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ソウル市が「パラサイト 半地下の家族」のロケ地を観光地化 → 観光客「うわ、ホントにみすぼらしいわ」→地元民大激怒

「貧民のレッテルを貼るのか」…『映画『パラサイト』で観光地化にアヒョン洞住民らため息(朝鮮日報)
「うわあ、実際来てみたらほんとにみすぼらしいね」

 2月17日午後、ソウル市麻浦区アヒョン洞の住宅街を訪れた映画監督志望のクォンさん(24)は、急な坂道や階段を見ながらこのように慨嘆した。クォンさんは「色あせた建物の外壁、狭い住宅の出入り口など、貧民街のいたるところにある」として「映画の舞台がセットではないというのに驚いた」と語った。ここの階段は、映画『パラサイト 半地下の家族』(以下『パラサイト』)で、空になったパク社長(イ・ソンギュン)宅に入り込んで遊んでいた主人公ギテク(ソン・ガンホ)一家が、社長一家の帰宅に驚いて抜け出した後、自宅の半地下室へ向かう道として通った場所だ。

 ソウル市とソウル観光財団は2月13日、この道を含むアヒョン洞一帯を舞台に「映画専門家と共に行くFam Tour」を開催したいと発表した。いわゆる「パラサイト・ツアーコース」だ。麻浦区庁も、ギテク一家の長男ギウ(チェ・ウシク)が友人ミニョク(パク・ソジュン)と酒を飲んでいた「テジ・スーパー」前にフォトゾーン(記念撮影区域)を設置する予定だ。映画でのようにパラソルやテーブル、椅子を配置したいという。麻浦区庁の関係者は「観光客のため、近くのトイレやレストランの案内板も立てる計画」と語った。

 だが当の住民の間からは「自治体や公共機関がわれわれに貧民層とレッテルを貼った」という声が上がった。17日に会ったある住民(37)は「ある観光客は『ここはほんとに人が住んでるのか』というようなことまで言った」として「世界的な観光地になっているが、世界の人々は、私たちがどれほど貧しい暮らしをしているか見に来るというのか」と語った。(中略)ある不動産業者は「観光コースの紹介に『アヒョン洞』はしっかり付いている」として「マンションを売りに出す顧客が『パラサイトのせいで売れないんじゃないか』と尋ねてくる」と語った。
(引用ここまで)


 ソウル市長のパク・ウォンスンが「最下層の気持ちを知る」とか言い出して、一ヶ月間屋上小屋で暮らすなんて茶番を繰り広げてましたけども。
 そのときにも周辺住民から「パク・ウォンスンは我々を貧民扱いするつもりか!」って声が上がってましたね。
 言ってみればソウル市がオフィシャルに「ここ貧民街です」って指定されたも同然ですからね。

 それと同様で「パラサイト 半地下の家族」の主人公一家ゆかりのロケ地はアレな場所と認定されたも同然。
 アカデミー賞とカンヌ国際映画祭にまで認められちゃってるわけですよ。

 たとえば韓国の観光地を紹介しているkonestというサイトがあるのですが、そこでもパラサイトのロケ地一覧があるのですが。
 アヒョン洞の解説とかひどいっすわ。
 「昔ながらの街並みが残る阿峴洞(アヒョンドン)」ですからね。
 1ページの中で3回も「昔ながらの」って書かれてて、そのすべてがアレだという。

 konestのページによると、アヒョン洞は大規模な再開発地区に指定されているとのことで、あと数年で一帯がすっぱり消えるようです。
 いまのうちに「ここがあの貧民街かぁ」って見学に行くとよいかもしれません。
 問題は「本格的な貧民街」のレッテルが再開発後に剥がれるのかどうか、ですかね。

大韓航空&アシアナ航空「パラサイト 半地下の家族は機内上映リストから外します」→その理由は「国の恥」だから?

「寄生虫」大韓航空・アシアナ機内上映不可能に……なぜ?(中央日報・朝鮮語)
アカデミー賞で4冠に輝いたポン・ジュノ監督の映画「寄生虫」を韓国国籍の航空会社の飛行機で見られないことが確認された。

フラッグキャリアである大韓航空、そしてアシアナ航空が機内上映映画のリストから「寄生虫」を除外したためだ。 (中略)

大韓航空の機内上映映画選定基準から外れたためであるという。大韓航空は旅客機事故場面など乗客に不安を与える映画、あるいは特定の国・民族を卑下する内容や韓国の否定的な内容を扱った映画など政治的・社会的問題になり得る素材を扱った映画などは、機内上映リストから除外している。

「寄生虫」の場合、貧富の格差など韓国の否定的な内容を扱ったという理由で、機内上映の映画のリストから抜けたという。
(引用ここまで)


 いまだに韓国国内では「韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞4部門獲得!」と大騒ぎですが、その一方で醒めた見方もされるようになっています。
 すなわち、半地下住居や証明書偽造といった「韓国の恥」となる現実をそのまま表現してしまっている。
 「国辱もの」ではないか、という見方があるのですね。
 先日も在韓の日本人准教授から指摘があったように、半地下住居の描写はかなりリアル。
 「目を逸らしたくなるほどだった」としています。
 でもそれは「いまそこにある韓国社会」「ありのままの韓国人」が物語の核となっている以上、どうしようもない。
 上流社会に「寄生」でもしないかぎり、その構造は変わらないのだ……というのが映画の語り口ですからね。

 で、よりによって大韓航空とアシアナ航空がパラサイト 半地下の家族の機内上映を中止。
 残酷なシーンもあるからなぁ……と思ったのですが、普通にR-18/15クラスのシーンのある映画も機内上映はされてます。
 ちょっと前に日航に乗った時にデッドプール2がリストにありました。見ようかちょっと迷いましたね。搭乗時間がそれほどでもなかったので見なかったのですが。あれは元々R-18だったものをPG-13にしたバージョンなのかな。
 「パラサイト 半地下の家族」は、日本のレーティングではPG12。韓国ではR15。フランスでは年齢制限なし、だそうです。

 年齢制限云々ではないとなると、やっぱり記事にあるように「韓国の恥」を大々的に扱っているから、ということでしょう。
 まあ、カンヌ映画祭で最優秀賞、アマデミー賞4部門制覇でひとしきり盛り上がった後は、韓国そのものが反省会をすべき内容ではありますよね。
 あれが「世界に評価された韓国」であるべきかどうか、という論争はあってしかるべきでしょう。
 まあ、映画の中で描かれているように、どうしようもなく固定された社会構造ですから、反省したところでどうにもなりゃしませんが。

パラサイトのガイドブック的にも使えますね、この本は
韓国 行き過ぎた資本主義 「無限競争社会」の苦悩 (講談社現代新書)
金敬哲
講談社
2019/11/13

韓国メディア「パラサイト 半地下の家族」で「独島は我が領土」の替え歌が使われてて日本人が激怒!」……いや、そんな曲のこと知らんがな……

日本でも興行街道…「独島ジェシカ・ソング」は「困難ですね」(MBC)
隣国日本でもアカデミーを席巻した「寄生虫」のニュースが断然話題だが、受賞をきっかけに上映館が大きく増える予定だとします。

「独島は私たちの土地」が原曲である映画の中の「ジェシカソング」の交錯した反応出ています。 (中略)

「ジェシカ一人娘イリノイシカゴ...」

「ドクトヌンウリタン(独島は我が領土)」を原曲にした「ジェシカソング」についての反応は交錯します。

原曲を知らない場合は、曲が愛らしいとTwitterに投稿もあるが、反日表現しながら気分が良くないというコメントもあります。
(引用ここまで)


 「パラサイト 半地下の家族」がアカデミー賞を受賞したことで……ってこの枕の文、3回目。
 まあ、楽韓Webでも扱えるネタがいろいろあって助かります。

 劇中に「ドクトヌンウリタン(独島は我が領土)」の替え歌で、半地下の家族の長女が自分の偽りの身分を復習する、というシーンがあるのですよ。
 このニュースの1分ちょっとのところから……。



 見た時に「あ、これドクトヌンウリタン?」ってちらっと思いましたが、楽韓さんですらそのレベル。
 観客が100人いたら1人も気がつかない可能性が高いでしょうね。
 1000人いたらどうにか気づく人が……いるかなぁ? いるか?
 特にアカデミー賞受賞以降は「フツーの日本人」が多く見にいくでしょうから、なおのこと分からない人の比率が上がるでしょうね。

 ほとんどの日本人が「ドクトヌンウリタン」なんて言葉を知らないし、ましてやそれがこういうシーンで出てくるくらいに圧倒的多数の韓国人に刷りこまれている、なんてことを知らない。
 もちろん、このシーンの曲が「独島は我が領土」であることなんて知りようもない。
 まず街で100人にこのシーン見せて「この曲知ってますか?」って聞いてみりゃいいのに。
 というか「10人知っている人を見つけるまで帰れません」って企画やったらどのくらいかかるか分からないくらいのレベルですわ。

 どうもこう……自己評価が高いというか。
 日本における韓国というもののステータスをえらく高いものだと思い違いをしてるんだよなぁ。

ソウル市、「パラサイト 半地下の家族」のロケ地を観光コースとして開発開始……舞い上がりすぎじゃね?

ポン・ジュノ監督作品のロケ地 ソウル市が観光コース開発へ(聯合ニュース)
米アカデミー賞で作品賞など4冠を達成した韓国のポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」(以下、パラサイト)がブームの中、ソウル市がポン監督作品のロケ地を観光コースとして開発する計画だ。

 ソウル市が観光コースとして開発を進めているのはポン監督の「グエムル―漢江の怪物―」「殺人の追憶」「オクジャ(okja)」「ほえる犬は噛まない」の映画4作品のロケ地。観光客にロケ地の情報を分かりやすく提供し、現場には案内表示板やフォトゾーンを設置する。国内外のポン監督のファンや映画専門家らが参加するファムツアーも企画している。

 「パラサイト」の撮影が行われたスーパー(麻浦区)、紫霞門トンネルの階段(鍾路区)、ピザ店(銅雀区)などを巡ることができる「映画『パラサイト』ロケ地探訪コース」は昨年12月にソウル市観光公式サイトに紹介された。
(引用ここまで)


 パラサイト 半地下の家族のロケ地をはじめとして、ボン・ジュノ監督のこれまでの監督作品のロケ地を観光地として整備しよう、とのソウル市の計画。
 舞い上がってるなぁ……。
 まあ、アニメ版スラムダンクのオープニングで描写された江ノ電の踏切には中国、韓国をはじめとした外国人観光客が引きも切らない状態ですし、君の名は。ラストシーンで使われた階段も同様。
 先日、ちらっと行った箱根でも大々的にエヴァコラボしてましたし、飯能もまだまだあの花他の超平和バスターズ作品とのコラボをしてますね。
 こういった観光名所としたいのでしょう。

 韓国には外国人観光客を引きつけるための素材が少ない、というのは何度も書かれていることでして。
 世界的なアミューズメントパークがあるわけでもなければ、歴史的建築物があるわけでもない。世界遺産となっているものはただの土団子
 ハリウッドのWalk of Fameのような名所にしたい……のでしょうね。たぶん。

 ちなみに半地下の住居、高級住宅についてはセットで作ったもの、とのことなので聖地巡礼はできません。



 映画を見た時のリアルさはすっかりロケだとばっかり思ったのですが、セットだったとは。
 かなり作り込まれていました。電線の無茶苦茶な張り具合とかホントに「あ、これこれ」って感じでした。
 まあ……聖地巡礼はできなくても韓国の都市部であれば半地下住居はいくらでもありますからね。

韓国に住む日本人助教授「パラサイト 半地下の家族は見ていられない。あまりにも辛い映画だ……」→「すぐそこにいる貧困層」を連想してしまう模様

韓国に住む私がパラサイトに目を覆ってしまった理由(JBpress)
(※)本記事は映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじに関する記述が含まれます。映画を未見の方はご注意ください。 (中略)

ただ、この映画は私が見るにはあまりにも辛い映画だったのだ。 (中略)

 2つ目は、私も一歩間違えば半地下生活を送っていたかもしれないからだ。 (中略)

 お金を工面できなければ、頭金や家賃が飛び切り安い半地下生活が待っている。

 あるとき、転居先を探そうと不動産屋を周っていたとき、「お得な物件があります」というので、下見に行ったことがある。歩いて向かっている途中、家内が「たぶん、半地下よ」と言っていたのだが、ずばり当たっていた。韓国人にはそれとわかるものだったらしい(家内は韓国人である)。部屋に入ってみると、映画に出てくるように、歩いている人の足が窓から丸見えだった。 (中略)

 恐らく10年ほど前だろうか、私は半地下の部屋がある集合住宅の3階に住んでいた。半地下には高齢の女性が1人で住んでいた。ある夏の日、ソウルを大雨が襲った。すると、長時間にわたる集中豪雨で下水道が逆流したのだ。半地下のその女性の部屋にあっという間に浸水し、私は部屋から水をかき出したり、ポンプで排水できるようになってから家具を外に出してあげたりした。 (中略)

私はトイレのドアを閉めて、流れ込んでこようとする汚水を堰止めた。私はサンダルを履いて家具を運んでいたのだが、漏電防止のためブレーカーを落として電気を消しているのと、汚水に被われているために、床など見えるはずはない。家具を持ち上げて踏ん張ったとき、ガリッと足で何かを踏みつけた。その感触からしてグラスか何かのガラス製品だろう。一歩間違えば、大けがだった。

『パラサイト』という映画は、そういった場面を、ずいぶん見やすく描いていると思った。その一方で、半地下生活の映像を見ながら、私が見聞きしている実際の半地下生活の姿が脳裏でフラッシュバックされ続けていたのだ。私は映画を見ている間、何度か思わず目をつぶってしまった。
(引用ここまで)


 以前に「パラサイト 半地下の家族」、特にその前半は現在の韓国社会を描写しただけのものだ、という話をしましたね。
 それ故にあるていど韓国を知るものには刺さらない、と書きました。
 韓国在住の日本のかたからも似たような意見が出てきました。
 こちらの著者(漢陽女子大助教授)の場合は、逆に「近すぎて身につまされる、見ていられない」という方向性ですが。

 大雨が降ったら溺死、あるいは感電死を覚悟しなければならないという半地下住居でしか暮らせない人々が存在するというのが韓国の現実。
 韓国の薄暗い現実に焦点が当たっているわけで。
 「アカデミー賞獲得マンセー!」じゃないんだよなぁ。
 社会構造として固定されていて覆しようがないことだし、現政権(そして将来の政権でも)にも覆すつもりがゼロだからなんともならないだろうけど。

 今回のアカデミー賞受賞で一番悔しい思いをしているのは、ソウル市長のパク・ウォンスンかもしれませんね。
 半地下住居以外に貧困層向け住居として知られている屋上部屋(ビルの屋上に作られたプレハブ等の部屋。冬寒く、夏暑い)に「貧民の気持ちを知るのだ」として一ヶ月住み続けたのですが、あれが半地下のほうであれば「私もあそこで暮らした。気分はよく分かる」とか言えたでしょうに。
 そういう意味では持ってないな、と思います。パク・ウォンスンは次期大統領ないかな、こりゃ。

 ちなみにこういった半地下、屋上部屋(屋塔房)、ビニールハウス住居、孝試院(コシウォン)などは正規の住居ではない扱いなので幻の住民扱いとなっています。これら以外にも「ボイラー室住民」とかもいます。
 一説には韓国の全世帯の5%以上ともされる100万世帯以上がこういった「非住居」に住んでいるとも。
 いや、半地下は住居として認められてたかな。その辺りで一口に「貧困層(疎外階層)向け住宅」といってもいろいろヒエラルキーがあったりするのです。
 値段的には孝試院>半地下>屋上部屋>ビニールハウス住宅……って感じかな。

アカデミー賞4部門受賞の「パラサイト 半地下の家族」、半地下の現実を見てみると……

英BBC「『パラサイト 半地下の家族』はフィクションだが「半地下」は現実…南北対立の産物」(中央日報)
映画『パラサイト 半地下の家族』が日本でも大ヒット中。これが韓国のリアル"半地下暮らし"だ(週プレNEWS)
第92回アカデミー授賞式を席巻したポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』の背景となっている「半地下」が海外メディアから注目されている。

英国放送BBCは10日(現地時間)、「ソウルの半地下に住む本当の人々」という記事で、ソウルの半地下に居住している人々のインタビューと彼らの家の内部の写真を公開した。

BBCは「映画『パラサイト 半地下の家族』はフィクションだが、半地下はそうではない。ソウルには数千人もの人々が半地下に住んでいる」と伝えた。

半地下に住んでいるAさんはBBCに「半地下は光がほとんど入らず、植物が育ちにくい。他人が窓から家の中を見ることができ、10代達は時々その前でタバコを吸うこともある。夏は湿気に苦しみカビが育ちやすく、トイレの天井はとても低くてかがまなければならない」と吐露した。

しかし、Aさんは「もう半地下に慣れた」と話した。Aさんは「私はお金を節約するために半地下を選択し、多くの貯金をしている。しかし、人々が私を憐れむのは止めようがない。私は半地下が貧困を象徴していると考える」と述べた。
(引用ここまで)

本作の魅力のひとつは、その卓越した舞台設定だ。主人公の一家が暮らす「半地下」という韓国特有の住居形態には、映画を見た誰もが興味を惹(ひ)かれるだろう。家賃が格安で、所得の低い人々が選ぶという半地下物件、その実態は? 現地で住人たちに話を聞いた。

「電気も水道も通ってるし、問題ありません。快適ですよ」(半地下暮らし約1年の男性)
「台風の季節は入り口から雨水が入ってくるのが厄介」(半地下で美容室を営む女性)


住めば都か、それとも? 
(引用ここまで)


 「パラサイト 半地下の家族」がアカデミー賞4部門を受賞したことで、「韓国の半地下住居」というものに注目が集まっています。
 映画の中で描かれているのは上層と下層の完全な分断。
 チキン屋、台湾カステラ屋と自営業で敗れ果てた父親、大学受験に失敗した長男、長女。半地下のみじめな境遇でピザ店の配達用の箱を作るような内職をするしかない家族。
 半地下は大雨が来たら「溺死を覚悟する」ような場所
 記事にあるように半地下の家賃は激安。
 そこでなら暮らせるけども、それ以外には豪邸の中で「パラサイト」となっていくくらいしか彼らにはそれを覆す手段がない。
 そういった描写から、「パラサイト」が完了したと思わせたところが面白い部分ではありますが。

 ちらっと昨日の本日の動向でも書いたのですが、その「半地下の家族 対 地下の家族 豪邸の大決闘」以外の部分っておおまかに韓国の現実なのです。
 なので「韓国を知っている人間」にはあまり刺さらないのです。
 木村幹教授も「突出した存在にも思えない」って書いていましたね。



 逆にいえば韓国の現実を知らない人間にとっては「こんな光景があるなんて」と驚愕するしかない。
 もうそれだけで掴みはOKなわけですから。
 そこからの韓国社会の二面性の提示、「地下の家族」がいることのどんでん返しで魅入られるのでしょうね。
 ま、正直なところ前半は「半地下」を知っている人間には退屈でしかない描写ではあります。

 韓国映画ということでそれほど期待されずに日本での公開は遅れに遅れたのですが、それが逆に幸いしましたね。
 興行成績も伸びるんじゃないかな。
 問題はそれが日本での韓国映画の評価にはおそらくつながらないだろう、ということくらいなものですか。

ボン・ジュノ作品はグエムルとこれくらいしか見てないけど、これは凄みがあったなぁ……。
殺人の追憶(字幕版)
角川映画

「パラサイト 半地下の家族」が10億円突破……それでも、韓国映画は日本で受け入れられない理由

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日本でも「パラサイト」熱風(東亞日報)
昨年末、渋谷で開かれた映画「パラサイト 半地下の家族」の試写会で、めったに見られない光景が繰り広げられた。初めから笑いの海となった試写会は、映画が始まって5分ほどで爆笑のるつぼと化し、中盤には真剣になった。鑑賞者は、「やはりパルムドールだった」と評価し、親指を立てた。

米アカデミー作品賞の有力なノミネート作であるポン・ジュノ監督の「パラサイト」は、日本で10日に上映され、3週目の27日に70万人を動員し、興行収入10億円(約109億ウォン)を達成して、日本を「パラサイト・ワールド」に惹きつけた。日本では「パラサイト 半地下の家族」というタイトルで上映され、28日現在、日本の映画専門サイト「映画ドットコム」で検索ランキング1位になるほど話題だ。 (中略)

日本の映画制作者連盟によると、日本で上映された韓国映画が10億円を超えたのは、2004年の「太極旗を翻して」(カン・ジェギュ監督)が初めてだった。制作、主演すべて韓国が担った映画が興行収入10億円を超えたのは、05年「私の頭の中の消しゴム」以来15年ぶり。韓流ファンが歓呼するハンサムな俳優が出演した以前の興行作とは違って、演技派俳優が出演した、ジャンルも恋愛ものでない映画がこのようにヒットしたのは、韓流の概念を跳び越えることだった。
(引用ここまで)

 以下のエントリはほぼネタバレなしですが、ちょっとスクロールするようにしておきましょうか。





 「パラサイト 半地下の家族」の興行収入が10億円を突破したそうですわ。
 10億円は「ヒット作」のひとつの目安としてあげられるとは思います。
 2019年、日本で封切られた映画で興行収入が10億円以上のものは邦画は40本、洋画は25本とのこと。邦画は月に3本、洋画なら月に2本。
 まあ、「ヒットした」とはいえるレベルではないですかね。

 主演・監督・配給ともに韓国となる映画では2005年の「私の頭の中の消しゴム」以来の10億円突破。
 主演が日本人の映画では2010年のサヨナライツカがありましたっけ。
 どちらも日本が原作っていうのが象徴的ですね。
 アホかってくらいの数の韓国映画が封切られては揃って討ち死にしていくという時期がありましたが、映画の「お金を出して能動的に2時間以上を拘束される」という性質上、ゴリ押しは効かないのですよ。

 で、パラサイトは15年ぶりに10億円を突破した、ということですが。
 まあ、それで「熱風」が起きているかどうかは難しいところ。
 映画としてとにかく地味。
 チキン屋、台湾カステラ、自営業破綻、半地下住居、証書偽造、上下格差といった、韓国ウォッチャーであれば、身を乗り出すほどのテーマやシーンが満載となっていますが。
 「カンヌ映画祭でパルムドール受賞」以外に、日本人が見る動機というものがない映画ですね。
 つまり、日本における韓国映画の位置というものが分かると思います。
 日本人は「韓国映画だから」という意識で見にいこうとはしておらず、「賞レースで話題になっているから」で見にいこうとしている。
 逆にいえば賞レースにからんでいないような作品は見られない。マニアのものであるということになるわけです。

 ただ、「パラサイト 半地下の家族」が批評家からは絶賛されているというのは、こういう上下格差が世界に普遍的なものであり、かつそれが多くの国で問題になっている。
 さらには上層への復讐心が燃え上がりそうになっている、という部分の象徴として選ばれている作品かな、という感じがします。

 どっちにしても韓国映画の次につながる、というような部分はないかな。
 単発の突然変異的な映画といえると思います。うちですら、去年3本しか見てないもんな……。

ちょっとだけ被る部分があるかなー。
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ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2020/01/29

韓国メディア「今回こそ韓国映画がカンヌ映画祭でトップになるはず!」→日本映画が受賞でしょぼくれるというオチ

「バーニング」カンヌ映画祭本賞受賞不発。批評家連盟賞に口惜しさを慰める(ソウル経済・朝鮮語)
世界3大映画祭に数えられる第71回カンヌ国際映画祭が12日間の日程を終えた。最高賞に相当するパルムドールは、日本の監督是枝裕和の映画「万引き家族」となった。8年前に脚本賞を受賞した「時」の後に、久しぶりにコンペティション部門に進出したイ・チャンドン監督は、受賞できなかったが、国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞と技術部門最高賞のバルカン賞(シン・ジョンフイ美術監督)を握って物足りなさをなぐさめた。

ドイツのミュンヘンに本社を置く国際映画批評家連盟は19日(現地時間)、「バーニング」を受賞作に選定した。連盟は1930年の世界の映画評論家、映画専門記者が集まって作った団体でカンヌ映画祭をはじめ、ベルリン、ベネチア、釜山国際映画祭など各種の国際映画祭に審査員を派遣して連盟の名前で芸術性の高い映画を表彰している。 (中略)

一方、パルム・ドール受賞作である「万引き家族」は、祖母の年金と窃盗に生きていく家族が一人寒さに震えている5歳の女の子を連れて来て、家族に迎え、繰り広げられる話を描く。是枝裕和監督は「そして父になる」「海の町ダイアリー」「台風が過ぎ去って」などの家族愛を扱った作品と同様に、今回の映画でも家族の意味を問いかけカンヌ映画祭を通して好評を受けた。
(引用ここまで)

 なぜかは不明ですが、今回のこのバーニングという映画で「韓国初の三大映画賞を取れる!」と韓国メディアの鼻息が荒かったのです。
 村上春樹の「納屋を焼く」が原作なのだそうですね。未読。
 内容は見ていないのでなんともいえないところですが、「映画情報誌で最高点をもらっている」ということから受賞の機運がかなり高まっていたのですよ。

「バーニング」カンヌ映画祭情報誌から史上最高評点(KBS WORLD RADIO)

 なんというか「もう受賞したも同然」くらいの勢いで報道されていたのですね。
 で、パルムドールは是枝裕和監督の「万引き家族」になったという絶妙のオチ。
 既視感があるなぁ……と思っていたのですが、ミス・ユニバースですね。

 韓国代表のイ・ハニという代表がさまざまな前評判で1位を取っていた、ということが報道されてまして。事前調査の5冠王とかだったかな。
 んで、「韓国人初の世界的なミスコンテストでの優勝に期待しよう!」となっていたのですよ。オチとして、日本代表の森理世さんがミスユニバースで日本人として2回目の優勝を飾るというものでした。
 あれは秀逸なオチだったなぁ……。

 さすがに日本映画の受賞に物言いをつけている韓国メディアはないようですが、その内心を慮るとちょっと面白いですね。

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)
村上春樹
新潮社
1987/9/25