「アップルカー」を製造するのは誰か、減りつつあるアップルの選択肢(CNN)
ロンドン(CNN Business) 電気自動車(EV)の開発をめぐる米アップルの提携先は選択肢が減りつつある。
韓国の自動車メーカー、現代自動車と傘下の起亜自動車は8日、自動運転で動くEVの開発について、アップルと協議を行ってはいないと明らかにした。
EV開発計画がどこまで進んでいるのかは不明だが、アップルは車両の発明についてさまざまな特許を獲得している。「プロジェクト・タイタン」はアップルが自動車市場に参入するための秘密の取り組みだと報じられている。
(中略)
独コメルツ銀行の自動車市場のアナリスト、デミアン・フラワーズ氏は、アップルなら製品に関する全てをコントロールしたいのは明らかだと指摘。フラワーズ氏は「求めているのは委託製造業者で、パートナーではない」と述べた。
(中略)
コメルツ銀のフラワーズ氏は「アップルは何も共有しない。アップルから得られる恩恵は唯一、数の多さだけだ」と指摘する。
技術の共有や緊密な協力を抜きにした取り引きでは、自動車メーカーは台湾の電子機器受託大手ペガトロンやフォックスコンと似た状況に陥る可能性がある。2社はiPhoneの組み立てを行っているが、巨額の利益は獲得していない。
同じビジネスモデルを踏襲することは、主要自動車メーカーとしては避けたいところだろう。
(引用ここまで)
ヒュンダイ自動車がアップルとの協議をしていない、とのリリースを発表した際に「アップルと協業するのも悲喜こもごも」と書いた話がよくまとまっているので、チェックした記事。
「アップルはなにも共有しないだろう。アップルから得られるのは数だけだ」とアナリスト談。
逆にいうのであれば、アップルの条件を呑めるのであれば、そしてそれが大きな負担にならないのではありかなともいえるわけです。
つまり、トヨタ、フォルクスワーゲン、ルノー日産の10ミリオングループ以外であれば呑む可能性はある。
落ち目のGMとか、中国市場をほぼ失ってしまったヒュンダイ自動車であれば可能性は十分。
特に生産キャパシティがあまりまくっているヒュンダイあたりは可能性があるかなーとも思っていたのですよ。
たとえば
中国では現地生産分だけで250万台以上の生産キャパがあったのに、2018年の販売実績は116万台。
2019年は100万台を割りこみ、去年はコロナ禍もあって66万台。
ただし、中国の新車販売台数自体はマイナス1.9%だったので、中国におけるヒュンダイ自動車の減速具合がよく分かります。
ヒュンダイ自動車の世界での総生産能力は
2018年には900万台を超えていました。
去年の販売台数は635万台。今年の目標台数も708万台。
生産キャパはあまりまくり。
ただまあ、
1月に韓国メディアからリークがあったところで終了だったというのは実際でしょう。
そうしたリークがあるところとはつきあえないというのがアップルの基本方針。
アップルの下請となることを是としない派閥もあったでしょうから、ヒュンダイ自動車社内での駆け引きの結果でもあったとは思えるのですけどね。
あと韓国でヒュンダイ・キア以外の自動車企業が消滅しそうで、
ヒュンダイ・キアがそれをステップにして復活する可能性も、というエントリを書きましたが。
「国内で、でしょ?」というコメントもありましたが、ヒュンダイ・キアは国内市場を寡占することで企業体力を保ち、海外市場に殴り込んできた……という経緯を知っていれば、この情勢を甘くは見られないはずです。
韓国国内ではオプションになっている装備をつけまくって、さらに韓国国内価格よりも安いなんて値付けをしてましたからね。