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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

韓国人が「ハリス米国大使は日系人だ!」と差別心丸出しの糾弾を開始。この事態が日本に有利になる理由とは……

CNN「ハリス大使を日系と批判するのは人種差別」(中央日報)
韓国で米大使の口ひげに激しい批判 背景に人種差別・歴史・政治(CNN)
ハリス氏は日本人の母親と海軍士官だった米国人の父親の間に生まれた。ネットユーザーの中には、口ひげと合わせハリス氏の出自に言及する人もいる。

ただ、ハリス氏は日本人ではなく米国人だ。日系であることを理由に非難すれば、米国ではほぼ確実に人種差別主義者とみなされるだろう。

中央情報局(CIA)の各国データ集によると、韓国は米国のような人種の多様性がない均質な社会だ。異なる人種から成る家庭はまれで、外国人嫌いの感情は驚くほど普通に残っている。

ハリス氏は記者団に「両国の間に歴史的な敵対感情が存在することは理解しているが、私は駐韓日系米国人大使ではなく、駐韓米国大使だ」と説明。「偶然日本人の母親に生まれたからといって、そうした歴史を持ち出して私に重ねるのは誤りだと思う」と指摘した。
(引用ここまで)


 アメリカは対韓国外交で強硬な姿勢を見せています。その最たるものが「韓国が北朝鮮と経済協力をするのであれば、逐一ワーキンググループと協議すべき」というもの
 韓国からは「内政干渉だ」というような声すら挙がっています。
 この発言をしたハリス大使に攻撃の矛先が向きつつあるのですね。
 以前にアンチハリスデモが行われていましたが、それをブーストしたかのような感じです。
 そして、ハリス大使の「日系人である」という部分がやり玉に上がるようになってきています。
 CNNがそういった韓国の扱いを報じる記事を書くほどになっているのですよ。

 ハリス大使には悪いですが、韓国の実状というものを見せる最善のパターンとなっています。
 今回の騒動で韓国人が「日本人」、「日本に関わりのあるもの」、あるいは「日本に関わりのある人物」、そして「日本そのもの」にヘイトの炎を燃やしているのだということが、アメリカ人にも如実にわかります。
 旭日旗へのヘイトと同じ、ということを言えるようになるわけです。
 彼らはハリス大使が日系人であるので、ここまで憎んでいるのだと。同じように旭日旗が日本のものなので憎んでいる。
 彼らの中では日本人は差別すべきものとなっていて、その血を引くハリス大使も同様の扱いを受けているのだ、という構図が描けつつあります。
 なにしろ「全権大使」に対して攻撃しているのですからね。
 韓国の国会議員からは「大使という身分をわきまえろ」とかいう話も出ているのですが、それがアメリカそのものへの発言であるということすら理解できていないようですわ。

 VANKによる東京オリンピック防護服ポスターも同様です。
 韓国人はオリンピックという「平和の祭典」を利用してまで、こうして日本へのヘイトをまき散らしているのだと。
 類例を積み上げることができている、という点を評価したいですね。

 それでもまだ韓国を擁護する人がいるのであれば、それは韓国人がやっているように日本人を憎悪しているからだということが言える。
 日本にとって悪くない状況となっていますね。
 ハリス大使については……身辺警護をしっかりとやってほしいと思います。リッパート前大使のようにならないように。

韓国で「ハリス大使斬首デモ」が行われる……米韓同盟の破滅はそう遠くないと思われる韓国の雰囲気を反映か

韓国の親北団体、あす「米大使斬首競演大会」開催(朝鮮日報)
在韓米大使館付近で「ハリス斬首大会」…ひげ抜き、顔つぶしパフォーマンス(中央日報)
 「ハリス野郎のひげを1本ずつ抜いてやろう」「割り箸でハリス野郎に拷問を加えてやる」「爪切りでハリスの口を引き裂いてやる」

 国民主権連帯と青年党は13日午後4時からソウル市中区の米国大使館周辺で上記の内容を訴える「ハリス斬首競演大会」を開催する。先日フェイスブックを通じて明らかにした。両団体は昨年「白頭称賛委員会」などを結成し、「金正恩(キム・ジョンウン)ソウル訪問歓迎行事」を企画した親北団体だ。

 団体は集会を行う理由について「(ハリス駐韓米国大使は)文在寅(ムン・ジェイン)大統領を従北左派などと主張し、在韓米軍駐留費の5倍引き上げを強要するなど、内政干渉を行う総督のように行動しているから」などと主張している。

 このように最近になって米国とハリス大使個人に対する親北・反米団体の抗議行動や脅迫が激しくなっている。今年10月に韓国大学生進歩連合が米国大使公邸の塀を越え無断で侵入したことがそのきっかけになった。11月17日には別の親北団体「戦争反対平和実現国民行動」が仁川国際空港に入国しようとした米国の防衛費交渉団首席代表(ディハート国務省補佐官一行)に直接抗議しようとしたところを制止された。翌日には旧統合進歩党関係者が中心となっている民衆党や全国民主労働組合総連盟(民主労総)などが韓国国防研究院で開催された防衛費分担金3次交渉の会場がある建物に入り、米国代表団の入館を妨害したため、代表団は正門ではなく裏門から入る事態も発生した。

 これら抗議行動の背後には与党・共に民主党関係者による直接・間接の介入があるとの指摘もある。文正仁(ムン・ジョンイン)韓国大統領府統一外交安保特別補佐官は今年9月に行った講演で「米国大使館前でデモを行う市民の行動だけが、(米国の態度を)変えることができる」と主張した。共に民主党のイ・ジェジョン・スポークスマンは先月20日に記者団の取材を受けた際、ハリス大使について「あれほど無礼な人間は初めて見た」「外交官ではない」などと非難した。親盧・親文とされる大統領直属政策企画委員会のチェ・ミンヒ委員は「米大使公邸侵入事件」や「正義党の尹昭夏(ユン・ソハ)議員室への鳥の死骸事件」などを起こした韓国大学生進歩連合と今月4日に会合を行っている。

 韓国の情報当局の関係者は「親北・反米団体の会員たちは、今の政権では(問題を起こしても)処罰される心配はないと認識している」と指摘した。
(引用ここまで)

13日午後4時、ソウル光化門(クァンファムン)KT建物の前でハリー・ハリス駐韓米国大使を糾弾する集会が開かれた。場所は在韓米国大使館の外壁から70メートルほど離れたところだった。国民主権連帯と青年党が10日、ハリス大使を狙って「斬首競演大会」をすると明らかにしたことで外国公館保護と名誉毀損に対する懸念が出たが、警察の制止で大きな騒ぎは起こらなかった。市民団体らは「斬首競演」という言葉を掲げたが、内容はハリス大使を滑稽に描写する事実上の「アドリブ競演」に近かった。事前にフェイスブックなどでアイデアを公募した参加者は、あらかじめ準備しておいた道具を活用してハリス大使を風刺した。
(引用ここまで)


 当初、「ハリス斬首デモ」を公言していたのですね。
 上の記事の引用部分にあるような「爪切りでハリスの口を引き裂く」だの「拷問を加えてやる」といった剣呑でない状況でした。
 よくもまあ、こんな言葉を公にできるものだなと悪い意味で感心したものでしたが。
 実際に行われたデモは下の記事にあるようにやや表現的に和らいだものになっています。
 韓国政府(外交部)から懸念が出たということもあるのでしょう。

親北団体の「ハリス米大使斬首競演大会」予告に韓国外交部が懸念表明(朝鮮日報)

 アメリカ大使館に乱入するなど過激化の止まらない親北団体の所業に、多少なりともブレーキをかける結果になった、とはいえるかな。
 ただ、記事にもあるように、親北団体がなにをしたところでムン・ジェインが政権の座にあるかぎりは大した罪にならないというのは彼らの実感でしょう。
 アメリカ大使館に乱入した際なんて、周辺で警備していた義務警察(兵役として警備業務につく)は見守るだけで完全スルー。
 不法にアメリカ大使館の敷地に入った時点で射殺されていても不思議じゃない状況なのに。

 ハリス大使はGSOMIA破棄に反対し、失望するというアメリカの声を伝え続けてきたことで、韓国人にとってパブリックエネミーに近しい存在になりつつあります。
 先日の「ムン・ジェインは親北左派に囲まれていると聞く」というオフレコ発言のリークも大使に対する憎しみを増幅する結果になっているかな。
 ムン・ジョンインの「中国の核の傘に入ろう」なんて発言もこういった韓国の空気感を反映したものといえます。
 もちろん、保守派をはじめとして反対の声もあるでしょうが、こうした話を政権側が絶え間なく上げていくことでそうした声も小さくなっていくことでしょう。

 どう見ても韓国の米韓同盟離脱への道は確定していますね。
 問題はどこまで引っ張ることができるのか、ということですが。
 正直、日本側にとっては新アチソンラインが最前線になるのはまだ避けたい事態です。特に装備的な意味合いで。
 あと10年くらいは延ばせるとよいのだけどなぁ……というのは本音です。
 まあ、そうもいっていられない情勢になりそうですけども。

韓国の大統領外交補佐官「米軍撤退したら中国の核の傘に加わるのがよい」と発言……もしかして軍事音痴なんじゃね?

文正仁特別補佐官「在韓米軍が撤退したら中国が核の傘を提供すればどうか」(朝鮮日報)
 文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官=写真=は4日、国立外交院の外交安保研究所が開催した国際会議で、「もし北朝鮮の非核化が行われていない状態で在韓米軍が撤退したら、中国が韓国に『核の傘』を提供し、その状態で北朝鮮との交渉をする案はどうだろうか」と述べた。同補佐官はこの会議で司会を務めている際、このような突発的な質問を中国側の参加者に投げかけた。大統領安保特別補佐官が在韓米軍の撤退を仮定して、中国に韓国の安保を任せればどうかと尋ねたものだ。

 韓国外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官はこの会議の基調講演で、最近相次いでいる北朝鮮のミサイル・放射砲挑発や対米圧力発言について、「北朝鮮は現在、危機的な状況にあるように見ることもできる」と言いながらも、「少なくとも対話の経路は開かれている」と述べた。また、「どんな状況でも韓半島で戦争が発生することはないだろう」とも言った。

 これに対して、チャールズ・カプチャン・ジョージタウン大教授兼米外交協会主任研究員は「韓半島に戦争が100%ないだろうと確信しすぎてはならない(don’t be so sure)。北朝鮮との関係を改善するには数十年かかる可能性があるため、息の長い交渉をしなければならない。北朝鮮と合意に至らなければ、北朝鮮は緊張を高めるかもしれない」と語った。
(引用ここまで)


 ムン・ジェインの外交を知るためにはそのメンターであるムン・ジョンイン大統領特別補佐官の話を聞け、というのはムン・ジェインが大統領に当選する前からの鉄則でしたが。
 実際、いくつかの外交方針は前もってムン・ジョンインによって語られていました。
 特に「北朝鮮に対する制裁の段階的解除や終戦宣言」についてはくどいほどに各所で語っていますね。
 そして、まったく同じことをムン・ジェインが語るというコンボになっています。

 ちなみに対日本では「ヨーロッパで冷遇されたのは日本のロビー活動のせい」とか言い出している人物です。
 韓国の言い分が世界に通用しないのは、韓国以外に原因があるという考えかたをしている人物であるということが分かりますね。
 で、その日本関連で「日韓の仲裁をアメリカではなく中国に任せるのはどうだ」という提言をしたことがあります。

 「大統領が出ていけといえば、在韓米軍は出ていかなければならない」という発言があったことも加えておきましょうか。  アメリカ関連ではアメリカからは駐米大使の打診を拒絶されたという噂がありますね。
 なんとかして韓国をアメリカの影響圏から抜けさせたいという意向の人物であるわけです。

 で、「在韓米軍が撤退したら、核の傘を中国に任せるのはどうだろう」という発言をしたそうですが……。
 在韓米軍は核の傘をどうこうするような存在ではないのですね。
 韓国への核の傘となるのはグアム基地のもの。
 在韓米軍が撤退したとしても、核の傘を維持したいというのであれば米韓軍事同盟を維持することで可能です。
 そもそも核の傘、というのは「もしそっちから同盟国に向けて核ミサイルを撃ってきたら、アメリカからそれ以上の威力の核を降らせるぞ」という抑止力の概念を核保有国ではない同盟国にも適用したもの。
 必ずしも米軍の駐留が条件というわけでもない。ですが、軍事同盟は必須。
 つまり、この発言は中国と軍事同盟を組みたいと言っているに等しいわけです。

 ムン・ジェイン政権の間になんとかしてアメリカとの関係性を希薄にしようと考えている、というところからこういった発言になったのでしょう。
 そして、それはそのままムン・ジェイン政権の意向であると考えるべきでしょうね。
 GSOMIAを延長せざるを得なかったことからも、残り任期が半分になった現在においてもアメリカの影響から脱することはできていないという焦りが見えるかな。
 軍事音痴を晒した、というオチではありますが。

アーミテージとビクター・チャ「GSOMIAが延長されても66年に渡る米韓同盟はすでに傷ついている」とワシントンポストに投稿

アーミテージとビクター・チャ「韓米信頼は既に損傷」(東亞日報)
The 66-year alliance between the U.S. and South Korea is in deep trouble(ワシントンポスト・英語)
韓国の韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)の条件付き延長決定にもかかわらず、韓米間の信頼はすでに傷つき、韓米同盟も深い傷を負ったという懸念が提起された。

リチャード・アーミテージ元国務副長官とビクター・チャ戦略国際問題研究所(CSIS)韓国碩座は23日(現地時間)、米紙ワシントンポスト(WP)に「66年間続いた韓米同盟が深い苦境に立たされている」という投稿文を通じて、「韓国が大切な合意をてこにして、米国を韓国と日本の経済的、歴史的紛争に介入するように強制した。これは同盟乱用(alliance abuse)行為だ」と批判した。

さらに「情報協力を中断したいという韓国の脅威は、北朝鮮の核とミサイル試験発射に対応する韓米日の能力を低下させるだけでなく、韓国の安保利益が日米安保利益と潜在的に分離されかねないことを示している」と指摘した。二人は、ジョージ・W・ブッシュ政権時代に、それぞれ国務副長官とホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)アジア担当補佐官を務めた。

二人は、韓国が中国に傾いているような動きについても強い警戒心を表わし、中国が悪化する韓米関係の重要な変数として登場していると指摘した。中国の「THAAD(高高度ミサイル防衛システム)」報復にもかかわらず、韓国は中国が主導する多国間貿易協定(RCEP)に参加しようとしており、米中貿易戦争においても中国に傾くような態度を見せたと指摘した。
(引用ここまで)

 一度は駐韓アメリカ大使に指定されたビクター・チャと、ジャパンハンドラーのひとりとして知られているリチャード・アーミテージによる投稿記事。
 ワシントンポストにこの記事が掲載されていて、ピックアップしようと思っていたのですが。
 「翻訳するのかったるいなー」っていう部分で放置してました。

 GSOMIA延長があってもすでに米韓同盟は毀損されている、という話。
 東亞日報には訳されていませんが、在韓米軍は2万2000人以上を保つことを法律で定められている、ということは逆にいえば28500人いる在韓米軍から6000人までは合法的に削減できる。
 ただ、それをやるとアメリカ外交の惨事となり、日本からNATOに至るまで衝撃波が走ることになるだろうとはしていますが。
 全体的に「トランプだったらやりかねない」というような基調で書かれてますね。

 あと東亞日報は中国の主導する多国間防衛期協定をRCEPだとしていますが、これを上海協力機構であると指摘する声もありますね。

文大統領は何がしたいのか、なぜ韓国はGSOMIAで苦しむか:中国一帯一路、ロシア、反米の上海協力機構(Yahoo! ニュース)

 上海協力機構は21世紀版、かつ中国版のワルシャワ条約機構とでもいうべき軍事同盟をも含んだもの。
 韓国がこれにオブザーバーであろうと参加したらとんでもないことになります。
 どちらかといったらこちらの説に軍配を上げたいところかな。

 破棄前日くらいには「GSOMIA破棄で東アジア情勢の時代が変化する」と書きましたが、現実はGSOMIA延長となりました。
 ただ、GSOMIA延長で米韓関係が元に戻ったわけがない。
 もはや一度壊れた器であって、それを修復したところで元通りになるわけではない。
 水は漏れるだろうし、以前よりも脆くなっている。
 ムン・ジェインとトランプが政権を握り続ける現状ではなにが起きても不思議はないのですよ。
 このふたりは相性として最悪。ただ、最悪すぎて逆に「在韓米軍撤退」という方向で噛みあう可能性があるのです。

 正直、日本にとってももうちょっと時間が欲しいところではあるので、噛みあわずにいられるのならそうしてほしいのだけどなぁ……。

韓国左派メディア「GSOMIA騒動は一周廻って元に戻っただけ。韓国大統領府の外交実力の低さを露呈しただけだった」と酷評

韓国外交の実力を露出させた「GSOMIA波動」(京郷新聞・朝鮮語)
過去4ヶ月間の国を動かすようにした「韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)波動」は、ムン・ジェイン政府の外交力レベルをそのまま表わした。事態の顛末を一文で要約すると、政府が強制徴用問題を疎かに扱ったために韓日葛藤へ米国まで引き込む不利な戦術を用いたものの、けっきょくは莫大な費用を支払ってようやく元の位置に戻っただけであった。事態の核心的な強制徴用問題はまだ政府が解決すべき課題として残っている。

この協定が正しいことなのかと議論を行うのは、今回の事態の本質ではない。対日カードとしてGSOMIAの破棄を宣言し、米国を局面へと引き込んだことが戦略的に正しかった選択なのかを判断することが本質である。去る8月、大統領府がこの協定を終了して「米国も理解している」、「韓米同盟をアップグレードするきっかけ」とブリーフィングしたことを今振り返ってみると、大統領府国家安保室の情勢判断能力がどの程度なのか知ることができる。

去る22日、韓日が終盤に合意した内容は「韓国はGSOMIA終了を中止し、日本は輸出規制措置を解くための議論を韓国と開始する」というのが骨子だ。政府は、複雑で冗長な説明を添えて「外交成果」を努めて強調している。

もちろん、日本が輸出管理政策対話に乗り出したのは変化といえるだろう。しかし、その対話をいくら見たところで日本は輸出規制措置を緩めない。日本の輸出規制措置は、強制徴用問題の解決策を用意しなければ解除されまい。韓日政策対話は、強制徴用問題を解決するための時間を稼ぐ役割をするだけだ。

大統領府は「輸出規制が解けなければ、いつでもGSOMIAを再終了させることができる」と牽制装置があることを説明する。果たしてそうなのか。本当に青瓦台がGSOMIA終了カードを再度取り出す勇気がいるかどうか聞いてみたい。

青瓦台がGSOMIA終了を中止させたのは、日本が態度の変化を見せたからではなく、米国がこれまで一度も見られなかった荒っぽい方法で圧力を加えてきたからだ。巨大な外交的犠牲を払ってようやく抜け出した「GSOMIAの峡谷」にいざとなったら再び入ることができるという大統領府の豪語を信じた人はいない。今回の合意は、政府が韓日GSOMIA終了措置をなかったことにして、日本の輸出規制措置を解くために速やかに強制徴用解決策を用意すると約束したも同然だ。そもそも強制徴用問題が持っている爆発力を政府が正しく認識して、真剣に解決しようとする努力を怠らなければ起きなかった事柄だ。

韓日GSOMIA波動はまだ終わっていない。強制徴用問題の解決という巨大な壁をまた越えなければならない。今回も、大統領府が豪語したような結果が出るのは難しい。まず、大統領府が「三権分立の原則に基づいて最高裁判所の判決に政権が関与することができない」と自ら退路を遮断したことが足首をつかむだろう。今、政府が最初にすべきことが何なのかは自明である。外交安保ラインを全面改編しなければならない。この人々にこれ以上国家安全保障を任せることはできない。
(引用ここまで)


 韓国左派メディアの三紙のひとつとされている京郷新聞ですが、今回のGSOMIA騒動について総括ともいえるコラムを掲載しています。
 いわく──

・大元は徴用工裁判を無視し続けていた大統領府の拙策が原因だ。
・大統領府は冗長な説明をしているが要は「GSOMIAを延長した」だけ。
・破棄を宣言してアメリカを巻きこもうとしたのは悪手だった。
・「GSOMIAをいつでも終わらせることができる」と言うが、できるわけがない。
・大統領府が豪語した結果(ホワイトリスト復帰、半導体材料)は出るはずもない。
・徴用工問題について本気になって取り組むべきだ。

 とまあ、ざっくりこんな感じ。
 かなり客観的な論評になってますね。
 京郷新聞はどちらかというと左派ではあっても、政権にべったりというわけでもないメディア。
 ハンギョレはやや政権寄りというイメージですかね。
 とりあえず韓国にも日韓関係の最大の問題が徴用工問題であるということに気がついている記者がいることにちょっとだけほっとします。

 ムン・ジェインが徴用工裁判を進めようとしたのは、単純にパク・クネ政権が延々と差し止めていたものを「積弊」として取っ払っただけなのですよ。
 これといった深い考えがあるわけでもなく、判決が出た後の対日プランもなにもなし。プランBどころかプランAすらなかったと思われます。
 ここまで日本側が頑なになることを予想していなかったとしか思えません。
 「保守派をとっちめる」くらいのつもりだったのでしょう。

 「三権分立の原則から、司法の下した判断について行政は手を出せない」とかいう子供の言い訳みたいな話を延々と垂れ流して、日韓請求権協定に定められた協議にも仲裁委員の指名にもつきあわない。
 それをやってしまったら韓国側が追いこまれることが分かっているから。

 で、韓国政府としていつまで経ってもなんの判断も下さないことに対して日本側はホワイト国除外、半導体材料輸出管理強化といった行動に出たわけです。
 ムン・ジェイン政権はそれをなかったものにしたいがためにGSOMIA破棄という手段に出たわけですが。
 これもプランBなしで「うまく行くに違いない」という思い込みで進められたもの。

 本当に根本から外交というものを理解していないというか。
 ムン・ジェインが深謀遠慮なんてものがあるというわけではなく、本当に北朝鮮のことしか気にしていないのだなぁ……ということは分かった1年でしたね。

韓国、GSOMIA延長はアメリカの恫喝に屈した苦渋の選択だった模様……

韓国・文在寅政権はこうしてアメリカの恫喝に屈した(現代ビジネス)
時系列を振り返って検証する。10月下旬から11月中旬にかけてトランプ米政権は相次いで政府高官や軍幹部をソウルに送り込んでいる。

マーク・ナッパー国務次官補代理(日本・韓国担当)10月30日、デビッド・スティルウェル国務次官補(東アジア太平洋担当)11月5日、マーク・ミリー米統合参謀本部議長(陸軍大将)13日、フィリップ・デービッドソン=インド太平洋軍司令官(海軍大将)13日、マーク・エスパー国防長官14日、ランドール・シュライバー国防次官補(アジア太平洋担当)14日、ジェームズ・ディハート米韓防衛費特別協定(SMA)交渉首席代表18日――ラッシュアワー並みの要人韓国訪問である。

こうした米側要人の訪韓もさることながら、実は韓国が対日強硬路線の大転換に踏み切らざるを得なかった契機は、青瓦台の国家安保室(鄭義溶室長)の金鉉宗第2次長が18~20日に訪米したことだった。文政権において一貫して対日強硬策を主導してきた同氏は、事実上、ホワイトハウスに呼びつけられたのである。

米国家安全保障会議(NSC。事務局長=ロバート・オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官)ナンバー2のマット・ポッティンジャー国家安全保障担当大統領副補佐官が呼びつけた張本人である。 (中略)

先述のNSS幹部によると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル記者を退職、海兵隊に志願してアフガン戦争、イラク戦争に情報将校として従軍した異色のキャリアの持ち主であるポッティンジャー氏は普段の温厚な人柄を殴り捨てるかのように声を荒げて金鉉宗氏に対し、GSOMIA破棄が米国の安全保障に重大な脅威を与えると警告、直ちに政策転換するよう強く求めたのだ。

永く外交官を務めてきた対米政策責任者の言葉を借りると、米国が同盟国相手に怒りを露わにしたことはこの10年間で初めてだとした上で、「米国はいざとなれば本性を表す怖い国なのですね」と筆者に語った。
(引用ここまで)

 GSOMIA延長の決定打はアメリカからの恫喝。
 キム・ヒョンジョン国家安保室第2次長はGSOMIA破棄を提唱し、かつ主導してきた人物です。
 GSOMIAの終了する週、唐突に渡米したこともあって「こいつを渡米させたところでなにも起きないだろうに……」と楽韓Webでは書きました。
 当時、韓国の大統領府が特使的な意味合いを持たせて渡米させたと思っていたのです。

 ところが韓国側が渡米させたのではなく、アメリカが呼びつけたというのが実際だったとのこと。
 破棄の首謀者を呼び出すという方向性に転じていたわけですね。
 で、「声を荒げてキム・ヒョンジョン氏に大使、GSOMIA破棄が米国の安全保障に重大な脅威を与えると警告」したと。
 キム・ヒョンジョンはそれを持ち帰って大統領府に報告。
 国家安全保障会議を2日連続で開催し、かつそれにムン・ジェイン大統領まで出席するという異例の事態。
 で、苦渋の選択としてGSOMIA延長を決定したと。

 なるほどな。
 これだったら韓国側が八つ当たり気味に「日本は謝罪した!」だの「年内にホワイト国に復帰させろ」だの言っている理由も分かります。
 ま、そんなものを受け入れる理由にはなりませんが。
 そもそもの「GSOMIA破棄」自体が悪手であることに気がつけよ……。

速報:韓国政府、GSOMIA破棄を撤回。「条件付き延長」へ

カテゴリ:米韓関係 コメント:(379)
韓国大統領府 間もなくGSOMIA結論発表=「条件付き延長」(聯合ニュース)
 韓国と日本の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を巡り、韓国の青瓦台(大統領府)が22日午後6時、終了するかどうかを発表する。青瓦台関係者が伝えた。

 日本が輸出規制強化を解除する条件で、終了期限を延長する「条件付き延長」になる見通し。青瓦台は当初、日本の態度に変化がなければ、終了は避けられないとの立場だったが、日本とのぎりぎりの交渉で、条件付きながらGSOMIA終了を回避する方向で調整したとされる。
(引用ここまで)


 どうも風向きが変わったなぁ……ということでひとつ前のエントリを書いていたのですが。
 続いてカン・ギョンファ外交部長官が緊急訪日するということで「お、これはもしかして日和るんじゃないの?」とTwitterでつぶやきました。



 で、聯合ニュースから条件付きの延長、とのニュースが飛び込んできました。
 その条件がなんであるのか、ということに焦点が移るわけですが。
 韓国からしてみたら大きな外交失点であることに変わりはありません。
 そのあたりをどう繕うのか。注目点はそこですかね。
 また、GSOMIA破棄をやめたからといって、すべてが元通りになるかといったらそんなこともあり得ません。アメリカ側の不信感は頂点に達しているといっても過言ではないでしょう。

 あと日本政府の話と韓国政府の話がどのくらい行き違うか、ということもチェックすべきでしょう。
 発表が予定されている6時以降にまた追記なり、エントリの追加なりします。
 まずは速報までに。

GSOMIA破棄前日になって韓国が異例の安保会議の午前開催を決定……極秘渡米していたキム・ヒョンジョン国家安保室第2次長の報告を聞く……こいつを渡米させてなんになるんだか……

青瓦台国家安保室第2次長、GSOMIAの終了を控えて極秘訪米…防衛費分担金を説明(中央日報)
大統領府、、異例「午前NSC」……「GSOMIA議論」に注目(ファイナンシャルニュース・朝鮮語)
韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を控えて金鉉宗(キム・ヒョンジョン)青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室第2次長が最近秘密裏に米国に行ってきたと韓米関係に詳しい消息筋が20日、伝えた。

この消息筋は「金次長が18日~19日(現地時間)、米ワシントンでホワイトハウスの高官に会ってGSOMIA問題を集中的に説明した」と話した。

金次長はGSOMIAだけでなく分担金交渉に対する韓国政府の立場も説明したと伝えられた。
(引用ここまで)

大統領府は21日午前国安全保障会議(NSC)常任委員会の会議を開き、23日0時終了される韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)について議論する予定である。

NSC常任委員が通常木曜日の午後に開催される定例会のとはいえ、GSOMIA終了を翌日に控えた時点であるという点から、会議の結果が注目される。特にこの日の会議では異例の午後ではなく、午前に繰り上げ開かれる。会議は、チョン・ギヨン国家安全保障室長が主宰する。

この日の会議では、GSOMIAを終了関連の議論が主に行われるものと思われる。去る8月22日GSOMIA終了決定もNSC常任委で最終的に下された。

特に会議ではキム・ヒョンジョン大統領府国家安保室2次長の訪米結果も報告されるものと思われる。キム次長はこれに先立ち、18日に米国を極秘訪問し、ホワイトハウス高官に会ってGSOMIAはもちろん、難航している韓米防衛費分担金交渉などの韓国政府の立場を説明したものと伝えられた。

大統領府は「先に、日本の輸出規制措置撤回後、GSOMIA終了見直し」の方針を一貫して維持している。
(引用ここまで)


 GSOMIA終了を明日に控えて木曜日に恒例となっているNSC、国家安全保障会議が午前中に開催されました。
 通常、NSCは午後に開催されます。GSOMIA破棄が発表された際は会議が紛糾したのか、発表がかなり遅れたなんてこともありましたね。
 なんのアナウンスもなしに午前開催になったために「なにか異常事態でもあるのでは」「GSOMIA終了前日にいたってなにか発表するのでは」というような憶測をちらと呼びましたが、けっきょくは「日本の態度が変わらないかぎり変化はない」との原則を確認しただけで終了したとのこと。

大統領府、「日本からの前向き措置ない場合はGSOMIA終了」... NSC常任委員会の議論(ニューシス・朝鮮語)

 国防部、外交部ともに抵抗はしたのかも知れませんが、大統領府の意向には逆らえなかったということでしょう。
 で、その一方でキム・ヒョンジョン大統領府国家安全保障室第2次長が極秘裏に渡米して、GSOMIA破棄についてと分担金増額について交渉してきたとのこと。
 GSOMIA破棄を主導してきた人間が説明に行ったところでどうにもならないと思いますけどね……。
 そもそも、日本の輸出管理強化についてアメリカに文句を言いにいって、なんの成果も持ち帰れなかった人物です
 大元の人選が間違ってんじゃないの……というか、アメリカに住んでいたからこういうシーンで重用されているようですが。
 このくらいの人間しかいないというところが、ムン・ジェイン政権のお友達人事の限界を示しているように見えますね。