韓国のソウル高裁は6日、与党「共に民主党」の元党員らがインターネット上で行った不正な世論操作に深く関与したとして業務妨害罪などに問われた金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道知事の控訴審判決で、業務妨害罪に対し一審と同じく懲役2年の判決を言い渡した。一審が懲役刑の執行猶予を言い渡した公職選挙法違反については無罪とした。金被告は文在寅(ムン・ジェイン)大統領の腹心。
金被告は一審判決後に身柄を拘束されたが、その後に保釈されて裁判を受けていた。この日、控訴審で実刑判決を受けたものの、裁判所が保釈を取り消さないことを決めたため法廷で身柄は拘束されなかった。 (中略)
文大統領が当選した17年の大統領選後、同元党員と18年6月の統一地方選まで世論操作を続けることを取り決め、その見返りとして元党員側に駐仙台総領事のポストを提案した公職選挙法違反にも問われた。一審は金被告の起訴事実を全て有罪と認めていた。
(引用ここまで)
いわゆるドルイドキング事件(ドリューキング事件とも)はNAVERやDaumといった韓国のポータルサイトに掲載されたニュースに対して、与党が有利になるようなコメントを書き込むという世論操作を行なっていた事件。
主犯のひとりはドルイドキングことキム・ドンウォン。
上記ニュースサイトにコメントを書き込み、さらにそこにマクロプログラムで「いいね」がつくようにするという工作を行なっていました。
なにやら怪しげな「経済共振化集団」なるサークルの長で、「日本は沈没する」という予言を信奉しており、そのために「日本から逃れる人々にコネを持つ」必要があったとして、サークルの有力会員を大阪総領事にするように依頼した、とされています。
世論操作と贈賄で3年6ヶ月の実刑判決が大法院で確定しています。 情報量多すぎんか、これ。
で、ドルイドキングにニュースサイトでのコメント操作を依頼していた、もうひとりの主犯が今回のキム・ギョンス。
キム・ギョンスはムン・ジェイン大統領の側近で、大統領選挙中は陣営で獅子奮迅の活躍をしたとされています。
その甲斐あって、前回の地方統一選挙で慶尚南道知事候補として党公認され、当選。次かその次の大統領選にも出るのではないかとされていた人物です。
キム・ギョンスは件の会員を大阪総領事に推薦まではしたものの、政府から「資格なし」とされたので仙台総領事ならなんとかなるとして利益供与を行なったことが公職選挙法に引っ掛かるとされました。
コメント操作についてはニュースサイトの業務妨害に問われていました。
地裁では公職選挙法、業務妨害ともに有罪。
2018年1月に出た地裁判決は公職選挙法違反では懲役10ヶ月、執行猶予2年。
業務妨害では懲役2年の実刑。その場で拘束され収監。3ヶ月後に保釈されました。
今回は公職選挙法では無罪。
ただし、業務妨害ではそのまま懲役2年の実刑判決。
保釈決定が生きているということで拘束はなし。
共に民主党は高裁判決に対して一斉に反発しています。
キム・ギョンス1・2審すべて有罪……民主党「裁判所に強い遺憾」(韓国経済新聞・朝鮮語)
イ・ナギョン「キム・ギョンス判決残念...最高裁で正すべき」(聯合ニュース・朝鮮語)
イ・ジェミョン「キム・ギョンス有罪残念だ...最高裁でよく収拾されるべき(聯合ニュース・朝鮮語)
「政治が司法に介入できない」とはなんだったのか。
三権分立だけども、コメントするだけならいいってことですかね。政治家の言葉なんて圧力以外の何者でもないと思いますけどね。