韓国与党・共に民主党は2日、北朝鮮との境界地域からの北朝鮮に向けたビラ散布や拡声器放送などを禁じることを定めたいわゆる「対北ビラ禁止法」について、これを野党の反対を押し切って国会外交統一委員会で可決し、今年の通常国会でこの法案を強硬採決する考えを明確にした。野党は「表現の自由を侵害している」「金与正(キム・ヨジョン)下命法だ」などと強く反発してきたが、この法案が国会法制司法委員会を経て本会議で可決されれば、今後は境界地域から北朝鮮にビラを散布するとか、あるいは拡声器放送を行った場合は3年以下の懲役あるいは3000万ウォン(約280万円)以下の罰金に処される。野党からは「文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期があと1年6カ月しか残っていない今の状況で、与党勢力は『南北関係の行き詰まり打開』を口実に、憲法で保障されている表現の自由の侵害、さらには『対北屈従』との指摘にもかかわらず、無理して法改正をごり押ししている」といった批判の声が上がっている。 (中略)
民主党が今年の通常国会で野党の反対を押し切り、法案を強硬採決するのは今回が2回目だ。民主党は先日の国会情報委員会で、国家情報院による対共(共産スパイなど)捜査権を警察に移管し、国家情報院の役割を国内における情報収集に限定する「国家情報院法改正案」を単独で可決した。さらに民主党は高位公職者犯罪捜査処長(高捜処長)候補の推薦について、野党の拒否権を無力化する「高捜処法改正案」も近く成立させる方針だ。民主党のある関係者は「民主党が推進している重要法案の採決は今年中に終わらせる」とコメントした。
(引用ここまで)
韓国の与党である共に民主党は現在の国会で300議席中、174議席を得ています。
与野党間で争いがある法案については、事前の委員会で6割の賛成が必要となるというルール(国会正常化法)がありまして。
この委員会には議員比率で委員が出されることになっています。
というわけで、共に民主党は現在やろうと思えばいくらでも法案を通すことができる状況となっています。
まず国情院(旧KCIA)の北朝鮮スパイの捜査権を取り上げるという法案を強行採決しています。
続けて今回の対北朝鮮のビラ散布禁止法案を強行採決で可決。
あと政府高官専用の捜査機関である公捜処処長の指名において、野党に与えられた拒否権を削除する予定。
その中でも、さすがに今回のビラ散布禁止法案はきついというか。
表現の自由を制限している上に、北朝鮮のキム・ヨジョンに「法律でもなんでも作ってビラ散布を規制しろ!」って言われたことに対して土下座するかのようにして作り上げた法案なのです。
北朝鮮の言うことであればもうなんでも受け入れる。丸呑み状態。
韓国当局はビラ散布をしていた団体を刑事告発して、さらに法人設立を取り消し。
ビラ散布禁止法案を作ってしまう。
おまけに国情院から北朝鮮のスパイ捜査の権限を取り上げている……と。
現在の与党、およびムン・ジェイン政権の方向性というものがダダ漏れになっていますね。もう隠すことなんてないって感じです。
あるていどはそういう方向性だろうな、ということは事前から分かっていたものの、さすがにここまでとは予想外というべきか。
残り1年半でどこまで暴走するか見ものですわ、ホント。