相互RSS募集中です

カテゴリ:米韓関係の記事一覧

韓国政府、GSOMIA破棄でアメリカに激怒されることは想定外だった模様。記者会見での言葉があまりにも支離滅裂で哀れになるほど……

GSOMIA終了 米国の失望は「当然」=韓国大統領府(聯合ニュース)
「大統領演説に日本は感謝もない」 韓国高官が破棄釈明(朝日新聞)
 青瓦台の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は、この日の会見で「米国がわれわれにGSOMIAの延長を希望してきたことは事実だ」としながら「米国が表明した失望感は米国の希望が実現しなかったことによるもので、失望するのは当然だ」と言及した。 (中略)

金次長は「われわれは米国と十分に意思疎通・協議し、米国はこれに対して希望通り延長されなかったことに失望したと考えている」としながら、「だが重要なのは、この機会が韓米同盟関係をさらに一段階アップグレードできるきっかけになることだ」と述べた。
(引用ここまで)

大統領府の金鉉宗(キムヒョンジョン)・国家安保室第2次長は23日、「韓日間で基本的な信頼関係が損なわれており、韓国として維持する理由がなくなった」と述べ、改めて日本側に責任があると批判した。

 金氏は、韓国側が元徴用工問題をめぐる大法院(最高裁)判決などについて、外交的解決をめざす対話を求めてきたとし、「日本側は全く真剣に取り組まなかった」と主張。文在寅(ムンジェイン)大統領が日本統治からの解放を記念する今月15日の「光復節」式典で行った演説についても、「高位級の人物が日本を訪問し、発表前に内容を知らせたのに、日本側は何の反応も見せず、感謝の言葉もなかった」と批判した。
(引用ここまで)


 ひとつ前のエントリで扱ったキム・ヒョンジョン国家安全保障室第2次長の会見。
 「ホワイトハウスと意思疎通の上でGSOMIAを破棄した」という部分以外の言葉。

 「アメリカが失望したのは当然だ」「だけども、この機会が米韓同盟をさらにアップグレードできるきっかけにすることが重要」
 正直……なにを言っているのか、さっぱり理解できません。
 翻訳ミスかと思って原文を見にいったのですが、まんまこの通りのことを言ってました。

 なんか昔、こんな文章を目にした覚えがあるなぁ……って記憶を辿ってみたところ。
 高校の時に夏休みの読書感想文を書くのを忘れていて、あらすじだけ把握して1時間で原稿用紙5枚分の感想文を書いた時の自分の文章でした。
 前後がつながっていない。
 なにを書いているのか意図が汲み取れない。
 戻ってきた感想文を読んだ時は我ながら苦笑を禁じ得なかった代物でしたわ。担当の先生、その節は申し訳ありませんでした。

 キム・ヒョンジョンの言っていることはそんな高校生のダメな読書感想文と同クラスに意味不明。
 アメリカ側の反応が思っていた以上に激烈だった。
 キム・ヒョンジョン的には筋を通したつもりになっていたのに、まったく通用していなかったというわけです。
 で、今日になって慌てて対応して会見したものの、どうにも辻褄があわないセリフを垂れ流しているだけ。
 彼の中ではアメリカに怒られる予定ではなかったので、言っていることが支離滅裂になっているのですね。

 で、最終的には責任を日本になすりつけようとしているのですが。
 8月15日の大統領演説でありがたくも「対話の手を差し伸べた」にも関わらず、日本は動きを見せなかったのだ。だから日本が悪い、と。
 あんな曖昧な話をされてもどうすればいいのやら。
 読売新聞からも「具体性がない、やり直し!」くらいの勢いで否定されていたものでしたね。
 あんな曖昧な物言いのものから、なにかを読んで動けって(笑)。
 そんなこと言われてもどうすりゃいいのさ(コロコロ・AA略)。

 昨日もキム・ユグン国家安保室代1次長が同じことを語っていましたけどね。
 知らんがな。
 ムン・ジェインの演説はその内容が遍く公開されているので、その呼びかけの曖昧さは理解してもらえるでしょう。
 なにより、日本が請求権協定に基づいて外交協議を延々と呼びかけてきた事実は残されています。
 ルールに従って行動するということの重要性がここでも発揮されていますね。

 どうもこういった韓国側のリアクションのあたふた具合を見るに、本気で「アメリカに韓国の行動を理解してもらえている」と勘違いしていたっぽいなぁ……。
 アメリカからの「破棄するなよ!」っていうのを本気でフリであると思いこんでいたのでしょうね。
 本当にムン・ジェイン政権には素人しかいないんだな。

アメリカ政府、韓国のGSOMIA破棄にマジギレ。国務省「安保問題でムン・ジェイン政権は思い違いをしている」と声明……こんな強い言葉、外交用語で見たことないわ……

韓国は「思い違い」と米国務省(共同通信)
協定破棄は米国と緊密に協議したと韓国(共同通信)
米国務省は22日、韓国の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定に関し「北東アジアの深刻な安保問題への文在寅政権の思い違いを示していると、文政権に繰り返し明確に伝えてきた」と明らかにした。
(引用ここまで)

韓国大統領府の金鉉宗・国家安保室第2次長は23日、記者会見し、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定について、検討過程で米韓両国の国家安全保障会議(NSC)が「緊密に協議してきた」と述べた。
(引用ここまで)


 ポンペオ国務長官の「失望した」という声明、ついで国防総省報道官からの「深い懸念と失望」という言葉に続いて、出てきたのが韓国大統領府からの表明があった「アメリカはGSOMIA破棄に理解を示している」という言葉をアメリカ政府関係者が完全否定
 さらに国務省は追い打ちで「韓国は安保について思い違いをしている」とばっさり。

 これまでも何度か書いていますが、基本的に外交用語というものは角を丸めて語られます。
 不要に尖った言葉のやりとりで起こす必要のない戦争が起きたこともあるがための用心で、滅多なことでは激烈な言葉というものは出てきません。
 少なくとも先進国では。
 なので「失望」だの「懸念し、失望」という言葉は最大限の警告といえます。軍事同盟を結んでいる同盟国に対しての言葉であればなおのこと。
 そこにさらに追い打ちで「安保ってものを思い違いしてんな、お前」くらいの物言い。
 どれだけアメリカが起こっているか分かってもらえるんじゃないでしょうかね。

 で、その一方で韓国側は「GSOMIAの破棄についてはアメリカと緊密に協議してきた」と記者会見。
 その主はキム・ヒョンジョン国家安保室第2次長。
 あー、やっぱりGSOMIA破棄の戦犯はこいつか。
 キム・ヒョンジョンは7月に日本が半導体材料の輸出管理強化を宣言してから、アメリカに渡って手ぶらで帰ってきた例のヤツです。
 もしくはラジオ番組で「日本にDRAMの輸出規制をしたら向こうはパニックになるぞ」と言っていたアレと書けば思い出してくれる読者も多いのではないでしょうかね。
 その翌日には大統領府報道官が「あの言葉は輸出規制を意図したものではなかった」とかフォローに廻ったのは記憶に新しいですね。  さらにその後、日本が韓国から輸入しているDRAMは全体の21%にしか過ぎないことが分かって、キム・ヒョンジョンの言葉はデタラメだったことが分かるのですが。

 今月の文藝春秋の牧野愛博氏の記事にいわく「ニューヨークで弁護士をやっていたやり手で英語に堪能。現在の大統領府の外交は彼が仕切っているも同然」とのこと。
 大いにアメリカとのコネクションはあるのでしょう。
 ただ、自分の知己とだけ話し合って実際のアメリカ政府との折衝をしてこなかったという可能性が見えますね。
 手ぶらで帰国していた際にも「我々の論理にアメリカは共感してくれた」とかなんとか言っていましたっけ。
 現実が見えていないムン・ジェイン政権の外交を牽引する人物らしい話です。
 まあ、この人物がGSOMIA破棄を主導したのであれば、あり得る話だな……という感触です。

 しかし、アメリカの「思い違いしてる」っていう指摘はすごいですわ。
 日本側もかなり不快感を露わにしていますが、それがすっかり霞んでしまうくらいの強さ。
 こんな言葉が出てきたことなんて、少なくとも過去10年くらいでは記憶にないです。
 本当にムン・ジェイン政権のやりようが不快なのだな……。

韓国政府「GSOMIA破棄はアメリカも理解している」→アメリカ「そんな話は一切していない」

予想外の超強気……大統領府はなぜ「GSOMIA」を終了したか(ノーカットニュース・朝鮮語)
アメリカ政府当局者「韓国GSOMIA決定は、私たちに教えてくれたのとは正反対...ムン・ジェイン政府集団安全保障の約束に根本的な疑問」(韓国経済新聞)
GSOMIAは日韓両者間の問題だが、実質的には韓米日三角安保体制を強力に希望する米国の意向が働いている。

日本が最終的に拒否したものの、米国の意向を尊重して「紛争暫定中断」(standstill)を提案し、GSOMIAに関する限り、韓米間のリアルタイムコミュニケーションを行い不必要な誤解を招くを遮断した。

青瓦台の関係者は「(このような過程を介して)、私たちの外交的努力に日本の反応がない場合はGSOMIA終了は避けられないという点を力説した」とし「このため米国は韓国政府の決定を理解している」と述べた。
(引用ここまで)

米国政府高官が22日(現地時間)、韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)終了の決定について「私たちに教えてくれたのとは正反対」とし「これは集団安全保障のムン・ジェイン政府の約束に根本的な疑問を提起している」と明らかにした。別の政府筋も、今回の決定を米国が理解しているという大統領府側の説明について「事実ではない」とし、韓国に抗議の意を伝えたと述べた。米政府当局者が韓国政府の説明を直接反論して出てGSOMIA決定に先立ち、韓米間の事前協議が正しく行われたかどうかをめぐり議論が予想される。
(引用ここまで)

 うーむ。
 韓国大統領府からは「アメリカ政府はGSOMIA破棄について理解している」という話が出ています。
 韓国経済新聞にもそんな感じの記事が載ってました。

韓経:<GSOMIA破棄>ビーガン代表訪韓中の決定…米国には了承得たか(韓国経済新聞)
外交部の高位当局者は「なぜGSOMIAを再考せざるをえない状況なのか米国も十分に理解していると考えている」と述べた。続けて「我々としては、日本と機密軍事情報交換の枠組みを維持することができる状況ではないという立場を伝えた」と付け加えた。
(引用ここまで)

 韓国国内ではビーガン特別代表が帰国を延ばしてわざわざ韓国に滞在したのは「アメリカがGSOMIA破棄に対して理解を示したからだ」というような話になっているのですね。
 で、大統領府関係者もそんなコメントを出している。

 ですが、その報道に対してアメリカの当局者は反発。
 「理解などしたことはない」と反論。
 そして「GSOMIA破棄は先だって我々が聞いていた話と180度異なった結論」「ムン・ジェイン政権の集団安保の約束について根本的な疑問を提起したと捉えている」との発言もあったとのこと。

 大統領府は「アメリカが理解している」と誤解したのか。
 それとも「アメリカも理解している」と口先だけで言っておいて、アメリカが抗議しなければ儲けものくらいに考えていたのか。
 後者のような気がしますね。
 これまでのデタラメさからしてみると。いわゆる「嘘でした」シリーズのひとつ。

 GSOMIA破棄に対して、どれだけアメリカが激怒するかということをまったく理解していなかった……ということでしょうね。
 あくまでも外交カードとして日本に向けて切っただけで、アメリカは大して反応もしないだろうくらいの認識だったと。
 GSOMIAは前政権においては結ばれた協定で、その前政権の外交に関わった外交部の官僚はほぼすべて更迭されるか、外交部を辞めている状況。
 外交部に残っているのはムン・ジェインに尻尾を振る無能者だけだという話ですから。
 その重大性を説明することも理解することもできなかった……というのは一応の説明になるかな。

 ムン・ジェイン政権の現実把握能力というものにかなり疑問が出てきましたね。
 いや、事前からあるていどふわふわした政権になるだろうな、という予想はついていたのですよ。
 指名した閣僚がムン・ジェインの周囲にいる学生運動経験者ばかりということもあって、まともな政権運営は無理だろうなぁ……と。
 実際に経済政策は実に分かりやすくそうなりました。
   で、今度は外交で舵取りを大きくミスったと。
 単発でこうなったというわけではなく、現実認識を欠いていたがために延々と間違った分岐を辿ってきただけという感じですが。
 まあ……想定以上に能力不足なのだなぁ……といったところでしょうかね。

Amazon芸オールスターズになりそうな予感。
平気でうそをつく人たち:虚偽と邪悪の心理学
M・スコット・ペック
草思社
2011/8/12

アメリカ、韓国のGSOMIA破棄に激オコ。ポンペオ国務長官「失望した」→ 国防総省報道官「強い懸念と失望を表明する」……まあそれもそのはずで……

米国務長官「韓国の決定に失望」 GSOMIA破棄(朝日新聞)
 米国のポンペオ国務長官は22日、訪問先のカナダ・オタワで記者会見し、韓国が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA(ジーソミア))の破棄を決めたことについて「失望した」と述べた。米国防総省も「懸念と失望」の声明を出すなど、韓国の決定を批判した。その上で米政府は、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮などへの対応について、日韓協力の重要性を強調し、日韓両国に関係改善を求めた。

 ポンペオ氏は記者会見で、同日朝に韓国の康京和(カンギョンファ)外相と話したことを明らかにし、「機密情報を共有する協定に関して行った韓国の決定に失望している」と韓国の対応を非難した。 (中略)

 また米国防総省のイーストバーン報道官は22日午前に声明を発表し、「米日韓が連帯し協力するとき、我々はより強くなり、北東アジアはより安全になる。機密情報の共有は我々が共通の防衛政策と戦略を発展させるカギだ」と強調した。

 さらに同日午後に同報道官は、2度目の声明を出し、「文在寅(ムンジェイン)政権がGSOMIAの更新を行わなかったことについて、強い懸念と失望を表明する」と強い調子で批判。そして「日韓関係においては、ほかの分野で摩擦があるにしても、防衛と安全保障における相互協力は完全であり続けなければならないと強く信じている」と訴えた。
(引用ここまで)


 ポンペオ国務長官が「失望した」を表明。
 さらに国防総省報道官が「強い懸念と失望」を表明。
 国務長官がこうして同盟国の軍事、安保に関する決定に対して「失望した(disappointed)」って表明するのはかなり珍しいというか。……少なくとも日本に対して使われた覚えはちょっとないですね。
 他の分野で思い出してみても、5年前の安倍総理の靖国参拝に対するアメリカ政府の声明くらいかな。
 中国と北朝鮮に対しては山ほど使っていますが。

 まあ、それもそのはずで。
 慰安婦合意とGSOMIAはセットなのですよ。どちらもアメリカが裏で動いていたことは間違いない。
 慰安婦合意に至っては合意のあった当日に当時のケリー国務長官が歓迎の意を表明しています。
 で、その翌年にGSOMIAが締結されたわけです。
 そのセットをムン・ジェインは両方とも蹴飛ばしたのです。
 おまけに帰国予定だったビーガン特別代表を居残りさせて、延長宣言を待たせていたというのにこの所業。
 そりゃ、アメリカとしてもこのくらいのことは言うでしょうよ。

 アメリカの識者からは「GSOMIAの破棄は米軍撤退、軍事同盟消滅にもつながる」と警告され、さらには韓国の保守派からも同じような話が出ています。

<危機の韓日関係、連続診断11>「GSOMIA破棄は韓日米安保協力からの離脱と映る」(中央日報)

 ですが、ムン・ジェイン政権としてはそういった声があるからこそ、むしろ破棄に向かったということなのでしょうね。
 反米、反日、親北であるということをより鮮明に打ち出したわけです。
 ムン・ジェインが内閣改造で法務長官に指名したチョ・グク候補が野党からもマスコミからも国民からもボッコボコに叩かれている中、怒りの矛先を変えたかったというのもあるかもしれないな……。

 いやぁ、こんなもの読めるわけがない。
 楽韓Webでは何度かGSOMIAの延長に関して言及した時に「常識的に考えれば」という前提で「延長しかあり得ない」と書いてきています。
 先月の30日今月の5日20日と「常識的に考えれば延長の一手」と書いてますね。
 ただ、20日の時点ですでに不穏な空気を感じ取っていたのか、「そうとは言い切れない部分がある」とも書いていましたが。
 武藤元大使の発言も「(常識的に考えれば延長だけども)韓国の人は感情的になったときになにをするか分からない」というものだったので、似た話ではあるのですが。

もう当分これしか貼れないんじゃないかって勢いね。
文在寅という災厄
武藤正敏
悟空出版
2019/07/26

アメリカ人識者「GSOMIAを破棄すれば在韓米軍撤退や米韓同盟消滅まであり得る」→韓国人「そこまでGSOMIAは重要なのか。よーし!」

カテゴリ:米韓関係 コメント:(167)
米シンクタンク「GSOMIA破棄時は米軍撤収・同盟解体につながる可能性も」(朝鮮日報)
 米国のシンクタンク・ランド研究所のブルース・ベネット研究員は8日「韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)が破棄されれば、次に来るのは米軍撤収と同盟解体になるだろう」との見解を示した。ベネット氏は本紙との電話インタビューで、韓国国内における反日の動きが安全保障にまで広がりつつあることを念頭に「米国では大きな懸念が広がっている」「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長だけが今の状況をあたかも『けがに苦しむ相手チームを見る野球チームの監督』のように楽しんでいる」と指摘した。

 ベネット氏は韓国を120回以上訪問したことのある米国の代表的な知韓派で、核や大量破壊兵器(WMD)についても詳しい軍事戦略の専門家だ。ベネット氏は「GSOMIAが破棄されれば、韓国からは在韓米軍の撤収などを求める声が出始めるだろう」「米軍の削減はトランプ大統領も受け入れ可能なカードであるため、同盟の未来にとっては致命的だ」と述べた。ベネット氏はさらに「そうなれば韓国における北朝鮮に対する抑止力が大きく弱まり、北朝鮮の在来戦力さえしっかりと防御するのは難しい」と予想した。

 ベネット氏は「米軍は日本の支援があって初めて韓半島で任務を遂行できる」とした上で「有事の際、米軍の兵士70万人、船舶160隻、航空機2000機以上が韓半島に増強され配備されるが、日本国内のインフラを活用できなければ、米軍の戦略物資の移動も制約を受ける」との見方も示した。ベネット氏はさらに「平時に韓日両国が緊密に情報交換をしなければ、有事の際に武器や装備を適材適所に投入できない」とも警告した。米国の仲裁を引き出すためGSOMIAを利用しようとする韓国国内の主張については「米国が介入すれば、どちらか一方の肩を持つようにみられてしまい、もう一方は疎外されるかもしれない。三角協力を崩壊させる恐れがあるので適切な選択ではない」として批判的だ。
(引用ここまで)


 アメリカの識者からも「日韓GSOMIA破棄はそれだけに留まらない」「米軍の縮小や撤退、ひいては同盟破棄にもつながる暴挙だ」という意見が出ています。
 言ってみれば当然の話で。
 日韓間のGSOMIAはアメリカの要望で結ばれたものでした。2012年のイ・ミョンバク政権下では、締結発表の一時間前に韓国側からドタキャンが発表されるというドタバタさ具合で呆れられたものでした。この2ヶ月後くらいにイ・ミョンバクは竹島上陸、そしてあの天皇謝罪要求発言をしたのでしたっけね。そういう流れを見ると、イ・ミョンバク政権では無理だったのだろうなとも思えます。
 ですが対中国にしろ、対北朝鮮にしろ、疑似三角同盟国間での情報の行き来が滞るのは致命的であるという判断が下されたのでしょう。
 パク・クネ政権下でGSOMIAが締結されたのは、慰安婦合意から約1年後
 当時、「なるほど、これもあって慰安婦合意をやらざるを得なかったのだな」と思ったことを覚えています。

   で、その慰安婦合意をムン・ジェインが「国民の同意がない」というわけの分からない理由で破棄したことにアメリカ側が激怒しているのは記憶に新しいところ。
 同様にGSOMIAから離脱するのであれば、それもアメリカにとっては裏切りに等しいわけですよ。
 わざわざ慰安婦合意を結ばせて、かつGSOMIAを締結させて少なくとも情報の行き来に齟齬をきたすことはなくなった……と思っていたら、そのすべてが韓国側によってちゃぶ台返しされているのですからね。
 であれば、そこから米韓関係が破綻をきたして米軍縮小・撤退、さらには同盟の破棄にもつながりかねない。
 普通であればそれを怖れて退くところなのですが。

 普通ではないムン・ジェイン政権にとっては、それらの事柄がすべて「韓国を重く見ているからこそGSOMIA破棄を言い出せば、日本もアメリカもこちらの言うことを聞かざるを得ない」という「逆転の発想」になっているのです。
 識者からのこうした指摘も「だったらGSOMIAは外交カードとして重要なのだな」という理解になってしまう。
 実際、韓国メディアの中でも「GSOMIA破棄で脅したら日本も材料輸出を許可したし、アメリカも仲介に出ようとしている」なんていう誤解が拡がっています。

 なんだろうな……最低限の外交的知識とか経済の知識って大事なんだなって感じますね。
 韓国の打ち筋を見ていると。

アメリカ「日韓基本条約で賠償問題は解決されている」と日本の立場を支持……まあ、戦後秩序を守るならそうするしかないわな

日本の「解決済み」主張支持 米国 元徴用工問題 講和条約へ影響懸念(毎日新聞)
韓国最高裁が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決を巡り、米国政府が日本政府に「元徴用工への損害賠償を含む請求権問題は、1965年の日韓請求権協定で解決済み」とする日本の法的立場を支持する意向を伝えている。日本政府関係者が明らかにした。米国は元徴用工問題で日韓に歩み寄りを促すが、日本側は「原則的な主張は米国の理解を得ている」と受け止め、韓国政府に賠償の肩代わりなど「請求権協定違反」の是正を引き続き求める方針だ。
(引用ここまで)


 今日の毎日新聞のスクープ記事である模様。
 一面トップです。

124A9AD8-454A-4EC7-B984-2AAAE924F78A.jpeg

 「徴用工裁判の賠償問題はすでに日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決された」という日本の主張をそのままアメリカも受け入れる。
 アメリカとしてもそういう判断をせざるを得ない。
 韓国のやろうとしていることは戦後秩序への挑戦であって、それを許すわけにはいかない。
 まあ、単純な話です。

 言ってみれば戦前、戦中の話はすべて寝た子となっているのです。
 それをわざわざ揺さぶり起こしたら、何千何万もの子供が連鎖して起きてしまう。「あれがいいっていうなら、こっちだって当然いいわけだろ?」という言いかたができるから。
 どの国も多少なりとも不満は抱えているものの「不同意の同意」という形でそれを封じこめて「この話はここまで」として片をつけたわけです。少なくとも箱に詰めてガムテープで封をすることには成功した。
 その箱の中身ひとつひとつが気に入らないと言い出したら、もうキリがない。
 たとえばギリシャもドイツに対してこれまで以上に「賠償しろ」と言い出すでしょうね。

 第1次大戦の戦後処理を反省して、過大な賠償金等を課さないようにした。戦後条約をまとめることですべてを終わりにした。
 韓国政府のやろうとしていることは、その戦後秩序をすべて破壊しようとしていることなのです。
 どの国からも支持されるわけがないのですよね。
 少なくともまともな国であれば。
 もちろん、韓国政府には……というかムン・ジェイン政権にはそんなつもりはありません。というよりも、素人しかいないあの政権にそんなことを考慮することはできません。
 ですが、韓国がやろうとしていることはそういった危険性をはらんでいるのですよね。
 意識していない分、よけいになにをするか分からなくて危険なのです。

韓国政府「暴言で知られるムン・ジェイン政権の外交担当特別補佐官を駐米大使にするぞ」 → アメリカ「お断りします」

「ムン・ジョンイン駐米大使」米国が拒否?... 政界「ざわざわ」(デイリーアン・朝鮮語)
ムン・ジョンイン大統領府外交安保特別補佐官の駐米大使任命が、米国の否定的な立場によって拒絶されたという説が提起されており、政界がざわめいている。事実なら、米国がムン・ジェイン大統領周辺人事の言動を否定的に見ているという意味となり、後遺症が少なくないとみられる。ハドソン記者のツイートは政界に大きな波紋を呼び起こすものと見られる。有力な駐米大使候補とされていたムン・ジョンイン特別補佐官は終盤にイ・スヒョク共に民主党議員に交換された。「本人の意思」のためであることが知られたが、変わる過程が釈然としないという指摘が続いた。

ジョン・ハドソンワシントンポスト(WP)外交安保担当記者は10日(韓国時間)、Twitter経由で「イ・スヒョク駐米大使の任命は、米国がムン・ジョンイン大使のワシントン赴任に反対の信号を内密に伝えたのちに行われた」と述べた。
(引用ここまで)


 つい先日、駐米韓国大使が変わりまして。
 イ・スヒョクという共に民主党議員が駐米大使になったのですね。
 ですが、ムン・ジェイン政権の意向としては、ムン・ジョンイン特別補佐官を駐米大使にしたかったとのこと。だけども、それをアメリカ側から拒絶されたというスクープがワシントンポストの記者からTwitterで出されたと。


 イ・スヒョク議員に在米大使の任命があったというニュースに対して「この(新大使の)任命はムン・ジョンインを大使として(韓国側から)打診されたことをアメリカ側が水面下で拒絶した後に行われたもの」という話をしていますね。

 さて、ムン・ジョンイン特別補佐官がどんな人物であるかというと、ムン・ジェインの外交面におけるメンターです。
 ムン・ジェインがその立場上、言えないことを講演等でずばずばと言って「韓国の外交方針はこういうものだ」というアピールをすることが多いですね。
 で、非難が出たら「あくまでもあれは特別補佐官の個人的な発言だ」とかわしていくっていう。
 名前がムン・ジェインにかぶってて分かりにくいのですが。
 基本的に、この人の発言を追っていればムン・ジェインの外交方針というものは理解できる、というような人物です。
 どんな発言をしているのかって?
 そんじゃま、いくつか代表的なものを見てみましょう。

北朝鮮が核・ミサイル活動を中断すれば在韓米軍の軍事訓練縮小をすべき
・(THAAD暫定配備に対して)大統領だろうと神だろうと法は超えられない。環境アセスメントは1年以上、できれば2年やる(のでそれまでフル装備はさせない)。
大統領が「出ていけ」といえば、在韓米軍は出ていかざるを得ない
アメリカは北朝鮮に対して一回だけ終戦宣言してみればいい。あとで撤回してもいいから
ヨーロッパで北朝鮮への制裁緩和に賛同が得られなかったのは日本のロビー活動のせい

 まあ、反米親北を基調とするムン・ジェイン政権の外交メンターであるということがよく分かっていただけるのではないでしょうか。
 そもそも北朝鮮が段階的非核化をするのであれば、それに対してアメリカは段階的恩恵を与えるべきという話を提唱したのはムン・ジョンインです。

 そんな人物を駐米大使に据えようというのだから、豪毅というかなんというか。
 そりゃ拒絶もされるでしょうって話です。
 アグレマンまで行ってから拒絶されるよりは、こうして水面下で拒絶されるほうがダメージは少ないのでしょうが。
 アメリカが分からしてみたら、そもそもこんなんを任命打診するなってことでしょうねぇ。

 ちなみにその代わりとされているイ・スヒョク議員も「トランプ大統領は信用できない」という発言をしていたりします。

韓国が新駐米大使を任命、過去にトランプ氏を「信用できない」と非難(AFPBB)

 まあ……ムン・ジェイン政権にはこんな人物しかいないのですよ。
 韓国メディアは「ムン・ジョンインを拒絶したということは、米韓関係に深刻な亀裂が走っているという証拠だ」としていますが……いまさら?
 ムン・ジョンインが我が物顔で外交面での院政を敷くような状況だったのだから、とうの昔から亀裂は走ってますし、現状はほぼ崩壊寸前ですよ。

エスパー国防長官が訪韓、さっそく国防相会談が行われるものの、韓国国防部からは「GSOMIA延長は議題にならなかった」との公式発表……いや、そんなわけあるか

日韓軍事情報協定、進展なく 米国防長官、韓国大統領と会談 (日経新聞)
エスパー氏が重視した議題の一つがGSOMIAだった。日韓歴訪前の6日には「日韓にこの問題を早く解決するよう求めるつもりだ」と記者団に語っていた。だが韓国大統領府関係者によると、9日の文氏との会談では同協定の延長問題について進展はなかった。 (中略)

韓国で浮上する破棄論の中心には、文政権を支える急進的な革新勢力がいる。政府内では弾道ミサイル発射など北朝鮮の軍事挑発に備える観点からも「維持すべきだ」との意見が主流だ。ただ、一部には米国を日韓対立への仲介に引き込むため外交上の議題にしようとする動きもある。

文氏との会談に先立つ鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相との会談では、日韓対立の余波が浮き彫りとなった。鄭国防相は会談冒頭から「日本は安全保障問題を提起して経済報復を発表した。安保協力に悪影響をもたらしている」と日本批判を展開した。
(引用ここまで)

 エスパー国防長官が今日から訪韓。
 さっそくムン・ジェインとの会談、さらには米韓国防相会談が行われたとのことですが、ムン・ジェインとの会談ではGSOMIA延長については進展なし。
 それどころか国防相会談では日韓関係の悪化の話を延々と展開したことに加えて「GSOMIAについては議題としてもでなかった」としています。
 出ないわけないだろとは思いますが……。
 そうでもしておかないと、記者団からの「GSOMIA存続についてはどうなりましたか」という質問に答えなければならないっていう部分もあるか。

 あくまでも建前は日韓の間での情報共有の話であり、アメリカは「存続を希望する」以上のことは言えませんからね。
 日韓GSOMIAを破棄するのであれば約2週間後の8月24日までに異議を申し立てて、自動延長を拒絶しなければなりません。
 いまだになにも公式の声明が出ていないということは、韓国はGSOMIAを外交カードとしてアメリカを動かそうという考えを捨てきっていない、ということでもあります。

 シンシアリーさんは個人的な感想としてですが「延長の要求を韓国が拒否したのではないか」と書かれています。

韓国、米国のGSOMIA延長要求を事実上の拒否か?「長官会談では議題でもなかった」(シンシアリーのブログ)

 延長について拒絶された事実を隠すために「議題は出なかった」としておかなくては、という感じに見えます。
 本当に最後の最後までGSOMIA存続をカードとして使うつもりなのですね。
 アメリカも延長を希望するでしょうが、韓国側がどうしても延長するつもりがないのであればその意思は尊重されるでしょうね。
 米軍撤退を加速するだけだと思いますよ。

 どのルートを通ってもGSOMIA破棄は韓国の首を絞める結果にしかならないでしょ、これ。
 小手先でどんなことをしても、大前提は「GSOMIA破棄→米軍撤退」ですよ。
 ムン・ジェインは「自主国防」を目標としているので、米軍の韓国撤退もひとつの目標ではあるのですが……。
 いやぁ、それでもいまそれやる?
 本当に外交センス皆無の政権だなぁ。

カーラルートで1回ミスったのと同じことだよな……。
Detroit: Become Human Original Soundtrack
Sony Interactive Entertainment
2018/6/22