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カテゴリ:宇宙開発の記事一覧

遅延していた韓国独自技術の月探査船計画、さらに2年後ろ倒し。というか、そもそも韓国の宇宙開発はすべて泥縄なのでは……

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(99)
月探査事業を2022年まで延長…技術的限界により167億追加で必要(朝鮮日報)
 科学技術情報通信部は10日午前10時、国家宇宙委員会宇宙開発振興実務委員会(以下、宇宙実務委)を開催し、「月探査事業の主要計画変更案」を審議・確定したと発表した。

 宇宙実務委はこの日、月探査事業団と宇宙分野の専門家からなる点検評価団が導き出した診断内容と解決策を、積極的に受け入れた。月軌道船の開発期限を20年12月から22年7月に延長するとともに、ロケットの目標重量を当初の550キログラムから678キログラムへと上方修正した。

 これまで国内の月軌道船、月探査船の開発現場では、事業計画内の条件変更と技術的限界により、目標の重量に合わせるのは困難との声が高かった。わが国の月探査事業計画は、初期に韓国型の発射体を使用し、地球から月の軌道まで行くというものだった。

 しかし、事業の初期に月軌道船に韓国型発射体を利用しないことが決まり、計画は狂い始めた。発射体に搭載する燃料の容量と発射体の重量によって、軌道船と構造物の重量が変化せざるを得ないというのが現実だ。

 この日、宇宙実務委が新たに調整した重量678キロは、搭載体の追加などによって増えることが予想される、燃料、構造物、電力系の部分を考慮したものだ。わが国の月軌道船の発射体は米国の民間宇宙航空企業、スペースXのものを使用する。
(引用ここまで)


 ちらっと月探査船についての経緯も書いておきましょうかね。
 パク・クネが2012年の大統領選挙公約で「2020年には月に太極旗をはためかせる」として月探査船計画がスタートされました。本来は2025年以降にこんなのできたらよいなぁ……くらいの計画だったのですが、大統領公約となったからには強力に進めざるを得なくなったのですね。
 当初は韓国型ロケットとされているKSLV-IIに、韓国の独自技術で開発した月面探査船を搭載して打ち上げる、というような話もあったのですが。
 現実的に考えたらまだスペックが固まってもいないロケットに搭載する計画はどうよということになって、第1弾は他国製ロケットでの打ち上げが予定されることになりました。スペースX社のファルコン9が予定されています。
 月探査船については、当初のスケジュールはこんな感じでした。

・2018年?月 韓国型月探査船打ち上げ(外国製ロケットによる)
・2019年?月 KSLV-2 1号機打ち上げ
・2020年?月 KSLV-2 2号機打ち上げ(韓国型月周回船)
・2020年?月 KSLV-2 3号機打ち上げ(韓国型月探査船)

 すべてがリスケされてますね。
 3段ロケットのKSLV-2の1号機打ち上げは2021年予定。
 月探査船打ち上げは2022年に延期。
 すべてが急ぎすぎのスケジュールだったので、これくらいでちょうどいいという気もします。
 月探査船についてはパク・クネの選挙公約であったことからすべてが積弊清算で吹き飛ばされるかとも思われたのですが、今回の記事で事業として継続されていることが確認された……というところです。

 でもって、打ち上げ時(いわゆるLaunch Mass)の重量が678キロに増やされた、と。
 これまで各国の月周回軌道打ち上げ時の重量は中国の嫦娥1号が2.3トン。日本のかぐやが2.9トン。インドのチャンドラヤーン1号が1.3トン。
 それらに比べるとやや慎ましやかなスペック。
 「現実的」といえるかもしれませんが、それでそのあとどうするのだという将来像が見えてこない。

 宇宙飛行士計画と同じで「韓国人も宇宙に行くのだ」とぶち上げて、ロシアから宇宙旅行枠買い取って終了。
 月探査もパク・クネが「月に太極旗をはためかせる」と公約で述べて、そこには向かっているけどそのあとどうするのかのグランドデザインが不明。
 ついでにいえばKSLV-1、2も同様。
 韓国の国家規模で打ち上げ能力を得たとして、そのあとどうするのか。衛星打ち上げを商業的に成功させるのか、それとも国家事業として継続していくのか。
 韓国国内の衛星打ち上げ需要がそれほどあるわけでもなく、かといって国外から持ってくるほどの競争力があるというわけでもない。
 メディアからはダメな液酸液水エンジンのH-IIロケットから、ケロシンエンジンを搭載した韓国のKSLV-2が市場を奪い取るなんて妄想が書かれていましたが。

 いやホント、どこに向かうつもりなんでしょうね?
 とりあえずこうしてネタにはなるので継続はしてほしいのですが。ちなみに「独自技術で製造」ということになっていますが、2016年にNASAから技術供与してもらえる協定を結んでいます。どれだけの技術がもらえるかは不明なのですけども。

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韓国が「独自技術で製造」したヌリロケット、今日の午後に初の試験打ち上げ!

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(166)
韓国初の純国産ロケット、28日に試験打ち上げへ(朝鮮日報)
 韓国型ロケット(ヌリ号)の試験ロケットが28日午後4時、歴史的な打ち上げの瞬間を迎える。試験ロケットは、全3段からなるヌリ号の2段目に当たる小型ロケットだ。韓国製の75トン級液体エンジン1基が搭載されている。今回の試験打ち上げは、2021年のヌリ号打ち上げに先立ち、韓国の技術で開発したロケットエンジンの飛行性能を確認するために実施される。

 今回の試験打ち上げはロケットの核心であるエンジンの性能を本番さながらに確認するもので、総額1兆9572億ウォン(約2000億円)に上る韓国型ロケットプロジェクトの成否を占う重要な関門となる見通しだ。

 韓国で宇宙ロケットが打ち上げられるのは、2013年1月に打ち上げに成功した羅老号以来、5年10か月ぶり。羅老号は2度の打ち上げ失敗(2009年、10年)を経て3回目に成功した。しかし、肝心の1段目ロケットのエンジンはロシア製だったため「半分の成功」にとどまった。今回のヌリ号はエンジンを含め全てが韓国で開発された。

 試験打ち上げに至るまでも紆余曲折があった。地上試験で何度もエンジンの欠陥が見つかり、エンジンの設計を20回以上変更した。研究陣は地上でエンジンに点火する燃焼実験を約100回実施し、エンジンの完成度を高めた。韓国航空宇宙研究院のコ・ジョンファン韓国型ロケット開発事業本部長は「今回の試験打ち上げが成功すれば、ヌリ号の成功の可能性も一層高まるだろう」と話した。
(引用ここまで)

 まあ、どこまでが「独自」なのかさっぱり分からない「独自製造」のヌリロケットの試験打ち上げが今日行われるそうです。
 スケジュールとしては打ち上げの可否は午後2時30分までに決定。
 午後4時前後に打ち上げ。
 うーん、速報できるかどうかは難しいところですが、できるだけ情報収集はしたいと思います。

 なにしろ輝かしい韓国の宇宙開発に向けての第一歩ですからね!

 羅老(ナロ)ロケットについても言及がありますが、3号機の打ち上げ成功をまだ「半分の成功」って言えているのはすごいというかなんというか。
 ロシアのアンガラロケットの試験打ち上げを韓国が金を出して行ったという謎の事業が「半分成功」って……。
 まあ、韓国も二段目というかキックモーターのノウハウを収集できたので、まったく成果がゼロだったとは思いませんが。
 自爆装置はロケット全体の爆発の原因になるのでオミットしようとかいう謎の知見も得られてますしね……。
 成功云々というよりは「技術を持ち得なかった国だからこその恥」とか「黒歴史」として語られるべきものだと思いますわ。

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2017/11/10

速報:設計から製造まで「100%韓国独自の技術」で作られたヌリ号ロケット、試験発射中止。燃料系統のトラブルで年内打ち上げ断念か

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(138)
ヌリ号エンジン試験発射体部品以上発見... 「25日の打ち上げ」を延期(聯合ニュース・朝鮮語)
25日に打ち上げられる予定だった韓国型ロケット「ヌリ号」のエンジン試験発射体で異常が発見され打ち上げが延期された。

科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院は17日、ヌリ号エンジン試験発射体で部品異常が発見され、この日の第2回目の打ち上げ管理委員会を開き、打ち上げ日程延期を決定したと発表した。
エンジン試験発射体開発陣は、前日高興羅老宇宙センターからエンジン試験発射体の飛行モデル(FM)を利用して、燃料供給プロセスをチェックしていた際に推進剤加圧系統の圧力の減少を確認した。
推進剤加圧系統は、燃料(ケロシン)と酸化剤(液体酸素)をタンクからエンジンに入れて与えるための加圧装置で、圧力が減少すると、燃料と酸化剤がエンジンに正しく供給されていない致命的な問題が発生することになる。
研究者は、現在の試験発射体の飛行モデルを発射台から降りて組み立て棟に移し以上の原因を分析している。 (中略)

あるヌリ号の開発関係者は「エンジン試験発射体認証モデル(QM)燃焼試験では全く問題がなかったが、飛行モデル(FM)燃料供給過程のチェックで異常現象が発見された」とし「原因分析と対策作りに必要な時間を考慮すると、打ち上げ日程を1~2ヶ月程度延期するのが避けられないものと見られる」と話した。

エンジンの試験発射は韓国型ロケットである「ヌリ号」に使われる75t液体エンジンの性能を検証するためのもので、総3段で構成されヌリ号の2段目に相当する。試験発射体の長さは25.8m、最大径は2.6m、重さは52.1tである。
(引用ここまで)

 ヌリ号の1段目、2段目に使われる75トンエンジンですが、8月には同モデルの燃焼試験に成功していたそうです。


 で、25日には二段目に相当する75トンエンジン単体での発射試験を行おうとしていたのですが。
 燃料系統になんらかの不具合があって打ち上げ延期が決定。
 1~2ヶ月の延期ということなので、実質的には年内の打ち上げが厳しくなったというところかな。

 羅老号では韓国が製造担当していたキックモーター部分で2回連続の失敗に追い込まれていました。
 それを考えれば今回も失敗の可能性は低くないのですが、こうして事前に異常が探知できるというだけでも進歩といえますよね。
 なにしろ、羅老号の1段目には韓国側研究者は指一本すら触れさせてもらえなかったという話ですから。
 こうして「発射の延期」を決定できるというだけでも長足の進歩ですわ。

 実際に推力がどのくらいなのかとか、エンジンや燃料周りの重量がどうなっているのかという危惧もありますし。
 そもそも韓国国内の衛星打ち上げなんて年間に2回あれば多いくらいなのに、ロケットを自国製造してどうするんだとか根本的な問題もあると思うのですが。
 まあ、KF-Xと同じでとにかく走ってみたら分かることもあるはずですよ。
 走ってみたらいいんじゃないですかね?

このロケット編は熱いわ。
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「初の韓国人宇宙飛行士(実は宇宙旅行者)」から10年……後継者が出ない理由とは?

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(63)
韓経:韓国人宇宙飛行士誕生から10年…足も踏み出せない「第2の宇宙飛行士」(中央日報)
4月8日は韓国初の宇宙飛行士が宇宙に旅立って10年目になる日だ。初めての宇宙飛行士に選抜された航空宇宙研究院のイ・ソヨン研究員(当時)は2008年4月、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からロシアのソユーズ号に乗り宇宙へ向かった。イ氏は国際宇宙ステーション(ISS)で11日間宇宙に滞在し、韓国人科学者が提案した18種類の実験を終えて帰還した。だが韓国の宇宙飛行士事業はここまでだった。韓国政府は宇宙飛行士事業直後に空軍将校3人を選抜してしばらく訓練させたことがあるが、イ氏に続く第2の宇宙飛行士は10年以上輩出されていない。 (中略)

しかし韓国が第2の宇宙飛行士事業を始めるには超えなければならない大きな山がある。宇宙飛行士事業が単発の性質で終わって起きた各種議論を乗り越えることだ。ロシア連邦宇宙庁では韓国人宇宙飛行士を宇宙飛行参加者と規定しているが、韓国国内では宇宙観光客という主張が依然として力を発揮している。

イ氏の場合、米国留学のため2014年に航空宇宙研究院に辞表を提出して起きた「食い逃げ議論」と、韓国国籍を放棄したという確認されていない報道が毎回繰り返されている。一部ではイ氏が地球に帰還してから講演を行い多くの青少年にインスピレーションを与えるなど十分に自らの役割を果たしたとして擁護する見方もある。責任を負わなければならない韓国政府は科学技術部と教育科学技術部、未来創造科学部と名前を変え消極的な態度で責任を個人に負わせる様子だ。
(引用ここまで)

 ……いやぁ、だってさ。
 韓国の宇宙開発って「Zという最終目的のために、○年後にはA地点に。○年後はB地点に。○年後はC地点に到達する」というようなデザインがないのです。
 羅老ことKSLV-1も当初はすべてを自国開発する予定だったものが、ノ・ムヒョンが「衛星打ち上げができるようにするぞ!」って言い出したことが原因でロシアから1段目をまるまる買ってくるというハメになったわけですよ。
 月探査計画も月着陸の予定が2025年以降だったものが、パク・クネの公約で2020年に前倒しされたり、月軌道周回衛星にいたっては任期内の2017年にしろと言われたりしてましたね。
 そして、ムン・ジェイン政権になって「積弊公約だ!」とされて、月探査計画はほぼ霧散したりしています
 要するに大統領のメンツや公約だけで計画のGOサインが点いたり消えたりするのです。

 規模は異なりますが、地方の首長がやっている「国際的な体育大会を開催してレガシーを残すぞ」というアレとなんら構造は変わらない。
 大邱で「世界陸上をやるぞ!」って言い出して、スタジアムを建設する。世界から選手はやってくる。
 でも、残るものなんてゼロ。
 優秀な競技者が出るわけでもないし、そもそも決勝進出者ゼロ。
 そのスタジアムで継続して大会が行われはするものの維持費が高くて「無用の長物」扱いになる。
 仁川のアジア大会、霊山のF1、そして平昌のオリンピック。どれも同じ。

 それらと同じで「韓国人宇宙飛行士を誕生させるぞ」とかけ声だけ出る。
 そこからどう宇宙開発につなげるのかとか、宇宙飛行士を継続して育成し、○年ごとに宇宙に向かわせるとかじゃない。
 単に「韓国人も宇宙に行く」というだけが目標。だからアストロノーツの育成をしようという方向性ではなく、宇宙旅行者の枠を買ってきて終わり
 そりゃま、続きません。韓国のやっていることはみんなこうなのですよね。
 資源外交とかもまったく構造は同じですね。

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2017/11/10

韓国初の宇宙飛行士(実際は宇宙旅行者)、「私は韓国政府をアピールするだけの商品だった」と独白

「私は商品だった」韓国初宇宙飛行士が明らかにした宇宙プロジェクトの実体(中央日報)
「私は『宇宙人輩出事業』が作り出した商品だった」

韓国初の宇宙飛行士である李素妍(イ・ソヨン)さんが10年前、政府の宇宙プロジェクトについて口を開いた。

李さんは最近発行された科学批評雑誌「エピ」3号のインタビューを通じて過去宇宙飛行を前後に自身が体験したエピソードを公開した。

李さんは2008年4月、ロシアのソユーズTMA-12号に乗って10日間宇宙旅行をした。韓国人としては最初の宇宙飛行士だっただけに大きな関心が集まった。

だが、李さんは宇宙飛行を行ってきた後、研究はせず外部講演だけしている批判を受け、突然米国に渡った。李さんは現在、米ワシントン大工科大学諮問委員の資格で研究および教授活動をしている。

これに対して李さんはメディアとのインタビューで当時の政府が宇宙人後続事業に対する意志がないという事実に気付いて空しさを感じるなど、宇宙飛行を前後に色々な困難を経験したと打ち明けた。

当時、李さんは本来宇宙飛行者として予定されていた「高山(コ・サン)」さんの突然の脱落で宇宙飛行をわずか一カ月を残した時点に急きょ投入された。

このため、李さんはちゃんとした準備もできないなど、混乱したまま宇宙船に身を乗せるしかなかったと話した。

そのうえに、当時政府が服や実験道具につく「政府のロゴ」を強調してあきれる状況に置かれたりもしたと話した。

李さんによると、当時宇宙貨物船が先に宇宙に上がった時「科学技術部」だった政府部署名はその後「教育科学技術部」に変わった。参加政府から李明博政権に政権が代わった時点だったためだった。

これを受け、政府は李さんの飛行服についたパッチはもちろん、実験道具などにあるシールを全部変えるよう求めた。結局、李さんは宇宙ステーションで刃物で宇宙服のパッチを剥がし、針で新しいパッチをつける作業などをせざるを得なかった。彼女は当時の状況を振り返って「その時、地球と交信するたびに『それは剥がしたの?確かにつけたのか?』と聞かれたのが生々しい」として「そばにいたロシア、米国宇宙飛行士が理解できないという反応だった」と話した。


さらに、政府と航空宇宙研究院の公式的な物品を載せるために個人物品は持っていくこともできず、米国宇宙飛行士の服を借りて着るしかなかったと付け加えた。

李さんは地球帰還後にも荒唐無稽な状況が続いたと語った。

たとえば、教育科学技術部担当者に「宇宙での実験を続けなければならない」と強調したが、何の反応がなかったと話した。

李さんは「政府が宇宙飛行士を送ると国民に広報をしたが、実際には(宇宙人輩出事業に対する)意志がなかった」とし「科学実験に対して本質的に全く理解していない人々と働いたという事実に気付いて虚しかった」と話した。

同時に、「私が宇宙飛行士事業を代表する人のようになったが、実際、私は宇宙人輩出事業が作り出した商品だった」とし「宇宙人後続事業の責任が私にあるかのように報じられるたびにどうすれば良いか考えた」と明らかにした。

李さんは「そのような状況でカッとなったのもあり、遠い未来のことを計画したという理由で韓国を離れることになった」と説明した。
(引用ここまで・太字引用者)

 韓国ではおなじみの風景というべきか。
 2007年までは科学技術部だったものが、2008年のイ・ミョンバク政権で教育部と合併することで教育科学技術部になっています。
 さらに2013年のパク・クネ政権ではまた分離されて教育部と未来創造科学部に。
 その未来創造科学部は今年からは未来創造科学部が科学技術情報通信部になっていたりするのです。

 省庁の名称変更は前政権の業績を塗りつぶすために必要な儀式のようなものですね。
 パッチの付け替えももちろん重要で、こちらも「ノ・ムヒョン政権からイ・ミョンバク政権に変わったのだ」ということを見せつけるための儀式です。
 易姓革命だと笑われているのは伊達ではない、ということです。

 んで、「自分は宇宙を飛ぶだけの商品だった」と「韓国初の宇宙飛行士」であるイ・ソヨンという人物が語っているのですが。
 そもそもがこの人は宇宙飛行士としての資格を持っておらず、韓国がロシアからソユーズの席を買って宇宙に行っただけという宇宙飛行関係者(要するに宇宙旅行者)なのです。
 ISSでも科学実験をやったように見せかけていましたが、独島の名前のついたバクテリアだかを持ち込んで韓国人の民族的自尊心を高揚させるというだけのものでした。
 まあ、商品だというのが実際。
 JAXAからも「ISS滞在を楽しんでもらえたようです」ってコメントがあったほど。

 KSLV-2は一応継続されていますが、月探査計画がほぼなくなったのも同じ話ですよね。
 ま、宇宙開発に限ったことではないですが。「韓国の独自技術で製造される次世代戦闘機」であるKF-Xあたりもかなり存続が危険になってきている気がしますね……。

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2017/11/10

韓国の気象観測衛星が平昌五輪期間中にもかかわらず故障……ひまわり8号からの画像でやりくり中

韓国気象衛星、よりによって五輪中に故障…日本衛星を活用中(中央日報)
東亜日報の報道によると、11日午前5時44分ごろ「千里眼1号」のメインコンピューターが突然故障し、現在まで復旧していないという。韓国航空宇宙研究院は衛星に搭載された補助コンピューターで原因を把握中だ。ある関係者は「電子装備が長期間にわたり宇宙放射線を浴びたうえ、老朽化して問題が発生したようだ」と話した。

「千里眼1号」から映像を受けて天気予報に活用してきた韓国気象庁は日本の衛星映像を受信して天気予報をしている。特に平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)期間であるため天気予報の重要性は大きい。ある政府関係者は「よりによって平昌五輪が開かれる重要な時期に故障し、日本の衛星映像を借りて使うことになるとはあきれる」と話したと、東亜日報が伝えた。
(引用ここまで)

 千里眼(チョリアン)1号のミッション期間は7年とされているので、実際にはただの機械の寿命がきただけなのでしょうが。
 「韓国の国力を見せつける」くらいの勢いでやっているはずのオリンピック期間中に故障。
 しかも代替手段としてひまわりの画像を借りてくるという屈辱。
 韓国らしいというべきか。これこそ韓国というべきか。

 実際のところはひまわり8号のほうが精度も配信頻度も高いでしょうから、なんの問題もないとおもいますけどね。
 7号から8号の画像に変わったときはあまりにもぬるぬると動くので違和感を感じたものでしたが。
 防災の見地からアジア全般にひまわりの画像は配信されています。西側はインドくらいまでが受信可能範囲だったはず。原則、相互運用ができるようになっています。

 まあ、気象衛星があろうとなかろうと、女子スノボーのスロープスタイルやスキージャンプを見ても分かるようにひどい状況で競技が行われていることになんの変わりもないのですけどね。

今年10月、韓国独自技術によるロケットが試験発射される模様

カテゴリ:宇宙開発 コメント:(80)
今年韓国型試験発射体打ち上げる(ヘラルド経済・朝鮮語)
10月には韓国型ロケットエンジンの性能を確認するための試験発射体の発射が行われる。試験発射体は飛行試験を通じて韓国型ロケット1段目と2段に適用される75トン級の液体エンジンの性能を検証するための発射体である。試験発射体に使用される75トンのエンジンの地上試験は完了した状態だ。

現在羅老宇宙センターでは、試験発射体認証モデルが組み立てられている。試験発射体のシステム開発モデルは、認証モデル、飛行モデルの順にそれぞれ1基ずつ合計3基のモデルが開発され、現在組み立て中の認証モデルは、発射体の性能と機能、インターフェイス、運用などの要件が設計どおりに動作かどうかを地上で確認する機体だ。実際発射することになる試験発射体の飛行モデルと同じである。 (中略)

試験発射体を介して75トンのエンジン性能を確認すると、このエンジン4基を縛って韓国型ロケット1段に適用する。韓国型ロケットは、2020年に打ち上げ予定である。

韓国型発射体は1.5トン実用衛星を高度600~800kmの低軌道に投入することができる3段発射体であり、純粋な独自技術で開発される。韓国型発射体は、独自の宇宙輸送手段を確保するという観点から自主的な宇宙開発の中核とすることができる。 (中略)

当初2018年までに月軌道に宇宙船を送るという政府の計画は、2020年に調整された状態だ。政府は昨年、月探査計画の日程調整が必要である研究開発の現場の意見を受け入れ、日程を固定するのではなく技術力の強化に焦点を当てたいと明らかにした。月探査のスケジュールは、過去の政府が1段階事業期間を研究現場の意見を収斂せずに5年前倒し、2018年に取得しておいたが、最終的には実現されなかった。

開発期間が現実化され、研究開発の現場ではなんとか道が開けたのではないかという評価だ。航宇研は今年中に月探査機1次設計段階の予備設計を終えての詳細任務を確定する詳細設計に入る。

試験月軌道船(KPLO)を開発する事業には1978億ウォンの予算が投入されており、NASAと協力が行われる。発射体は、米国スペースX社のファルコン9ロケットが選ばれた。 (中略)

政府は、2020年までに行われる月探査第1段階事業を通じて月まで飛んでいく探査宇宙船と月の環境と資源の分析のための科学機器、遠隔宇宙まで飛んで行った宇宙船と通信することができる深宇宙通信技術などの重要な宇宙探査基盤技術を確保する計画である。
(引用ここまで)

 わずかながら楽韓Webでも需要のある韓国の宇宙開発状況。
 KSLV-2に関しては今年の10月に試験打ち上げ。
  前回の報道では1段式。つまり、開発中の75トンエンジン単体での打ち上げテストといったところ。本番は3段式(予定)なのですが、分離機構とかはまだまだ先の話ということですかね。
 もちろん、エンジンはクラスタ化されていない模様。
 この単段式の試験打ち上げでエンジンの動作確認をするといった感じかな。
 スケジュールは大幅に後ろ倒しされて、開発期間は長くなりました。というか、現状でもまだかなり急ぎ足なスケジュールだとは思いますが。

 で、同時に開発が進められていた(はずの)月探査船については当初予定の2020年に再度設定され直したと。
 最初の月軌道周回船のみが計画として可視化されていて、ローバーを載せた着陸船はまだ先の話となっているようです。
 韓国の宇宙開発はパク・クネが強力に推し進めていた事業なので、ムン・ジェイン政権下では弾圧されるかとも思っていたのですが。
 とりあえずは予算がついて実行されるようです。
 現在のスケジュールはこんな感じ。

2018年10月 単段式KSLV-2試験打ち上げ
2020年?月 3段式KSLV-2打ち上げ
2020年?月 月軌道船打ち上げ(ファルコン9)

 以前の 絢爛豪華なタイムスケジュールに比べるとだいぶシンプルになってしまいましたね。
 ま、現実的ではあるかな。

韓国の宇宙開発、「パク・クネのやったことはすべて積弊だ!」としてなにもかもご破算へ

【コラム】政争の中で袋叩きにあった韓国宇宙開発(中央日報)
与党・共に民主党の朴洪根(パク・ホングン)議員は国政監査で前政権の月探査事業が研究開発分野の代表的な積弊だと主張した。間違った話ではない。朴槿恵(パク・クネ)政権は当初、2020年に月着陸船を送って月に太極旗(韓国の国旗)がはためくようにすると公言した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が定めた最初の政府案を5年繰り上げた計画だった。科学界も戸惑った。

最近、科学技術情報通信部は朴槿恵政権当時に出てきた宇宙計画を全面的に見直す作業を進めている。12月に開かれる宇宙委員会では韓国の中長期宇宙計画を修正・確定する。これを控えた宇宙分科委員会では甲論乙駁の真っ最中だ。こうした中、月面着陸目標を2020年と2025年でもなく2030年に先送りする方向で意見がまとまりつつあるという。青瓦台は2030年まで待つにはあまりにも長いため、来年10月に1段ロケットの試験打ち上げをした後、現政権の任期内に2段を利用した追加の試験打ち上げをしようという話をしている。科学界はまた当惑している。3段ロケットで試験打ち上げする場合、最初から3段型でする必要があり、1段、2段を別に試験するのは科学的に意味がない予算の浪費だと話す。

朴槿恵政権の月探査が積弊である理由は政治が科学を揺さぶったからだ。権力行使の誘惑は甘い。積弊をなくそうとする文在寅政権がまた政治論理で宇宙計画を揺さぶらないことを願う。
(引用ここまで)

 ま、確かに宇宙開発の前倒し、特に月探査計画はパク・クネの発案でした。
 公約の中で「2020年に月着陸船を送って、太極旗を月面にはためかせる」と宣言してましたね。月面で旗はためかないよ、っていう無粋な突っこみはともかく。
 ローバーで月探査を行う。
 ルナインパクター計画はNASAが韓国の技術力に恐れおののいて共同開発を申し込んだ。
 月インターネット(?)を世界で初めて開通させる等々の計画が華々しくぶち上げられていましたっけ。

 記事には早ければ2016年には月周回軌道に乗る探査船を打ち上げるだの、2018年には打ち上げるだのと夢のような計画があったものです。
 楽韓Webでも「ぷぷぷ」と苦笑しつつもそのスケジュールを追っかけたりしてましたね。
 でも、ムン・ジェイン政権になってすべてのスケジュールがご破算で願いましては。

 まあ……開発陣は救われたと言っていいんじゃないでしょうか。
 2段式のKSLV-2は当初予定では来月、変更されたスケジュールでも2018年10月打ち上げとかでしたからね。
 来年10月には1段ロケットの打ち上げをするんですって。15年前のKSR-3レベルに後退してますよ(笑)。

 KSLV-2はケロシンロケットでH-2の持っているマーケットをすべて奪うことになるだろうなんて中央日報の記事もありましたっけ。
 パク・クネのやってきたことはすべて否定するように動き続けてきたムン・ジェイン政権でしたが、これは正直正解でしょう。
 そもそもの計画すべてを見直してもいいと思いますけどね。
 ま、ネタ的には残念ではありますが。

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