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2020年11月

韓国国会、北朝鮮から「ビラ散布を禁止する法案を作れ」と言われて素直に作ってしまう……

北向けビラ散布に3年以下の懲役…韓国野党「金与正が下命した法か」(朝鮮日報)
 韓国与党・共に民主党は2日、北朝鮮との境界地域からの北朝鮮に向けたビラ散布や拡声器放送などを禁じることを定めたいわゆる「対北ビラ禁止法」について、これを野党の反対を押し切って国会外交統一委員会で可決し、今年の通常国会でこの法案を強硬採決する考えを明確にした。野党は「表現の自由を侵害している」「金与正(キム・ヨジョン)下命法だ」などと強く反発してきたが、この法案が国会法制司法委員会を経て本会議で可決されれば、今後は境界地域から北朝鮮にビラを散布するとか、あるいは拡声器放送を行った場合は3年以下の懲役あるいは3000万ウォン(約280万円)以下の罰金に処される。野党からは「文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期があと1年6カ月しか残っていない今の状況で、与党勢力は『南北関係の行き詰まり打開』を口実に、憲法で保障されている表現の自由の侵害、さらには『対北屈従』との指摘にもかかわらず、無理して法改正をごり押ししている」といった批判の声が上がっている。 (中略)

 民主党が今年の通常国会で野党の反対を押し切り、法案を強硬採決するのは今回が2回目だ。民主党は先日の国会情報委員会で、国家情報院による対共(共産スパイなど)捜査権を警察に移管し、国家情報院の役割を国内における情報収集に限定する「国家情報院法改正案」を単独で可決した。さらに民主党は高位公職者犯罪捜査処長(高捜処長)候補の推薦について、野党の拒否権を無力化する「高捜処法改正案」も近く成立させる方針だ。民主党のある関係者は「民主党が推進している重要法案の採決は今年中に終わらせる」とコメントした。
(引用ここまで)


 韓国の与党である共に民主党は現在の国会で300議席中、174議席を得ています。
 与野党間で争いがある法案については、事前の委員会で6割の賛成が必要となるというルール(国会正常化法)がありまして。
 この委員会には議員比率で委員が出されることになっています。
 というわけで、共に民主党は現在やろうと思えばいくらでも法案を通すことができる状況となっています。

 まず国情院(旧KCIA)の北朝鮮スパイの捜査権を取り上げるという法案を強行採決しています。
 続けて今回の対北朝鮮のビラ散布禁止法案を強行採決で可決。
 あと政府高官専用の捜査機関である公捜処処長の指名において、野党に与えられた拒否権を削除する予定。

 その中でも、さすがに今回のビラ散布禁止法案はきついというか。
 表現の自由を制限している上に、北朝鮮のキム・ヨジョンに「法律でもなんでも作ってビラ散布を規制しろ!」って言われたことに対して土下座するかのようにして作り上げた法案なのです。
 北朝鮮の言うことであればもうなんでも受け入れる。丸呑み状態。

 韓国当局はビラ散布をしていた団体を刑事告発して、さらに法人設立を取り消し
 ビラ散布禁止法案を作ってしまう。
 おまけに国情院から北朝鮮のスパイ捜査の権限を取り上げている……と。
 現在の与党、およびムン・ジェイン政権の方向性というものがダダ漏れになっていますね。もう隠すことなんてないって感じです。
 あるていどはそういう方向性だろうな、ということは事前から分かっていたものの、さすがにここまでとは予想外というべきか。
 残り1年半でどこまで暴走するか見ものですわ、ホント。

検察と泥沼の抗争中の韓国法相「ノ・ムヒョンも検察の犠牲者だ!」と検察改革断行を主張……その絵面はやめて……

チュ・ミエ、故ノ・ムヒョン元大統領の遺影を上げて検察決心批判(ソウル新聞・朝鮮語)
チュ・ミエ法務部長官が故人になった盧武鉉前大統領の遺影を上げ検察を批判した。

チュ・ミエ長官は3日、フェイスブックに「検察は検察権の独立と検察権の乱用を区別できず、検察権の独立守護を叫びながら検察権の乱用の象徴になってしまった。人権侵害を捜査する必要があり、検察ではなく人権侵害をコミットします。(検察が)事前に捜査の方向とターゲットを決めておいて、捜査の過程をマスコミに流して捜査雰囲気を有利に作り上げて誰も捜査に異議を提起していない雰囲気を作ってメディアも暴走を制御することもできない」と述べた。

チュ長官は「元大統領も、元首相も、元長官も過酷な捜査活劇に犠牲になってしまった」とし「このような全能の大韓民国検察が力を持った者には、側近を包むために地位を不当に利用して、強大な経済力と言論権力を前では限りない寛容を施した」と強調した。

チュ長官は「『生きている権力』を捜査すると言いながら、政治的に捜査のターゲットを選定して世論するほど、「検察党」と呼ばれるほど、すでに政治勢力化された検察が民主的統制制度さえ無力化させている」とし「怖さに震えるほどの恐怖を感じる、廃止していなければ、検察改革は空念仏になってしまうだろう。そのため、私の役目を終わらせることはない」と述べた。

それとともにチュ長官は「今こそ大韓民国検察を人権を守る検察に戻す」とし「自分の家族を覆って利益を貪り、私利に有利に偏向で強行してきた検察権行使を、差別なく公平な法治を行う検察に戻すのだ。揺らぐことなく前進する。恐れずに進むだろう」とした。
(引用ここまで)

 チュ・ミエ法務部長官が「検察改革は一歩も立ち止まることなく、揺らぐことなく進める」と宣言しました。
 自分のFacebookページにこの写真をアップして、あたかも所信演説のような文章を上げているのですが。

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 もう、ノ・ムヒョンが出ているだけで妙な笑いを浮かべてしまうので勘弁してほしい。
 電車の中でこの記事見た時はリアルに吹きそうになりましたからね。マスクしていてよかったわ……。

 要するにノ・ムヒョン元大統領が自死を選んだのも検察があまりにも強い権力を持っており、もう抗うことはできないと覚悟したからだというようなことが言いたいのでしょうね。
 「元首相が〜」というのはハン・ミョンスク元国務総理の不法資金授受ことかな。現在、与党である共に民主党はこの事件をなきものにしようと再捜査をさせようとしています
 「元長官が〜」というのは、いうまでもなくチョ・グク事態のことでしょう。

 こういった「犠牲者」を出さないためには、検察改革を行うことが必要なのだ、というのがチュ・ミエ長官の主張。そのためには一歩も退かずに断交するという宣言ですね。
 ところが昼に書いたようにムン・ジェイン政権の支持率は過去最低の数字を記録しました。
 明らかに「検察改革」が政権の重荷になっている。

 このままユン・ソンニョル(ユン・ソクヨル)検察総長を罷免に追いこんだ場合、さらに支持率は下落し、さらにユン総長を「保守派のシンボル」としてのステータスを上げてしまうということになるでしょう。
 かといって、ここで一歩退くのであれば「これまでやってきたことはなんなのか」という話にもなる。
 要するに「検察改革」をやるにしても、ボタンの掛け違えをしてはいけなかったということなのです。
 「なんとしてでもユン総長を罷免する」ということを勝利条件にしてしまったこと自体が間違い。
 まあ、もはや退きようがない。
 ムン・ジェイン大統領本人のやりようからいえば、強行してなにもなかったかのように振る舞う……で終わりかな。
 ま、それでさらに支持率が落ちて残りの1年半をレイムダックとして過ごすことになるのか、あるいは罷免が評価されるようなことになるのか。
 分の悪い賭けに出るしかない、というのが実情です。

 

韓国保守系メディア「法務部長官の横暴は目に余る。解任すべきだ」→ムン政権支持率は過去最悪に

【社説】文在寅政権の尹錫悦検察総長集団暴行全体が国政介入だ(朝鮮日報)
【社説】韓国検察総長の職務復帰は当然…法務部長官を解任しなければ(中央日報)
「押されれば終わり」ではなく「押しつければ終わり」、法務部長官解任を決断すべき時だ(東亞日報)

 いわゆる朝中東と呼ばれる保守3紙はいずれも「チュ・ミエ法務部長官の横暴は目に余る。もはや長官解任以外に解決の手立てはない」といった社説を出しています。
 中でもムン・ジェイン政権やその支持者からは蛇蝎のごとく嫌われている朝鮮日報は社説、コラム、記事を問わずに今回の法相VS.検事総長という事態を非難しています。


 まあ、実際に「そこまで徹底的にぶつかってまで攻撃するようなことかぁ?」という部分は少なからずあります。
 ムン・ジェイン政権は徹底的にユン総長を「悪」として認定し、法理もなんもかも飛び越えて「こいつは悪だから、正義の我々が裁くのだ」というノリで叩いています。
 不倶戴天の敵、くらいの扱いですね。
 ですが、そうやって衝突する以上、軋轢はどうしても出る。

 ルトワックが自著の中で「中国が小国に対して戦いを仕掛けた場合、多くの国が連合して中国に対抗することになる」という話をしています。
 強者の横暴に対しての印象というものはどうしても悪い。
 検事総長が弱者かというとそういうわけでもないのですが、今回のやりようでは弱者に見られてしまう。

 その結果、今日発表された政権支持率は過去最低のものとなっています。

文大統領・民主党支持率、現政府に入って最低…国民の力、誤差範囲内でリード(中央日報)
世論調査専門会社リアルメーターがTBSの依頼で先月30日から2日まで全国有権者1508人を対象に調査した結果、文大統領の国政遂行に対する肯定評価は37.4%、否定評価は57.3%となった。肯定評価は調査より6.4%ポイント下落し、否定評価は5.1%ポイント上昇した。肯定・不正の格差は19.9%ポイントに広がった。
(引用ここまで)

 ムン・ジェイン政権への支持率が30%台になった覚えはほとんどないですね。
 韓国ギャラップ社での調査で一回あったかどうだったか……。
 どちらにせよ、リアルメーター社による調査では過去最低。頭壊文 ── 頭が壊れてもムン・ジェイン支持を叫んできた鉄板、岩盤支持層がほころびを見せている。
 これに対して政権がどう対応するか、といったところが今週末の見どころといえるでしょうか。

 ちなみにですが、政権に近しい立場の左派紙であるハンギョレは今回の件については社説を出しておらず、コラムがひとつあるのみ。

[コラム]生きた権力の捜査と“永生の権力”検察(ハンギョレ)

 このコラム、だいぶひどい。
 完全にムン・ジェイン政権や与党側の言い分をそのままなぞっただけのもの。逆に彼らの言い分をチェックするのに役立つわっていうくらいのもの。

 左派にとっては「ユン・ソンニョル検察総長の存在」というのがそれほどまでに邪魔で、どのような手段であっても排除しなければならないものなのだなぁ……ということを印象づけるものとなってます。
 たとえ支持率が10%ほど下落したところで、徹底して排除しなければならないと。
 ふーむ。これは最後まで強行突破かなぁ。