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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

韓国メディア「今回も米韓会談で中国についてなにも語られなかった……もしかして除け者にされているのでは?」……おっと、ようやく気がついたか

米国、対中けん制戦線から事実上「コリア・パッシング」(朝鮮日報)
 米国は中国けん制を安全保障政策の重要問題としているが、韓国側と会うときだけは中国に関する言及は控えているようだ。実際にロンドンで行われたG7(先進7カ国)外相会議の際に韓米外相会談(3日)と韓米日外相会議(5日)が相次いで開催されたが、いずれも中国問題は議題にならなかった。今回のG7会合期間中、米国のブリンケン国務長官が主要国の外相と会談するたびに「中国」を大きく取り上げたこととは対照的だった。「米国は反中政策に拒否感を示す韓国に期待しなくなったのでは」との懸念の声まで出ている。

 韓米日外相会議とは対照的に米日外相会談(3日)では中国問題が大きく取り上げられた。会談直後に日本の外務省は「両長官は東シナ海と南シナ海における中国の一方的な現状変更の試みに強く反対した」「台湾海峡の平和と安定が重要という点、さらに新疆ウイグル自治区の人権問題に対する深刻な懸念を共有した」と説明した。韓米日外相会議で中国問題が取り上げられなかったのは韓国が理由だったと十分推測できる内容だった。

 中国への圧力を最大限強めたとされる今回のG7外相会合後の共同声明も、その内容は米国が中心となって取りまとめられたようだ。声明は東シナ海と南シナ海の周辺情勢に深い懸念を示し、「台湾海峡の平和と安定の重要性」も取り上げられた。とりわけ世界保健機関(WHO)や世界保健総会(WHA)への「台湾の意味ある参加を支持する」との内容には中国が激しく反発するものと予想される。

 米国は自分たちが最も関心を持つ中国けん制問題を「先進国の親睦グループ」とも言えるG7で積極的に取り上げたが、その一方で安全保障面での協力がテーマの韓米日外相会議で大きく取り上げなかったのは異例だ。 (中略)

 今後の関心は今月21日にワシントンで開催される韓米首脳会談だ。ある外交官幹部OBは「今外交当局は中国問題が韓米首脳会談の主要な議題とならないよう力を集中しているはずだ」「このままでは韓国が米国と安全保障政策の哲学を共有できない国として認識されないか心配だ」と懸念を示した
(引用ここまで)


 ついに韓国メディアからも「あれ、アメリカって韓国と協議する時だけは中国関連の話をなにもしてなくない?」という疑問が出るようになってきました。
 まあ、1回だけであれば他になにか重要な議題があったとかそういう偶然もあるでしょうけども。
 こうして何度も同じことが続くのであれば。
 そして、アメリカが他国との協議する際にはほぼ必ずといっていいくらいに中国に対する文言が出ているのに比べて、韓国との協議にだけ出ないのであれば。
 それはアメリカがそのように意図している、ということです。

 日米韓、および米韓関係というものを朝鮮半島事態においてのみ関与させていくというのが基本方針なのでしょう。
 それもおそらくは北朝鮮核問題とそれに付随する問題だけ。
 クアッドについてはアメリカとして拡大方針であるのは間違いない。
 NATOのようなものにするかどうかはともかく、現状の4カ国を主軸にベトナム、インドネシア、フィリピンといった中国から被害を被っている国々、およびフランス、イギリス等の自由主義諸国を加えていく方向性。
 ですが、もはや韓国を積極的に勧誘するようつもりもないということでしょう。
 事情が変わって韓国側から加入したいとなった場合にはまた微妙なのですが。

 というわけで、21日からの米韓首脳会談でなにが語られるか、そしてなにが語られないか。
 そこそこ注目してよいのではないかと思います。
 特に「なにが語られなかったか」について。
 韓国としては「日本がなにもかも悪いのだ」という告げ口外交を展開したいところなのでしょうが、もはや任期1年未満、かつ選挙に勝てていないパーフェクトレイムダックであるムン・ジェイン大統領をまともに相手にするかどうか。
 次期政権を見据えているというのが実際のところじゃないかな、とは思えます。

豊田先生もご健勝のようで。先日出た最新著作。
一線を越えた韓国の「反日」
豊田有恒
ビジネス社
2021-04-30

米国務省「G7外相会談は中国に関する問題が議題になる」→米韓外相会談では「中国」の文字すらリリースになし……またか

対中国、G7に同調迫る米国 官邸幹部「追い込んでも」(朝日新聞)
 主要7カ国(G7)外相会議が3日午後(日本時間4日午前)から英国で始まる。同盟国や友好国との協力を掲げるバイデン米政権の発足後初めて。中国を意識した米主導の安全保障や人権の分野で協力体制が、どう構築されるかが問われることになる。

 「中国に関する問題が(G7外相会議の)議題になるのは明白だ」

 米国務省高官は4月30日の電話会見でこう強調した。さらに「中国は経済や人権などの分野でルールに基づく秩序に挑戦している。米国と同盟国が協議し、対応していく必要がある」と指摘。「米中関係は協力できるときは協力するが、敵対しなければいけないときは敵対するという競争になっていく」とした。

 米国の大きな関心は「唯一の競争相手」と位置づける中国に対抗するため、会議参加国と問題認識を共有することだ。バイデン大統領は米中対立を「民主主義国家と専制主義国家の闘い」と表現。米政権の競争政策の核心は同じ民主主義の価値観をもつ同盟国・友好国との緊密な連携にある。
(引用ここまで)


 面白いですね。
 既報のように昨日、米韓外相会談が行われました。
 45分間、主題はバイデン政権が打ち出した対北朝鮮政策についてだったとのことです。
 少なくとも会談後に行われたインタビューでは北朝鮮関連の話しか出ていません。
 実際、通訳をはさんだ45分間の会談ではひとつの事柄について話すのがいいところでしょう。

 ですが、G7以外に印豪韓、ブルネイ、南アの外相を招いた会談では対中国についてが語られるとしています。
 アメリカはもっとも強硬に中国に対して「ルールと秩序を守れ」と述べています。
 ヨーロッパの多くの国と、日本、オーストラリア等がそれに同調している状況。
 昨日行われた日米外相会談でも中国について語られています。

日米外相会談(外務省)

 もちろん、国によって濃淡はあるでしょうけどね。
 ただ、ファイブアイズの役割が拡大されることに不快感を示していたニュージーランドですら、中国に対して「見解の相違を解決することが一層難しくなっている」と首相自ら表明するほど。

NZ首相、中国との見解の相違解決は「一段と困難になっている」(ロイター)

 ところが、昨日の米韓外相会談ではまたもや中国という国名すら出てこないというね。日米、米韓それぞれの2+2会談と同様の状況になっています。

韓米外相会談の結果(韓国外交部・朝鮮語)

 なんのためにG7外相会議にきているのか、という話でもありますね。
 「困難な時の友人こそが真の友人」っていうワクチンスワップのためかな。

韓国「クアッドには入らないけども、ワクチン供与ではクアッドと同じ扱いをしてくれるようアメリカにお願いする。あとで返すから」

今月21日に韓米首脳会談、ワクチン・スワップも議題に(朝鮮日報)
 今回の会談ではコロナ対策に向けた協力策が集中的に話し合われる。韓国政府はブースター・ショット(ワクチンの3回目の接種)などに備え、コロナ・ワクチンの追加確保に重点を置きたい考えだ。韓国政府は先日、ファイザーと2000万人分の契約を行い、全国民の2倍にあたる分量のワクチンを確保したことを明らかにしたが、その後の免疫力低下などに備えるため、より多くの物量を確保しなければならないとも考えている。

韓国政府はまず米国のワクチンを借り受け、韓国が技術移転などを受けることでワクチンを生産できるようになれば、その後にこれを返済する形の「ワクチン・スワップ」を行いたい考えだ。そのために米国が韓国に参加を要求してきたクアッドでのコロナ対策、あるいは新技術の協力などの分科に部分参加する方策を検討しているという。その場合、クアッドに直接加入することにはならないため、中国の反発をかわせるだけでなく、米国からの協力の要求にも応じられるというのが韓国政府の判断だ。青瓦台のある関係者は「クアッドは議題にならない」としながらも「国益と地域、グローバルな次元での平和、協力、繁栄に貢献できるのであれば、いかなる協議体とも協力は可能ということだ」として一定の余地を残した。ワクチンをめぐる議論などについては「今の時点で具体的な内容について話し合う段階には至っていない」として言葉を控えた。
(引用ここまで)


 ホワイトハウス、および韓国大統領府から「5月21日に米韓首脳会談が行われる」とアナウンスがありまして。
 韓国側からは「首脳会談ではワクチンスワップが議題になる」って言い続けています。
 これなぁ……。

 何度か確認したのですが、本当に「まずワクチンを供与してもらって、その後に技術移転をしてもらってワクチンを返す」って言っているんだよなぁ。
 なんの益がアメリカにあるんだかっていう。
 あまりにも概念がおかしいので翻訳を疑ってたくらいなのですよ。
 でも、どう調べても各紙同じことを言っている。

・アメリカから現物のワクチンを供与してもらって
・アメリカから技術移転を受けて
・韓国で作れるようになったらアメリカにワクチンを返す

 ……これやってなんの益がアメリカにあるのよ(2回目)。
 しかも、最新のmRNAワクチンが韓国国内で作れるようになるまでどのくらいの時間がかかることやら。
 通貨スワップは急激な為替変動に対応するっていう意味があるので、それぞれの国に益があるチェンマイイニシアチブとかその多国籍版ですしね。
 だけどワクチンを韓国に先渡しすることでなんの意味が生じるのか。

 これを提唱して「困った時の友人が本当の友人」とか言える胆力すごいわ。
 しかも、なんかすごいいいアイディアであるかのようにして。
 おまけにクアッドには入らないけども、クアッドと同じ扱いをしてくれって言っているという。
 まあ……がんばってみてね。

ムン・ジェイン、訪米時に「クアッドには加入しないけどもワクチンだけはもらいたいので部分的に参加する」とか言う模様……あのね……

米国のクアッド参加要求に韓国は片足だけ(朝鮮日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5月下旬に予定されている韓米首脳会談において、これまで米国が要求してきたクアッド(米国、日本、オーストラリア、インドの4カ国による安全保障の枠組み)に参加するのではなく、コロナや気候変動など分科ごとの議論に一部参加することを逆提案する予定であることがわかった。青瓦台(韓国大統領府)と米ホワイトハウスは韓米首脳会談の議題としてこの問題を取り扱うことにしている。米朝対話やワクチン確保などの問題で米国の協力を得るために、韓国政府がクアッドへの「部分参加」という折衷案を提示した形だ。しかし韓国政府が中国の反発を意識し今も曖昧な態度をとり続けていることについては、「米中双方から批判を受ける状況を自ら招きかねない」という懸念も出ている。

 ある韓国政府関係者は29日「クアッドへの正式参加は先送りするが、コロナ・ワクチン、気候変動、新技術協力などの分科に部分参加するという方針は決まりそうだ」「文大統領とバイデン大統領が韓米首脳会談でこのような内容で合意し発表する可能性が高い」と伝えた。

 米国主導の対中けん制を目的とする安全保障の枠組み「クアッド」は最近になって「コロナ・ワクチンの提供」「半導体を中心とするサプライチェーンの構築」など、様々な分野へと協力を拡大している。米国は同盟国の韓国をはじめ英国、ベトナム、フィリピンなどを念頭に参加国を拡大する「クアッド・プラス」を形成する考えで、実際に韓国政府にも様々なルートを通じてクアッドへの参加を求めてきた。 (中略)

 関係者は「ブースター・ショット(ワクチンの第3次接種)などを行うにはワクチン・スワップなどを通じてワクチンをさらに確保しなければならない。このような状況で米国の要求に事実上応じるということだが、それでも完全な参加ではない」と述べた。韓国政府は中国の顔色をうかがいながら「クアッドに片足だけをかける立場を選んだ」と言えそうだ。

 中国はこれまでクアッドについて「徒党を組んでいる」「冷戦時代の思考」などとしてクアッド参加国を強く非難してきた。中国は韓米首脳会談を前に最近になって韓国に「クアッドに参加するのか」と複数回にわたり圧力を加えてきたという。
(引用ここまで)


 韓国が「クアッド、クアッドプラスには加入しないけども、分科の気候変動問題や新型コロナといったものには参加する」「だからワクチン寄こせ」と言い出そうとしている……とのニュース。
 農作業には参加しないけど果実だけ寄こせ、といういつものアレ。

 それでなくともクアッドそのものはインドの参加を促せるよう、比較的ゆるい枠組みとして存在しているという側面があります。
 気候変動問題や防疫問題を掲げて協力体制を見せつけているのは「安保だけの枠組みではない」というエクスキューズに過ぎないのですよ。

 中国と陸地での国境を接しているのはインドだけですからね。その負担を和らげるという意味でもクアッド自体には「参加しやすい」ようになっているわけで。
 それを見てイギリスは空母クイーンエリザベスを派遣してくるし、それにオランダのフリゲート艦もついてくる。
 フランスは強襲揚陸艦のトネールを派遣するし、ドイツもなけなしの海軍からフリゲート艦の派遣を予定している。
 そうした示威行為を伴ってこそ、クアッドによる抑止が効いてくるわけです。

 その間にも中国の恫喝外交、戦狼外交は止まろうとしてはいないのですが。
 まあ、これは国内に「アメリカに対抗している」という姿勢を見せ続けなければならないという事情もあることを考慮すればまあ抑止力としては作用しているかな、というのも実際。
 ここのところ、日経新聞あたりが「2018年以降、中国軍による台湾侵攻があったとする机上シミュレーションでは米軍が負け続けている」という話を強調しています。
 ですが、それはあくまでも緒戦であって米軍本体が駆けつけるまでの数週間を在日米軍と自衛隊、台湾で保たせることができればほぼ勝ち確。
 そこにクアッドを加わらせることができればなお戦いは楽になる。
 特にインドからの協力があるかどうかが重要。二方面作戦を強いることができますからね。

 そうした枠組みに対して韓国が「気候問題とワクチンだけに参加します」って言って、はいそうですかとなるか……という話。
 旧米韓FTAと同じなんだよな、構造が。
 自由貿易の名の下に「関税は低くしろ。ただし、為替介入はそのまま続ける」とかやってて、それがアメリカの怒りを買ったわけで。「トランプ当選」の一端を担っていたといっても過言ではない。
 こんなのを「巧みな外交」だと思っているんだろうなぁ。

 ムン・ジェイン大統領にはホワイトハウスにファンクラブがあるらしいので?
 まあ、ファンクラブに働きかけたらなんとかなるかもしれませんね。
 ちなみに2015年10月にパク・クネ大統領が訪米した時には共同記者会見の場で「中国がやらかした時には韓国もそれを指摘できるようになるべきだ」とオバマ大統領に叱責された、なんてことがありました。
 さて、今回のムン・ジェイン大統領による訪米はどうなりますかね。

ムン・ジェイン大統領の腹心「アメリカは日韓関係に介入するな」「日韓の歴史問題は100%日本が悪い」「介入するなら公正な仲裁者になれ」……何様なんですかね

米国から帰国した文大統領の「腹心」、「米国は韓日問題に介入すべきでない」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「腹心」で呼ばれる楊正哲(ヤン・ジョンチョル)元民主研究院長が27日(現地時間)、 「米国は韓国が感じる戦争の恐怖と警戒心を認め、韓国が説得・圧力と共に忍耐と対話、平和の方法を採択するしかないという現実を理解しなければいけない」と主張した。

また、韓日間の過去の問題は米国が介入することでなく、韓日関係の悪化は日本が過ちの過去を破れないためであることに留意する必要があると指摘した。

楊氏はこの日、米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)ウェブサイトに掲載した報告書「韓米同盟を眺める新たな視線(A new Look at the Korean-US Aliance)」でこのように明らかにした。 (中略)

韓日関係については「最近の韓日関係悪化の原因は韓国でなく一連の事件で過った過去を破ることができなかった日本にあるということに留意しなければいけない」とし「韓日の過去の問題は米国が介入する問題でない」と強調した。続いて「仮に介入すべきだとすれば、ただ公正な仲裁者の役割ほどで終えなければいけない」とし「米国がこの状況を利用して便益を図ろうとすれば、韓国人の信頼を深刻に失う状況につながるだろう」と主張した。

米中の対立については「(米国が)韓国にどちら側に立つのかと問いただすのは非常に破片的で皮相的な質問」」とし「安全保障は韓米同盟を主軸とし、経済は多者協力へ進む韓国の『ツートラック接近』を米国は理解する必要がある」とした。

続いて「米国も中国に対して一面的な接近でなく複合的な接近をしているが、韓国の戦略もこれと変わらない」とし「長期的な観点で眺めると、韓国が米中間で緩衝の役割をすることで北東アジアの平和にプラスの影響を与えるという点に留意しなければいけない」と指摘した。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン大統領の腹心のひとりであるヤン・ジョンチョル氏がCSISにレポートを掲載した、との記事。共に民主党のかなり高い地位にいた人じゃなかったかな。

A New Look at the Korea-U.S. Alliance(CSIS・英語)

 枕が「韓国はすごいんだぞ」っていう文章で埋まってて草。
 外交についてはホントに古くさい論議だなぁ……。
 北朝鮮関連を除いた論点をまとめるとこう。

・日韓関係悪化の問題は歴史問題を克服できない日本にすべての責任がある。
・アメリカは日韓関係に介入すべきではない。
・介入するとすれば公正な仲裁者とならなければならない。
・さもなければ韓国人からの信頼を失うだろう。
・米中対立で韓国にどちらに立つのかと尋ねるのはナンセンス。
・安保は同盟、経済は多国間という韓国のツートラック接近をアメリカは理解すべきだ。
・韓国こそが米中間で緩衝の役割をできる国だ。

 うーん、オバマ政権前期、それも最初期であれば受け入れられた可能性もなくはなかったかもしれないですけどね。
 CSISのサイトにこんなレベルのものが掲載されるっていうのもすごい。
 すでにCSISのマイケル・グリーン副理事長も「アジア国家のほぼすべてが韓国側に問題があることを認識している」と述べ、ビクター・チャ氏に至っては「中国も韓国も、日本政府がどのように謝罪したところで受け入れることはない」と慰安婦合意が出る前からその破綻を予見していました。
 もうどうにもならないことを多くの有識者は認識しているのです。

 当然、バイデン政権はすでに慰安婦合意を経て、日韓関係が悪化している原因が歴史問題などではなく韓国の一方的な言いがかりであることを理解しています。
 なにしろ、バイデン大統領、ケリー国務長官ともに慰安婦合意が形成された当時の事情をよく知っているオバマ政権のスタッフでしたからね。
 「歴史認識が原因で地域安定に必要な日中韓の協力が妨げられていることには失望する」とのシャーマン発言で知られるウェンディ・シャーマン氏は国務副長官に。

 韓国は歴史問題で日本から利を得たいというだけ、というのはもう見透かされている。
 アメリカも積極的に韓国の言いようを利用してきたのだけども、この10年というもの対中政策でそうも言っていられなくなった。
 クアッドの結成も、英仏独のインド太平洋戦略へのコミットもそうした文脈から生じている。
 韓国がそこにコミットしないのであれば、それなりの扱いをするしかないというだけ。
 

ムン・ジェイン「アメリカがワクチンを握りしめて離さない」→12時間後、アメリカはワクチンの大規模な輸出を発表……米韓間での意思疎通ってどうなってるの?

福島汚染水に続きワクチンまで…文-バイデン、足並み乱れ止まらず(中央日報)
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は26日(現地時間)、「(ジョー・バイデン)政府が今後数カ月間、米国で生産したAZワクチンを共有する方案を検討している」と明らかにした。 (中略)

これに先立ち、文大統領は26日、首席・補佐官会議で「余裕がある時はすべての国々が連帯と協力で同じ声をあげたのに、自国の状況が差し迫るようになると、連合も国際共助もすべて後回しにされて国境封鎖とワクチン輸出統制、買い占めなどで各自生き残りを図っている」とし「全世界的なワクチン生産不足とワクチン開発国の自国優先主義、強大国のワクチン買い占め」をワクチン需給難の原因に挙げた。文大統領は国名を取り上げることはなかったが、事実上、米国に対する批判とも同じだった。文大統領の発言12時間後、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部のアドバイザー、アンディ・スラビット氏は「米国はAZワクチン6000万回分を利用可能なときに外国に供給する」とツイートした。その20分後にはサキ報道官が会見でこれを再確認した。結果的に米国がワクチンを外国に共有すると公式発表する12時間前に、文大統領がワクチンを握りしめて放さないという趣旨で米国を狙撃した格好になった。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者は「国際社会でコロナ根絶に向けて先進国のグローバルな役割が必要だという提案の性格が強い」と説明するのみだった。文大統領の発言の強さを見ると、ホワイトハウスのワクチン配布計画発表が迫っていた動向自体を韓国政府が事前に把握できていなかった可能性が高い。 (中略)

韓国政府がホワイトハウスのこのような計画を知らないまま、文大統領が直接ワクチン余裕国の利己心を公開的に批判する結果まで続いたのなら問題は深刻だ。韓米間で正常な疎通と調整が行われているのかという根本的な質問につながりかねないためだ。(中略)鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官が公開的に米国との「ワクチンスワップ」まで言及しているというのに、米国も韓国が焦る事情を知らないはずがないが、事前に米国は韓国に耳打ちさえしなかったということにもなる。 (中略)

今月13日、日本政府の福島原発汚染水放出決定の時を見てもそうだ。日本は午前8時に放出決定を公式発表したが、わずか2時間後の午前10時ごろには「これを支持する」という趣旨で米国務省報道官のコメントが出された。

米国が日本を支持することはできるが、このような立場を表明する方式やタイミングから、韓国に対する配慮は目にするのが難しいという指摘がある。 (中略)

こうしたことは韓米同盟の「基礎体力」自体が弱くなったという懸念につながっている。過去の政府時は韓米首脳会談を控えて互いに相手国首脳の発言内容を事前に共有したこともあったが、現在ではこのような緊密な疎通は期待しにくいということだ。
(引用ここまで)


 逆に考えるんだ。
 ムン・ジェインが叱責したからアメリカがワクチン放出に積極的になった、と考えるんだ。
 まあ、そんなことはないでしょうけどね。

 このタイムテーブルはなかなか見もので。
 ムン・ジェイン大統領が26日に大統領府で行われた会議で国名こそ出さなかったものの、明らかにアメリカを念頭に置いて「ワクチンを開発した国が自国優先主義、買い占め」という批判をしまして。

韓米首脳会談控えて…文大統領「ワクチン開発した国、自国優先主義」批判(中央日報)

 その約12時間後にアメリカはアメリカ国内で生産されているアストラゼネカのワクチンを輸出するという発表をしたのです。
 おそらく大半は異常なほどに感染が広がっているインドに向けて、でしょうけども。
 ま、同様の措置をしているのはアメリカだけではなくてEUもやっています。
 ファイザー、アストラゼネカ共にEUにある工場から輸出するには1便毎に輸出許可を得なければならない状況が続いています。3月までの時限措置としていましたが、6月まで延長されています。
 何度も指摘しているようにもはやワクチンは戦略物資であり、その価値にいち早く気づいたのがイスラエル。その結果、イスラエルでは接種が圧倒的な速さで進み、人口あたりの感染率は世界でも指折りに減っています。
 同様に接種の進んでいるイギリスの感染率も日本と同ていどに減少しています。

 韓国政府はその価値に気づくのが遅れ、ようやく列の最後に並んだことで韓国国内から糾弾されてきたわけです。
 その非難の矛先をアメリカに向かわせようとしたのでしょうけども。
 さすがにその12時間後に「輸出開始します」は草。
 アメリカと一切、意思疎通ができていないことが分かってしまったわけで。

 処理水放出の件では日米は、日本からの発表とブリンケン国務長官による支持表明で歩調を合わせることができました。
 もちろん、これは日本がIAEAにおける優等生であることも大きく作用しているとは思いますが。
 まあ、常日頃からの打ち合わせの結果がうまく出たものといえたでしょう。

 韓国とアメリカではその逆の出来事が起きている。
 まあ、これらの出来事で日米関係と米韓関係の軽重を図るのはやりすぎというものかもしれませんが。
 少なくともそういった傾向にあるということは分かるのではないでしょうかね。


韓国メディア「日本のアメリカへの肩入れが台湾有事を誘発する」……いや、議論が周回遅れすぎん?

カテゴリ:米韓関係 コメント:(107)
[コラム]日本の「連米反中」はルビコン川を渡ったのか(ハンギョレ)
 16日の米国と日本の首脳会談での共同声明で「台湾海峡の平和と安全の重要性」が明記された。東アジアには冷戦期よりも深い対決の断層線が引かれることになった。台湾問題に触れることにより、米日同盟は反中という価値に突き進んでいる。 (中略)

 歴史は繰り返されるのだろうか。20世紀前後に日本が大陸侵略に乗り出した最大の背景は、ロシアの脅威に対する先制対応であり、同盟を結んだ英国の後援を受けた。この侵略の最初の戦利品が日清戦争の勝利で獲得した台湾だった。台湾は中国にとっては日本帝国主義に苦しめられた恥辱の象徴だが、日本には自分たちの植民地支配を正当化させる象徴だった。そのため台湾は、戦後の中日関係でも常に問題だった。台湾派である保守傍流は、中国派である保守本流の中日関係改善に待ったをかけた。そのような台湾を日本は米国との反中同盟に連ねた。

 日本の竹内行夫・元外務事務次官は朝日新聞で「今回の中国への意志表明は『ルビコン川を渡った』ともいえる」と評した。柳澤協二・元官房副長官補は「米国の新たなミサイルの日本配備の議論もありえる」としながら「台湾有事になれば、日本の目の前が戦場になる。本当にそれでいいのか、と絶えず考えていかなければならない」と述べた。朝日新聞は「菅首相が米側の意図を読み、足並みをそろえる『覚悟』を持って会談に臨んだのかどうかだ」と問いただした。

 台湾を連ねた日本の「連米反中」はアジアをどこに追い込むのだろうか。今の状況は、120年前に英国が日本を前面に出しロシアをけん制しようとして東アジアを戦場にしたのとは、本当に違うのだろうか。
(引用ここまで)


 台湾有事を見据えた話を楽韓Webでも何度かしています。
 2月にその話をしてからこっち、アメリカからも日本からも同様の分析がいくつも出てきていますね。
 去年のうちから中国の台湾への野望が明白になりつつあるということは、アンテナを張っていた人間には分かるものだったのです。
 習近平がレガシーとして台湾を平定しようとしている。
 かつて私軍であった人民軍が国軍として成立しつつある。

 それと同時にTSMCが持つ戦略性の高さがやばいところにまできてしまっている、というのも分かっていたことですね。ファーウェイとの取引がアメリカによって禁止されたことで、一層危険性が高くなったといえます。
 場合によってはそれを理由にした侵攻すらあり得るな、と感じたものです。

 バイデン政権発足時から中国に対抗する部分のみはトランプ政権の政策を引き継いでいることもあって、インド太平洋戦略を提唱している日本とは共同歩調を取っています。
 ですが、韓国からはそんな日本に対して警戒心が高まっています。
 先日のムン・ジョンイン元大統領補佐官からの「韓国が中国寄りではなく、日本がアメリカより過ぎるだけ」「米中冷戦に対して日韓が共同で対応しなければならない」なんていう言いようが代表的なもの。
 今回のハンギョレのコラムも同様。
 どうも「日本がアメリカとの共同歩調を取り過ぎていることで、却って危機が迫っている」という考えかたっぽいですね。

 ですが、台湾有事はもはやあるないではなく、どう対応するかというところにきている危機。
 韓国の議論は数周分の周回遅れですわな。
 なんでここまでセンスがないのか。左派ってこういうもんなんですかねぇ。

ムン・ジェイン「トランプ前大統領は無責任にハノイでのテーブルを蹴った」→トランプ氏「ムン・ジェインは指導者として、交渉家として弱かった。キム・ジョンウンは一度も彼を尊重したことがない」と反論

トランプ前大統領「文大統領、指導者として弱かった…金正恩委員長が尊重したことない」(中央日報)
トランプ前米大統領が最近自身の対北朝鮮政策を批判した文在寅(ムン・ジェイン)大統領のニューヨーク・タイムズのインタビューと関連し猛非難した。AFP通信などによると、トランプ前大統領は23日に電子メールでの声明を通じ、「文大統領は米国に対して長期間持続した軍事的ぼったくりと関連したものを除けば、指導者として、また交渉家として弱かった。最もつらい時期に知ることになった(そして好きになった)北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)は文大統領を尊重したことがなかった」と主張した。

これに先立ち文大統領は21日にニューヨーク・タイムズ電子版に掲載されたインタビューで、トランプ前大統領の対北朝鮮政策に対して「ほのめかしただけで完全な成功を収めることはできなかった」とした。その一方で「トランプ政権の成果の土台の上でさらに進展させていけば、その結実をバイデン政権が握ることができると考える」との立場を明らかにした。

トランプ前大統領は今回の声明で、自身が韓半島(朝鮮半島)の平和に寄与したと強調した。彼は「韓国に向けられた(北朝鮮の)攻撃を防いだのはいつも私だったが、彼らに不幸なことに私はこれ以上そこにいない」と書いた。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン大統領がバイデン大統領に対して、再度「シンガポール合意の精神を維持するように」という発言をニューヨークタイムズとのインタビューでしてまして。
 それと同時に「トランプ大統領は無責任にハノイでのテーブルから立ち去った」という話もしています。
 ニューヨークタイムズのインタビュー記事はこちら。

After Trump ‘Failed,’ South Korean Leader Hopes Biden Can Salvage Nuclear Deal(NewYorkTimes・英語)

 この記事の存在自体は知っていて、中身もけっこうしょうもないものだったのですが。
 「北朝鮮と交渉すべきだ」とかもうバイデン政権が否定している話を繰り返している。
 ま、言っていることはこれまでと同じ。バイデン大統領の就任直後に述べていたこととさほど変わりませんね。
 5月末に予定されている米韓首脳会談でも、このインタビューで話していることをベースにするつもりでしょう。
 ちなみに中央日報は「この期に及んでまだ同盟を蔑ろにするような発言をするのはどういうことだ」との社説を出しています。

【社説】韓米首脳会談を控えて同盟を揺るがす発言をする時か(中央日報)

 口が軽いというか、国家元首たる重さを感じられない。
 この発言をどう扱おうかなぁ……と思っていたところに、トランプ前大統領からの反応があったのでそっちもあわせて紹介。

 トランプ前大統領の対北朝鮮外交について、ムン・ジェイン大統領は「遠回りしただけで完全な成功は収めない結果になった」という回顧していまして。
 「ハノイではシンガポール合意をどのように進めるかも決めずに双方が退出してしまった」とか言っているのですが。
 まあ、トップダウン外交は決裂してしまえばそれまで。
 「レガシーとしての北朝鮮との合意」をトランプ前大統領も求めていたのは間違いないですが、呑めない条件はどこまで行っても呑めないというだけ。

 そもそも、初手からボタンを掛け違えていましたからね。
 北朝鮮はアメリカを丸め込めると思っていたし、アメリカは北朝鮮に非核化の意思があると思っていた。
 それを演出したのがムン・ジェイン大統領であったわけで。
 ま、そんな演出は長続きせずに決裂したわけです。

 トランプ氏は「ムン・ジェイン大統領は指導者として、交渉家として弱かった」「北朝鮮(キム・ジョンウン)はムン・ジェインを尊重したことがなかった」と反論。
 まあ、これはかねてから言っていましたね。
 フランスで開催されたG7でも「ムン・ジェインを信頼できない」「キム・ジョンウンもムン・ジェインが嘘つきだと言っていた」「なんであんな人物が大統領になれたのか」とこぼしていた、という話が出ていました。
 おそらく出版されるであろうトランプ氏やポンペオ前国務長官の回顧録での北朝鮮や韓国への言及をいまから楽しみにしているのですけどね。

 「シンガポール合意」を後生大事に抱き続けているのはムン・ジェインだけ、という悲しい状況が分かった……という感じでしょうか。
 北朝鮮からは南北共同連絡事務所と一緒に爆破されたも同然。
 バイデン大統領は大統領選の時から「キム・ジョンウンと親しいと言われても、それになんの意味があるんだか」くらいの扱いをしていました。
 アメリカはゼロベースでの建て直しをするでしょうし、そもそも対北朝鮮外交をどのようなものにするかをまだ決めていないほどにその優先度は高くない。対中国のサブセット的な扱いになるでしょうね。

 ま、ムン・ジェイン大統領がどれほど願ったところでどうにもならない、というのが現実でしょう。
 本当に「北朝鮮以外のことはなにも頭にない」政治家なんだよな……。