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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

駐留費問題で在韓米軍の韓国人労働者4000人がレイオフへ……それでも韓国は米軍撤退という選択肢を選べない……はずなのだが、ムン・ジェイン政権なので……

在韓米軍ついに…労働者4千人を「無給休職の崖」に立たせた(ハンギョレ)
 在韓米軍で勤務する韓国人労働者4000人余りが韓米防衛費分担金交渉の「人質」となり、4月1日から強制無給休職に追い出される瀬戸際の危機に瀕している。

 25日から在韓米軍で働く韓国人労働者8500人中4000人余りが「4月1日から終了が通知されるまで無給休職に処される」との個別通知書を受けた。無給休職が現実化すれば在韓米軍駐留の60年余りの歴史上初めての事態だ。これは米国のトランプ政権が今年韓国が負担する防衛費分担金を去年1兆389億ウォン(約920億円)の5倍を超える50億ドル(約6兆ウォン、約5600億円)に引き上げるとの無理な要求をした時から予告された災難でもある。分担金交渉は去年妥結されるべきだったが韓米の意見の隔たりは相変わらず大きく、合意に至れずにいる。17~19日の交渉では無給休職の事態を防ぐために韓国政府が在韓米軍の韓国人労働者の賃金をまず負担するので人件費部分から先に妥結しようと提案したが、米国が公式に拒否した。人件費から妥結する場合、韓国を圧迫するカードが消えることを米国が憂慮したからであるとの分析が出ている。米国が韓国人労働者を「人質」にして防衛費大幅引上げを受け入れれるよう韓国を圧迫する状況だ。

 外交部は今月末まで電話と電子メール、大使館を通じて米国と交渉を続けて無給休職までは行かないよう最善を尽くすとの立場を明らかにしている。しかし、通知された日付の4日前に近づき、期限のない強制無給休職の恐怖が4000人余りの労働者を押さえ付けている。 (中略)

彼らの雇用主は韓国政府ではなく在韓米軍だ。労働者は四大保険(国民年金・雇用保険・健康保険・労災保険)もきちんと納めるが、「アメリカ合衆国の軍事的な必要に造反しない限度内で」韓国労働法の規定に従うとのSOFAの規定を在韓米軍が恣意的に解釈できて韓国労働法の保護を受けることができない。労働組合はスト権も制限され、不当解雇と不当懲戒も頻繁に起きていると訴える。

 在韓米軍韓国人労働組合はこれまでの間、米国大使館前でデモを行い「韓国人労働者たちを人質にとる無理な防衛費引上げ要求を中断せよ」を要求してきた。同時に韓国政府も直ちに生計が絶望的になる危機に瀕した4000人余りの労働者に対する対策を用意せねばならないと訴えている。
(引用ここまで)


 アメリカが在韓米軍駐留費問題で妥結できなかったことに対する措置として、在韓米軍基地で働いている4000人規模(今日の時点では5000人とするメディアも複数)の韓国人労働者をレイオフすることを宣言しました。
 左派反米路線のハンギョレですから「労働者は被害者であり、アメリカの人質にされている」という話になっていますが。
 まあ、駐留費問題が解決しないのであれば給料も払えないとというのは実際のところでしょう。
 アメリカからの要求は5倍以上の駐留費を支払えというものでしたが、現在ではもうちょっと要求額は低くなっているとの観測が主流です。
 4倍前後ではないかとされています。まあ、どっちにしても韓国政府には右から左に出せる額ではありませんが。

 それでもさすがに在韓米軍撤退に通じるようなことはできない、というのが韓国の現実ではあります。
 在韓米軍、および韓国軍の主力は陸軍。
 もし北朝鮮が侵攻してきたらまずは米韓の陸軍で持ちこたえつつ反抗。在日米軍の空軍、海軍が駆けつけるという方針。これは中国が相手でも同じこと。
 韓国の港には米軍の空母はいませんし、在韓米軍の空軍も戦闘機保有は少なめ。対地攻撃を行う攻撃機メインです。
 在日米軍が補完することで韓国の防衛力を高めています。実際に朝鮮半島で戦闘があれば自衛隊もその中に組み込まれるでしょうね。
 日米韓の三角同盟は成立してはいませんが、実際には三角同盟があるかのように有機的に動くようになっています。

 韓国軍の構成も同様で、在韓米軍ありき、在日米軍ありきの構成なのです。
 特に昨今は海軍力、空軍力を強化しようとしてはいますが、まだまだウィークポイント。
 韓国海軍から「潜水艦では海上自衛隊に絶対にかなわない」との話が出ているそうですが、まあそれは潜水艦戦力だけではないですよね。
 なので、現状で米軍に撤退されることは、韓国軍にとって死を意味します。

 え、「韓国をどこが攻めてくるのか」ですって?
 戦争は相手のあることですから、「明日にもどこからか侵攻される」という前提で対応しておくべきなのですよ。
 東日本大震災があった直後にロシア、中国共に偵察機を飛ばしてきましたね。
 どちらも「力による現状変更を容認する国」で、韓国はその両国からほど近い国。
 備えておくに越したことはないですよ。

 なので、現実を見ることができるのであれば、在韓米軍撤退につながりかねない駐留費問題をなんとか解決しなければならない。交渉するなり、要求額を支払うなりで。
 ただ……。
 ムン・ジェイン政権だからなぁ。
 在韓米軍ありきで韓国の国防は成り立っているという前提を知っているからこそ、まともな論者は総じてGSOMIA破棄はあり得ないという結論に至ったわけでしたが。
 ムン・ジェイン政権はそのまともさの範囲を平気で飛び越えてくるのです。
 特に韓国左派にとっては米軍の支配から抜け出し、独自防衛路線に突き進むことは念願。
 一気にルビコン川を渡ることすらやりかねないのです。
 しかも、大した覚悟もなく。ちょうどGSOMIA破棄宣言のときのように。
 本当にあり得ない行動を取ってきますからね、あいつら……。

韓国保守系メディア「アメリカは米韓通貨スワップ協定を結んでくれた。危機の時に頼れるところはどこなのか、理解しただろう」と同盟の価値を語る……あと日韓通貨スワップ協定も期待している模様

【社説】危機の時に頼れるところはどこか、改めて実感させられた韓米通貨スワップ(朝鮮日報) Web魚拓
中国だけ入国制限、通貨スワップ…コロナがかぶせてくれた米国の「同盟の傘」=韓国(中央日報)
米国との通貨スワップが直ちに韓国の金融市場を安定させる効果をもたらしたのをみると、米国がわれわれにとっていかに重要な国であるか、安全保障・経済戦線が危機に直面した時、われわれに救命の太いロープを投げてくれる国がどこかを改めて実感した。

 韓国政府は伝統的な友邦国である米国や日本と距離を置き、中国に密着する外交政策をとり続けてきた。中国も重要な隣国だ。今後も密接な友誼を築いていかねばならない。しかし暴力的なTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)報復やコロナ事態で明らかになったように、中国は自国の利益と地政学的な覇権のためなら隣国の事情など全く意に介さない国だ。 (中略)

 その反面、米国は韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄問題、対北朝鮮制裁での不協和音、防衛費分担金問題など対立要因が多かったのに韓国人の入国禁止を自制し、通貨スワップによって古くからの友邦を支援する選択を行った。これまでトランプ政権が同盟をビジネス関係として取扱う行動を取り、大きな失望を感じることもあったが、今回の韓米通貨スワップは韓米同盟が単なる「軍事同盟」にとどまらず、自由民主主義と市場経済を守る「価値同盟」であることを悟らせてくれた。
(引用ここまで)

今回の措置だけでなく米国のグローバル経済危機対応マニュアルにともなう側面もあるが2008年にどうにか確保した韓米金融当局間共助のおかげという評価が出ている。当時結んだ韓米通貨スワップは金融危機で韓国の経済危機克服に大きく役立ち、「韓国の外国為替市場の最大の安全弁はやはり韓米同盟」という話まで出てきた。韓国はカナダや中国などとも通貨スワップを締結しているが、ドル流動性確保は市場にとってさらに強力なシグナルになるほかない。

ワシントンに精通した外交消息筋は21日、これと関連して、「2008年もいまも韓米同盟関係が素地になったのは事実。通貨スワップを締結した9カ国を見るといずれも米国の友邦であり同盟である国」と話した。2008年の通貨スワップ締結国がそのまま維持されたという評価だ。 (中略)

だが新型肺炎の感染拡大局面で米国が全般的に韓国の手を上げる措置をしたことも「同盟効果」と分析される。代表的なのが入国制限問題だった。

米国は新型肺炎流行初期の1月31日に中国発の入国者に対し全面入国禁止を発表する超強硬措置を取った。その後韓国で感染者数が急増したが、米国は韓国発の入国制限は最大限慎重にアプローチした。イタリアの感染拡大で今月11日に欧州発の入国者を遮断することにした時も同様だった。 (中略)

最近も韓国はすでに通貨スワップ再開を要請したが、日本は無対応で一貫しているという話が外交街に出回っている。外交部高位当局者はこれと関連して21日、「必要性に対する意見は多いものと理解しており政府も認知している。どんな契機で再開するかは企画財政部と協議して検討する」と話した。
(引用ここまで)


 米韓通貨スワップ協定が(FRBの危機対策マニュアル通りに)結ばれたことで、朝鮮日報、中央日報といった保守紙からは「ほれ見ろ、本当の危機の際にこそどのような対応をしてもらえるかで友好国、同盟国の価値が分かるというものだ」という主旨の社説が出ています。
 ハンギョレ、京郷新聞といった左派紙からは通貨スワップ協定が結ばれてウォンドルレートが一服したという事実のみが記事として語られているていど。
 これら左派紙は親中国というよりは反米なので、こういった態度は分からないでもない。
 朝日新聞や毎日新聞も同様で「反米」であればなんでもいいという方向性なので、その結果として親中国に見えているという部分がありますね。余談。

 でもまあ、韓国政府が中国とアメリカの両国に対していいとこ取りをする基本方針は変わらないでしょうね。
 ここまでの危機に至ってもムン・ジェインは「中国の危機は韓国の危機」とか寝言を言って中国人の入国を最後の最後まで制限しなかった。
 中国にいい顔を見せておきたい、というのは韓国の本音なのです。
 常に韓国は地政学的な意味で中国の影響を無視できない。その部分は理解しないでもないですが。

 アメリカとの同盟を維持しつつ、経済的に巨大なパートナーである中国にもすり寄りたいなんて態度は両方から許されない。
 そんな中立は双方から敵と見なされるだけの話。
 中国はアメリカによる韓国へのTHAADミサイルの配備について圧力を加え続けている。
 三不の誓いを捧げてもまだ許されていない。
 アメリカは駐留費の値上げを「要請」している。その額、実に5倍。
 今月末までにまとまらなければ、基地で働く韓国人従業員はレイオフされるとのこと。
 ちなみに朝日新聞が「日本にも5倍の負担要求が来ている」とかいう記事を出していましたが、こっそりと「誤報でした」という訂正記事を出しています。

 今回は世界的なドル不足になりかねないということからほとんど機械的に通貨スワップ協定が結ばれましたが、次もこうなるとはかぎらない。
 米中のどちらにつくのかはっきりしろ、と言われ続けるのでしょうね。

 中央日報の記事には日韓通貨スワップ協定への言及がありますが、これは韓国経済新聞や東亞日報の社説にも同様の記述があります。

「韓米通貨スワップ」で一息ついたが、外国為替不足に備えて安全弁をさらに作るべきだ(東亞日報)

 朝中東と呼ばれる朝鮮日報、中央日報、東亞日報に加えて韓国経済新聞が韓国の代表的な保守紙。
 まだこれら保守紙は日本への期待とでも言うべきものを心の中に抱えている、ということなのでしょうね。
 かつての日本であればそういった期待に応える議員も多くいたのでしょうが。
 まあ、無理ですわな。
 他を当たってくださいな。

アメリカの有識者から「日本は信頼できるパートナーだが、韓国は信頼できない」との声……まあ、韓国が勝手に沈んでいったのが実際ですかね?

カテゴリ:米韓関係 コメント:(56)
米専門家集団「信頼するアジア国家」…日本48%で1位、韓国は9%(中央日報)
米国の一般市民(1015人)と専門家集団(200人)を対象に実施された調査で「アジア地域で米国の最も重要なパートナー」を問う質問への回答が日本、中国、韓国、オーストラリアの順だったと、日本外務省が最近明らかにした。

「アジアで最も信頼できる国」を問う質問に対する回答は日本、オーストラリア、韓国、中国の順だった。

米国の世論調査機関ハリスが日本外務省の依頼を受けて昨年11月に実施した調査の結果で、先週、日本外務省が出入り記者団に関連資料を公開した。 (中略)

政官界、学界、言論界、宗教界、労働関係分野で「指導者的な地位」にいる200人を対象に実施された電話調査の結果も同様の傾向が見られた。

「アジアで最も重要なパートナー」に対する回答は、日本(42%)、中国(18%)、韓国(17%)、オーストラリア(13%)、インド(5%)、ロシア(1%)の順で、「最も信頼するパートナー」は日本(48%)、オーストラリア(32%)、韓国(9%)、中国(4%)の順だった。

全体的に韓国の位置や数値は停滞または後退している。

米国の一般市民の調査で韓国に対する信頼度(9%)は中国の信頼度(8%)とほぼ同水準だった。韓国の数値は昨年と同じで、中国では6%から2%ポイント上昇した。

専門家集団の調査では韓国に対する信頼度(9%)が中国(4%)より高かったが、2018年(20%)、2017年(14%)と比べると大幅に低下した。

日本外務省の依頼で実施された調査でもあるが、全体的に日本関連の数値が上昇したのも特徴だ。
(引用ここまで・太字引用者)


 大元の調査内容は外務省のこちらにあります。

令和元年度海外対日世論調査(外務省)

 アメリカ以外にもASEAN、モンゴル、オーストラリア、インド、アフリカ3カ国で調査が行われています。
 まあ、いつものようにというか。
 基本的には日本の評判というものはいいものとなっているようです。
 一般人がどう思っているかということも大事でしょうが、より外交的に大事なのは有識者の認識。
 そこで重要、かつ信頼するパートナーとして扱ってもらえてる。
 これはなかなか大きい得点。

 で、日本と同じくアメリカの同盟国である韓国としては、自国の立場は気になるところでしょう。
 特に太字部分。
 2017年の14%、2018年の20%から一気に9%にまで低下。
 日米韓の三角同盟にこだわりを見せていて「日本は一歩引くべきだ」と言うことの多いCSISのマイケル・グリーン氏ですら最近では「ワシントンでは最近の日韓関係の悪化は韓国に問題があると見ている」「アジア近隣諸国はオーストラリアからシンガポールまで日韓間の問題は韓国側に問題があると考えている」と言い出す始末ですからね。

 韓国への不信感、特に対北朝鮮での徹底的な外交の失敗が韓国の責任ではないのかという考えが大きな原因となっていそうです。
 もちろん、対日関係を一方的に悪化させているというのも原因のひとつでしょうね。
 日本が対米関係を重視していることは間違いないのですが、ほとんど韓国が勝手に沈んでいっている……というのも間違いないところ。
 なにもしないでいたら勝手に韓国が自爆していったというのは実感ですね。
 特にGSOMIA破棄宣言をすることでアメリカ側有識者から「安保関連には手を出すなとあれほど言ったのに……」と匙を投げられた感じでした。
 いまにしてみれば2月のハノイからGSOMIA破棄、年末の日韓首脳会談までと不思議な1年だったなぁ(笑)。

GSOMIA終了延期から100日、動こうとしない日本に韓国はGSOMIA破棄カードをつきつけるのか?

カテゴリ:米韓関係 コメント:(77)
GSOMIA終了延期から100日 韓日関係の転機はいつに(聯合ニュース)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と青瓦台(大統領府)が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を条件付きで延期してから、29日でちょうど100日がたった。 (中略)

韓日は少しずつ前向きな態度を見せるようになった。昨年12月には東京で韓日の輸出管理政策対話を開催。日本は同月、強化していた対韓輸出規制を一部緩和する措置を取った。

 ただ、目に見える進展はなかった。最近は韓日とも新型コロナウイルスの感染拡大への対応に追われ、輸出規制の解決に向けた協議やGSOMIA終了問題の優先順位も自然と下がっている。

 それでも、青瓦台によると両国はGSOMIA終了問題を協議するためのルートを開いており、交渉を続けているという。

 地理的要件から北朝鮮軍事情報の収集能力が韓国よりも劣る日本の立場を踏まえると、GSOMIAは対韓輸出規制強化の完全な撤回を迫る重要なカードとして使われる可能性がある。

 そのため、GSOMIA終了の有無は両国関係がこの先、どう動くかによって決まる見通しだ。 (中略)

 もちろん、日本が誠意のある態度を見せていないと判断すれば、文大統領が最終的にGSOMIAの終了を決断する可能性はある。青瓦台の高官はGSOMIA終了の条件付き延期を発表した日、「(日本が輸出規制強化を発表した昨年)7月1日以前の状況に戻ってこそ、GSOMIAを延長できる」とくぎを刺している。

 GSOMIAの行方に関し、もう一つ注目すべきは在韓米軍駐留経費の韓国側負担を巡る韓米間の交渉だ。韓米はワシントンで今月24日(現地時間)に行った国防相会談でこの問題を話し合ったが、増額幅について差を埋められなかったとされる。

 米国は韓日GSOMIAを延長すべきとの立場で、韓国は駐留経費負担の増額幅を抑えるため、これを受け入れざるを得ない可能性もある。
(引用ここまで・太字引用者)


 太字部分、いまだに日本に対してGSOMIAを外交カードとして使えると本気で思っているのですね。
 少なくとも韓国メディア、あるいは韓国大統領府としては。
 以前の朝日新聞の牧野氏によるレポートではGSOMIA破棄強硬派が外交の主導権を握っているという話になっていましたが。

 去年8月の時点で韓国は実際に破棄宣言をすることができましたし、日本側もそれを傍観していました。
 まあ、口では「残念だ」くらいのことは言っていましたが。
 日本政府は傍観、静観。まあ、実際にやれることなんてなにもないですしね。
 むしろ、破棄宣言を撤回させることに熱心だったのはアメリカ側。破棄宣言があってから「失望した」と言い続け、さらに破棄撤回を要求し続けて決定的になったのが11月のキム・ヒョンジョン訪米時(と牧野氏談)。

 破棄撤回に対して韓国はあくまでも「凍結である」として、日本側もそれを認めている発言をしています。
 ただ、日本側の態度は正確にいえば「凍結だろうと延長だろうとどうでもいい」というところでしょうね。
 GSOMIAを必要としているのは実際には日本ではなく、日米韓の安保協力関係の省庁としてアメリカが必要としているのです。
 なので、アメリカが日米韓の協力関係を「本格的に」捨てる覚悟を決めないかぎり、そして韓国がアメリカからの完全離脱を決めないかぎり、中国に向けて捨てるには惜しいがいまひとつ使い道のない鶏肋として韓国はGSOMIAにつきあわされ続けるのです。

 在韓米軍はすでに駐留費の妥結がなければ韓国人従業員をレイオフすると宣言しています。

駐留費交渉まとまらなければ無給休職 在韓米軍が韓国人勤務者に通知(聯合ニュース)

 使えるものであればなんでも使っていこうという、現状のアメリカの身の丈戦略に韓国の存在は合っているのですよ。
 フィリピンの協定破棄もありますが、よほどのこともがないかぎり……おそらくは今後10年ほどは米韓軍事協定破棄ということはないでしょうね。
 まあ、そのよほどのことが駐留費関連で起きそうだ、という感じもしてはいますが。

アメリカが「韓国がGSOMIAを日韓関係の外交カードにすることは許さない」と宣言

カテゴリ:米韓関係 コメント:(76)
「GSOMIAは他の問題と別」と一線を画した米国務省「米韓日安保協力を推進」(中央日報)
米国が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に関連し、「米国は共同の利害関係に対する認識の下、韓国、日本と共に2者および3者間の安全保障協力を継続して推進していく」と述べた。

米国務省報道官室の関係者は18日(現地時間)、韓国でGSOMIA終了イシューが再浮上していることについて国務省の立場を尋ねる米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の質問に対し、「米国は国防と安全保障問題は韓日関係の他の分野とは別であるべきだと信じる」とし、このように話した。 (中略)

この関係者は「韓国と日本が歴史問題に対する恒久的な解決法を確保するために真摯に議論を続けることを望む」と述べた。強制徴用問題をめぐり韓日が対立する状況を認知しながらも両国に中立的な立場を見せた。

しかし米国務省は日本が昨年7月以降に韓国に取っている輸出規制措置には特に言及しなかった。青瓦台でGSOMIA終了主張が再浮上した背景には、昨年11月末の政府のGSOMIA終了猶予決定にもかかわらず対韓輸出規制の復旧に消極的な日本に対する不満がある。韓国はGSOMIA維持決定に相応する日本の態度変化を促したが、米国は日本の経済報復には「沈黙」したということだ。
(引用ここまで)


 GSOMIA終了論議が韓国で再燃していることについて、国務省報道官室の関係者が「日韓が抱える問題と、安保問題については別途考えるべきである」と発言。  ただのメディアからのインタビューではなく、アメリカの国営放送であるボイス・オブ・アメリカで答えたということが重要です。
 まあ、言っている内容は去年半ばに韓国から「このままだとGSOMIA破棄するしかないぞ」って言い出した頃からなにも変わっていないのですけどね。
 事前も破棄宣言後も、アメリカは「二国間の問題がどのようなものであれ、それを安保問題にまで影響させるな」ということを言い続けてきました。
 破棄後に韓国に向けて「失望した」と言い続けたのは破棄そのものではなく、日韓間の確執が安保問題にまで及んだことに対してでした。

 考えてみれば当然でして。
 2015年の年末に慰安婦合意の裏にはアメリカの暗躍があったと楽韓Webでは考えています……というか、日韓外相による合意発表直後に歓迎の意を表したことを見てもそれ以外考えられません。
 で、GSOMIA締結が翌年11月。
 アメリカの意向としてはインド太平洋ダイヤモンド安保構想が大枠の中国封じ込め戦略であるとすれば、日米韓の三角防衛ラインは最前線の封じ込めライン。
 両者の併存は矛盾することではないので、アメリカとして両方のラインを活かしたい。そのためにはアメリカ抜きで情報のやりとりができるようになるGSOMIAが必要。
 その前段階として「この問題が解決されるまでは日韓首脳会談を開かない」とまでパク・クネが言っていたほどの確執を取り除く必要があったわけです。
 慰安婦合意というのは、アメリカにとっては紛れもない安保問題だったのですね。

 ムン・ジェイン政権はそれを覆そうとしていたわけですよ。
 そして、アメリカにぼっこぼこにされてGSOMIA破棄を撤回せざるをえなかった。
 それをまたぞろ蒸し返そうとしている。
 あれだけ厳しく言ったのに、どれだけリソースを割かせるつもりなんだってことにもなるでしょうよ。
 最終的にはアメリカは韓国を切ることになるとは思われますが、とりあえずはまだ使いようのある資源であると考えている……ということでしょう。
 使える部分があるうちは使う。その意向に逆らうことは許さない、というのがアメリカの基本方針。
 それを証明する話がもうひとつあるのですが、それは明日にでも。

アメリカがハリス大使の様子を見て「韓国は人種差別的に日本を憎んでいるようだ」ということを学習中……日本が通ってきた道ですね

ハリス大使への人種差別行為、米国が韓国糾弾(JBPress)
韓国、「母が日本人だから」で米国大使を批判の噴飯(JBPress)
 昨年末から米国から見ていて呆れ返っていることがある。文在寅大統領とその周辺、与野党、メディアの異常な言動だ。 (中略)

「呆れ返ったこと」の一つは一国の特命全権大使、特に同盟国の大使を朝野を挙げて口汚く罵り、国外追放まで言いだす輩まで出ていることだ。

 人種差別もさることながら外交儀礼の欠如も甚だしい。

 もう一つ、「呆れ返っていること」は、北朝鮮に罵詈雑言を浴びせられても韓国は朝野で申し合わせたように一切反論しないことだ。

 韓国情勢に詳しい米主要シンクタンクの上級研究員はこの2つのケースを一言で片づける。

「まさにこれぞ、サウス・コリアン・メンタリティ―(韓国人の心理)というものだ」
(引用ここまで)

 総選挙を控えて北朝鮮との関係改善に全力を注いでいる文在寅(ムン・ジェイン)政権が、北朝鮮に対する個別観光を全面許可しようとして米国側と対立している。

 北朝鮮観光事業を進めようとする文大統領の発言に対し、ハリス駐韓米国大使は「米国と協議すべき」と主張。するとハリス大使に向かって文政府と与党からの糾弾が殺到し、文政権支持者たちの間でにわかに「反米感情」が高まっているのだ。
(引用ここまで)


 韓国政府、議員、メディア、国民と朝野揃ってのハリス駐韓米国大使に向けてのバッシングについて、アメリカで複数の記事が出ています。
 先日のCNNだけでなく、ロイター、UPIといった通信社までが取り扱っていますね。
 見ての通り、アメリカでそこそこの話題になっています。

 といっても、大旋風を巻き起こしているとか、とんでもない非難が渦巻いているというわけではなく。
 21世紀のいまになってもアメリカからの全権大使に向かって、こんな非難が出るのだ……というようなちょっと唖然としているようなレポート記事が中心ですかね。
 これまで東アジアについての専門家しか知らなかったような「日韓の根本的な仲の悪さ」「韓国の持っている日本への攻撃心」というものが明らかにされている、という状況になりつつあります。

 反米であるということはまだ理解の範囲内にあっても、その手段として「母親が日本人だ」という人種差別を行っている部分、そして「大使という身分を弁えろ」というような外交儀礼の欠如に驚いている、という感じ。  ちょっと前に書いた、韓国がハリス大使を叩くことで「日本に有利になる状況」というものが現実になりつつありますね。
 ひとつ目の記事では「それこそがサウスコリアンメンタリティーというものだ」という一言でバッサリと切られていますが、シンクタンクの研究員という立場だからこそ理解できているというだけ。

 一般のアメリカ人に対しても「韓国人というものはこういうものなのだ」と説明できるわけです。
 これまでの日韓が対決してきたことについても、そして旭日旗関連で、さらには福島関連で「東京オリンピックは危険だ」というヘイトをまき散らしていることについても、この一件だけで説明可能。
 さらに日本に対するヘイトをタイムズスクエアの広告でまき散らしていたこと、世界遺産で日本の登録を邪魔してきたことなどで情報を補うことができるでしょう。
 うん、悪くない状況かな。

 思えば日本がこの15年ほどで辿ってきた道をアメリカも歩もうとしている、ということですね。
 日本の現状は「韓国を知ったからこそ嫌っている」状況ですから。それにアメリカが追随するまで行かなくとも、これであるていど共通認識を持つことが容易になったとはいえるんじゃないでしょうか。

韓国政府「北朝鮮への個別観光は国連制裁にも、アメリカの独自制裁にも引っかからない!」……アメリカが本当にそんなこと言ってたかなぁ?

政府、第3国経由などの3つの「北個別観光」の推進……「国連・アメリカ制裁関係ない」(ニュース1・朝鮮語)
政府は20日、北朝鮮の個々の観光が「セカンダリボイコット」の対象となることがある主張に対して、「個々の観光は対北朝鮮制裁に該当しないため『セカンダリボイコット』も適用されない」と述べた。

統一部はこの日、個々の観光参考資料を通じて「個々の観光は、国連制裁対象に該当しないで、私たちが独自に推進可能なビジネス」とこのように明らかにした。

「セカンダリボイコット」は、米国財務省の第2次制裁を意味する。北朝鮮と取引する第3国の企業と個人に実行される。

統一部当局者はこの日、記者たちと会って「米国の独自制裁にも対象とならないと見ているのか」という質問に「そうだ」と言って「日本、オーストラリア、ヨーロッパなど市民が(北朝鮮の)個々の観光をしている。個々の観光に私たち国民が行くことについて、別の制裁問題を厳格基準を持って突きつける必要はないと思う」と語った。
(引用ここまで)


 統一部の当局者は「国連制裁はもちろん、アメリカの独自制裁基準にも当たらない」として、北朝鮮への個別観光事業を推進する、とのニュース。
 国連制裁には当たらない、というのはいま現在でも北朝鮮観光に個人で出かけている人はいることから間違いないでしょう。
 ただ、アメリカの認識は異なっているようです。

[社説]傲慢きわまりないハリス大使の「主権侵害」発言(ハンギョレ)

 この記事は左派のハンギョレ新聞なので「傲慢きわまりない」というような記事タイトルになっていますが。
 ハリス大使はあくまでも「制裁に触れる可能性を排除するためにも米韓のワーキンググループで協議をすべき」と言っているのですよ。
 これ、あくまでもムン・ジェイン大統領の14日にあった記者会見での発言を受けてのもの。
 つまり、アメリカとしてはムン・ジェインがやろうとしている「北朝鮮への個別観光事業」等の南北経済協力がワームビア法等のアメリカの独自制裁に触れる可能性があると判断しているということです。

 国務省報道官も「国連制裁には抵触しない」ということを確認しているに過ぎません。

韓国政界のハリス大使批判に…米国務省「立派な大使」(中央日報)
--ハリス大使は北朝鮮個別観光について米国との協議を経て進めるべきだという立場を明らかにした。韓国政府はハリス大使の発言が「不適切だ」とし「主権」という言葉までが登場している。米国政府の立場は。

「まず、対北朝鮮制裁は国連安全保障理事会を通過した最も包括的な制裁の一部という点を忘れてはいけない。安保理加盟国がすべて同意して通過させた。したがってすべての国連加盟国がこうした制裁を遵守すると期待する。対北朝鮮制裁の効果を担保することが重要だ」

--しかし個別観光は対北朝鮮制裁に抵触しない。

「もちろんそうであり、適切な指摘だ。国務省はトランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がシンガポールで互いにした約束を進展させ、モメンタムを維持することに集中している。これを進展させることが私たちの目標だ。私たちがシンガポール首脳会談の目標を進展させるのに集中できるよう、私たちの友人と同盟が米国を後押しすることを望む」
(引用ここまで)

 オルタガス報道官、中央日報のインタビュワーは国連制裁の話だけしかしていませんね。
 アメリカがどのような立場であるのか。あるいは独自制裁に触れるのかという話はしていない。
 ましてや日本人や中国人が観光をするのと「韓国政府が旗振り役になって、大統領の言葉で推進する韓国人の個別観光」とでは大きく意味合いがことなります。
 一節では5000億ウォンが北朝鮮に流れ込むのではないか、という危惧もあるほど。
 なんつーか……韓国には「相手の言うことのポジティブな面しか見ないで突っ走って手痛く失敗して『後頭部を殴られた』と叫ぶ」というパターンがあるのですよね。
 今回もその典型例になりそうな気がするのですけどね……。

韓国人が「ハリス米国大使は日系人だ!」と差別心丸出しの糾弾を開始。この事態が日本に有利になる理由とは……

CNN「ハリス大使を日系と批判するのは人種差別」(中央日報)
韓国で米大使の口ひげに激しい批判 背景に人種差別・歴史・政治(CNN)
ハリス氏は日本人の母親と海軍士官だった米国人の父親の間に生まれた。ネットユーザーの中には、口ひげと合わせハリス氏の出自に言及する人もいる。

ただ、ハリス氏は日本人ではなく米国人だ。日系であることを理由に非難すれば、米国ではほぼ確実に人種差別主義者とみなされるだろう。

中央情報局(CIA)の各国データ集によると、韓国は米国のような人種の多様性がない均質な社会だ。異なる人種から成る家庭はまれで、外国人嫌いの感情は驚くほど普通に残っている。

ハリス氏は記者団に「両国の間に歴史的な敵対感情が存在することは理解しているが、私は駐韓日系米国人大使ではなく、駐韓米国大使だ」と説明。「偶然日本人の母親に生まれたからといって、そうした歴史を持ち出して私に重ねるのは誤りだと思う」と指摘した。
(引用ここまで)


 アメリカは対韓国外交で強硬な姿勢を見せています。その最たるものが「韓国が北朝鮮と経済協力をするのであれば、逐一ワーキンググループと協議すべき」というもの
 韓国からは「内政干渉だ」というような声すら挙がっています。
 この発言をしたハリス大使に攻撃の矛先が向きつつあるのですね。
 以前にアンチハリスデモが行われていましたが、それをブーストしたかのような感じです。
 そして、ハリス大使の「日系人である」という部分がやり玉に上がるようになってきています。
 CNNがそういった韓国の扱いを報じる記事を書くほどになっているのですよ。

 ハリス大使には悪いですが、韓国の実状というものを見せる最善のパターンとなっています。
 今回の騒動で韓国人が「日本人」、「日本に関わりのあるもの」、あるいは「日本に関わりのある人物」、そして「日本そのもの」にヘイトの炎を燃やしているのだということが、アメリカ人にも如実にわかります。
 旭日旗へのヘイトと同じ、ということを言えるようになるわけです。
 彼らはハリス大使が日系人であるので、ここまで憎んでいるのだと。同じように旭日旗が日本のものなので憎んでいる。
 彼らの中では日本人は差別すべきものとなっていて、その血を引くハリス大使も同様の扱いを受けているのだ、という構図が描けつつあります。
 なにしろ「全権大使」に対して攻撃しているのですからね。
 韓国の国会議員からは「大使という身分をわきまえろ」とかいう話も出ているのですが、それがアメリカそのものへの発言であるということすら理解できていないようですわ。

 VANKによる東京オリンピック防護服ポスターも同様です。
 韓国人はオリンピックという「平和の祭典」を利用してまで、こうして日本へのヘイトをまき散らしているのだと。
 類例を積み上げることができている、という点を評価したいですね。

 それでもまだ韓国を擁護する人がいるのであれば、それは韓国人がやっているように日本人を憎悪しているからだということが言える。
 日本にとって悪くない状況となっていますね。
 ハリス大使については……身辺警護をしっかりとやってほしいと思います。リッパート前大使のようにならないように。