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カテゴリ:日韓関係の記事一覧

韓国の裁判所から三菱重工の資産に売却命令……現状は13段の「現金化階段」の11段目くらい?

カテゴリ:日韓関係 コメント:(81)
韓国裁判所、差し押さえた三菱の韓国内商標と特許権に初の売却命令(中央日報)
大田(テジョン)地裁は27日、商標権特別現金化命令事件で日帝強占期徴用被害者であるヤン・クムドクさん(92)とキム・ソンジュさん(92)側と三菱重工業側に、三菱重工業の韓国内商標権と特許権を売却することを命令した。

ヤンさんとキムさんの弁護人は「裁判所が三菱重工業の資産に対する売却を許可したもの。債権者(被害者側)が要請すれば売却手続きを踏むことができるようになったもの」と話した。

売却対象はヤンさんが差し押さえた商標権2件とキムさんが差し押さえた特許権2件だ。裁判所はヤンさん側と関連し三菱重工業が2015年4月15日に韓国国内で登録した商標2件を売却するよう命令した。キムさん側と関連しては2012年6月25日と2015年2月16日に特許決定された特許権2件を売却するようにした。

裁判所はこれら商標権と特許権を売却し1人当たり2億973万1276ウォン(約1965万円)を確保するようにした。このうち1億2000万ウォンはヤンさんとキムさんが当初請求した金額で残りは利子と遅延損害金などだ。

ヤンさんとキムさんは近く商標権売却に入るものとみられる。弁護人は「商標権と特許権に対する鑑定評価を基に価格を算定した後、競売にかけるなどさまざま方法があるだろう」と話した。
(引用ここまで)


 韓国の裁判所が三菱重工が韓国国内に持っている商標権、と極圏について売却命令を出しました。
 まだ地裁なので高裁、大法院(最高裁)と2段階ありますが、三菱重工の即時抗告は棄却され続けてきたのでおそらく今回も同様となるでしょう。
 この命令が実際に発動されるまでまだ時間はかかるかな。

 さっきあった加藤官房長官の定例記者会見でもいつもの文言を繰り返しているだけでした。
 目新しかったのはちょっと前にあったアメリカでの外相会談で「韓国政府が措置を取るべき」と言及したという話が出たことくらいかな。
 記者達のトップの質問も北朝鮮の短距離弾道ミサイルでしたしね。

 ただ、今回の裁判所の命令によって間違いなく「現金化」という名の階段をひとつ登ったのは間違いありません。
 その階段、13段あって先は断崖絶壁なんですけどね。
 いまは11段目くらい。


 ただなぁ……商標権にしろ特許権にしろ売れるのか、という問題があります。
 三菱重工の商標権を手に入れて利のある企業はないでしょうしね。
 可能性としては「篤志家」が出てきて買取を行ってしまう、というパターンがなくはない。
 そうすればその買い取った人物は「愛国者」として絶賛されることでしょうよ。

 韓国の上流側にとって8000万円ほどなんてはした金もいいところですからね。

 特に最初は匿名で……とかやっておいて、最後に「なんと○○企業の社長でした!」とかなったらもうとんでもないことになるでしょうよ。
 うわ、自分で書いておいてなんですがありそう。

 韓国政府はミリほども動くつもりはなさそうですし。
 次期政権が保革どちらになるにせよ、この事態を動かすのはかなりのカロリーを必要とします。時間が経てば経つほど裁判所の命令等も進んで、政府が動くのもしんどくなることでしょうね。
 ……やらないだろうなぁ。

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元韓国釜山総領事「日本人の心は韓国から離れてしまった」「韓国への失望は深い」と苦言……

カテゴリ:日韓関係 コメント:(176)
日本外交官が苦言「日本が韓国に失望した」理由(東洋経済オンライン)
「最近の韓国には日本を緻密に研究し、対日関係をしっかり管理し改善しようとする作業が見えず、即興的な反応や反発が目につく」「平均的な日本人の心は韓国から離れてしまった。韓国をリスペクトしていた人ほど韓国への失望が深い」

日本の現役外交官の中でも、最も韓国をよく知る道上尚史・日中韓三国協力事務局(TCS)前事務局長(63)が、韓国の総合雑誌『月刊中央』の2021年9月17日発売の最新号に掲載された長文のインタビュー記事で韓国に苦言を呈し注目されている。 (中略)

「韓国の外交」について意見を求められると次のように語っている。

「外交は相手があるため自国の思い通りにはならないものだ。そこでまずは相手がなぜそう主張するのか、相手の事情をよくリサーチする必要がある。国際法、国際慣例はもちろん把握しなければならない。国内説得も重要だ。国益上、最善の方針が国民に不人気なこともあるからだ。自由でないのが外交だ。相手を十分に研究してこそ外交が可能であり、それは屈辱ではない。外交を国内の世論や雰囲気、あるいは「コード(符丁=仲間意識)」で発想すれば国の羅針盤はうまく機能せず、漂流する恐れもある」 (中略)

さらに道上氏は「韓国の日本に対する理解不足」に触れ、韓国人における寿司や居酒屋、日本観光をはじめとする日本好みは「日本文化の消費」にすぎず対日外交とは別の問題だと断言。むしろ「国家次元では、日本を緻密に研究し、対日関係をうまく構築し、しっかり管理、改善しようという作業は見えない。(逆に)即興的な反応や反発がよく目につく」と批判している。 (中略)

道上氏の父親は息子の仕事柄、韓国に親近感を抱いていたが「もうあの国はいい、友達になれない国だとわかった」と言い出していることを紹介しながらこう指摘している。

「平均的な日本人の心が韓国から離れてしまった。現在は韓国への失望と“距離置き”の状況だ。これは一時的な現象ではなく、構造的変化と見なければいけない。韓国に対する偏見や優越感でそうなったのではない。昔に比べ、日本人の韓国への知識は大幅に増えている。韓国をリスペクトしていた人ほど失望が深いともいえる」
(引用ここまで)


 珍しく黒田勝弘氏のコラムをピックアップ。
 ここで取り上げられている道上尚史氏は韓国についての著作もある外交官ですね。
 安倍政権の対韓外交政策に文句をつけた森本釜山総領事に代わって、2017年に釜山総領事に就任したという人物。
 公使として勤めていた経験もあるので、韓国とのつきあいはかなり長め。
 日本外交官韓国奮闘記なる新書を書いたこともありますね。
 この本を読んだことがあるのですが韓国のやりように苦言を呈しながらも、「奈良はウリナラのナラ」説をご開陳するとかいう部分もあって「日韓のバランスを取っている」つもりなのだろうけど、なんか変な話を書いている人だなあ……という感じでした。

 そうした韓国とのつきあいが長く、韓国側の言いようもあるていど受け入れてきた人が「平均的な日本人の心は韓国から離れてしまった」として匙を投げている。
 そうした息子の経歴を知っているはずの父親が「韓国はもういい。友達になれない国だ」と言い放つ。


 ついで「韓国をリスペクトしていた人ほど失望が深い」と語っていますが。
 これ、おそらくはご自分のことでしょうね。
 長らく韓国勤務を続けてきて、外交官として多くの韓国人に接してきたことでしょう。
 そんな人物であっても韓国に失望している。

 ……韓国に寄り添っていた人であればあるほど、失望感は深いでしょうね。
 「最終的かつ不可逆的」とした合意も守ることができず。
 さらには日韓基本条約すら守られない。
 まあ、まともな外交官であれば匙を投げて当然。
 「日本人の韓国への知識は大幅に増えている」というのは、うちなんかもその一部となっていることでしょう。
 日本人の多くは「素の韓国」を知ってしまっているのです。
 もはや「嫌韓」じゃないんだよなぁ。

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韓国メディア「自民党総裁選挙で日韓関係は改善に向かう可能性が!」……めちゃくちゃ願望入ってんねぇ

カテゴリ:日韓関係 コメント:(109)
韓日関係の対応、河野氏はあいまいで岸田氏は不安だ(ハンギョレ)
誰が首相になるかは、日本人の暮らしだけでなく隣国の韓国にも少なからぬ影響を与えそうだ。

 「安倍路線」は今回の選挙で核心の争点だ。日本憲政史上最長寿の首相となった安倍晋三前首相は、2012年末に二度目の政権に就き、昨年9月まで7年8カ月間政権を維持した。1年という短命で終わる菅義偉首相は、発足当初から「安倍路線を継承する」と明らかにした。「安倍路線」は9年間日本社会全般に大きな影響を及ぼしてきた。 (中略)

 国交正常化以来最悪の状況が続いているという評価のある韓日関係は、河野氏が当選した場合、変化が予想される。今月18日、日本記者クラブ主催の討論会で、韓日関係に関する質問は外相、防衛相などを務めた河野氏と岸田氏に集中した。河野氏はこの席で、韓日関係の2つの中心懸案である歴史問題と対韓国輸出規制を分離する意思をほのめかした。河野氏は「貿易については、日韓両国の確実な議論を通じて必要なことはするが不必要なことはしないのが原則」とし「(韓国側の)状況が解消されれば規制対策も必要なくなるだろう」と述べた。さらに「日本から、韓国からなどというようなことは言わず、貿易問題は互いに近づいてきちんと話し合うことが重要だ」と付け加えた。

 これまで日本政府は、日本軍「慰安婦」問題と強制動員被害者問題については、韓国が解決策を先に持ち寄ることを要求し、輸出規制と連動させてきた。今年7月、文在寅大統領が東京五輪開会式の出席を推進した際、争点のうちの一つが輸出規制だった。韓国政府はこの問題を解決し、行き詰まっている韓日関係改善のターニングポイントにしたかったが、日本側の反応は冷ややかだった。結局、韓日首脳会談は実現しなかった。 (中略)

 もちろん河野氏も歴史問題では強硬だ。18日の討論会で河野氏は歴史問題について、「韓国側は司法判断だと言うかもしれないが、やはり(1965年の日韓)基本条約に反するものであり、韓国内で解決しなければならない」とし「韓国政府がきちんと対応できるようにするのが大原則」と強調した。河野氏は、外相を務めた2019年、強制動員賠償判決の問題でナム・グァンピョ駐日韓国大使(当時)を外務省に招き、ナム大使の発言を途中で遮って「無礼だ」と発言した人物でもある。

 2015年12月28日の韓日「慰安婦」合意時に外相を務め、日本側の当事者だった岸田氏は「(日本軍「慰安婦」など)国際的合意、条約、ひいては国際法など、韓国がこうしたことを守るのか疑問視されている」とし「これさえも守らないならば何を約束しても未来は開かれない」と述べた。そして「対話は必要だがボールは韓国にあると思う」と付け加えた。輸出規制については特別な言及はなかった。
(引用ここまで)


 韓国メディアでも自民党総裁選挙は大きく扱われています。
 現状だと河野大臣が1回目でトップでも過半数は取れず。
 2回目で岸田議員が逆転、というようなシナリオが描かれていますが。

自民総裁選、決選投票濃厚に 議員票重み、逆転も(時事通信)

 衆院選が近いことが変数として大きくなりすぎてますね。
 「選挙の顔」として誰を選ぶのか。そのあたりが国会議員票の行方として面白い感じ。

 ハンギョレは河野氏と岸田氏の一騎打ちになるだろうと見ている。
 それぞれの日韓関係への対応として、河野氏であればツートラック路線になってくれるかもしれない。
 岸田氏は慰安婦合意の当事者である外相であった、つまり裏切られた張本人ということもあってあいまいな部分が残っている……と。


 まあ、どっちも韓国側の願望でしかないのですけどね。

 基本、ムン・ジェイン政権下の韓国を相手にすることはない。なぜならいまの政権となにか約束を交わしたとしても、来年の5月からの新政権でちゃぶ台返しをしかねないから。
 韓国となにかを交渉する場合、次の政権で覆されることも込みで考慮しなければならない状況。
 であれば、こんな政権末期でなにかを決めるのはリスクを増やすだけ。
 わずか5年とちょっとで2回の政権交代を経る、つまり3つの政権を経ることになる。
 日韓間の約束がそれを潜り抜けることはおそらく無理。

 というわけで誰が自民党総裁になろうとも対韓国で動きはじめるのは来年の大統領選挙が終わってから、ということになるのです。
 しかも、そこの最有力候補が「日本は敵性国家」発言のイ・ジェミョンだからなぁ……。
 ま、日韓関係は誰が国家首脳になろうとも誤差の範囲でしか変わりませんよ。

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韓国国会議員「我が国の国民年金が日本の『戦犯企業』に投資している、とんでもない!」……その「戦犯企業」との取引制限したら韓国企業死んじゃうよ?

韓国の国民年金 日本の「戦犯企業」に計約1500億円投資(聯合ニュース)
韓国の国民年金が、戦時中に朝鮮半島出身者を働かせたとして国務総理室所属の「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者ら支援委員会」が指定した日本の「戦犯企業」に投資した金額が計約1兆6000億ウォン(約1500億円)に達することが19日、分かった。

 同委員会は2012年、戦犯企業299社を発表した。現存するのは284社で、東芝、日立、川崎、三菱、住友などが含まれている。

 韓国与党「共に民主党」の姜炳遠(カン・ビョンウォン)国会議員が国民年金側から提出を受けた投資現況によると、今年2月時点で戦犯企業に投資された金額は1兆5700億ウォンで、直接投資が8800億ウォン、間接投資が6900億ウォンだった。

 姜氏は「年金運用と日本経済の特殊性を考えれば全ての戦犯企業への投資を完全に排除することは非現実的だが、間接投資でもない直接投資は国民の情緒にも合わず、ESG(環境・社会・企業統治)投資にも反する」と指摘した。 
(引用ここまで)


 韓国の国会議員が、日本の「戦犯企業」に多額の投資を国民年金がしているということを糾弾している、というニュース。
 この時期のおなじみの風景ではあるのですけどね。
 「三菱重工や日本製鉄に投資するとは何事だ!!!!!」ってなるっていう。

 まあ、韓国人のいうところの「戦犯企業」って伸びたり縮んだり自由自在ですから。まともな基準なんてあるわけがないし。
 三菱重工をはじめとした三菱グループ、三井グループ、日本製鉄なんかは「戦犯企業」として有名ですが。
 王子製紙やパナソニック、ヤンマーなんかも含まれています。
 あと場合によってはキヤノンやトヨタも含まれる場合がありますね。
 今回の「戦犯企業に投資」という話についてはトヨタも含まれているようです。

ガンビョンウォン「国民年金、日戦犯企業に1兆5000億投資」(ソウル新聞・朝鮮語)
投資規模が大きい企業では、信越化学(直接1629億ウォン・間接1963億ウォン)、トヨタ自動車(直接2772億ウォン・間接633億ウォン)、クボタ(直接545億ウォン・間接622億ウォン)、ダイキン工業(直接1036億ウォン・間接65億ウォン)などがあった。
(引用ここまで)

 もっとも多くの投資をした「戦犯企業」は信越化学工業だそうですよ。334億円ほどが投資されている……1年で投資された額ではなく、おそらくは手元の総額ということかな。
 信越化学工業の0.38%前後を持っているそこそこの大株主。
 じゃあ、韓国企業は信越化学のシリコンの使用禁止とかするとよいかもしれません。なにしろ「戦犯企業」だそうですからね?
 そうすると世界一高品質で需要が引きも切らない、信越化学のシリコンウエハーが入手できなくなって、半導体産業が全部死にますけども。
 SUMCOも三菱兼住友系列ですしね……。
 あとトヨタもダイキンも、ここでいうところの「戦犯企業」なのだそうで。
 故パク・ウォンスンも愛用していたレクサスも乗れなくなっちゃうなぁ。


 間接投資というのはおそらくインデックス投資。
 世界株式という形で買っているのか、日本株式で買っているのかは不明ですが。
 インデックス投資で買うと時価総額が高い企業を自ずと買ってしまうので、トヨタや信越化学なんかを大きく買ってしまうことになる。
 それどころか、韓国の国民年金は韓国人が忌み嫌っている(けど通販では大人気)ユニクロの大株主になっているはずですね。

 まあ、「戦犯企業」を外しての運用、というのもできるはずです。新たな基準のファンドを立ち上げなければなりませんが。
 でも機械的に買うだけのインデックス投資に比べると、手間がかかるので手数料等が増えることになる。
 あと「戦犯企業」は日本の主要企業を占めているので。
 収益がどうなりますかね?
 目的は「投資して儲けること」のはずなのに、そうした企業をわざわざ外すというのも苦しい話じゃないかと思いますが。

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韓国識者「次期政権では日韓関係を改善しなければ……そのためには徴用問題を前進させよう」……いや、無理じゃない?

【中央時評】韓国次期政権が必ず解決すべき徴用問題(中央日報)
悪化した韓日関係に変化の兆しが見えない。カギは徴用問題だが、韓国政府は現金化の秒針が進むのを眺めているだけだ。任期末の政府に問題解決を期待するのは難しいとみられる。どっちみち解決法は次期政権に期待するしかないため、これまでの徴用問題の対処過程を眺めて教訓を得ようと思う。 (中略)

次期政権に対する教訓は明白だ。1つ目、国内法の側面と国際法の側面に共に対処しなければいけない。2つ目、反日感情の中でもぶれずに解決策を見いださなければいけない。 (中略)

その間、専門家が議論してきた解決策のうち国内法と国際法と共に配慮する接近が「代位弁済」だ。韓国政府が代わりに賠償した後、日本側に求償権を行使する案だ。韓国としては大法院の判決を履行することになり、日本には韓日協定を理由に求償権を否認する余地がある。

その他の方法としては、国際法的な解決手続きを通じて国内法と国際法の衝突を解消する案がある。仲裁委員会や国際司法裁判所に持っていく方法だ。

最後に国内立法で韓国側が代わりに賠償する根拠を設ける案がある。「文喜相(ムン・ヒサン)案」が似た事例だ。こうすれば大法院の判決は国内立法で代わりに満たされ、国際法の韓日協定はそのまま残る。

次期政権が上記案の一つを選択すれば問題は解決するだろう。仮に次期政権が反日感情に負担を感じて選択を避ければ、負担を減らす案を講じる必要があるだろう。この点で与野党の合意で超党派的な賢人会議を構成し、解決法を依頼し、政府がその結論に従う2段階の選択方式を考えることができる。

いかなる案であれ、次期政権では徴用問題の解決法が出てくることを望む。
(引用ここまで)


 元外交通商部の朝鮮半島平和交渉本部長で、かつ元駐露大使であったウィ・ソンラク氏による「日韓関係修復の鍵は徴用工関連判決の解決にある」というお話。
 イ・ミョンバク政権の頃、南北関係が一気に緊張したあたりでの南北交渉の実務担当者でしたので、現実主義でもありますね。
 まあ、全体的な徴用工裁判からこっちの日韓の動きについても、そしてその解決方法についても仰ることはまったくもってその通りでございます。

 ムン・ジェイン政権によって無為無策のままで時間だけが進んでしまったという状況下なのでもはや政権末期にかけての解決策は無理。
 なので次期政権こそは状況を打破しなければならないと。
 まあ、言いたいことはホントに分かるのですけどね。


 言うても最有力候補はイ・ジェミョンよ?
 先日、日経新聞の「先読み韓国大統領選 情勢は? 対日関係は? 若者どう動く?」というライブストリーミングがあって、峯岸博編集委員とソウル支局長がいろいろと話していたのですが。
 その中で「大統領になるのはイ・ジェミョンだろう。イ・ジェミョンは反日と思われているが、政治の世界には金大中に誘われてやってきた。存外、金大中時代のような日韓関係になるのではないか」みたいな話をたぶん峯岸氏のほうがしていたと思うのですが(画面を見てなかったのでどちらの発言かあやふや)。

 もう金大中時代からは20年は優に過ぎているのですよ。
 近年で日韓関係が良好だったのはあの頃くらいだから、そこに一種の憧憬があるのも分からないではないですけどね。
 20年過ぎて「金大中政治を継承」もないもんだ。

 対日外交で強硬姿勢を見せることは一種の踏み絵です。
 というか、「日本の言い分を聞き入れる」ことがマイナスにしかならない。なので強硬姿勢であり続けるしかない、というのが実際。
 そしてそれは日本でも同じ。
 2016年の慰安婦合意は長期政権を築けていた安倍総理(当時)だからこそできた、という側面が大きいのですが。
 あれですら易姓革命の側面が大きい韓国の政権交代ですり潰された。

 それどころか暴れる国が相手であってもあるていど束縛できるのが「国と国の約束」である基本条約だったはずなのですが。
 それすらも通用しないんじゃ手出しのしようがないわな。

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韓国政府「国際法違反という日本の主張は一方的で恣意的だ」……じゃあもう国際司法裁判所に行くのが早くない?

韓国外交部「日本の『国際法違反』主張は一方的で恣意的」(中央日報)
外交部当局者はこの日、記者らに「1965年の韓日請求権協定の適用範囲に関する法的解釈の争いがある」とし「『国際法違反』というのは一方的で恣意的な主張」と明らかにした。

続いて「我々は被害者の権利実現と韓日両国関係を考慮し、日本側に対話による問題解決の必要性を一貫して促している」とし「韓国が解決策を提示すべきだという日本の主張は問題解決に全く役に立たない」と指摘した。

さらに「我々は合理的かつ現実的な問題解決のためのいかなる提案にも開かれた立場」とし「何よりも被害者が同意できる根源的な解決法摸索のために、日本側が誠実に対話に応じ、誠意のある姿勢を見せることを期待する」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国の大法院が三菱重工の再抗告を棄却したことについて、13日午後の会見で加藤官房長官が「明確な国際法違反」と述べた、というちょっとしたルーチンがあったのですが。



 4分10秒くらいから。
 ま、いつものパターンであって、日本はこの主張を取り下げることはないでしょう。

 この件について朝日新聞の牧野氏曰く「韓国のやりようは条約違反」「仲介するなら『日本の立場を支持するしかない』との日本側の主張を理解している」とのこと。
 同様にトランプ政権時代に河野外相からポンペオ国務長官(共に当時)に向けて「これは戦後秩序の破壊に通じる」と働きかけ、アメリカ側が日本の立場を理解するとの報道もありました。
 まあ、これで韓国側を支持するのであれば、日本側はもう自由主義陣営にはいられないレベルの話でもありますからね。


 韓国はアメリカを味方につけることも失敗して、完全に閉塞している。
 その打開を狙った奇策がGSOMIA破棄宣言だったのですが、ごりごりにすり潰されて白旗を掲げました。
 韓国に執れる手段はなにもないというのが現状です。

 今回は外交部当局者が「国際法違反の状態というのは日本の言いがかりだ」と反論した……ということになっているのですが。
 「反論」なのであれば、加藤官房長官と同様に公の場で話をするのがよいと思いますけどね。
 というか、それが韓国側の主張であるなら国際司法裁判所に訴え出るのが一番の近道だし、解決策ですらあるはずなのですが。

 日本は「韓国のやっていることは国際法上違反の状態」と主張する。
 韓国は「日本の主張は言いがかりだ」としている。
 もうお互いにフックするところなんてひとつもないし、互いに新政権になってもそれぞれの主張が変わることはない。
 であればICJが最適解だと思うのだけどなぁ……。
 なんで訴え出ないのでしょうかね?
 不思議なことですわ。

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元朝日新聞記者「朝鮮学校無償化除外の映画があるので日韓間の偏見と差別が消えていくのだ」……は?

【コラム】K-POPや映画…文化交流増えるほど韓日間の偏見と差別消える(韓国経済新聞)
一方、今月一山(イルサン)と坡州(パジュ)で開かれるDMZ国際ドキュメンタリー映画祭では在日コリアン関連の作品がいくつか上映される。そのうちのひとつはキム・ジウン監督とキム・ドヒ監督の『差別』だ。在日コリアンの生徒らが通う朝鮮学校が日本の高校無償化政策から除外された問題を中心に取り上げた。映画を見れば朝鮮学校の生徒らが差別を受けずに気楽に学校生活を送れればという気持ちができる。朝鮮学校の生徒もBTS(防弾少年団)やTWICEが好きな普通の高校生だ。キム・ドヒ監督は「日本でも韓国でも理念と思想の枠組みで朝鮮学校を見る見方が存在するが、アイドルの歌を聞いて喜ぶ姿を見れば通常の中高生と変わらないということがわかる」と話す。

ところでドキュメンタリー『差別』で最初に登場するのは安倍晋三前首相だ。2012年の第2次安倍内閣発足時の映像だ。高校無償化は公立高校の授業料を無料化する制度で、私立高校にも同じ金額を支給するというものだった。2010年の民主党政権の時に始めたが、第2次安倍内閣が発足すると朝鮮学校には適用しないと決めた。北朝鮮による拉致問題がその理由だった。単純にお金の問題ではなく政府が差別を主導することが問題だ。

これに対し朝鮮学校を運営する学校法人と生徒らが日本政府を相手取り適用除外取り消しなどを要求する裁判を起こしたが最終的に今年7月に最高裁判所で朝鮮学校側の敗訴で終わった。 (中略)

最も印象的だったのは日本人弁護士が「裁判の法律的知識だけではこの事件は手に負えないと思った」として在日コリアンの歴史を学ぼうと努力したという点だ。キム・ジウン監督は「今回の裁判を通じ日本でも韓国でもより多くの人が朝鮮学校に関心を持つことになった。朝鮮学校とともにしているさまざまな人々の話で映画を作るべきだと考えた」という。裁判を提起したために、朝鮮学校に対し、そして在日コリアンに対し知らせる機会ができた。 (中略)

明るく楽しいことだけが韓日文化交流ではない。大人が子どもたちを困らせる差別が存在するという事実も韓日両国で知らなくてはならず、朝鮮学校に通う在日コリアンの子どもたちの歴史的背景には日本の植民地支配と韓国の軍事政権もあるということを映画を通じて知ることもひとつの韓日文化交流といえそうだ。
(引用ここまで)


 朝鮮学校の無償化除外についての映画を撮影して上映することで「文化交流が増える」のですって。
 このコラムを書いたのは「元朝日新聞記者」の成川彩という人物。
 現在でもフリーライターの立場で朝日新聞のGlobe+あたりに韓国映画について書いているようですが。
 んー、まあキミがそう考えるのであればそれはそれでいいんじゃないかな……としか思えませんが。
 それが「日韓間の偏見と差別が消える」ことにつながるっていうのは飛躍のしすぎでしょう。

 というか、文化交流で理解が深まって差別が消えるなんて話自体が欺瞞なんですよね。
 現在の日韓関係はかつてよりもはるかに理解が深まった結果として生まれているものです。
 どちらかというと「韓国を理解できない」という理解が深まったと言うべきかも知れませんが。


 2002年の日韓ワールドカップあたりではまだふんわりとした印象しかなかったものが、この20年で一気に理解が進んでいる。
 「日本とは異質な国である」という理解が。
 その結果として、内閣府の外交に関する世論調査でも「親しみを感じない」が2/3、「両国関係の発展が重要だと思わない」が40%となっているわけです。

 結果、こうやって「文化交流で差別を解消〜」とかいう話の欺瞞性だけが浮き上がってしまっているわけです。
 こうした記事が出ることで「理解が深まる」とはいえるでしょうね。
 それが日韓関係の改善につながるかどうかはともかく。

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韓国政府が日本の「従軍慰安婦→慰安婦」の言い換え作業に抗議する理由とは?

日本、歴史問題反省の「河野談話」を28年目にして無力化(朝鮮日報)
韓国外交部 「従軍慰安婦」など教科書訂正に「極めて遺憾」(聯合ニュース)
 日本の教科書から「従軍慰安婦」という表現が消える。強制的という意味が込められている「従軍慰安婦」の代わりに「慰安婦」という表現が適切だとの見解を日本政府が明らかにしてから5カ月後のことだ。日本政府が従軍慰安婦問題について謝罪するという内容の「河野談話」は28年目にして事実上、死文化したとの声が上がっている。

 毎日新聞など日本のメディアが9日に明らかにしたところによると、文部科学省は教科書会社5社が提出した「教科書内の記述の削除や変更の訂正申請」を承認したとのことだ。これは、日本政府が今年4月27日に開かれた閣議で、河野談話を継承する考えを明らかにしたのと同時に、「『従軍慰安婦』という表現は誤解を招く恐れがある。単に『慰安婦』とするのが適切だ」とする答弁書を閣議決定したことによるものだ。この時の閣議では、韓半島(朝鮮半島)から日本に動員された労働者を「強制連行」とひとくくりにする表現も適切でないとされた。

 今回の日本政府の閣議決定に基づいて、教科書会社5社の中学・高校教科書29点に記述されていた「従軍慰安婦」「強制連行」という表現は実質的に消える。 (中略)

 日本政府は、1993年に発表した「河野談話」で、「いわゆる従軍慰安婦」という表現を使用し、慰安婦問題について「(日本)軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」と謝罪した。しかし、2012年に自民党が衆院選で勝利して安倍晋三氏が首相になってからは河野談話の死文化を進めていた。
(引用ここまで)

 日本政府の「従軍慰安婦」と「強制連行」という用語に関する閣議決定を受け、教科書会社が用語の削除・変更を申請し文部科学省が承認したことについて、韓国の外交部当局者は10日、「極めて遺憾」との立場を明らかにした。 (中略)

 韓国外交部は外交ルートを通じても日本政府に遺憾の意を伝えたもようだ。
(引用ここまで)


 教科書から「従軍慰安婦」「強制連行」という語句が消される、というニュースが出てまして。
 それぞれ「従軍慰安婦」→「慰安婦」に。
 「強制連行」→「徴用」に。
 まあまあ、普通の話。
 「従軍慰安婦」なんて造語は教科書に載せるべきではない、というのはよく理解できる話ではありますね。
 同様に当時徴用令があったので「徴用」とするのも当然。

「従軍慰安婦」を訂正申請 教科書、文科省が承認(日経新聞)

 各社ばらつきがあるものの、おおよそ同様に記述を変更している。
 これに対して韓国がやたらに噛みつこうとしているのですね。


 朝鮮日報からは「河野談話を死文化させようとしている」との評価。
 韓国外交部からは「遺憾の意」が表明される。
 ……いや。
 河野談話なんてもはや「まだ存在はしている」というていどのものであって、存続そのものにはなんの問題もない。

 要するに韓国は「従軍慰安婦問題」で日本に対して「永遠に倫理的に格上」になったつもりでいるのですね。
 従軍慰安婦問題をはじめとした歴史問題で、というべきかな。
 で、その格付けを失うわけにはいかない。
 でも、日本はすでにそういった話からは脱却している。対中国包囲網を考慮しているアメリカもそれを望んでいる。

 ところが韓国は旧来の関係性をそのままにしておきたかった。
 そこでGSOMIAを破棄するという脅しをかけた……というのが破棄の真相かなと感じています。
 アメリカに働きかければ日本は言うことを聞く、と信じ切った対応でしたね。
 まあ、現実はそんなことはなかったのですが。

 そうした働きかけの一環で「従軍慰安婦」という言葉を日本政府が無視することはとんでもない、と言い出している……というわけです。
 前世紀の遺物だよなぁ。

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