相互RSS募集中です

カテゴリ:米韓関係の記事一覧

韓国大統領府が「ボルトン回顧録」に激怒する理由……まあ、中身が事実だからなんですけどね

韓国が激怒する「ボルトン回顧録」文在寅政権の反論が無理筋な理由(現代ビジネス)
「相当な部分で事実を大きく歪曲している」。韓国大統領府が22日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領安保室長の名前で発表した声明だ。

怒りの標的は、ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)が出版した回顧録だった。鄭室長は声明で「政府間の相互信頼に基づいて協議した内容を、一方的に公開することは外交の基本原則に反する」「こうした不適切な行為は、今後の韓米同盟関係で共同の戦略を維持・発展させ、両国の安保と利益を強化する努力を著しく損ないかねない」などと、回顧録をめった切りにした。 (中略)

ボルトン氏の回顧録は、政治的な功名心を優先する余り、北朝鮮の非核化を軽視することになった関係国のやり取りを赤裸々に紹介している。

回顧録によれば、鄭室長は2018年3月、平壌で金正恩朝鮮労働党委員長と会い、続いてワシントンを訪れてトランプ米大統領と面会した。このときトランプ氏は、鄭氏から金正恩氏の招待状を受け取り、衝動的に米朝首脳会談の開催を決めた。

しかし鄭室長は後に、自分が正恩氏にトランプ氏を招待するよう勧めた事実を、米側に示唆したという。ボルトン氏は回顧録で、「すべての外交的な愚行は、韓国政府が作り出した。米朝の戦略というよりは、韓国の統一戦略と関係があった」と指摘した。

当時、筆者はソウルで取材していたが、ボルトン氏の指摘は正しい。 (中略)

ボルトン氏の回顧録の指摘をそのまま認めれば、南北融和路線は政治的打算の結果に過ぎず、「朝鮮半島に平和を回復した」という文在寅政権の主張が幻想だと認めることにつながりかねない。

新型コロナウイルス問題もあり、韓国の経済状況は芳しくない。文在寅政権が力を入れてきた雇用政策は失敗に終わる可能性が高く、もう一つの柱である南北融和路線まで崩壊すれば、政権のアイデンティティーが失われてしまう。

その危機感が、回顧録への怒りを北朝鮮に向けず、ボルトン氏個人に振り向ける結果を招いている。
(引用ここまで)


 朝日新聞の牧野愛博編集委員が現代ビジネスに連載しているコラムの最新回。
 ジョン・ボルトン氏の回顧録に対して韓国政府は非難の声明を出しているのはなぜか、という話。
 まあ、簡単にいえば「書かれている内容が事実だから」なのですが。

 北朝鮮に特使派遣できたことで浮足だった韓国が、その報告をアメリカに行った際に「北朝鮮は非核化に本気なのだ」「彼らはアメリカと首脳会談を行うつもりがある」と言ってしまい、トランプ大統領がそれを飲み込んでしまった。
 トランプ大統領には「北朝鮮首脳とはじめて会談を行ったアメリカ大統領」というレガシーを作る必要があり、なおかつその路線の向こうに「クリントンもオバマもできなかった北朝鮮の非核化を達成した偉大なる大統領」という像を描いていた。

 一方で北朝鮮は経済制裁できつい状況にあったために、何段階かの制裁緩和を望んでいた。
 韓国からの「非核化の段階をひとつ踏むだけでアメリカは制裁を緩和する」という口車に乗せられて、キム・ジョンウンはシンガポール、ハノイと無駄足を踏まさせられた。
 つまり、韓国の「大袈裟な報告」が米朝会談を作り上げてしまった。
 ボルトンがいうところの「South Korea’s creation」=日本で報道された「韓国による創造物」というわけですね。

 韓国が作り上げ、それが破綻してしまった。
 これまでも語られてきたことですが、ボルトンの回顧録が出たことでそれが確認された。
 ボルトンは「韓国が非核化を邪魔してきた」という事実を明白にしてしまったのですよ。
 だから韓国政府、大統領府は反発するしかない、というわけですね。
 全体的には納得できるコラムです。

 ただ、以下の部分はちょっと違うかなぁ……。
文派と呼ばれる人々は決して、日本の一部の識者が主張するような共産主義者でもないし、「レッドチーム」の一員でもない。だが彼らが、韓国内で保守派との政治闘争を勝ち抜き、自分たちの主張を通すために、反日というフレームをしばしば利用するのも事実だ。

韓国政府の現状を憂慮しているのは日本だけではない。韓国の進歩派は支持を結集するときに、反米闘争を利用するときがある。 (中略)

韓米日がいがみ合うこの状態に高笑いしているのは、金正恩氏であり、それを支援する習近平中国国家主席や、ロシアのプーチン大統領だろう。日米は文在寅政権が発足した直後からそう指摘し続けているが、文政権は任期終了まで耳を貸すことはないのかもしれない。
(引用ここまで)

 「韓国が積極的にレッドチームの一員であろうとしている」かどうかはあまり関係ない。
 日本やアメリカから見て「レッドチームである」と認識されるようなことをやっているかどうかが問題。そして、パク・クネ時代のAIIB参加や天安門でのスリーショット、ムン・ジェイン政権での三不の誓い、GSOMIA破棄宣言を含めて数限りなくやっている。

 もう「日米韓でいがみあったときに、利するのはキム・ジョンウンや習近平、プーチンだ」というような話そのものが通用しなくなりつつある。
 韓国が「自由主義陣営から離脱したとき」の利害どちらをも天秤にかけるべき時になっているのですよ。
 それだけのことを韓国はやっているし、これからもその構造が覆されるとは思えない。

 まだアメリカは「韓国がGSOMIA離脱することは不快だ」とは言うレベルではあるけども。
 それは少なくとも天秤にはかけられていて「まだ利が上回っている」からに過ぎない。
 このままであればいつの日か天秤の傾きは変わるだろうし、それがそう遠い日とも思えませんね。


ボルトン回顧録:「板門店での米朝会談にムン・ジェインは何度も加わろうとしてきたが、アメリカから何度も拒絶されていた」……ああ、やっぱり

「トランプもキム・ジョンウンも板門店で『ムン・ジェインの同行』は不要だとしていた」(朝鮮日報)
昨年6月30日午後に板門店の自由の家の前で南・北・米3者首脳が会った際に韓国大統領府の関係者は「歴史的瞬間」と評価した。当時青瓦台民政首席だったチョ・グクは「事実上の終戦宣言を明らかにした歴史的な日だ」とした。ところが、当時のドナルド・トランプ米大統領とキム・ジョンウン北朝鮮国務委員長の双方からムン・ジェイン大統領の参加を望んでいなかったとボルトン前ホワイトハウス国家安保補佐官が回顧録で主張した。

会合当日の午前、大統領府で開かれた韓米首脳会談で、米国側は数回に渡ってムン大統領の出席を拒否したが、ムン大統領は「まずは板門店内の観測警戒所まで一緒に行って決定しましょう」と同行を求めたものである。本紙が21日、事前に入手したボルトンの回顧録「そのことが起きた部屋」の中で韓半島関連の部分に出てくる内容だ。ボルトンの回顧録は23日、公式出版予定である。 (中略)

ボルトンは「トランプはムン大統領が近くにこないことを願ったが、ムン大統領は強く参加しようとし、できるのであれべ3者会談にしようとした」と書いた。そのため米朝首脳の出会いを好ましく考えていなかったボルトンは「ムン・ジェイン大統領との紛争がすべてを台無ししてくれないかとのわずかな希望を抱いた」とした。「なぜなら、キム・ジョンウンもムン・ジェイン大統領が近くに来るのを望まないことは明らかだったからだ」と書いている。

ボルトンの回顧録によると板門店会談当日の6月30日午前、大統領府で開かれた韓米首脳会談で米国側は、複数回に渡ってムン大統領の出席を拒否した。トランプは事実とは異なり、「あちらが(キム・ジョンウン)が会おうと要請した」と述べ、事前に参謀たちに言ったのとは対照的に「ムン大統領も一緒に行って会えば見栄えがいいだろう」とした。このため、マイクポンペオ国務長官が割り込み「ムン大統領の考えを前日の夜に打診したが、北朝鮮側が拒否した」と述べた。トランプが内心と異なる言葉を述べるとポンペオが北朝鮮の拒絶の意思としてムン大統領の要請を拒否したわけだ。

するとムン大統領は「キム・ジョンウンが韓国側に入った際に、私がいなければ適切でないように見える」としながら、「金正恩に挨拶をして、彼にトランプに引き渡した後に離れたい」と提案したという。トランプは「私はムン大統領が出席してほしいが北朝鮮の要請どおりにするしかない」と言い逃れた。

それでもドア大統領は「これまで大統領がDMZを訪れたことが多いが、米国大統領と韓国の大統領が一緒に行くのは初めて」とさらに同行を求めたとボルトンは振り返った。トランプは「この大きなチャンスを逃したくない」とし「キム・ジョンウンに言いたいことがあって警護先のスケジュールを調整しており、彼らの言葉に従うしかない」と改めて拒絶した。トランプは「キム・ジョンウンがどのように考えるか、私は少し理解している。彼が私と会いたいということを知っている」とし、ムン大統領に「私をソウルでDMZに送って会談後も烏山空軍基地に戻ってあ会談するのがよいだろう」と述べた。事実上の「3者会談」を拒絶したものである。ムン大統領はこれを受け入れず、「DMZ内の観測警戒(OPオルレト)まで同行した後、次に何をするのか見てみよう」と話したという。

当時、ムン大統領は最終的に板門店にある自由の家までトランプとキム・ジョンウンを案内する役割をした。南・北・米首脳が3者会談をした時間は4分程度に過ぎなかったが、当時の韓国大統領府は「今日の南・北・米三首脳の出会いは、さらにもうひとつの歴史になった」とした。
<(引用ここまで)


 ボルトン元大統領補佐官の回顧録は明後日発売の予定。
 それに先んじて入手したという朝鮮日報はがんがん翻訳して韓国関連の話をリークしています。
 で、今回は板門店で史上初めてアメリカの大統領が北朝鮮の国家元首と会う、という記念すべき出会いにムン・ジェインがどのように対応していたか……という部分。

 以前からアメリカ側のリークとして「板門店で必要なのは米朝会談だけでムン・ジェイン大統領の存在は必要ない」とされていた、ということが暴露されていました。
 それに対してムン・ジェインは53分ほど行われた米朝会談の際には別の場所にいた、との報道がありました。
 3人でのショットが撮られてから、抜け出した……という形になっていましたね。
 これについて当時、韓国メディアからは「ムン・ジェインは自ら一歩退いた形で助演となったのだ」みたいに言われていましたが。
 実際には「米朝韓の三者会談にしたくてしょうがなかったのだ」とボルトンの回顧録で書かれている、と。

 北朝鮮についてであれば自分を通してもらわなくては困る、特に朝鮮半島で会談が行われるのであればなおのことだ、という思いがあったのでしょうね。
 何度も何度もアメリカ側に「私がいなければダメなのだ」と懇願したそうですわ。
 アメリカ側の「米朝会談だけあればいい」という考えがあり。
 韓国側の「米朝会談を主導したという形が欲しい。あわよくば3者会談に持ち込みたい」という意向があり。
 それらが混ざりに混ざって妥協したのが、板門店でスリーショットになってそこからムン・ジェインは退出する……という形だったのでしょうね。
 ハノイでの米朝首脳会談が決裂した後、アメリカからも北朝鮮からもムン・ジェインが必要とされなくなった、という現実を映し出した……ということか。

おっと、日本からもKindleで買える模様。23日発売予定。

韓国メディア「トランプ子飼いの駐独大使が『在韓米軍撤収計画がある』って言っている!」と大騒ぎ……そこまで騒ぐことでもないという話をしてみる

ドイツを離れる米国大使の衝撃発言…「在韓米軍撤収の計画ある」(中央日報)
トランプ米大統領がドイツに駐留する米軍を縮小する計画という報道があった中、米国の外交官も該当計画が確定したと主張した。この外交官は在韓米軍の撤収も計画されていると発言し、波紋が広がると予想される。

リチャード・グレネル前駐独米国大使は11日(現地時間)、ドイツ日刊ビルトの単独インタビューで「米国の納税者は他国の安全保障のためにあまりにも多くの費用を出すことに反対している」とし「米軍の縮小については長い間、多くの議論があった」と述べた。グレネル前大使はトランプ大統領の側近に挙げられる人物で、大統領選挙でトランプ陣営に合流するために今月初め辞任した。ビルトのインタビューはドイツを離れるグレネル前大使の告別インタビュー形式で行われた。

トランプ大統領の在独米軍撤収・縮小説は、ウォールストリートジャーナル(WSJ)が5日に報じた。トランプ大統領が9月までにドイツ駐留の米軍9500人を縮小することを指示したという内容だ。その後、論議を呼ぶと、ホワイトハウスは「今は発表することがない」という立場を表した。

ドイツ政府はこれを否認したが、10日には首相室の報道官を通じて「米国政府が縮小を検討中という内容を聞いた。最終決定ではないと理解している」と述べ、やむを得ず認める態度を見せた。

グレネル前大使が今回のインタビューで明らかにした内容は、ホワイトハウスとドイツ首相のあいまいな答弁を否定すると同時に、在独米軍縮小計画が確定的であることを意味する。 (中略)

グレネル前大使はこの日のインタビューで米軍再編計画の一環として、ドイツだけでなくシリア、アフガニスタン、韓国、日本でも米軍の縮小を計画していると明らかにした。

ただ、在韓米軍は米国防権限法で2万8500人以下に減らすことを制限している。グレネル前大使も縮小規模については具体的に言及しなかった。
(引用ここまで)


 前在独アメリカ対しのリチャード・グレネル氏が「在独米軍の縮小プランはあったし、もちろん在韓米軍の縮小プランもある」と述べたとのこと。
 ドイツ、韓国だけでなく日本を含めた各国の在外米軍基地の縮小プランがあるとしています。
 まあ、そりゃあるだろうなぁ……としか言いようがない。
 トランプ大統領は現在のアメリカ人でかつ白人中流以下が抱いている「アメリカは(そして自分たちは)負担を強いられている」という気分、空気を代表して大統領に当選したのですよ。
 なのでNAFTAをUSMCAに書き換え、TPPから離脱し、米韓FTAを(為替介入をやりにくくさせる形で)改定させたのです。

 対中国包囲網も「中国にアメリカの雇用や財産が不当に奪われている」という認識を形にしたものに過ぎない。
 まあ、それは事実なので少なくない国が同意して包囲網を形成しようとしているのですが。

 で、その次にきたのが各国に駐留しているアメリカ軍の規模縮小。
 戦略的に規模縮小ができないのであれば、駐留費用の負担増額。
 韓国に関してはその両面で実行されている、ということですね。
 韓国でもやっているし、ドイツでもやっているというだけのこと。

 というわけで韓国はグレネル氏の基地撤退論について「アメリカからの韓国への扱いが悪くなっている」というような考えかたはしないでいいと思いますよ。まず間違いなく等しくどの駐留先の政府にも言っているか、言いこそしていないものの計画されているというだけことです。
 あ、でもGSOMIA破棄も昼の更新にあったように「トランプ政権はGSOMIA破棄に対応する状況ではない」と思い込んでもういっぺんチャレンジしてみるとよいと思うのです。
 アメリカ側の圧力は軍側からのリクエストであったのではないかと感じているので、その検証としても是非。
 まあ、GSOMIA破棄をちらっとでも匂わせた時点で圧力がかかって、すべてが終わるというオチなのでしょうけども。

トランプ最強の人生戦略
ドナルド・トランプ
きこ書房
2017-08-02


韓国国防部長官「新たな米韓連合軍は韓国軍主導の体制となる」→米軍関係者「発言の経緯を把握したい」

カテゴリ:米韓関係 コメント:(105)
「韓国軍主導の連合防衛」チョン・ギョンツの文章にアメリカの解明要求が(中央日報・朝鮮語)
早ければムン・ジェイン大統領の任期が終わる2022年5月以前に戦時作戦統制権を転換する案を韓米が議論している中で、両国間の微妙な葛藤が続いている。今度は戦作権転換の概念について、両国の認識が完全に一致しない場面で誤解が発生した。

発端は去る3月20日(以下現地時間)、米国の安全保障専門オンラインメディアであるディフェンスニュースに掲載されたチョン・ギョンツ国防部長官の寄稿である。

「6・25戦争70周年を迎え、平和と安全のための努力」とのタイトルの寄稿文でチョン長官は、鋼のような(ironclad)韓・米同盟に基づいて韓半島の平和と安全を守ることができると強調した。問題は戦作権転換を説明しながら「韓国軍が主導する連合防衛体制を作る」という文句であった。

これに対して、米国朝野で懸念の意を相次いで示した。戦作権が転換した後、将来の連合軍司令部(連合軍司令部)は、司令官と副司令官を韓国と米国がお互いに合わせ変えて、現在の連合軍司令部体制がそのままというのが韓・米の合意事項である。

ところが、鄭長官の寄稿文を文字通りに解釈すれば、韓国は戦作権転換後の主になって、米国が従に対応する関係の連合司令部ができるように読めるというのが米側の立場である。

在韓米軍司令官を務めたある米軍予備役将軍は寄稿文が出てきた直後、周囲に対して「チョン長官が誤解しているようだ」と述べた。実際にこの予備役将軍は、外交チャンネルを通じて韓国国防部に対応するフレーズの正確な意味での説明を依頼したという。これに対して現職米軍当局者は「経緯を把握したい」と答えたと伝えられた。

このような米国側の反応について国防部の関係者は「「韓国軍主導の連合防衛体制」は、既存の表現をそのまま書いたものに過ぎない」とし「ジェームズ・マティス元米国国防部長官も同様の趣旨の発言をした」と述べた。

マティス元長官は2018年10月、米ワシントンDCで開かれた第50回韓米安保協議会の(SCM)に先立って儀仗隊査閲イベント演説で「現在の米軍主導の連合軍の任務を引き受けて韓国軍主導の未来連合軍に連続することを確実にするだろう」と述べた。別の国防部の関係者は「米国側の一部の人事の戦作権転換に対する理解度が落ちているのではないか」と聞き返した。
(引用ここまで)


 「韓国主導による連合軍司令部」という表現に米軍からクレームがついた、とのこと。
 確かに戦時統制権移管後は「司令官は韓国軍から、副司令官がアメリカ軍から」という形になるとされています。
 ただし、これはアメリカ軍が韓国軍の指揮下に入るという意味ではあり得ない。
 そんなことは天地がひっくり返っても起きるわけがありません。
 実際にその「韓国軍から司令官が出る」という場合には国連軍をその上に持ってくるよう画策するのではないか、と思われます。
 そのようにアメリカ軍の意図を見ている記事が日本でも出てるので紹介しておきましょう。

アメリカ主導による在韓国連軍司令部強化と韓国の懸念(笹川平和財団)

 「表面上はアメリカ軍が韓国軍の指揮下に入っている」ように見えるけども、実際には国連軍(≒アメリカ軍)が独自の動きをするという形になる。
 でも、韓国人はそのように認識していない可能性がある……のですよ。
 本当の本気で「世界最強のアメリカ軍が(朝鮮半島限定とはいえ)、韓国軍の指揮下に入るのだ」と思っている可能性がある。

 チョン・ギョンツ国防部長官による寄稿はそう読めます。
 今回の米軍側からの「説明を求める」という姿勢も韓国人による勘違いを恐れてのことでしょう。
 そしてブルックス在韓米軍兼米韓連合司令官は「韓国は戦時統制権返還の時期ばかりを気にしているように見える」といらつきを隠さない。
 朝鮮半島が一気に風雲急を告げている中、こんなことをしている場合ではないと思うのですけどねー。

駐米韓国大使の「我々はついに米中どちらでも選べる立場になった」という言葉に国務省関係者がVOAで反論「韓国は数十年前に選択を終えているはずだ」……こんな反論、いままで見たことないなぁ

カテゴリ:米韓関係 コメント:(129)
米国務省「韓国は米中間でどちらにつくのかは、既に選択済み」(WoW! Korea)
6日、米国政府が運営する国営放送であるボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、米国務省は「韓国は数十年前に権威主義を捨て、民主主義を受け入れた時点で、どちらにつくかを選択した」と伝えた。

韓国はすでに米国と中国の間で、米国を選択したことを受け入れているという意味であるとみられている。

このことは、去る3日、イ・スヒョク駐米韓国大使は米中の葛藤に言及し「我々が(米中間で)選択を強要される国ではなく、いまや我々が選択できる国という自負をもっている」と発言したことに対する米国側の反発である。

VOAは、いつも同盟国の政策において特別な言及をしなかった米国務省が、韓国大使の発言を特定して具体的に論評するのは異例的であると報じた。
(引用ここまで)


 先日のイ・スヒョク駐米韓国大使の「われわれは選択を強いられるのではなく、選択ができる国となったのだ」という発言に対して、アメリカが「選択ならもうしたでしょ」とツッコミ。
 もちろん、これは「中国、アメリカのどちらでも選べるようになったのだ」という韓国の首長に対して、アメリカから「おまえらは同盟国であるという意味をよく覚えておけ」という警告。
 VOA Newsではなく、VOA KOREAに掲載されているこの記事がソースのようなのですが。
 ちょっと言いかたが全体的に強い感じがするなー。

アメリカ国務「韓国、どちら側を選ぶのか数十年前にはもう選択済み」……駐米大使発言に論評(VOA Korea・英語)

 WoW! KOREAの記事にはないのですが、VOAの記事の方には最近になって韓国が竹島周辺海域で行った軍事演習についても言及されています。
 いつもの「アメリカは領土紛争についてどのような立場も取らない。両国間で話し合うべきだと考えている」というものなのですが。
 ここの語調もちょっと厳しめ。

 そして記事中にもあるようにこうして任意の駐米大使の言葉に対して反論するというのはあまり見られない風景です……というか、これまで見たことない気がします。
 国務省報道担当の誰か、というかなり狭まった関係者談……ですからね。
 まあ、もちろんあえて言っているのでしょうけども。

 というか、さすがに韓国の自由奔放すぎる物言いにアメリカ側も痺れを切らしている、という感じがします。
 これ、ノ・ムヒョン政権当時によく見た光景です。
 その後、ゲーツ国防長官から自伝で「ノ・ムヒョンは頭のおかしい人物だった」と評されたのでしたっけ。
 今回もポンペオ国務長官あたりから同じような声が出てきそうですね。
 すでにヨーロッパの某国の首脳からは出てるのですが。



韓国がG7拡大に歓喜する中、中国は「G7は象徴的なもの」「中国を糾弾しようとしても無駄」と切って捨てる

カテゴリ:米韓関係 コメント:(60)
中国の専門家「米G11に実効性なし、韓国の参加も特に意味ない」(朝鮮日報)
 ドナルド・トランプ米大統領が今年9月の主要7カ国(G7)会議に韓国・オーストラリア・インドなどを加えてG11またはG12に拡大する案を提示したことについて、中国の専門家は関係国の意見の違いなどで「実質的な内容はないだろう」と低い評価を示した。そして、韓国についても「参加に特に意味はない」と言った。

 復旦大学米国研究所副主任の信強教授は2日、中国・環球時報英語版への寄稿文で、「韓国は経済・外交・政治に大きな国際的影響力がない」と述べた。ただし、信強教授は文在寅(ムン・ジェイン)大統領がトランプ大統領のG7拡大会議出席要求を受け入れたことについては、「主要国の隊列に入るチャンスなので、文大統領の決定は合理的だ」としている。

 中国政府は、米国がG7を拡大して開催すること対し、基本的には反対しない立場を取っている。ただし、今回の会議では中国がターゲットにされる可能性が高く、これについては公に警告している。米国とその他の国々の見解の違いも強調している。信強教授も寄稿文で、米国がG7拡大会議で中国を糾弾し、抑制しようとするなら、「ロシアは当然、(米国の)肩を持たないだろうし、韓国・フランス・ドイツ・イタリアはそうしない(同調しない)」と書いた。また、「日本とオーストラリアは米国の中国非難には加わるが、中国に対する実質的な行動は取られないだろう」と述べた。
(引用ここまで)


 ひとつ前のグローバルタイムズの記事についての詳報。
 とりあえず当該の記事にもリンクを貼っておきましょう。

G7 expansion more symbolic than substantive(Global Times・英語)

 タイトルは「G7の拡大は実質的なものというよりも象徴的なものに過ぎない」。本文もそのようにして書かれています。
 トランプはG7を拡大させることで中国への圧迫を増やそうとしているが、そんなものには意味がない……というような話ですかね。

 っていうかですね。
 G7でなにかが決まって、世界にその影響を及ぼすなんてこたぁもはやないですよね。
 それがG20でも同様ですし、国連でも同じ。
 実際の影響力を及ぼしているのはOPECのような業界連合的なものか、EUやASEANのような地域連合の決定ですよ。
 歴史を紐解いてみてもG7でなにかが決定されたことって……ないんじゃないでしょうかね。
 G5時代に遡ってもプラザ合意で強制的な円高になったくらい。
 それ以前はなにかあったかなぁ。

 主要国の首脳が顔を合わせ、握手して見せることで「世界は安穏だ」と認識することができるという1年に1度のイベントですよ。
 ポストコロナの時代では握手ではなくなるのかもしれませんが。
 でもまあ、意味あいはさほど変わらない。
 そもそもが象徴であったものに対して「いや、それって象徴だから意味ないよ」って言うことの意味とは。

 G7拡大があろうとなかろうと、自由主義国家は中国へ圧迫を続けるでしょうし。
 安保ダイヤモンド構想=インド太平洋構想は継続することになるでしょう。
 特にヨーロッパが「中国のやろうとしている拡大路線」を知るに至った昨今では。
 そして中国は拡大路線を続けようとして少子高齢化でこけるのです。
 実はそこまでは確定済みの未来で、中国がそれに対してどう対応するかこそが問題。
 その時期がどのあたりになるかはまだ見えていませんが、今の拡大路線を続けられなくなることは間違いありません。

 ロシアがクリミア半島にしたように問題を外に向けて解決を試みるのか。
 外に向けるとしてそれが向かう先はどの周辺国なのか。
 それとも内側に向けて充足するような政策に転じるのか。
 G7拡大で「世界的リーダー国となったのだ」とか言っている状況じゃないんだよね。

トランプ「韓国、インド、オーストラリア、ロシアをG7に招待しよう」→韓国が渋い顔をしている理由とは?

米国G7招待... オーストラリア「歓迎する」韓国「まずは協議を……」(世界日報・朝鮮語)
香港国家安全法で勢力争い…米英「安保理招集」vs中国「日本、米国に追従するな」(中央日報)
ドナルド・トランプ米国大統領が9月に米国で主要7カ国(G7)首脳会談を開く案を推進し、既存の7つの加盟国のほか韓国、オーストラリア、インド、ロシアも招待するという意向を明らかにし注目される。ただし、すぐに「歓迎する」との立場を明らかにしたオーストラリア政府とは異なり、韓国政府は「今後、米国政府と協議する」は、慎重な立場を示した。オーストラリアは事前に米国と一定の協議を経たのに対し、韓国はそのような手続きが省略されたものと思われる。

オーストラリア政府は31日、トランプ大統領のG7サミット公式招待を歓迎するという意思を明らかにした。オーストラリア政府のスポークスマンは、電子メール論評を通じて「G7は、最近ハイレベル交流の(主要)テーマでした」とし「比類のないグローバルな課題の時期に友好国間の協力強化が重視されている」と述べた。続いて「スコット・モリソンオーストラリア首相と米国政府の間に、今回の招待はと関連した事前接触があった」と説明した。

これは似たような視覚韓国政府が出した反応とは全く異なるものである。大統領府の関係者は、トランプ大統領のG7会談招待事実がマスコミ報道で知られている後、「これから米国側と協議していかなければならない部分だ」と語った。

「G7サミットに参加してほしいという内容の事前リクエストがあった」という記者の問いには、「事前に通知受けなかった」と答えた。オーストラリアモリソン首相とは異なり、ムン・ジェイン大統領は、米国政府とG7招待などに関する事前協議が全くなかったという意味で解釈される。 (中略)

オーストラリアは米国の同盟国で、中国を牽制して封鎖するためにインド・太平洋戦略に参加してきた。韓国も米国の同盟国ではあるが、最大の貿易相手国であり北朝鮮と密接な関係にある中国を意識せざるをえない韓国としては、インド・太平洋戦略について「ぬるま湯」の立場を維持する中である。
(引用ここまで)

米国が同盟国とともに香港の国家安全法を通過させた中国を圧迫し始めた。これに対し中国は日本に「米国に従うな」としてあらかじめ警告を出した。香港国家安全法をめぐる対立が国際社会をめぐる米中間の勢力争いに飛び火する様相だ。

米国のポンペオ国務長官と英国のラーブ外相、オーストラリアのペイン外相、カナダのシャンパーニュ外相は28日、香港国家安全法通過後に発表した共同声明で、「香港で実行される国家安全法通過に深い懸念を表わす」と明らかにした。その上で「香港の立法機関を通じず中国中央政府が国家安全法施行を直接決議することにより香港市民の自由が減り自律性が弱まるだろう」と懸念した。

これら4カ国は特に中国の行為が国連に登録された英中共同宣言に反すると批判した。共同宣言で中国は1997年に返還される香港で今後50年間は自由と権利の変化はないと約束した。「一国二制度」の出発点だ。4カ国外相は「国家安全法により香港で政治犯罪起訴が増え自由を保護するという既存の合意も弱まるだろう。香港の安定と繁栄が危うくなりかねない」と批判した。国際法的拘束力がある国連合意書に違反した行為と指摘される。
(引用ここまで)


 G7へロシア・インド・オーストラリア・韓国を参加させたい、というトランプ大統領の意向。
 これが以前の韓国だったら大喜びで「日本と同じ立場になった」くらいの勢いで凱歌をあげていたのでしょうけども。
 今回はメディアも政府も渋い顔をしている。
 というのも、記事にあるように明らかに今回の招待は「中国封じ込め」を意識したものだからですね。

 ロシアは旧G8の国であるからともかくとして。
 韓国以外の国を見てみると、オーストラリアとインド。つまり、日本が提唱し、アメリカが採用した「ダイヤモンド安保構想=インド太平洋戦略」に参加する国々。
 これにおそらくベトナムが加わり、そして台湾がうっすらと追随する形になるのでしょう。
 さらにいえば北朝鮮の瀬取り監視に参加したカナダ、ニュージーランド、イギリス、フランスも賛同することになるのは間違いないところ。
 当該海域での合同軍事訓練とかあってもなんの不思議もないですね。  

 日米韓の三角同盟とダイヤモンド安保構想は広域と地域という意味でお互いを補完するものなので、ダイヤモンド安保構想に韓国が参加することも可能なはずですが。
 韓国はどちらにも参加しようとはしていません。
 三角同盟については、中国に対して「三不の誓い」を捧げて「日米韓の三国同盟は決して結びません」と宣言してしまった  インド太平洋戦略についてはトランプ大統領の訪韓時に一度は賛同したはずなのに、翌日に「あれはない」と撤回するなんてことをやっています。
 もはや韓国は「バランサー外交」を貫くしかないのです。
 ま、「優柔不断な君主は当座の危険を避けようとして、たいてい中立の道を選び、たいてい失敗する」(マキャベリ・君主論)ものですけどね。

 アメリカも日豪印の安保協力体制に言及して韓国には言及しないなんてことを普通にしていますので、諦めてはいるのでしょうが。
 ある意味、踏み絵として招致している部分があるのでしょう。
 アメリカは韓国に対して「さあ、どっちにつくのだ」というやりかたをここのところ繰り返しています。
 先日の台湾のWHOオブザーバー参加についての賛同を求めていたことでも同様でした。

 で、一方で中国も韓国に対して「国家安全法」について圧力をかけています。
 すでに在韓中国大使は「国家保安法について説明し、韓国の理解と支持が得られるものと信じている」と述べている状況。
 日本に向かっては中国政府は公式にはなにも述べていない。
 中央日報の記事で「アメリカに追従するべきではない」と言っている高洪博士も中国社会科学院の日本研究所元所長のレベル。まあ……政府の人間と言えなくもないけど。
 韓国に対して強い圧力を加えているのは、そこが「環の中でもっとも弱い」部分だと知っているから。
 いつまで経ってものらりくらりとは行かないと思いますが。さて。

アメリカの「いつかは中国も普通の国になる」という対中戦略の根本的なミスを語っている本。ただいま半額セール中。
China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」
マイケル ピルズベリー
日経BP
2015-09-10

トランプ「韓国が防衛費負担を13%引き上げって言っていたけど拒否してやった」→韓国メディア「首脳間通話があったのになぜ防衛費問題は話さなかったのだろう」→その理由とは……

「防衛費、私が拒絶」トランプ、文と通話時なぜ口にすることもなかったのか(中央日報・朝鮮語)
ドナルド・トランプ大統領が第11回韓・米防衛費分担金特別協定(SMA)の交渉と関連し、「韓国の提案を私が断った」と20日(現地時間)発表した。

トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスで開かれた新型コロナウイルス感染症(コロナ19)ブリーフィングで「在韓米軍削減問題をムン大統領と協議しているか」との質問を受けて、「これは(在韓米軍兵力)削減の問題ではなく、韓国がさらに貢献できるのかどうかという問題」とし「韓国はいくらかの数値を提案したが、私は断った」と答えた。

トランプ大統領はまた「新しい合意は公平な合意となるだろう」とし「アメリカの納税者がこれを聞きたいだろう」と述べた。トランプ大統領はこの日、3分ほどかけて防衛費の問題を比較的詳細に説明した。シグナルは、明らかだった。「引き上げが必要だ」というものだ。

防衛費の問題でこれほど明確なトランプ大統領だが、実際のムン大統領との二度の通話では防衛費分担金の問題は全く言及していなかった。ムン大統領とトランプ大統領は新型コロナ関連などで、3月24日、4月18日の電話をした。青瓦台によると、一ヶ月間隔で通話しながらも、「防衛費の「防」の字も出てこなかった」とする。

1・韓米首脳通貨では「自制」
首脳間対話でお金の問題を直接取り出す風景は珍しいが、トランプ大統領だけ例外であった。トランプ自らムン大統領に防衛費の問題を直接取り上げたという点を何度も示唆した。 2018年9月の国連総会でムン大統領に会った後、二日後の記者会見で、「韓国に3万2000人の在韓米軍があり、私は『韓国は私たちが出す費用をなぜ支払わないのか』と尋ねた」と言ったのが代表的である。同年12月に、アルゼンチンでのG20首脳会議時30分短縮会談の短い時間にも防衛費の問題を取り上げた。

最近、首脳間通話でトランプ大統領が自分の最大の関心事である防衛費の問題に言及していないことを置いて、政府の中でも「意外」という反応が出てくる。

これは逆に防衛費の問題がそれほど尖鋭な瞬間に来ている話にもなる。前後の事情を総合すると、米国は先月31日を前後して韓国が提案した総額13%引き上げ案を拒否し、新しいマジノ線を提案した。一方、韓国も「既存の引き上げ幅を超えることができない」ということ最高位層と実務陣が意見を一緒にしているという。

このため、トランプ大統領がムン大統領と直接激突する素材をわざわざ取り出さないことができる。トランプ大統領は20日(現地時間)のブリーフィングでも「ムン大統領は私の友人」と何度も言及したが、首脳次元のケミストリーと親交を強調する普段の性格上敏感な問題をわざわざ避けるたということだ。トップクラスので決裂したり、意見が衝突すると最後の解決策がなくなってしまうという側面もある。

これと関連し、消息筋は「交渉チームは、韓・米双方の防衛費の問題を『できるかぎり首脳間の問題にしないようにしたい』という考えだ」と説明した。しかし、トランプ大統領のスタイル上「実務陣の反対」が大きい障害物になるものと見られない。

2・他の問題に関心があった
むしろ即興的なトランプ大統領が防衛費の問題を取り上げることを単に忘れてしまった可能性も排除できない。別の消息筋は「トランプ大統領は参謀たちがアドバイスした際に、そのまま従う性格ではない」とし「防衛費よりも大きな問題に関心が集まっていたことがある」と述べた。

トランプ大統領が20日「私の友人のムン大統領に選挙で勝利したことを祝ってくれた」と述べたように、18日に韓米首脳間の通話の主な材料は、韓国の総選挙の結果だったという。大統領選を控えているトランプ大統領の立場では、韓国政権与党の勝利にすべての上の感情が移入されたことがあります。

トランプ大統領の沈黙が戦略であろうと、忘れたのであろうと、最終的に結果はひとつという指摘も出ている。トランプ大統領が明らかにしたように、米国の立場で「公正な合意」である必要があるということだ。
(引用ここまで)


 一昨日のホワイトハウスでの記者会見で、トランプ大統領から在韓米軍駐留費負担について「韓国がある金額を提案してきたが、わたしは拒否した」という発言がありました。
 ただし、同じ場で「問題は(在韓米軍の)縮小ではない」という発言もあり、単純に縮小や撤退を考えているということではない模様。

トランプ氏、米軍駐留費の負担巡り韓国案「拒否した」(ロイター)

 まあ、こうした公の場で縮小や撤退に言及してしまうと、それが公然たる事実とかしてしまうということはままあるので言及を避けたのでしょう。
 「我々は裕福な国家を守っている」というのは本音だろうなぁ……。

 で、中央日報では「ここのところ首脳間での通話があったにも関わらず、防衛費問題は俎上に載せられなかった」としています。
 先月のいわゆる「FDAの事前承認をムン・ジェイン大統領が首脳間通話で勝ち取った」とするアレと、ちょっと前の選挙で勝ったことを祝うための電話と。
 ここで防衛費の話題が出なかったのはなぜだ、という記事なのですが。

 簡単に言えば首脳間での対話で国章が決裂したらもう取り返しがつかないところまで行く可能性があるから。
 事前に事務方が折衝してほぼサインすれば終わりという形にしてからでないと、上に持っていくことができない。
 ハノイで「米朝首脳会談」が壊れてしまい、キム・ジョンウンのメンツが丸潰れになりましたよね。あれ以降は米朝間で表立っての実務者折衝すらできなくなったことを見れば分かりそうなもんですが。

 なので、今回の韓国側からリークされている「13%引き上げを事務方では合意していた」というのはおそらく嘘なのだろうなと。
 トランプ大統領が拒絶した、というのは実際なのでしょうが。おそらくは「じゃあ、あなたたちの13%引き上げという案は引き取って大統領に見せましょう」くらいのものだったのでしょうね。
 大統領府はその「引き取り」を「妥結した」と言ってしまった、ということかな。
 アメリカ側は「大統領に一応見せてみる」くらいのもので、拒絶されたのは案の定ということだった、と。

 先日も書いたように対北朝鮮攻撃を自重してもらうための「人間の盾」としての価値があるという意味でも在韓米軍の安易な撤退や縮小はムン・ジェインにとって致命的なものとなりかねません。
 対北朝鮮外交を最優先事項とする、というムン・ジェインのやりかたを続けるのであれば極端に難易度の高い綱渡りを強いられるのですが。
 対北外交を保守派のやっていたもの+αくらいのものにすれば楽なのですけどね。それは選択肢にはないのだろうなぁ……。