将来的には退役させていくしかない。
 っていうことで単発はグリペン(NG)かF-16C/DからアップグレードしたF-16V。というか、この2機種が30機ずつでもいいような。
 双発機が欲しいならそこに既報のラファールあたりを加えてもいいかな。
 インドネシアは地域大国を自認しているので、単発機だけというのもプライドが許さないのでしょう。まあ、そういう意味でユーロファイタータイフーンなんだろうけども。

 韓国メディアがこのネタを引っ張ってくるのも、ユーロファイターはKF-Xとスペック的に被ってくるからですね。
 いまだに2018年以降からのKF-X開発費の分担金は未払い状態。

 先日、韓国側が「試作機の製造にかかる」と大々的にアピールしたのもこのあたりの事情があるからかなー。

韓国型戦闘機の試作機 来年前半に公開へ=最終組み立て開始(聯合ニュース)

 来年春に公開予定の飛ばさない試作1号機。
 これの公開からわずか5年後の2026年には戦力化という予定です。
 インドネシアは総計48機のIF-X(KF-Xのインドネシア側呼称)を取得予定。

 それにしてもトランシェ1のユーロファイタータイフーンなぁ……。
 機体本体は無料か無料に近い価格で引き取られて、インドネシアがアップグレード費用を負担するっていうならギリギリありだとは思うけど。