韓国民間団体VANK(バンク)は、米国ハーバード大学の学長が同校ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の「慰安婦は売春婦」という主張の内容が入った論文は、「学問の自由」に含まれるため問題ないという立場を表明したと17日、明らかにした。
VANKがラムザイヤー教授の論文を撤回させて大学次元での糾弾を要求する抗議電子メールにローレンス・バカウ学長は「大学内でこのようにラムザイヤー教授が論争的な見解を表現したことも学問の自由に含まれる。論争的な見解がわれわれの社会多数に不快感を与える時も同じこと」とし「ラムザイヤー教授の主張はその個人の意見であることを明らかにする」と話した。
VANKのパク・ギテ団長は「バカウ学長はハーバード大学の教授が黒人奴隷制度を擁護する研究やドイツナチスの肩を持つ論文を書いても果たして同じような返事ができるだろうか」としながら「再度抗議書簡を発送した」と話した。
(引用ここまで)
楽韓Webではあまり扱ってませんでしたが、韓国国内ではかなりラムザイヤー教授による「慰安婦は売春婦であった」との論文はかなりの反響を呼んでいます。
先日も書いたようにハーバード大学の韓国人学生会は「論文を撤回せよ」と言い出しています。
そして、同じくハーバードの韓国人学生会が開催したオンラインセミナーで元慰安婦は「論文を無視しろ」と指示。
慰安婦は売春婦 ハーバード大教授の主張「無視して」=韓国人被害者(聯合ニュース)
すっかり立場が薄くなった正義連も、ここぞとばかりに非難声明を出しています。
世界女性学者ら「ラムザイヤー教授、日本の主張を踏襲・歴史歪曲」(中央日報)
カーター・エッカート教授、アレクシス・ダデン教授ら韓国に近しい立場をとっている学者らは論文に反論をはじめています。エッカート教授はともかく、アレクシス・ダデンがなんか言ってもなぁ……。
「『慰安婦は売春婦』論文、みじめな欠陥」ハーバード教授反撃(中央日報)
アメリカの韓国人、韓国系団体は一斉に「ハーバード大学はラムザイヤー教授を辞任させよ」と要求。
米国の韓国系団体、「慰安婦妄言」ハーバード大学ラムザイヤー教授の辞任を要求(中央日報)
韓国系アメリカ人の下院議員も謝罪を要求しています。
米下院議員も「『慰安婦は売春婦』論文、非常に不愉快…謝罪を」(中央日報)
それほど危険なことが論文に書かれているのかというと、実はそうでもない。
以前から知られている事実でしかない。
「ハーバード大学の教授によって論文となった」という意味はありますが。
ただ、韓国人的には自分たちが築き上げてきた「日本は韓国に対しての完璧な加害者」というイメージが突き崩されるきっかけになりかねない。
そういった意味では危険な代物であることに間違いはないのです。
ここ数年、日本の国際的な地位が急激に上がっています。アメリカとの同盟国としての立場でもそうですし、ASEAN諸国の間でも同様です。
以前から有識者、知識人の間では日本に対する評価は低くないものがあったのですが、明白にそれ以上の立場の変化がある。
中国が戦狼外交を繰り広げ、その牙を隠さなくなってきたことに起因していますが、安倍前総理の長期政権によって方向性が定まっていたということも大きな要因といえるでしょう。
それが中国とアメリカの間で両天秤政策を行っている韓国にとっては気に入らない。
相対的な弱体化を招きかねない……というか、すでに招いている。
この上、「慰安婦問題」というこれまでオールマイティに使えてきた「道義的カード」を失うわけにはいかないので、恐慌を起こしたかのように騒いでいるのです。
なんとかしてラムザイヤー教授の口を塞ぎ、この論文を闇に葬り去らなければならない。
でなければ、現実的な政治に対抗できてきた慰安婦カードを失いかねない。
少なくとも、この論文はそのはじまりになってしまう可能性があるもの、という認識なのですね。
なんとしてでも撃破しなければならない。できることなら論文掲載を撤回させ、慰安婦らの前でラムザイヤー教授を土下座させるまでいかなければならないのです。
元ソウル大学教授で反日民族主義を記したイ・ヨンフン氏のように。
ちなみに、イ・ヨンフン氏も同様に「慰安婦は売春業」「強制連行などなかった」と言ったことで、土下座に追いこまれました。
ちなみにイ・ヨンフン氏が土下座に追いこまれたのは2004年。
あれから17年を経て同じ話がハーバード大学のロースクール教授からほぼ同じ話が論文として出てきている。
そしてハーバード大学の学長が「学問の自由だ」と抗議を突っぱねる。
いや、なかなか感慨深い話ではありますね。
ついでに言うとイ・ヨンフン氏が土下座させられた場所はナヌムの家。
現在、ナヌムの家とその運営元は「元慰安婦らから金を奪っていた!」と糾弾されています。
いや、感慨深いわ。