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カテゴリ:北朝鮮関連の記事一覧

板門店米朝会談:韓国政府「南北首脳がまず会って、トランプ大統領を紹介するという形で」→アメリカ「必要なのは米朝会談だけ。ムン・ジェインは控え室で待ってろ」

「文大統領、金正恩氏に先に会ってトランプ氏を紹介の計画…米国が反対」(中央日報)
先月29日午後8時ごろ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)で文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の晩餐が行われた。

そのごろ青瓦台国政状況室で「米朝会談が実現した」という便りが伝えられたという。その日午前7時51分、トランプ大統領がツイッターに「金正恩(キム・ジョンウン)委員長に会う」と綴ってからわずか12時間過ぎた時点だった。

国政状況室が忙しくなった。尹建永(ユン・ゴンヨン)室長は夜を明かして状況を見て30日午前8時板門店(パンムンジョム)に走って行った。すでに米朝実務交渉が行われていた。青瓦台高官は1日「尹室長は最終的に(会談形式などが)確定しなかった状態で米朝側と意見を交換するなど水面下で重要な役割を果たした」と伝えた。その一方で具体的な役割に対しては公開しなかった。

また他の青瓦台関係者の話は少し違った。この関係者は「すでに晩餐が行われた時、米朝二国間対話が確定され、その後文大統領の役割を議論した」として「北側から来る金委員長を誰が迎えるか、会談場の動線はどうするかなどが未定だった」と伝えた。

当初青瓦台は文大統領が金委員長と先に会ってトランプ大統領に紹介する絵を描いていたという。しかし、米国が反対した。青瓦台関係者は「トランプ大統領には『北朝鮮の地を踏んだ最初の米国大統領』というタイトルが必要だが、これを計算できなかったようだ」と伝えた。結局、文大統領が「私の役割は重要ではない。米朝首脳が会うことがさらに重要だ」ということを指示して状況が終了したという。

それではこの過程で青瓦台の役割は何だったのだろうか。ヒントはトランプ大統領の発言にある。トランプ大統領は29日までは「警護の問題が解決されなければならない」と話した。急に決まった会談の核心は警護だ。さらに、境界地であるDMZ(非武装地帯)会談だ。青瓦台核心関係者は「昨年5月文大統領は非公開で板門店の北朝鮮側地域で金委員長に会った」として「当時も警護の問題が提起されたが、一日で解決しこの経験が参考になったと理解している」と伝えた。

警護の問題に合意した米朝は30日午前、具体的な動線などを協議した。協議は韓国側の公式窓口である青瓦台状況室長が到着する前から進められた。最初から「南・北・米」でない「米・朝」首脳会談に決定されて行われたことを意味する。ある実務関係者は「当時米朝は二国間会談を前提にしていたため、韓国メディアは考慮しなかった」と伝えた。実際に会談当時、韓国メディアの生中継カメラは米朝メディアに押し出されて揺れた映像を送出せざるを得なかった。

文大統領は米朝会談が行われる53分間空室で待っていた。これについて青瓦台関係者は「文大統領は『ノーベル賞はトランプ大統領と金委員長が受け、私たちは平和だけ持ってくれば良い』と話した」として「米朝接触はトランプ氏の訪韓が実現した時から計算に含まれた可能性がある」と話した。
(引用ここまで)


 3行でまとめるとこんな感じ。
  • 韓国大統領府は板門店の米朝首脳会談で「ムン・ジェインがトランプ大統領にキム・ジョンウン委員長を紹介する」するつもりだったがアメリカ側に拒否された。
  • 大統領府の主な役割は板門店での米朝首脳の警護の導線を受け持つことだった。
  • ムン・ジェインは53分間の会談中、控え室で待っていた
 なんだ、主役級か準主役級を要求したけども、最初からアメリカは「米朝の首脳だけが会う」と拒絶されたので脇役に廻らざるを得なかったというだけじゃないですか。
 大統領府や与党からは「ムン・ジェインは非核化のためにあえて脇役に廻ったのだ」みたいにその精神を賞賛されていましたね。
 最初からそう言っていたのならともかく、アメリカから拒絶されてその役に廻ったっていうんじゃ、だいぶ事情が違う気がしますわ。

 あと控え室で待っている時の「トランプ大統領とキム委員長がノーベル平和賞を受けるといい。我々は平和だけでいい」というのは去年だったかにも言っていた台詞ですね。

「ノーベル賞はトランプ氏に」韓国大統領(日経新聞)
会議では故金大中(キム・デジュン)大統領の夫人から「ぜひノーベル平和賞を取りなさい」と祝電があったことが報告された。それを聞いた文氏は「我々は平和だけ受け取れればいい」と語ったという。
(引用ここまで)

 去年4月27日の南北首脳会談のあとの言葉です。まあ、なかなかの名セリフ。
 自分でも名言だと思っているのでしょうね。でも、こうして二度目に使ってしまうと陳腐になるなぁ。周りから「あれは名セリフでした」って賞賛されてるのであればともかく、自分で二度も言っちゃう。
 それも自分から身を引いたのではなく、拒絶された結果をフォローするために言ってしまう。

 こういう話はあるていど落ち着いてからじわじわと出てくるのかと思っていましたが、あっさりとリークされちゃってて苦笑。
 米朝関係下におけるムン・ジェインの立ち位置というものが見えてきましたね。

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板門店の米朝首脳会議を主導した(?)ムン・ジェインは米朝関係の「仲介者」になったのか、それとも「蚊帳の外」のままなのか……

目標を立てたら批判や苦言を意に介さない「文在寅スタイル」(朝鮮日報)
史上初の板門店での米朝首脳会談で「脇役」に徹した文大統領(朝鮮日報)
 韓国政界では1日、米朝首脳会談に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が同席できなかったことを巡って「韓国疎外論」が持ち上がった。だが文大統領と韓国大統領府(青瓦台)は、こうした批判を全く意に介さない雰囲気だ。ハノイ会談決裂後、米朝会談再開のため総力を挙げてきた文大統領としては、今回の「6・30板門店会談」で突破口を得られたので、本人が米朝会談に同席できなかったとしても全く問題はないのだ。

 与党側では「文大統領らしいスタイルが今回の会談実現の過程でも如実に表れた」という評価がなされている。文大統領は、自分が立てた目標を達成するためならば周囲の批判や苦言、屈辱的状況は意に介さず、粘り強く推し進めてきたという。 (中略)

 目標を立てたら批判や苦言にも揺るがないのは、国内問題でも同様だ。文大統領は、企業・自営業者・専門家が変更を要求し続けている所得主導成長や脱原発政策、野党との協治についても「補完はあっても修正はない」という立場を曲げていない。文大統領は、先月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議でも所得主導成長を国際的にアピールした。
(引用ここまで)

 今回板門店で行われた米朝首脳会談での文大統領の役割をめぐっては、評価が分かれている。一部では「トランプ大統領を粘り強く説得し、ハノイでの会談失敗以降全く進展のなかった米朝非核化交渉を再開させるきっかけをつくった」と肯定的な評価が聞かれる。一方で「韓国の地で世界的な外交イベントが開催されたのに、肝心のわが大統領は周囲で見ているだけだった」と残念がる声もある。「文大統領が、非核化交渉の主導権を握っている米朝の間で実質的な進展を引き出すのであれば、結果的に今日の『助演』が主演2人より輝きを放つだろう」という指摘も出ている。
(引用ここまで)

 保守紙である朝鮮日報がムン・ジェインを評価している……と思ったのですが、これはあれだな。褒め殺しだな。全体的にこの記事の翻訳がよくなくていまひとつ空気感が出ていませんが。
 「左派の連中はムン・ジェインがあくまでも『あえて脇役になった』とか言っている。目的さえ果たせればそれでいいとかいうことにしてるってことか。そういえば経済政策でも同じだな。「もう無理だ」って何人も言っているのになにも変えようとしてないわ、こいつ」っていうくらいな記事ですね。

 ま、実際のところ、この米朝首脳会談の場を提供するまでは完全に「ムン・ジェインは蚊帳の外」でした。
 うちもそういった趣旨のエントリを書いていましたし、ちょうど同じ日にデイリー新潮で鈴置高史氏も似たような記事を書いていました。

北朝鮮が韓国に“仲介者失格”の烙印 それでも文在寅が続ける猿芝居の限界が来た(デイリー新潮)

 アメリカ、日本はおろか、北朝鮮からも相手にされていなかったのは間違いない。
 ムン・ジェインの立場が「仲介者」に戻ったのか、それとも「蚊帳の外」のままなのか。
 そもそも「ムン・ジェインが主導した」みたいな話が韓国で出ていますが、本当にそんな役割を果たしていたのか。
 早急に決めてかかるのはちょっと難しいかな、という気がしています。
 まあ、これまでがこれまでですし。実際に板門店の会談には口出しできていないっていうところから見ても「仲介者」であるとは思えませんけどね。私見として。

 ちなみに日本が米朝首脳の会合についてなにも知らされておらず、「ジャパンパッシングされた!」って話も出てますが。
 あの展開の中で日本が一定以上の役割を果たしていたらむしろおかしい。
 あくまでもアメリカと北朝鮮の二国間関係であって、その場にいたムン・ジェインですら「あえて自ら脇役となったのだ」としか擁護のしようがない状況だったわけですから。

 あの場で日本がとれる役割なんてなにもないでしょう。
 あそこで日本に「これからキム・ジョンウンと板門店で会う」っていう話が通っていたとしたら、日米蜜月の具合が気持ち悪すぎる。
 というか「陰ですべてを操っているのがアベ」っていう逆説的安倍無敵論を唱えている連中が真実を語っていたことになってしまうレベルですわ。

トランプ大統領「俺がDMZまで行くんだから、キム・ジョンウンもここまでこい」→キム・ジョンウン「ツイートを見て驚いた」

金正恩氏「トランプ氏の提案に驚いた」 板門店で米朝首脳が対面 (聯合ニュース)
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は30日午後、板門店の韓国側でのトランプ米大統領との立ち話で、「トランプ大統領が対面する意向を示したことに驚いた」と述べた。

 また、「トランプ大統領と正式に対面することは事前に決まってなかった。分断の象徴であり、敵対関係にあった両国(米朝)が平和の握手を交わしたこと自体が昨日とは違う今日を表す」と強調した。
(引用ここまで)

 「トランプ大統領のTwitterは要望とか、希望していることじゃなくて、大統領としての公式声明」というように認識しているのですが、まさかそこから本当にこんな面談が実現するとはねえ……。

 来年の選挙に向けて「現役のアメリカ大統領としてはじめて北朝鮮に足を踏み入れた」というレガシーが必要なのでしょうね。
 北朝鮮が自ら非核化するにしても、力による現状変更になるにしても。
 アメリカ大統領がここまでして「交渉」しているのだから、という実績を積んでいる部分ともいえます。

 いや、それにしてもこれが演出なのか、本当にサプライズとしての話なのかは分かりませんが。
 Twitterでキム・ジョンウンに問いかけて、それをムン・ジェインに「こういう話で進める」って言い出して、その翌日にこうして会ってしまうっていうね。

kimtrump.jpg

 こっちのセリフだよ(笑)。
 っていうかTwitter見てるのかよ。
 ただ、気になるのがDMZ(板門店)についていったムン・ジェインがまったく出てこなかったところ。
 自重したのか、アメリカから出てくるなと言われたのか。
 北朝鮮とアメリカの会談、という絵面に出てきてほしくなかったのだろうなぁ。
 ムン・ジェインの「仲裁者」としての立場が弱くなった、強くなったと一口で言うのは難しい。
 もう少し状況を見たいところですね。

トランプ大統領「キム・ジョンウンに非武装地帯で会ったら握手して『やあ』と言うね。2分間ほどの会談だろう」……南北ともに2分間ずつ平等に与えるということ?

トランプ氏、正恩氏に会談呼び掛け=きょうからの訪韓時にDMZで(時事通信)
DMZ diplomacy? Trump outreach to Kim for border rendezvous(news10・英語)
 来日中のトランプ米大統領は29日、ツイッターで、同日から30日までの韓国訪問時に、南北を隔てる軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会う用意があると表明した。トランプ氏は「金委員長がこれを見ていたら、私はただ彼と握手し、こんにちはと言うためにDMZで会うだろう」と投稿し、正恩氏に会談を呼び掛けた。
(引用ここまで)

“If he’s there we’ll see each other for two minutes,” Trump predicted.
(引用ここまで)

 トランプ大統領が「DMZに行く」と言明して、Twitterでキム・ジョンウンに「これ見てたらDMZに来いよ」と煽りを入れています。


 このTweetを「トランプ大統領がキム委員長に会談を申し入れた」みたいに扱っているところもありますが……。
 どう見ても煽りだと思うんだけどなぁ。
 プロレス的な「来れるんだったら来てみろ、ええコラぁ?」っていうセリフにしか見えません。

 で、Twitterでこれを書いた後に記者に向けてコメントして「キム・ジョンウンが来たら2分間ほどの会談になるかな」と予告したとのこと。
 ……やっぱり煽りでしょ、これ。
 ムン・ジェインとの単独会談が2分間であったことを受けて、南北を同じ扱いにするというのも穿ち過ぎな見方かなという気もしますが。

 ピョンヤンからキム・ジョンウンが来るのにどれだけ準備と警備が必要になるか分かったもんじゃない。
 もしキム・ジョンウンがDMZに来るようなことがあれば、前もって入念に用意していたものであって、唐突に思いつきに対応したものではないでしょうね。
 ちょっと前に米朝で親書の応答があったとのことですが、内容がこれだったというならあり得るとは思いますが。
 しかし、ここでも「仲裁者」の影が薄いのなんの。
 この会談が実現したとしても、やっているのは場所の提供ってだけですからね。むしろ実現したら北朝鮮においしいところをみんな持っていかれているっていう。

 ただ、こういった事前リークは北朝鮮側は嫌うだろうと感じます。
 暗殺を恐れているでしょうからね。

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自称「仲裁者」だったはずの韓国、もうどこからも相手にされていない……

【社説】北朝鮮の局長クラスに侮辱された文大統領(朝鮮日報)
北朝鮮メディア、文大統領の北欧歴訪での発言に「生意気な虚言」(中央日報)
 北朝鮮外務省のクォン・ジョングン米国担当局長は27日に発表した談話で「朝米対話は南朝鮮(韓国)当局が関与する問題ではない」とした上で「われわれが米国に連絡することがあれば、朝米の連絡ルートを利用すればよく、交渉でも米国と直接向かい合う。南朝鮮当局を通じて何かをやることは絶対にないだろう」と指摘した。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は26日にも「米朝を仲裁する役割を果たす」という構想に言及したが、これを北朝鮮の局長クラスの人間に堂々と否定されたのだ。文大統領はこのインタビューで「南北対話はさまざまな経路で行われている」とも述べた。しかしこの局長は「南朝鮮当局者は(南北間で)さまざまな交流や水面下での対話が進んでいるかのように宣伝しているが、そんなものは一つもない」と明言し「南朝鮮当局は自分たちのことをしっかりやった方がよい」と皮肉った。

 金正恩氏は今年4月「差し出がましい仲裁者のそぶりはもうやめて、民族の利益を守る当事者になれ」と注文した。文大統領がわざわざワシントンにまで出向き、トランプ大統領との単独会談がわずか3分で終わるという侮辱を受けながら、「グッド・イナフ・ディール(十分いい取引)」という聞き慣れない仲裁案を何とか提示した次の日のことだった。
(引用ここまで)

宣伝メディア「メアリ」は28日「生意気な虚言に度を越した恩着せがましいこと」という見出しの文章で「今は恩着せがましいことや穏当でない虚言でなく、南北関係の膠着局面を打開するための実践的な行動が必要な時」と強調した。

このメディアは「文在寅大統領」と直接的に名指したわけではないが「この前、北欧諸国を行脚した南朝鮮党が会談や演説、記者会見などを行って彼らの『韓半島平和プロセス』の政策が北の『核ミサイル挑発』を中止させ、南北間の軍事的緊張を緩和させたなど体面もない事実を伝道して自画自賛した」と主張した。また「米国主人の顔色をうかがい、北南宣言の履行を冷遇して北南関係を膠着局面に落とした南朝鮮当局が何の体面で我田引水のような自画自賛を言い並べて恩着せがましいことに熱を上げるのか実におかしなこと」と批判した。
(引用ここまで)

 「仲裁者」として「朝鮮半島有事の運転席に座っている」はずの韓国でしたが、もはやなにを言っても北朝鮮から即否定されるという状況。
 北朝鮮から「交渉をするのであれば我々は直接アメリカに連絡する」と言われてしまう。
 アメリカからは親書が北朝鮮に渡されてしまう。
 日本も「条件なしで北朝鮮と首脳会談を行う」と宣言されてしまう。
 中国も平昌オリンピックの開会式から延々と習近平の韓国訪問を依頼しているのだけども、北朝鮮には行くものの韓国訪問はスルー。
 どこからも頼りにされていないっていうね。

 実際、北朝鮮問題で韓国を間に入れる必要なんてどこにもないのですよ。ムン・ジェインの自尊心を満足させるため……くらいですかね。
  別にメリットもなければデメリットもない。
 いや、「もう非核化したから段階的に制裁を解除しよう」ってうるさいというデメリットがあるか。
 トランプ大統領が「DMZで米朝首脳会談をやってもいい」という話をしたようですが、これも「キム・ジョンウンが会談に出てきやすい場所」というだけであって、それ以上の意味があるとも思えません。

 北朝鮮にしてみたら、仲裁者だの促進者だの言っていないでとっとと開城工業団地と金剛山観光事業を再開しろってことなのでしょう。
 できたらその他の経済特区にも韓国が出資しろというていど。
 そもそも韓国自身、そしてムン・ジェイン自身が「仲裁者」であることの理由を語れていない。
 そして、これまで「仲裁者」として実績を残せていない。
 あえていうなら最初の米朝首脳会談は韓国の手柄と言えなくもないけど、あれは江戸幕府と李氏朝鮮の双方をだました柳川一件の対馬藩みたいな役割であって「仲裁者」というには憚られるような……。
 それ以降はなんら実績がないんだよなぁ。そりゃ北朝鮮だって「連絡するなら直接する!」って言い出すわ。

ムン・ジェイン「寧辺の核施設破棄は不可逆的な非核化といえる」との持論を披露。「その過程で開城工業団地の再開をしたい」とも……

「寧辺の核施設の完全廃棄は非核化として元に戻すことができない段階」(中央日報・朝鮮語)
ムン・ジェイン大統領は26日、「寧辺の核施設のすべてが検証の下、全面的に完全に廃棄されるのならば、北朝鮮の非核化は「元に戻すことができない段階」に入ったと評価することができるだろう」と述べた。

ムン大統領はこの日公開された聯合ニュースなど、全世界の7つのキャリアとの書面インタビューで、「今後非核化交渉が本格化すれば、北朝鮮がどのような措置を完了すれば実質的な非核化が行われたものとみなすのかを決定することが重要になるだろう」と明らかにした。

ムン大統領は、「北朝鮮がハノイ会談以後の消極的な姿勢から抜け出し、既に約束したことを実行しながら、交渉妥結を模索する信頼を得るために役立つだろう」とし「国際社会が北朝鮮の完全な核廃棄の意志を明らかに確信できるよう一日も早く対話の場に出なければならない」と述べた。ムン大統領はキム・ジョンウン国務委員長に「非常に柔軟で決断力のある人物」とし「非核化交渉でも柔軟性のある決断を示すことを望んでおり、そうなることができると考えている」と述べた。 (中略)

ムン大統領はこの過程で、南北経済協力が助けを与えることができると予想した。彼は「南北経済プロジェクトの再開と寧辺の核施設の閉鎖措置を対等交換しようと主張したことがない」と言いながらも「開城工業団地の再開をはじめとする南北経済協力事業は、米国をはじめとする国際社会の負担を削減しながら、北朝鮮が完全な非核化の後に迎えるであろう「明るい未来」を先制的に提示するという点で、南・北・米の両方に魅力的な案だ」と語った。
(引用ここまで)

 昨日の「徴用工判決についての韓国政府による提案は現実的な解決方法だ」と自画自賛した書面インタビューの続き。
 今回は北朝鮮の非核化について展望を語っています。

 ・寧辺の核施設をすべて破棄する
 ・それを検証させる

 このふたつが揃うのであれば、「引き返すことのできない非核化」として認めてもよいのではないかという持論を披露。

 ハノイでの交渉で最初にキム・ジョンウンが出したのが「寧辺の一部核施設の破棄」でした。
 トランプ大統領が「それでは話にならない」として席を立った後に「それでは寧辺の核施設すべてではどうか」って言い出したのだけども、アメリカは席に戻らなかったわけですね。
 つまり、寧辺だけではアメリカを席に着かせることすらできないのですよ。
 だけども、ムン・ジェインは検証できるのであればそれで充分だと言い出している。
 その過程で「開城工業団地を再開することで、前もって経済的利益を与えることができる」とかもうね……。
 日米との意識の差は埋まらないところまできてしまっている。

 いまだに非核化ができると思っている首脳は世界の中でもムン・ジェインだけではないかと思われます。
 日米、そして世界の認識は「制裁の果てに疲弊して非核化するか、戦争するかのどちらかだろうな」というものに傾きつつある。
 もちろん、その過程で対話があってもいいのですが、一度や二度対話したからといって制裁を緩める理由にはならない。なんの進展もないわけですからね。
 この20年、北朝鮮が「非核化する」と言い続けてきたのですよ。ですが、実際にやってきたことを見ればそのつもりがないことはすぐに理解できるはず。
 ムン・ジェインの北朝鮮愛が止まらないってところですね。
 不況に片足をつっこんでいる国内事情からも、どうしても開城工業団地の再開をしたくてしかたがないのだろうなぁ……。

韓国人6150人が「北朝鮮観光をさせろ!」と政府に迫る → アメリカ政府「北朝鮮への旅行をしないことを強力に警告する」

韓国統一団体6150人、金剛山訪問を申し込んだら…米国務省「北朝鮮旅行禁止」(中央日報)
大統領特別補佐官、「対話のために」と米が差し押さえた北朝鮮船舶の釈放を主張(東亞日報)
韓国統一関連団体が韓国政府に金剛山(クムガンサン)訪問の申込書を提出した直後、米国政府が「北朝鮮旅行禁止方針には変わりがない」という立場を再確認した。

ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、国務省当局者は15日(現地時間)「8月満了する北朝鮮地域への旅行禁止措置を延長するか」という質問に「国務省は米国市民に北朝鮮を旅行しないことを強力に警告する」とし「旅行警報は維持されている」と答えた。

これより一日前である14日、韓国では統一関連市民団体「キョレハナ(旧ウリキョレハナ運動本部)が統一部に6150人の金剛山訪問の申込書を提出した。6.15南北共同宣言19周年を迎えるからだ。キョレハナ側は「4月27日から6月14日まで全国で金剛山訪問の申込書を受け付けた」として「国民の力で金剛山観光を再開したい」とと明らかにした。キョレハナは記者会見で「南北関係を当事者同士で解決できるように米国が干渉してはならない」とも主張した。

しかし、米国政府が自国民の北朝鮮旅行禁止方針を再確認し、韓国政府の金剛山観光を許容するかどうかをめぐっても否定的な立場を見せる可能性が大きい。米国と国際社会は北朝鮮の度重なる核実験とミサイル発射で北朝鮮に対する貿易や投資、大量の現金(バルクキャッシュ)取り引きを防いでいる。北朝鮮地域への観光は北朝鮮に対する制裁ではないが、韓国で観光のために移動する車両や船舶、経済協力などは制裁の対象なので米国が難色を示す場合、事実上観光が難しい。そのため、統一部は韓米ワーキンググループを通じて開城(ケソン)工業団地と金剛山観光再開に関連した懸案を米国側と協議してきた。
(引用ここまで)

文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官が、非核化対話の再開のために米国が差し押さえた北朝鮮船舶「ワイズアーネスト」号を先に送還する必要があるという立場を明らかにして、議論が起きている。

文特補は14日(現地時間)、米ニューヨークで開かれた民主平和統一諮問会議のニューヨーク協議会での講演で、「どうすれば今の膠着局面を克服できるのかというならば、まず、米国側では(米領)サモアに抑留されている北朝鮮の貨物船ワイズアーネスト号、この問題を解決する必要がある」と話した。さらに、「今のところ対話がないから(貨物船を)釈放することと関連した対話を米朝間で行う必要があるのではないか(と思う)」と明らかにしたと、自由アジア放送(RFA)が15日伝えた。 (中略)

一方、文特補は講演で、金剛山(クムガンサン)観光再開に関連して、「中国人観光客は個人的に金剛山観光に行く。それなら韓国もできない理由がない」とし、「個別に観光し、お金を出すのは、国連安全保障理事会の制裁に反するものではないと受け止めるべきだ」と主張した。
(引用ここまで)

 親北団体で南北統一を推進する団体であるキョレハナ(ギョレハナ)が「北朝鮮の金剛山観光事業を再開させろ」と言い出して、6150人の旅行申請を出したとのこと。
 で、アメリカはそれに呼応するように「北朝鮮への旅行をしないよう、強力に警告する」と宣言。
 キョレハナは釜山の日本総領事館横に設置された慰安婦像を管理している団体でもあります。
 南北統一に際して邪魔な存在となる日韓関係を破壊するために設置しているのではないか、という話がリアリティを持っている理由でもありますね。
 その指向性故に困窮が伝えられる北朝鮮を支援するため、すなわち外貨を供給するためにこうして観光事業を再開させようとしているのであろうとも考えられます。

 さて、先日も書いたように中国からの観光客は妨げられていません。いまでも訪れることはできるのです。
 ただし、観光の目玉となっているマスゲームは中止されていますけども。
 中国から行けるのであれば、なぜ韓国から行けないのだとなるのはある意味自然ななりゆき。
 ムン・ジェインの外交面におけるメンターであるムン・ジョンイン大統領特別補佐官もそのように語っています。

 そもそも、現在の統一部長官であるキム・ヨンチョルは典型的な親北派であって、持論として「アメリカとは関係なく金剛山観光事業や開城工業団地操業の再開は可能である」という発言をしている人物です。
 こんな人物が「統一部長官」となっている以上、ムン・ジェイン政権はこの計画を認めることでしょう。
 ムン・ジョンイン特別補佐官もかつて「キム・ヨンチョルが統一部長官となったらアメリカも止めることができなくなるだろう」と断言していました。

 ただ、問題は渡航手段。
 記事にあるように渡航手段は多くが制裁対象となっているのですね。
 南北首脳会談のためにピョンヤンに向かった韓国の大統領専用機すら制裁対象になって、アメリカを訪問できずにいたほどですから。
 現在のところ、南北鉄道接続はアメリカから拒絶されています。
 となると……中国からの陸路くらいしかないのですが……。
 現状の米中貿易戦争の中、かつ「最強の制裁」を北朝鮮に課している中で6150人という大量渡航をアメリカが許すのか……ということです。

 まあ、それでもムン・ジェインは北朝鮮のためならやってしまうのでしょうけどね。
 なんらかの突拍子もない手段で。
 具体的な手段はちょっと予想しづらいというか……ムン・ジェインってやることがまともな利益や国益に即していないので予想できないのですよ。

 たとえば徴用工裁判だって、日本に対して強硬に出てくることはともかく、ここまで無為無策で半年以上もなにもしてこないとか予想できないでしょ。
 誰がどう考えても「韓国側から多少なりとも動きを見せて妥協していくんだろうなぁ……」くらいに思うじゃないですか。
 ところがまったくもってリアクションゼロ。
 こんなの予想しろったって無理ですわ。
 といった感じで、今回もわけのわからない理由をつけて強行突破すると思われます。
 むしろ、強行突破しないのであればキム・ヨンチョルのような人物を統一部長官にした意味がないですからね。まあ、やるでしょうよ。

ムン・ジェイン「月内に南北首脳会談で成果を出し、3回目の米朝首脳会談につなげる」とやる気満々……まあ、絶対に無理なのですけどね

【社説】米朝首脳会談を急ぐ文大統領、急がないトランプ大統領(朝鮮日報)
 米国のトランプ大統領は昨日「私は時間が過ぎれば北朝鮮と非常にうまくやっていけると思う」とした上で「急ぐ必要はない」という言葉を4回も繰り返した。トランプ大統領は前日にも3回目の米朝首脳会談が開催される可能性について「あるかもしれないが、今度の機会にしたい」と述べた。

 北朝鮮はポンペオ国務長官や国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表など、米国側の実務担当者からの呼び掛けには一切反応せず、ただトランプ大統領との関係だけを重視している。トランプ大統領は政治面での業績が何としても欲しいため、北朝鮮はシンガポールでの米朝首脳会談と同じく、トランプ大統領が自分たちの望む文書にサインすることを期待しているようだ。しかしトランプ大統領も2回の米朝首脳会談を通じて学習し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が語る「非核化の意志」なるものがうそであることを理解した。トランプ大統領は「金正恩氏から温かい手紙を受け取った」と言葉では持ち上げているが、首脳会談については軽々しく応じようとしない。これも北朝鮮に対する制裁が続く限り、時間は米国の味方と信じているからだ。

 しかし韓国政府の考えは米国とは全く違う。北欧を歴訪中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「金正恩国務委員長とトランプ大統領に対し、早い時期に再び会うよう促している」と語ると同時に、今月末に予定されているトランプ大統領来韓前に南北首脳会談を開きたい考えも示している。非核化を促す言葉は一切語らず、ただ「会うこと」だけにこだわっているのだ。今年4月の訪米のときも、文大統領は「近いうちに3回目の米朝首脳会談を開催すべきだ」と訴えたが、トランプ大統領から「急げば良い合意は得られないだろう」と逆に言い返された。北朝鮮は何も変わっていないにもかかわらず、ただ会うだけで問題が解決するのだろうか。要するに文大統領は「もう一度ショーをやりたい」と言っているにすぎないのだ。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインが盛んに「今月中に南北首脳会談を行いたい」と発言しています。
 現在、ムン・ジェインは北欧を歴訪中なのですが、その中で行われている講演等でも「トランプ大統領の訪韓前に南北首脳会談を行い、米朝首脳会談につなげたい」と話しています。
 南北首脳会談を行うとすれば4度目。
 そこから3度目の米朝首脳会談を目論んでいる、と。

 いかにもトップダウン方式が大好きなムン・ジェインのやりそうなことですね。
 G20大阪の開催は再来週の週末。ちょうど2週間後。
 ですから、それまでに南北首脳会談を決めて、かつ行わなければならない。
 G20のために訪日するトランプ大統領がその帰りにちらっと1泊2日の予定で訪韓するとのことで、それまでに報告できるものを作りたいというのが目的でしょう。
 そして「キム・ジョンウンはこう言っているので第3回の米朝首脳会談をすべきだ」と促して、仲裁者としての立場を強くしておこうというのが目論見かな。
 以前から「(ハノイでの会談が)決裂したからこそ韓国の役割はより重要になった」みたいなことを言ってましたっけね。

 ま、無理。
 米朝首脳会談というのは「北朝鮮による非核化」という目的があったからこそ開催されたのですよ。
 ですが、ハノイでの決裂で完全に北朝鮮には非核化の意思というものがないことが確定している。
 「寧辺の使わなくなった核施設を廃棄するから、ご褒美ちょうだい」という金正日から受け告げられてきた旧来のやりかたを貫き通すことを北朝鮮は表明したも同然。
 そして、これまで「北朝鮮には確固たる非核化の意思がある」と言い続けてきたムン・ジェインは仲裁者ではなく、共犯者であるという認識に至っているのも間違いない。

 アメリカはただ根気強く制裁を行い続けて、かつ中国への圧力もかけ続けるだけでいい。
 時間はアメリカの味方にしかなりません。
 北朝鮮がじれて中距離以上の弾道ミサイルを発射するか、新たな核実験施設で核実験を行うかすればアメリカは「約束したモラトリアムを破棄した」という大義名分まで得られてしまう。
 その場合、「非核化」の手段はなにも北朝鮮の能動的なものだけではない、ということを世界は知るでしょうね。