米国議会調査局(CRS)は、日韓関係が数十年ぶりの低水準に悪化して、日米韓3カ国の政策調整が弱体化していると評価した。
CRSは去る2日、日米関係について更新した報告書において韓日関係には日本の過去の植民地支配という敏感な歴史的問題のために、継続的な緊張が存在したとして「2018年以来、二国間関係は数十年ぶりの最低水準を記録した」と述べた。
CRSは「2018〜2019年の貿易、安全保障、歴史関連の議論を含めて、両国政府がとった一連の措置と報復的な対応手段は、両国関係が墜落する状況を招いた」とし「これは日米韓政策調整を弱めた」と述べた。
続いて「ジョー・バイデン政権は、米国の同盟が活性化するようにすると公言した」とし「より効果的な3ヶ国の協力を促進するために、日韓という同盟間の信頼を促進する方法を検討すべき」と述べた。
CRSは「多くの日本人は、北朝鮮が核兵器やミサイルを放棄するという確信を持っていない」とドナルド・トランプ前大統領時代に北朝鮮との外交の試みが日本を不安にさせたと評価した。
また、日本は中国との関係を安定させるために努力して、中国の影響力拡大を警戒して域内の他の国との絆を深めたして、具体例として米国、インド、オーストラリアとの防衛協力を改善するための「クワッド」(Quad)協力擁護を挙げた。
(引用ここまで)
実際のCRSによるレポートはこちら(PDF注意)。
South Korea: Background and U.S. Relations(Congressional Research Service・英語/PDF)
U.S.-Japan Relations(Congressional Research Service・英語/PDF)
日韓関係について書かれているのは、どちらも2ページ目の真ん中あたり。
全部で2ページちょっとのさほど大きくないレポートですが。
韓国メディアがあえて外している部分がありますね。
韓国についてのレポートには最後に「オバマ政権時代の高官の中には韓日関係の改善に多大な努力をした者もいる」という一文があるのです。
慰安婦合意の背後にアメリカがいた、ということを認識しているとも取れる一文です。
慰安婦合意当時、副大統領であったバイデン大統領本人もそうですし、ブリンケン国務長官はオバマ政権時代に国務副長官としてアメリカの韓国系市民団体に「慰安婦合意の精神に基づいて行動してほしい」とまで発言したことがあります。
その発言に対して韓国系団体は大きく反発して「罷免しろ!」とか運動を繰り広げて完全に無視されていたのですけどね。
さらに「かつての敵をあしざまに言うことで国民の歓心を買うことは簡単だが、こうした挑発は機能停止を招くだけで進歩はない」と韓国に向けて言ったと思われるウェンディ・シャーマン国務次官(当時)は、バイデン政権で国務副長官となっています。彼女は東アジアの専門家です。
そして「アメリカを合意の証人とすべきだ」と進言したのは管官房長官(当時)ともされています。
そうした人々が政権を担っている中で、すなわち日米韓が一緒になって描いた慰安婦合意を形成してきた人々の中で、その慰安婦合意を丸めて捨てたムン・ジェイン政権は「日本が悪い」と言い続けることができるのか……ということでもあるわけですが。
まあ、言うことはできてもそれが通用するとはとても思えない、といったところですかね。
韓国の自由主義陣営からの離脱を促進しそうな感じではあります。