「尹錫悦は罪にならないという報告内容は削除された(朝鮮日報)
秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官が尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長の懲戒を請求した理由の一つは「尹総長が自身を大統領選候補に含めた世論調査を放置した」というものだった。尹総長は今年に入り、世論調査会社に2回にわたり、名前の削除を求めたが、それでは不足だというのだ。しかし、秋長官は逆に自身を大統領選候補リストに4カ月連続で含めている世論調査会社にはいかなる措置も取っていないことが分かった。その調査で秋長官の支持率は尹総長の支持率の5分の1から6分の1だった。
秋長官は11月24日、尹総長に対する懲戒請求および職務排除措置の会見を行った際の資料で、職務排除措置の理由の一つとして、「政治的中立義務違反」を挙げた。
秋長官は会見で、「大統領候補の支持率に関する世論調査結果が発表されたにもかかわらず、検察総長にとって命に等しい政治的中立に対する不信を解消するための真剣で積極的かつ能動的措置を取らないまま、黙認、ほう助した」とし、「結局大多数の国民は検察総長が有力政治家または大統領候補だと考えるようになり、政治的中立に関する検察総長としての威厳と信頼を喪失した」と指摘した。
(引用ここまで)
法務部監察官室に所属する李貞和(イ・ジョンファ)検事は29日、検察内部の通信網であるイープロスに文章を掲載し、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長の主な懲戒事由である『判事査察』疑惑」について、『罪にならない』とする報告を作成したにもかかわらず、捜査依頼が行われ、その過程でそうした報告書の内容が削除された」と暴露した。最近大田地検から法務部監察官室に派遣された李検事は今月17日、朴恩貞(パク・ウンジョン)監察担当官の指示で大検察庁を訪れ、尹総長の対面調査を行おうとした検事2人のうちの1人だ。
法曹界と検察内部からは李検事の暴露を「良心宣言」と受け止めている。法曹界関係者は「秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官とその部下の政権寄り検事らが尹総長を排除するために内部の法理検討を黙殺し、結論をでっち上げたことになる。職権乱用で公用書類損傷罪に当たる明らかな犯罪だ」と指摘した。
(引用ここまで)
今朝に詳細をざっくりとですが書いたチュ・ミエ法務部長官(法務大臣に相当)とユン・ソンニョル(ソクヨル/ソギョル)検察総長(検事総長に相当)との抗争といってもいいくらいの衝突。
24日にチュ・ミエ長官はユン・ソンニョル氏を職務停止にし、かつ懲戒委員会に回すという処分を行いました。
それに対してユン・ソンニョル氏は執行停止を求める訴訟が出されています。
今日、職務停止処分に対する執行停止についての審理は終了したものの、実際の判断は明日以降に持ち越されました。
で、検察庁所属の検事からは「いくらなんでも法務部長官は横暴だ」との声が圧倒的。
チュ・ミエ長官が「罪状のひとつ」としている「判事を査察しようとした」という疑惑についても実際に調査した人物が「報告書に『罪にはならない』と書いたのに削除された」と声を上げているほど。
さすがに無理筋がすぎる、と多くの検事が考えているようです。
ついでにいうと世論調査もチュ・ミエ側に厳しい数字が出ています。この一連の衝突が原因でムン・ジェイン政権の支持率が落ちているほど。
韓国検察総長職務排除…「正しくない」56.3%vs「正しい」38.8%=世論調査(中央日報)
文大統領の支持率40%、過去最低に近づく(中央日報)
なにをしてもついてくるとされる頭壊文(頭が壊れてもムン・ジェイン支持)な人々はいまだに有権者の4割ほどであるとされています。
しかし、その4割を残すのみとなっている状態。
過去の大統領と比べると3年半を経過して40%をキープしているのは奇跡みたいなものでもあるのですけどね。
それでも、ムン・ジェイン政権への支持率としてはかなり低い数字であるのは間違いない。
さらに朝に書いた「ユン・ソンニョル総長を叩けば叩くほど保守派のシンボルとしての象徴性が高くなる」という話ですが、その通りになりそうな雰囲気です。
韓国次期大統領候補、誤差範囲内の接戦…尹検察総長は上昇(中央日報)
韓国次期大統領候補の支持率調査で、与党・共に民主党の李洛淵(イ・ナギョン)代表、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長、李在明(イ・ジェミョン)京畿道(キョンギド)知事がそれぞれ1、2、3位になったという結果が30日、発表された。李洛淵代表は20.6%、尹錫悦総長は19.8%、李在明知事は19.4%だった。1位から3位までの差はすべて誤差範囲内。
(引用ここまで)
ハンギョレが「こんな社会にするためにろうそくデモに参加したんじゃない」というコラムを掲載し、ソウル大生が「パク・クネ大統領に最悪だったと言ってごめんなさい、もっと下がいた」という文章を掲げられている。
明白に「反ムン・ジェイン」という層ができつつあり、ユン・ソンニョル総長がそのシンボルとなりつつある。
与党側からは「両方を辞めさせてケンカ両成敗にすれば騒ぎも収まるのでは……」というような声も出ているそうです。
相対的弱者を相手にケンカを続ければ続けるほど分が悪いということを理解しはじめたようですね。
というか保守派も人材いなさすぎるよな……。