楽韓Web BOOK Review 03
私が朝鮮半島でしたこと
書名 私が朝鮮半島でしたこと
著者 松尾茂
出版社 草思社
ISBNコード 4794211058
価格 1600円
・日本は併合時の朝鮮半島になにをしたのか?
 書名だけ見ると、吉田某の書いたような荒唐無稽な反省本を連想してしまうかもしれない。しかし、本書はそのような嘘八百のプロパガンダ本とはまったく違う。
 日韓併合時に著者は土木工事の現場責任者として、朝鮮開拓の一端を担っている。そこで見聞きしたもの、朝鮮人との触れ合い、そして終戦後に朝鮮人が掌を返したように日本人を襲おうとする姿が書かれている。

・日本は併合時の朝鮮半島になにをしたのか?
 多くの朝鮮人・韓国人やその盲目的な支持派によると、日本が朝鮮半島に対して施した政策は「史上稀に見るほど残忍」「人類史上最悪の搾取」「強制労働や従軍慰安婦などで奴隷化を狙った」云々とされている。
 まぁ、こんなものはバカな話で、併合してから終戦までの36年間で人口や米の収穫量が倍増する過酷な支配などありえない。
 イザベラ・バードの「朝鮮紀行」などを見ると併合前の朝鮮半島においてまともな治水はなく、道路事情は最悪であったといえる。
 日本は併合後に資本注入を行ない、さまざまなインフラを整備し、それまでの朝鮮半島につきものだった汚職をなくし、教育を施したわけだ。
 本書はそんな朝鮮半島で土木建築に携わった著者の回顧録である。
 工事に朝鮮人を労働者として雇い、現場監督者として支払いを行う……それに際してさまざまな出来事が起きたことが記されている。
 すなわち、まともな産業のない朝鮮半島において土木工事を行うことで、雇用を喚起したわけですね。基本的に作業は出来高払いであったため、作業者として使えない老人を工具の警備という名目で雇ってあげたことなどが書かれています。
 著者は朝鮮人技術者を育成するために出身校である京城昭和工科学校に優秀な朝鮮人が入学させたりもしている。
 雇用促進に、人材育成。すごい搾取もあったもんだ(苦笑)。

・日本は併合時の朝鮮半島になにをしたのか?
 全編に渡り記述されている現地の朝鮮人と協力しつつ作業を進めている風景が印象的な書籍です。決して「宗主国と植民地」といった様子ではなく、いま現在でも普通にありえる人と人との触れ合いがそこにはある。
 思考を停止して「日本は朝鮮にひどいことをした」「日本が朝鮮半島になにをしたか、これだけは知っておきたい」などと言うことは簡単だ。
 また、「朝鮮支配は日本の原罪だ」などと盲目的にこぶしを振りかざすことはより下劣で、より簡単な行いだ。
 当時の統計を見て「日本人は朝鮮人に対してこういった政策を施した」というような記述をすることは、より重要ではあるがこれも簡単なことではある。
 しかし、そんな凡百なものよりも実際に半島に渡り、現地の朝鮮人と触れ合ってきた著者の記述は貴重で、かつ面白い。
 思うに、著者は昨今の出鱈目なプロパガンダが蔓延している状況が耐えがたかったのではないだろうか。
 プロフィールを見ると、明治43年生まれということで今年93歳になられる方だ。
 そういった方にとって、現状の「日本の統治=悪」とされている状況は憤懣やるかたないものなのだろう。
 実地に生活してきた著者の地についた記述が非常にありがたい。
 第1回で紹介したイザベラ・バードの朝鮮紀行の世界から30年後の朝鮮半島の様子がわかる。併せて読まれたい。

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