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韓国大統領府からまたも「経済は希望的に変化している」との宣言……ああ、5カ年計画のように「そういう設定」になったのですね。

最悪の就職難なのに…今度は雇用首席が「青年就業・失業率は改善」 (朝鮮日報)
 韓国大統領府(青瓦台)の鄭泰浩(チョン・テホ)雇用首席秘書官は19日「経済・雇用状況が希望的かつ画期的に変化している」として「雇用増加のための政策の成果が出てきている」と述べた。

 鄭首席は同日、経済・雇用状況に関するブリーフィングで「各種の統計を総合すると、雇用状況は昨年より改善しており、困難ではあるが希望的」だとして、その背景に政策の成果があると述べた。さらに「補正予算案が(国会で)可決されれば雇用改善にとって大きな支えになるだろう」と述べた。

 鄭首席は「昨年の就業者の増加数は約9万7000人だったが、今年に入って就業者の増加数は2月が約26万人、3月が25万人、4月が17万人だ。昨年と比べると画期的な変化」だと述べた。しかし、就業者数増加の大部分が、税金によって生み出された60代以上の高齢者の短期雇用(30万人台の増加)という点には言及しなかった。経済の要である40-50代の雇用と製造業の雇用など民間の雇用は日に日に減少している。これについて青瓦台の幹部関係者は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が特別に青年向け対策を整備している。さまざまな政策を通じて問題の解決に向け努力している」と述べた。

 鄭首席は「雇用の質という面でも常用勤労者(契約期間が1年以上)の増加数が平均30万-40万人ほどで推移している。雇用保険の加入者数も毎月50万人以上を維持している」と述べた。さらに「もっとも困難な青年世代の就業者数・雇用率・失業率が改善している」とも述べた。

 しかし、青年層の体感失業率(求職活動をしても就職できないケースや、1週間の労働時間が少ない労働者を含めた失業者)は先月25.2%に達し、過去最悪の数値を記録している。鄭首席は経済状況に対する批判的な世論を意識したのか「自営業と製造業分野の就業者の増加数が減少し、全体の雇用環境が悪化している」と述べた。
(引用ここまで)

 それではここで韓国経済栄光の歴史を見てみましょう。

・9日 ムン・ジェイン「韓国経済は巨視的には大きく成功。認めて誇りに思うべき
・14日 ムン・ジェイン「韓国経済は成功に向かっている。統計と現場の温度差がある
・16日 大統領府関係者「マクロ経済でとてもしっかりとした状況に向かっている
・同日 ムン・ジェイン「職場に勤めている人々の所得と生活の質は明らかに改善された」

 チョン・テホ雇用首席秘書官「経済・雇用状況が希望的かつ画期的に変化している」「雇用増加のための政策の成果が出てきている」 ← NEW!!

 思えば、3月の末あたりからそんな話は出てました。
 「経済は堅調な流れ」にあり、「改善する様子が見られる」って言い出した頃から、もう韓国政府・大統領府はこの路線で行こうということに決定していたのでしょうね。
 「韓国経済は堅調」という設定になったのです。旧ソ連の経済五カ年計画のように。
 これはもう決定事項であって揺るがない事実。9日のムン・ジェイン大統領の言葉にあるように「このことを認め、誇りに思うべき」なのですよ。
 そうでない連中は反革命勢力。もしくは積弊勢力。

 実際の成長率とかどうでもいいのです。
 成長率がマイナス0.3%、設備投資がマイナス10.8%であっても関係ない。
 青年層拡張失業率が25%に到達していても関係ない。
 もう、そういうことに決定したのですから、その事実だけを認定しろと。
 「その通りです、同志」以外の返答は求められていない、というわけですね。

 とんだ時代錯誤だわ……。

いまさらですがソ連邦
速水螺旋人 / 津久田重吾
三才ブックス
2018/10/4

韓国の「失業率 4.4%」は果たして正しい数字なのだろうか? 低く抑えられている理由を見てみると……

特別な理由がない無職197万人、就職をあきらめる韓国の若者たち(朝鮮日報)
借金返済できない自営業者が増えた=韓国(中央日報)
 就職も就職活動もしない人を指す非経済活動人口は4月現在で1616万人で、前年同期を0.4%上回った。うち育児や家事、就職準備、在学・受講、高齢などの特別な理由がないまま、無職でいる人は197万1000人で、22万2000人(12.7%)も増えた。関連統計を取り始めた2003年以降で4月としては最多だ。うち20代が最も増えており、前年同月(26万8000人)に比べ4万8000人(18%)も増えた。一方、育児・家事を理由とする非経済活動人口は698万4000人で、前年同月を9万9000人下回り、在学・受講、高齢を理由とする人もそれぞれ15万1000人、9000人減少した。

 問題は特別な理由もなく無職でいる非経済活動人口の増加が一時的なものではなく、傾向となりつつある点だ。こうした人は17年5月から24カ月連続で前年同月を上回った。年別に見ると、16年の162万8000人から17年に173万6000人、18年には185万5000人に増え、今年に入って以降は4月まで平均207万人で初めて200万人の大台を超えた。

 働く意思はあるが就職市場の状況が厳しく、就職活動を断念した求職断念者は4月時点で48万7000人で、前年同月に比べ2万9000人(6.3%)増えた。これも現在の基準で統計を取り始めた14年以降で4月としては最多だ。求職断念者は16年の44万8000人から17年に48万1000人、18年には52万4000人に増え、今年は平均55万3000人だ。1月には初めて60万人を超えた。
(引用ここまで)
15日、金融委員会は「家計・個人史業者の融資健全性点検会議」を開いて自営業者の融資延滞率を点検した。金融委によると、1-3月期末金融圏における個人事業者の融資規模は405兆8000億ウォン(約37兆2800億円)となった。1年前より11%増加した。

個人事業者融資の平均延滞率は0.75%で昨年末(0.63%)より0.12%ポイント上がった。1-3月期末延滞率では貯蓄銀行事態(2011年)の影響が残っていた2015年1-3月期(1.09%)以降4年ぶりに最も高い水準だ。

自営業者の延滞率は保険を除いた全金融業圏で上がった。特に、唯一地方にある金融会社の延滞率が著しく上昇した。

貯蓄銀行の中でも首都圏は小幅上昇にとどまったが(3.7→3.85%)、地方は延滞率が高騰した(6.12→7.75%)。自営業者の融資延滞率は景気に敏感だ。地方であるほど延滞率上昇の勢いが著しいというのはその分地方に地域景気が厳しいところが多いという意味だ。

製造業、不動産・賃貸業、卸小売、飲食・宿泊、保健・社会福祉など全業種で延滞率が上がった。特に、飲食・宿泊業は平均延滞率が1%を上回り、最も延滞に脆弱な業種になった。
(引用ここまで)

 「マクロ的に見れば韓国経済は堅調」という大統領発言の後、ミクロ的にダメな指標が山ほど出てくるという面白さ。
 というか、「マクロ的な指標」の最大のものが経済成長率なのだから、そもそもの「巨視的に見れば~」という発言自体が間違っているのでは?
 あ、そのあたりは言及してはいけない部分か。

 求職断念者、就業意欲喪失者が多くいればいるほど、見た目の失業率は低くなるのです。
 失業率はあくまでも「求職しているが、職にありつけていない人」の割合であって、完全失業者は失業率に組み入れられないためですね。
 韓国の最新の失業率は4.4%。
 数字だけを見るとそこそこ低く抑えられているように見えるのですが、そこにはからくりがあるのですよ。

 ひとつは自営業者率の高さ。
 全就業者の25%前後が自営業とされています。おおよそOECD平均の倍。
 この自営業の主体は多くがリタイヤした40~50代の男性。
 その家族が従業者として働いている場合は、就業者としてカウントされるのですね。
 たとえ無給であろうとも。
 ふたつ目の記事にあるように借金すら返せない自営業者が家族に賃金を支払っているのか……ということですが。
 まあ、無理でしょうよ。

 同様にここ何ヶ月か農業関連への就業が異様に大きな数字になっています。政府の就労助成金が入っているようです。
 で、もちろんこの「農業へ就職」した人が家族を連れていって農作業に従事させた場合、家族に対して無給であっても失業者には組み入れられないのです。
 という感じで「実際には就労状況にないけども失業率にはカウントされない」という人が多いのですね。

 さらにそこにひとつ目の記事の求職断念者が覆い被さってくる。それも200万人クラスで。
 かねてから言われているように、韓国の場合は拡張失業率を実際の失業率として採用する必要があるのかもしれませんね。
 拡張失業率は週18時間に満たない短期バイトなんかも失業者として加える概念です。
 第1四半期の拡張失業率は13.0%。
 15-29歳の青年層拡張失業率は24.2%。

 この数字ならまあ……実際の感覚に近いんじゃないかな、と思われます。
 まあ、韓国の場合はそもそも「失業率」がILO準拠のアンケート方式ではないので、参考値にすぎないのですけどね。

韓国経済:30~40代の雇用が減り続けている、という危険性をしっかりと見てみよう

韓国経済支える30-40代の雇用が崩壊(朝鮮日報)
 就業者数の増減を業種別に見ると、政府による公共部門の雇用創出に後押しされた保健業・社会福祉サービス業の就業者が12万7000人増え、全業種で最も多かった。しかし、民間を代表する業種である製造業の就業者数は5万2000人減少し、昨年3月以降13カ月連続でマイナスが続いている。製造業の雇用が最も多かった2016年と比べると、最近3年間で製造業だけで18万人分の雇用が消えたことになる。

 雇用誘発効果が大きい建設業の就業者数は4月に3万人減少し、16年6月以降の大幅な落ち込みとなった。 (中略)

 建設業と製造業の雇用減少で直撃を受けるのが30-40代だ。30-40代の就業者は17年10月以降19カ月連続で同時に減少しており、減少幅がますます拡大している。17年10月には30代と40代の合計で3万9000人減少したが、今年4月には27万7000人減少した。特に40代は人口が1年前に比べ15万人減少したのに対し、就業者数は18万7000人減少した。人口減少要因を除いても、40代の雇用が急速に失われていることを示している。

 韓国政府は20代の就職難には公務員、公共機関の雇用を増やしたり、さまざまな雇用奨励金を支給したりしている。また、60代以上の就職難にはごみ拾いなどの公共部門の働き口で対処している。しかし、家庭を支える30-40代の雇用減少には別途対策が必要だ。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は15日、30-40代の雇用減少について、「民間投資の活性化を通じた雇用創出が求められる状況だ」と述べただけだ。 (中略)

 週当たりの労働時間が36時間を超える就業者が62万4000人減ったのに対し、17時間以下の就業者は36万2000人増えた。それを見ても、雇用の質が悪化していることが見て取れる。週休手当を支給しなくて済む週15時間未満の就業者は前年同月比で23.4%も増加した。 (中略)

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任2周年のインタビューで、「(質が)低い雇用でも雇用がないよりはましだ」と述べた。しかし、質が低い雇用ばかり増やしておいて、「雇用の量と質が改善している」と言い張ることは問題だと指摘する専門家が多い。
(引用ここまで)

 先日、雇用統計が出た際に「30~40代の雇用減は人口減少よりも激しい」というようなことをちらと書きましたが。
 それをチェックしている数字が出てきたのでピックアップ。
 まあ、ついでにいえば20代の数字だって電気管理士だのなんだのでごまかしているだけでいいわけではないのですけどね。

 この状況、はっきり言ってよろしくない。
 チョン・チャンハンを覚えているでしょうか。靖国神社を爆破しようとして失敗した人物です。靖国神社のトイレにパイプ爆弾を設置したのですが、工作精度が甘くて大した爆発にならずに済んだ……という事件でしたね。
 彼が2015年の年末に逮捕された時点で27歳。
 現在は30歳だか31歳。この世代の雇用が減り続けているわけです。

 犯行理由は完全には明白になっていないものの「韓国で価値のある人物と見られたかった」といった自白を一時期していたことが知られています。
 高校中退で12年落ちのヒュンダイ製SUVに乗っていた。楽韓Webでは当時から「こういった人物背景がテロに走った理由」という話をしていました。
 当時、朝日新聞は「事件の動機を『韓国人』という容疑者の属性に、安易に結びつけるべきではない」とかいう話をしてましたっけね。
 韓国の空港のセキュリティがガバガバだったことも判明したっけなあ……。
 いろいろ長くなるので、当時のことを振り返るのはこのくらいにしておきましょうか。

 チョン・チャンハンの世代が仕事を失いつつある。
 危険です。
 テロリストである安重根を至上の英雄としている韓国では、テロへのハードルが低いのは間違いありません。
 そこに西村博之氏がいうところの「無敵の人」を量産してしまうのですね。
 日本に向けられるというリスクだけでなく、韓国国内へのリスクも上昇します。
 社会不安要素をまき散らしている、というのが現在のムン・ジェイン政権なのですよ。
 ……少なくともそのコントロールだけはしっかりして欲しいのですけどね。
 これは日本でいうところの氷河期世代にも少なからず同じことがいえるのですが。

 そういえばチョン・チャンハンは懲役4年だったから、拘留期間も含めてそろそろ出所していてもおかしくない頃。
 どこかでインタビューとかしてくれないものか。

韓国経済:ムン・ジェイン「労働者の所得と生活の質は改善された」……えーっと、通貨危機以来最高になった失業者は放置?

青瓦台関係者「韓国のマクロ経済はとても堅調……巨視的観点で見てほしい」(朝鮮日報・朝鮮語)
「経済は堅調」という文在寅大統領、積極財政に意欲(朝鮮日報)
大統領府関係者が16日、韓国の経済状況について「マクロ経済でとてもしっかりとした状況に向かっている」と述べた。ムン・ジェイン大統領が14日、中小企業人たちと会って、「総体的に、我々の経済は、成功に進んでいる」としたものの延長線に見える。

この関係者はこの日、「ムン大統領の経済に対する認識と実際の指標の違いをどう思うか」という記者の問いに、「全体の文脈を見てほしい」とし「(ムン大統領の発言の文脈では)韓国経済が総体的にはよい方向に進んでおり、それにも国民が体感できるように、さらに成果を出さなければならないということだ」とした。この関係者は「体感される部分がない場合は、政権発足2年が過ぎた今の時点で国政に拍車をかけるという約束」と「国務委員に一緒に力を合わせてほしいという要請の言葉でもある」とした。

この関係者はまた「(韓国)経済を巨視的観点から見てくれればよいだろう」とした。彼は「人口5000万人以上で、1人当たりの国民総所得( GNI)が3万ドル以上の「3050クラブ」に、世界で7番目に入ったことや、3大格付け会社の韓国を安定的に評価する部分、外国人投資家が史上最大を記録した部分などは、ある日突然行われたものではない」とした。

彼は「韓半島から吹く平和の風が外国人が感じる不安を解消する方向に影響を与える」とした。
(引用ここまで)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は16日、国家財政戦略会議で、「財政の果敢な役割がこれまで以上に求められている。今の財政に対して積極的に対応しなければ、近い将来、かえって大きなコストを払うことになるだろう」と述べた。そして、「今の状況では低成長と格差拡大、雇用、少子高齢化など、韓国社会の構造的な問題解決が非常に急がれる。だから、財政がいっそう積極的な役割を果たすべきだ」とも言った。 (中略)

文大統領は「財政が積極的な役割を果たす過程で、財政収支が短期的に悪化する可能性を懸念する人もいるだろう。(しかし)韓国の財政は非常に健全な方なので、もう少し長い目で見る必要がある」と言った。現在、国の負債は1700兆ウォン(約156兆5000億円)に達し、最近急増しているが、赤字財政を引き続き組んでいくという意味に受け取れる。 (中略)

文大統領も同日、「職場に勤めている人々の所得と生活の質は明らかに改善された」と語った。
(引用ここまで・太字引用者)

 大統領府関係者からも「韓国経済は堅調である」という認識をご開帳。
 マクロ的観点からはいい方向に向かっている、という認識で揺らがないようですね。
 つまり、所得主導成長政策を改めるつもりはまったくない、と。

 で、ムン・ジェイン大統領からは「大まかに言って堅調だが、それを体感できていない人々のために財政出動を積極的に行う」との宣言。
 韓国のファンダメンタルズは決して悪くありません。これまでの政権で福祉を徹底的に省いてきたこともあって、まだまだ赤字国債を発行することは可能な状況といえるでしょう。
 育てるために金のかかる孤児は輸出し、老人の自殺率が世界最悪になっても放置(年金の増額でやや減少傾向)、ジニ係数に見る再分配は極小
 まあ、ムン・ジェイン政権ではすでに福祉を厚くしようとはしているのですが。明らかに大きな政府を目指していますしね。
 楽韓Webでも何度か書いていますが、ウォン建てであればしばらくは問題ないレベルです。次期政権まで放漫財政をやってもまずは大丈夫。
 ただ、これから日本の速度すら大きく超える極端な少子高齢化が進むことになるのでそこは不安点ではあります。

 ただ、苦笑するのはムン・ジェインの「労働者の生活の質と所得は明らかに改善された」という話。
 いま見るべきところは既存の労働者じゃなくて、雇用全体と体感失業率が25%に達しようかという若者への対応だと思いますけどね。
 去年の新卒内定率は21%。
 さらに正規職はその半分
 よくもまあ、韓国の若者はイエローベストを着ないもんだと感心しますわ。まだ「ろうそく革命」とやらに希望を見ているんですかね。

韓国経済:ムン・ジェインが「経済は成功している」と発言した翌日に雇用統計発表……2000年以来のすごい数字が!

【社説】「韓国経済は成功」発言の翌日に発表された最悪の失業率(朝鮮日報)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「韓国経済は成功に向かっている」と発言した翌日、4月の失業率が4.4%と発表され、この19年間で最悪であることが分かった。失業者数124万人は2000年以降で最悪、青年層(15-29歳)の体感失業率25.2%も統計作成開始以降で最悪だった。文在寅大統領は1週間前の就任2周年対談で、「青年失業率は非常に低くなった」と言ったが、青年の4人に1人が事実上の失業者だということだ。また、大統領は「雇用の質が良くなった」とも述べたが、製造業など良質な雇用は大幅に減少した一方で、質の低い超短期雇用や高齢者雇用ばかりが増えている。大統領が事実に反するでたらめなことを言うのも、今となっては目新しいことではない。

 雇用状況はこの約1年間、同じパターンをとなっている。前月の報道の数字だけ入れ替えればいいほどだ。最も重要な30代・40代の雇用は4月の1カ月間で28万件減り、19カ月連続で減少した。製造業の雇用も5万件減って13カ月連続のマイナスとなっている。良質の雇用が消えてできた空白を、税金で作り出した高齢者の小遣い稼ぎ程度の仕事や、公共事業の短期アルバイトの仕事が埋めている。60歳以上の雇用はなんと33万件増加、週17時間以下の短期雇用は36万件増加と、統計作成を開始して以来、最高だった。適切な仕事がないため求職活動をやめた「就職放棄者」も初めて200万人を突破した。 (中略)

しかも、増えた雇用といえば大学の教室の電気を消す仕事や高齢者のクズ拾いのような、雇用とも言えないような仕事がほとんどだ。このようなひどい雇用実績を前にしても、経済副首相は手前味噌(みそ)な話ばかりし、その人物から報告を受ける大統領は「成功に向かっている」とおかしな発言をするのだ。
(引用ここまで)

 14日に中小企業の社長らの前で「韓国経済は成功に向かっている」とムン・ジェインが語った翌日に、19年間で最悪の失業率を記録。
 このコンボ、なかなか面白かったですね。
 統計庁によると「去年は3月にあった地方公務員試験の受付が4月になったことで、就職準備として失業率に組み入れられていなかった公務員志望者が失業者として組み入れられることになったことが大きく影響した」とのことですが。
 じゃあ、3月の失業率が0.2ポイント改善して4.3%だったのは公務員試験の受付が4月になったから、っていう話でもあるんじゃないですかね。

 30代、40代の雇用は19ヶ月連続で減少。
 ちなみにこの世代はすでに人口減少がはじまっているのですが、雇用減少幅のほうが大きかったりします。
 すべてが就職しているわけではないでしょうから、雇用減少幅が大きいという意味が本当に厳しい状況を反映しているものだということがよく分かります。
 製造業の雇用減少も13ヶ月連続で減少。

 さらに青年層失業率は11.5%。失業率、青年層失業率共に4月としては2000年以来の最悪の数字。
 もう何度「ここ10年で最悪の数字」とか「統計以来最悪の数字」を繰り返してきたことやら……。
 去年には「2017年の半分と今年の1年半で54兆ウォンを費やして増えたのは電気管理士と高齢者の清掃人だけ」なんて言われていましたが、この2年では77兆ウォンを費やしたそうですわ。

 ま、それでも「巨視的に見れば韓国経済は好調」ですし、「総体的に韓国経済は成功に向かっている」ので問題はないのでしょう。
 もっとがんばれ、ムン・ジェイン!
 最低賃金1万ウォンを達成するその日まで!!

韓国が格下げの危機に直面。メディアからは「日韓通貨スワップ協定等の安全弁を用意すべきなのに、政府はよかった探しばかりしている」と悲鳴

【コラム】危機の韓国経済、韓日通貨スワップ復元など最後の安全弁を用意する時(中央日報)
過去2年間、文在寅(ムン・ジェイン)大統領のお決まりの発言の一つが「マクロ指標は安定的に管理されている」というものだった。その後には必ず「経済成長率は前政権よりも改善し、輸出も6000億ドルで過去最大」という自慢を欠かさなかった。しかし今年は物価上昇率、失業率、外貨準備高などばかりを口にする。最も重要な指標である成長率と輸出・設備投資は抜いている。今年1-3月期の10年ぶりの最低成長(-0.3%)、通貨危機以降の最悪の設備投資(-10.8%)、5カ月連続で減少した輸出は前に出すのが恥ずかしい数値だ。

それでも大統領は「巨視的に見ると韓国経済は大きく成功した」という幽体離脱話法に固執している。「現実を認めない政府の存在自体がさらに大きな危機」という経済学者の警告には耳をふさぐ。ここには所得主導成長の失敗を認めた瞬間、政治的に自滅するかもしれないという恐怖感がある。ひとまず来年の総選挙まで財政を注入して持ちこたえてみようという計算だが、思い通りになるかは疑わしい。韓国経済を審判する死神が近づいているからだ。国際格付け機関のことだ。 (中略)

エコノミスト=1999年2月以降、韓国は12回も格上げされた。保守・進歩政権に関係なく一度も格下げされたことはない。これが20年ぶりに格下げとなる場合、文在寅政権は致命傷を受けるしかない。これ以上は「経済が良くなっている」と言い張るのも難しくなる。

質問=どうすれば格付けを維持できるのか。

エコノミスト=世界の流れと正反対の政策方向は危険だ。先進国は「小さな政府」に向かうが、韓国だけが「大きな政府」だ。世界は「減税」の動きを見せているが、韓国だけが「増税」を固執している。 (中略)

4月初めに訪韓したS&P評価団も「所得主導成長が格付けにマイナスの影響を及ぼすだろう」と警告した。

ムーディーズの格付けは来月ごろ出てくる。このような時期にウォン安ドル高が急激に進み、北朝鮮はまたミサイルを発射している。米中通商摩擦が長引くのも良くない信号だ。まともな政府なら今ごろ、韓米通貨スワップは難しいとしても、韓日通貨スワップ程度は復元して最後の安全弁を用意しなければいけない。しかし危機意識がないというのがさらに大きな危機だ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)は「良い経済数値」探しに気を取られている。
(引用ここまで)

 韓国大統領府がよかった探しに気をとられていて、まともに経済に相対していないというのは既報。
 政府単位でよかった探しを行い、国民に知らせるための「良い指標周知タスクフォース」なんてものを設立しているほどですよ。
 外的要因なんてなにもないのにマイナス0.3%、そして四半期ベースでのマイナス成長が就任2年で2回目となったということは、いまやっている政策に問題があるのは間違いない。
 でも、韓国経済は巨視的には良好だし、相対的には成功に向かっている<という認識を取り下げない。

 そうこうしているうちに、格付け機関が韓国経済をどう見ているのかという判断待ちになっている。
 ま、すぐに格下げまでいかなくても、その方向性であるのは間違いない。
 ただ、アナリスト予測だと来年からはメモリ価格が上昇するかもってことだから、それ待ちでいいんじゃないでしょうかね。
 半導体価格が上昇すれば少なくとも見た目の成長率だけは上がるでしょうから。
 それまでは税金投入で見た目の雇用調整をしていればいいと思いますよ。たかだか半年ほど我慢すればメモリ価格が上昇して、数字を操作するまでもなく潤いが戻るのですから。
 半導体価格が上昇したところで、所得主導成長が本来的にケアすべきだった低所得者層にはトリクルダウンの1滴すら行かないでしょうけど。
 本当にメモリ価格が戻るのか、という問題もありますけどね。ま、大丈夫大丈夫。

 安全弁としてドル建ての通貨スワップ協定は、韓国政府はともかく実務者としては喉から手が出るほどに欲しいところでしょうが。
 米韓も日韓も通貨スワップ協定はどうにもならないでしょうね。
 とにかくアメリカにその気がないし、日本側も韓国との接触点を最低限にしようとしている。
 今の状況で日本政府が韓国と通貨スワップ協定でも結ぼうものなら倒閣運動が起きますよ。真面目な話。

韓国経済:輸出は6ヶ月連続の減少、青年層の体感失業率は25%……ムン・ジェインによって不況がブーストされていく……

韓国の輸出、6カ月連続マイナスか(朝鮮日報)
韓国青年体感失業率24%で史上最高…「短時間アルバイト増えたため」(中央日報)
 韓国関税庁は13日、5月1-10日の韓国の輸出が130億ドルとなり、前年同期を6.4%(9億ドル)下回ったことを明らかにした。稼働日数が前年より0.5日増え、6.5日だったことを考慮すると、1日平均の輸出額は20億1000万ドルで、前年同期を13.6%も下回った。このまま推移すれば、昨年12月以降6カ月連続の輸出減少となる可能性が高い。

 半導体輸出が31.8%減、対中輸出が16.2%減となったことが輸出不振の主因だ。中国と半導体に対する韓国の輸出依存度はそれぞれ4分の1、5分の1だ。 (中略)

国策シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)は13日、韓国経済の現状を先月に続き2カ月連続で「不振」と診断した。KDIは昨年11月から5カ月連続で景気が「鈍化」しているとしたKDIは先月景気判断を「不振」に下方修正していた。不振という評価は中東呼吸器症候群(MERS)が流行した2015年3月以降4年ぶりだ。KDIは「最近韓国経済は需要低迷が一部和らいだものの、投資と輸出を中心に景気が不振だ」と指摘した。
(引用ここまで)

13日、韓国統計庁によると、1-3月期の青年(15~29歳)の失業率は9.7%で前年より0.3%ポイント減った。政府が金融を緩和して雇用を拡大したことが奏功したものと分析される。だが、同じ期間における青年層の「拡張失業率」(雇用補助指標3)は22.9%から24.2%へ1.3%ポイントも上昇した。3月基準では25.1%となる。2つの数値はともに指標を取り始めた2015年以降で最も高い。

拡張失業率は就職を準備したり不完全な雇用状態にある人まで失業者と見なして算出した体感失業率を意味する。これに伴い、体感失業率と失業率の格差も1-3月期に14.5%ポイントとなり、統計作成以降初めて14%ポイントを超えた。 (中略)

特に、1-3月期を基準として就職可能者の46.6%は雇用主が週休手当てを支給しなくても良い「週15時間未満」就業者だ。秋議員は「急な最低賃金の引き上げで雇用主が週休手当ての支払いを回避しようとするため、このような短時間アルバイトを雇うケースが増加している」とし「青年層が探す良質の仕事が減って短期的な仕事に殺到して『雇用の質』が悪化している」と強調した。実際、代表的な良質の仕事に挙げられる製造業の雇用は今年3月まで12カ月連続で減少している。
(引用ここまで)
 韓国の輸出がこのままだと6ヶ月連続で減少傾向。
 何度か書いていますが、ムン・ジェインが経済オンチだからというだけが現在の韓国における経済不振の原因ではないのです。
 韓国経済は構造的な変化というか、構造的な退潮を迎えつつある。
 大統領がムン・ジェインでなくとも同じような結果にはなっていたでしょう。
 まあ、ムン・ジェインの手腕は経済不振をブーストしていること自体は間違いありませんが。

 で、第1四半期の15-29歳の失業率となる青年失業率が9.7%と発表されました。前年同期比で0.3%減少。
 ただ、現在の韓国にとってはより重要となる拡張青年失業率は24.2%と1.3%の上昇。
 この拡張失業率は記事中にもあるように体感失業率とも呼ばれていて、より実感に近い失業率とも言われています。
 さらに1週間に15時間以上働いた労働者には週休手当てと呼ばれる1日分の賃金が支払われるというボーナスが法律で規定されているのですが。
 これを避けるために15時間未満の労働が増えているという傾向があるそうで。
 最低賃金の上昇度合いが雇用側の許容範囲を超えたからこその対策ですね。
 これこそがムン・ジェインによるブーストといえるでしょう。

 最低賃金が適用されがちな小売や飲食といった雇用を減らす。
 それらの業態では雇用があっても週休手当てを避けるために短時間雇用が主となる。
 さらには「良質な雇用」とされる製造業の雇用も減らす。
 労働者としての主役ともいえる30~40代の雇用も減らす。
 おまけに新卒の内定率を21%にまで落とし込み、若者のキャリア形成を邪魔する。
 このあたりの対応はムン・ジェインならではこそといえるでしょうね。
 ムン・ジェインが大統領じゃなかったら、特に若者にとってはもうちょっと楽な状況だったとは思いますよ。ホント。

 あ、ちなみに以前に語った「最低賃金が上昇したので所得上位20%の所得が心太式に上昇した」という話ですが、これにもカラクリがあるのですよ。
 実はヒュンダイ自動車の工場労働者って時給だけを見るとほとんどが最低賃金か、それ以下で働いている法令違反の状況だったりするのです。
 年俸は1億ウォンクラスですけどね。
 今度、そのあたりのからくりを解説しましょう。面倒なので後回しにしているのですが(笑)。

韓国経済:来年の最低賃金はどうなるのかまたもや紛糾。2020年に1万ウォンにするという公約は撤回されたものの……

【社説】最低賃金引き上げ、大統領の速度調節論を議論する時=韓国(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9日、就任2周年の特別対談で最低賃金について「2020年まで1万ウォン(約926円)という公約にこだわって、そのペースで引き上げられるべきというわけではない」と明らかにした。続いて「最低賃金が急激に引き上げられて負担を与える部分が少なくなかった」とし「社会が対応できる適切なラインを見つけて決めるものと期待する」と述べた。与野党ともにこの発言に共感した。 (中略)

これは大統領が言及した韓国経済に「負担を与える部分」が少なくなかったからだ。韓国経済は2年間に29%、週休手当まで含めると50%に迫る最低賃金引き上げを経験した。この結果、自営業者は人件費負担が大きく膨らみ、資金難に苦しんでいる。大企業さえも新規採用を減らし、高い青年失業は改善していない。米中貿易紛争など対外経済環境が悪化し、輸出が5カ月連続で減少するなど、韓国経済をめぐる外部環境も厳しい状態だ。

最低賃金が韓国経済のファンダメンタルズに影響を与えているといっても過言でない。遅くなったが今からでも大統領と政界がこうした問題を認識して解決策を見いだそうとするのはよいことだ。 (中略)

先週、最低賃金委員会公益委員が集団で辞任し、来年の最低賃金を決める最低賃金委の正常化が関心の焦点に浮上している。公益委員は勤労者と使用者の委員の間で政府の考えと方針を貫徹する人たちだ。政府がどんな人たちを任命するかが重要だ。最低賃金について政府が本当に変わった立場を貫徹するのか、苦痛を受けている多くの企業と自営業者が注目している。
(引用ここまで)

 またまた韓国で最低賃金をどうするべきか、という話題で紛糾しています。
 というのも先日、ムン・ジェインは例の就任2周年におけるKBSテレビ対談で「2020年に最低賃金を1万ウォンにするという公約をしたが、そのペースにこだわらない」と述べたのですね。ま、これは再度の確認という意味が大きい発言だったのですが。
 これによって企業側、あるいは保守派議員からは「最低でも凍結」「最悪でも物価上昇率ていど」という声が挙がっています。
 その一方で労働者側からは相変わらず「大統領が選挙公約で1万ウォンにするといったのだから1万ウォンにしろ」という強硬な声が挙がっています。
 あるいは「大統領は『ペースにはこだわらない』と言っただけなのだから、上昇させないとは言っていない」という解釈もあるようです。

 決定システムは7月半ばまでに最低賃金委員会が「来年の最低賃金は○○ウォンです」と答申をして、それに対して雇用労働部長官が8月5日に「それでは来年の最低賃金は○○ウォンとなります」という告示をする、という形になっています。
 ただし、現状の最低賃金委員会の27人中9人を構成する公益委員会が全員辞任してしまい、議論が進まない状況となっているのですね。
 その他の18人は使用者側(企業側)が9人、労働者側が9人を出すというもの。
 企業側は「最低限のレベルで頼む」とし、労働者側が「どかんと上げろ!」と要求する。
 その両方からの話を折衷するのが公益委員会となるパターンが多数なので、公益委員会がいなくなるとなにも議論が進まないわけです。
 辞任の原因は韓国政府が最低賃金決定の制度について「専門家委員会」と「最低賃金決定委員会」に二元化するという方針を決めたためとされています。
 「だったら公益委員会はもういらないね」ということで抗議の辞任のようですね。

 今回の最低賃金の決定はかなり注目に値すると思うのですよ。
 つまりムン・ジェインが提唱する「所得主導成長政策」の速度感を緩めるのか。それともそのまま走り続けるのか。
 その指標といえるわけです。
 「賃金を上げれば消費も増える」という概念の下、ムン・ジェイン政権は最低賃金を去年は16.4%、今年は10.9%の引き上げてきました。
 その結果が現在の景気減速なわけですが。
 ざっくりとですが来年の引き上げ率が4%を超えるか超えないかくらいなら、まだ修正する気があるというところですかね。ちなみに韓国の去年の消費者物価指数は1.47ポイントの上昇でした。
 7%を超えるようならまだまだやる気満々ってところかな。

 そもそも最低賃金が1万ウォンに到達したからといって、それで終わりってわけじゃないですしね。
 その翌年からどうするのかって話です。
 まあ……考えてはいないのでしょうが。
 師匠筋にあたるノ・ムヒョンは「私なら7%の経済成長率を実現してみせる」とか言ってましたが、これは対立候補が経済成長率6%と言っていたので、それよりも大きな数字を腹立ち紛れに言っただけだったということが判明しています。
 最低賃金を1万ウォンにして、そのあとどうするのかとか。社会構造をどうすべきなのかとか。考えているわけがないと思いますわ。