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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

GSOMIA破棄前日になって韓国が異例の安保会議の午前開催を決定……極秘渡米していたキム・ヒョンジョン国家安保室第2次長の報告を聞く……こいつを渡米させてなんになるんだか……

青瓦台国家安保室第2次長、GSOMIAの終了を控えて極秘訪米…防衛費分担金を説明(中央日報)
大統領府、、異例「午前NSC」……「GSOMIA議論」に注目(ファイナンシャルニュース・朝鮮語)
韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を控えて金鉉宗(キム・ヒョンジョン)青瓦台(チョンワデ、大統領府)国家安保室第2次長が最近秘密裏に米国に行ってきたと韓米関係に詳しい消息筋が20日、伝えた。

この消息筋は「金次長が18日~19日(現地時間)、米ワシントンでホワイトハウスの高官に会ってGSOMIA問題を集中的に説明した」と話した。

金次長はGSOMIAだけでなく分担金交渉に対する韓国政府の立場も説明したと伝えられた。
(引用ここまで)

大統領府は21日午前国安全保障会議(NSC)常任委員会の会議を開き、23日0時終了される韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)について議論する予定である。

NSC常任委員が通常木曜日の午後に開催される定例会のとはいえ、GSOMIA終了を翌日に控えた時点であるという点から、会議の結果が注目される。特にこの日の会議では異例の午後ではなく、午前に繰り上げ開かれる。会議は、チョン・ギヨン国家安全保障室長が主宰する。

この日の会議では、GSOMIAを終了関連の議論が主に行われるものと思われる。去る8月22日GSOMIA終了決定もNSC常任委で最終的に下された。

特に会議ではキム・ヒョンジョン大統領府国家安保室2次長の訪米結果も報告されるものと思われる。キム次長はこれに先立ち、18日に米国を極秘訪問し、ホワイトハウス高官に会ってGSOMIAはもちろん、難航している韓米防衛費分担金交渉などの韓国政府の立場を説明したものと伝えられた。

大統領府は「先に、日本の輸出規制措置撤回後、GSOMIA終了見直し」の方針を一貫して維持している。
(引用ここまで)


 GSOMIA終了を明日に控えて木曜日に恒例となっているNSC、国家安全保障会議が午前中に開催されました。
 通常、NSCは午後に開催されます。GSOMIA破棄が発表された際は会議が紛糾したのか、発表がかなり遅れたなんてこともありましたね。
 なんのアナウンスもなしに午前開催になったために「なにか異常事態でもあるのでは」「GSOMIA終了前日にいたってなにか発表するのでは」というような憶測をちらと呼びましたが、けっきょくは「日本の態度が変わらないかぎり変化はない」との原則を確認しただけで終了したとのこと。

大統領府、「日本からの前向き措置ない場合はGSOMIA終了」... NSC常任委員会の議論(ニューシス・朝鮮語)

 国防部、外交部ともに抵抗はしたのかも知れませんが、大統領府の意向には逆らえなかったということでしょう。
 で、その一方でキム・ヒョンジョン大統領府国家安全保障室第2次長が極秘裏に渡米して、GSOMIA破棄についてと分担金増額について交渉してきたとのこと。
 GSOMIA破棄を主導してきた人間が説明に行ったところでどうにもならないと思いますけどね……。
 そもそも、日本の輸出管理強化についてアメリカに文句を言いにいって、なんの成果も持ち帰れなかった人物です
 大元の人選が間違ってんじゃないの……というか、アメリカに住んでいたからこういうシーンで重用されているようですが。
 このくらいの人間しかいないというところが、ムン・ジェイン政権のお友達人事の限界を示しているように見えますね。

韓国「韓米は血盟ではなかったのか?」 → ついにアメリカが「韓国からの米軍縮小・撤退」を口にしはじめた……

【社説】米国防長官の米軍撤収関連言及、尋常でない(中央日報)
韓米防衛費分担金交渉が80分で決裂し、さらに米国防長官が在韓米軍縮小の可能性を否認しないという深刻な事態が19日に同時に生じた。この日ソウルで開かれた防衛費分担金交渉は7時間の予定だった。しかし50億ドルを要求する米国側は80分で会議場所を出て行った。「韓国側の提案が我々の要求に沿わなかった」ということだ。

同じ日、フィリピンを訪問中のエスパー米国防長官は在韓米軍縮小の可能性を尋ねる質問に「我々がするかしないか分からないことについて予測したり推測したりしない」と答弁した。場合によっては縮小することもあるということだ。このような発言は「在韓米軍の撤収はあり得ない」という米国の従来の立場とは完全に違う。特にエスパー長官は15日に韓国で発表した共同声明を通じて「在韓米軍を現在の水準で維持し、戦闘態勢を強化するという公約を再確認した」と明らかにした張本人だ。状況上、より多くの分担金を受けるために「タブー」と考えられてきた在韓米軍撤収カードを取り出したのは間違いない。血で結ばれた韓米同盟がなぜこのような状況になったのか嘆かわしい。

現在、韓国政府は米国との間で分担金問題のほか、韓日の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)をめぐっても葛藤が生じている。政府は両問題と在韓米軍撤収がつながっていることを認識して接近する必要がある。トランプ政権は韓国がGSOMIAを破棄したことで在韓米軍がさらに危険になり、これを補完するために追加の費用が発生したという論理を展開している。この場合、韓国が正当な代価を支払わなければ在韓米軍を減らすしかないという姿勢で出てくる可能性も少なくない。 (中略)

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日、「国民との対話」でGSOMIA破棄に関連し「防波堤論」を前に出しながら日本側の立場の変化を促した。しかしこれは反感だけを招く公算が大きい。今からでもGSOMIA破棄を撤回するか、そうでなければ後の影響を減らす案を講じる必要がある。
(引用ここまで)


 アメリカが在韓米軍縮小、撤退について否定しなくなりました。
 それも国防長官自ら「(縮小)するかしないか分からないことについて、予測したり推測したりはしない」という物言い。
 これ、いつものように外交用語で角は丸められていますが、要するに「縮小も撤退もオプションのひとつである」という話になってますからね?
 加えて7時間予定されていた防衛分担金についての会議を80分でアメリカ側は退出。
 韓国国内では「分担金を増やそうとするためのアメリカのブラフだ」とか「GSOMIA破棄への不満を表明している」とか扱われていますが、そのくらいで済むんですかね?

 明らかにアメリカは本気で朝鮮半島からの撤退、そして撤退につながる縮小を検討しています。
 そのきっかけになっているのは明白に韓国のGSOMIA破棄宣言。
 何度も書いていますが、韓国側がアメリカの依頼を無視してGSOMIA破棄を強行するのであれば、アメリカの韓国の依頼やお願いを無視するに決まっているのです。
 記事中に「血で結ばれた韓米同盟」とありますが、まさにアメリカは韓国を自らの血で守ったのですよ。
 朝鮮戦争当時。



 画像はニューヨークのリバティアイランドに向かう船着き場のすぐ横にあるKorean War Memorialという碑。
 いまだに献花が絶えないほど。

 その「血盟」を巡って韓国では「あれほどの犠牲を払ってアメリカは韓国を守ったのだから、なにをしても大丈夫」という判断になり、アメリカでは「あれほどの血を捧げて守ったのに韓国はなにをしてくれてんだ」という判断になる。
 GSOMIA破棄については当初から米韓の……というか、韓国の勘違いが指摘されてきていましたが、その背景にはこの「血盟」意識が多少なりともあるでしょうね。
 「アメリカはちょっとやそっとのことでは撤退しないし、韓国の味方をやめたりしない」っていう。
 いまだに冷戦下の認識からちっとも進歩していない、という感じです。

韓国国防部長官「アメリカはGSOMIA継続のために日本にも圧力を加えている」→韓国メディア「アメリカはしっかり仲介しろ!」……まだそんなことが起きると思ってるんだ?

韓経:韓国国防部長官「GSOMIA、外交で解決する問題…米国、韓日に強い圧力をかけている」(韓国経済新聞)
鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)韓国国防部長官が23日0時に終了する韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「国防部のレベルでなく両国政府のレベルで解決すべき問題」と話した。また「現在の状況をみると、(終了の他に)他に変化が見えない」とした。 (中略)

鄭長官は「GSOMIAは韓米同盟で象徴的、戦略的価値が大きい」とし「(米国側は)日本にも圧力をかけ、韓国にも維持することを求めている」と話した。
(引用ここまで)


 まだまだGSOMIAの話題は尽きないようで。
 今度はチョン・ギョンドゥ国防部長官が「アメリカは日本にも圧力をかけている」とコメント。
 まあ、「日本もどうにかならないか」くらいのことは言っているとは思いますけどね。
 韓国への直接的な圧力に比べたら10:1にもならないでしょう。
 エスパー国防長官からは「日米韓の協力に向けた努力を歓迎」とのコメントが出ています。

米国防長官「米韓日3カ国の協力に向けた日本の努力を歓迎」(中央日報)

 これまでの日本への評価なのか、圧力なのか微妙な物言いではありますけどね。
 まあ、圧力の部分がゼロではないでしょう。

 韓国側はいまだに「日本が輸出規制強化を撤回しなければならない」との意向。
 韓国政府からは「ボールは日本にある」との認識を披露しているようです。

韓国政府「GSOMIA、ボールは日本に」... 液体フッ化水素輸出許可(MBC・朝鮮語)

 あと韓国メディアからも「日本が退くべきだし、アメリカは仲介をすべきだ」という意見がいまだに出ています。

【社説】韓日、GSOMIA生かし破局的チキンゲーム終わらせよ(中央日報)
米国の公正な仲裁も切実だ。国務省とペンタゴンの首脳が総出動して韓国を圧迫したのに対し、日本は一方的にかばう姿を見せた。日本がこうした米国を背に高姿勢に出ているので韓国も妥協する名分を見つけられず強硬策を固守することになったのではないのか。韓国の態度が変わるには日本も態度を変えなければならない。それを引き出すことができ、引き出さなければならない国は米国だ。やるべきことをすることを望む。
(引用ここまで)

 まだそんな奇跡が起きて韓国がアメリカ側に居続けることができる、なーんてことが起きると思っているんでしょうかね。
 日本もアメリカも判断が間違いであることを指摘し、GSOMIAに復帰するのがもっともいい道だと言うことはできますが、強制することはできない。
 韓国政府が言うところの「国益を優先してやったこと」なのですから。
 GSOMIA破棄は100%韓国の都合で言い出したことなので、韓国だけがその責任を負うべきなのですよ。

 ……GSOMIA破棄でアメリカが仲裁に動かず、日本があっさりと受け入れたらどうするのだ、という観点に立ってのプランBとかなかったんだろうな、これ。
 キム・ヒョンジョン国家安保室第2次長あたりが「GSOMIA破棄は最高の外交カードなのだ!」と思いこんで、なにもかも解決できるつもりだったのでしょう。
 そうとでも考えないと踏み切ったことが理解できません。

 22日いっぱいのGSOMIA終了まであと4日間。
 もう一波乱くらいはありそうな雰囲気ですが。

アメリカの元軍人、政府高官、専門家ら20人中19人が「GSOMIA破棄に反対」……「自滅行為」「説明が理解できない」「アメリカにまで害が及ぶミス」と非難の嵐

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タグ: 米韓関係 GSOMIA
米専門家20人中19人がGSOMIA破棄反対「米国がなぜ韓国を防衛すべきか疑問呼ぶ」(朝鮮日報)
 米国の元高官や軍人、専門家20人を対象にアンケート調査をした結果、19人が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄に反対したと米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が15日(現地時間)、報道した。 (中略)

 外交的修辞語を使わない専門家グループの反応は一層冷たかった。ランド研究所のブルース・ベネット上級研究員は「自分の足の甲を突き刺す行為」と、スタンフォード大学の研究者ダニエル・スナイダー氏は「韓国自身の安保利益に反する自滅的行為」と表現した。韓国政府のGSOMIA破棄決定と説明が理解できないという反応も多かった。青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)安保室長が11日、「GSOMIAは韓米同盟と全く関連がない」と発言したことについて、米戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン副理事長は「私が知ってワシントンの政策関係者の中で、韓国のGSOMIA破棄を米国にとって大した問題ではないと考えている人物は事実上、誰もいない。ワシントンでは核心事案だと見ている」と述べた。

 ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員はGSOMIA破棄決定を「歴史という祭壇の上で韓国の安全と米国の防衛公約を無駄に犠牲にすること」と言った。アトランティック・カウンシルのロバート・マニング上級研究員も「同盟の効率性を落として米国にまで害を被らせる深刻で偏狭なミス」と評した。

 北東アジアの専門家であるゴードン・チャン弁護士は「韓国が自国の防衛に興味がないなら、米国はなぜ韓国を守る必要があるのか、当然疑問を提起する可能性がある」と語った。ジョン・ペッパー米外交政策フォーカス所長も「米国が域内の主要同盟諸国が仲良くするよう説得することができないなら、米軍の影響力や米軍の存在理由が小さくなっているという傍証だ」と言った。

 米海軍分析センターのケン・ゴース敵性国分析局長は回答者の中で唯一、GSOMIA破棄は理解するに値し、安保上、大きな問題はないと述べた。同局長は「GSOMIA破棄で韓米同盟が損なわれるとは懸念していない」と語った。
(引用ここまで)

 うーむ、VoAのニュースサイトにもYouTubeチャンネルにも当該のニュースが見つかりませんでした。
 まあ、さすがにこれが捏造とは考えにくいか。

 韓国のGSOMIA破棄について、元高官・専門家がアンケートに回答。
 20人中19人までがGSOMIA破棄に反対との結果となりました。

 特にシンクタンク所属である専門家グループの声は辛辣そのもの。
 以前にも「GSOMIA破棄は韓国が腹立ち紛れに自害したようなもの」というコメントがありましたが、それに比肩するようなものばかりですね。
 最後のひとりだけは「どうってことない」って回答でしたが、どこまでも韓国を擁護するキムチハガーとでも呼ぶべき存在がいるのだなぁ……ということが分かりますかね。
 でもまあ、おおよその専門家、元高官が圧倒的にGSOMIA破棄を非難しています。

 これをきっかけにして東アジアの時代が動く可能性がある、と書きましたが。
 韓国のGSOMIA破棄はアメリカにしてみれば中露への利敵行為そのものなのですよ。
 別に専門家がこうしてコメントするまでもなく、一介の韓国ウォッチャーのレベルだって「GSOMIAを破棄したらアメリカはこうリアクションする」って理解できるレベル。

 将来的には完全な同盟破棄もあり得ますが、現状は韓国軍自体がアメリカ軍と組むことを前提に組織されている。
 おまけに装備品はアメリカからの輸入品ばかり。「独自製造する」つもりの次期戦闘機だってエンジンからしてアメリカ製。
 F-35Aもまだ30機以上が納入予定ですし、新規取得予定のイージス艦のシステムももちろんアメリカ製。
 なのに「GSOMIA破棄」と言う行動は、徐々に関係性を薄くして……というようなやりかたではないですからね。
 完全にぶっ千切りを前提とした動きなのです。
 かといって中国にそのまま寝返るというわけでもない。受け入れられもしないでしょうし。

 だからこそ「現状では100回機会があっても100回延長しかない」という話だったのですが。
 日本がからむと純粋に政治的判断ができなくなるというのも困りものだな……。

反日種族主義 日韓危機の根源 (文春e-book)
李 栄薫・編著
文藝春秋
2019/11/14

韓国保守系メディア「米韓関係をここまで悪化させるとは……」「GSOMIAを延長しろ!」と恨み節……もう戻れないと思いますけどね?

カテゴリ:米韓関係 コメント:(157)
タグ: GSOMIA 米韓関係
【社説】GSOMIA延長して韓米同盟の正常化を=韓国(中央日報)
【社説】斧で自分の足を切る「GSOMIA敗着」(朝鮮日報)
米国防部長官と米統合参謀本部議長が同時に訪韓したのは、危機の韓米同盟を繕うための措置とみられる。今までソウルで開催される韓米定例安保協議(SCM)に長官と統合参謀本部議長が同時に出てきた事例はほとんどない。それだけ現状況を深刻に受け止めているということだ。 (中略)

同盟の危機は我々が自ら招いた面がある。GSOMIA破棄と政治的な時期に合わせた無理な戦作権早期転換の動きがなければ、分担金問題は我々が有利な立場で交渉できたはずだ。GSOMIAは韓日間の協定だが、中国を牽制する米国のインド太平洋戦略の基盤となる。韓国政府がGSOMIAを延長しなければ、米国はインド太平洋戦略に参加するという韓国の言葉を信頼しないだろう。韓米同盟の価値もそれだけ落ちる。エスパー米国防長官はSCM直後の記者会見で「GSOMIA終了で喜ぶのは中国と北朝鮮」とし「GSOMIAは戦時状況で米韓日が適時に情報を共有するうえで重要だ」と述べた。 (中略)

韓国政府が安保問題を徹底しないのは北朝鮮と中国を意識しているからだ。北朝鮮船員強制追放も同じだ。政府は調査も十分にせず急いで北朝鮮に送還した。このため国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が韓国政府の措置を調査することになった。青瓦台は、北朝鮮に拘束されて意識不明状態で解放された直後に死亡したオットー・ワームビアさんの親が要請した面談も断った。いま韓国政府は安保政策を立て直さなければいけない時だ。非核化の意志を見せず挑発を繰り返す北朝鮮に堂々とした態度で対応する必要がある。そして何よりも韓米同盟を立て直さなければならない。その試金石がGSOMIA終了の撤回だ。
(引用ここまで)

 今年8月に韓国大統領府がGSOMIA終了の決定を下すと、米国は予想以上に大きく反応した。「米国と調整した」という韓国大統領府の説明も米国は「うそ」と一蹴した。GSOMIAの終了期限(23日)が近づくと、米国は「韓国が終了を強行すれば、最も厳しいレベルで文在寅(ムン・ジェイン)政権を批判する声明を出す方針」とも伝えた。韓国軍による独島防衛訓練について米国務省が「プラスにならない」として問題視するという考えられない事態も起こった。このように韓米同盟において一度も経験したことのない出来事がわずか数カ月の間に次々と起こっている。GSOMIA破棄カードに日本はびくともせず、韓国と米国の信頼関係に傷がつくだけという信じられない事態を招いているのだ。 (中略)

手をつけられないほど波紋が広がると、破棄撤回の大義名分を探すため物乞いでもするかのように日本に対話を求めた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国際会議の会場で日本の安倍首相の手を取り、10分間ソファーに座らせ安保室長がその様子を撮影し「対話を行った」と宣伝した。しかし日本側からは逆に「韓国は事前の了解もなく写真を撮って公開した」という不満が出た。韓国国民が恥ずかしく感じるほどだった。「竹槍歌」(日清戦争の原因となった甲午農民戦争で東学党が歌った歌)を持ち出した人間たち(チョ・グク氏ら)はどこにいったのか、その姿は今や全く見えない。「斧で自分の足の甲を切る」ということわざはこのような時に使うものだ。 (中略)

米国は激怒しているが、韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)安保室長は「韓米同盟とは全く関係がない」と強弁している。彼らは一体何を期待しているのか。
(引用ここまで)


 中央日報と朝鮮日報という韓国の保守紙から呪いの言葉であるかのように「なんでこんなになるまで放置していたんだ」という嘆き。
 もう何度か書いているようにGSOMIAについては8月の状況であれば100回機会があっても100回延長しかあり得ません。
 ここで破棄の選択はタイミングが悪すぎます。
 欧州歴訪で北朝鮮への制裁解除を持ち出すなんてのもそうですが、機を見ることができない。
 外交は自分の都合だけで進むのではなく、先方の意向もあるということを理解していない。
 「活動家出身の政治家」としての限界かもしれませんが。

 このあたり、ノ・ムヒョンは割とよくやっていたんですけどね。
 徴用工について日本に賠償を求めるのは無理筋だって判断したり、米韓FTAを締結したり、アメリカに協力してイラク派兵を行ったりと現実がそれなりに見えていた部分があります。
 ムン・ジェインはそのすぐ下といっていい地位にあったのですから、もうちょっとやれるのではないかとも思っていたのですが。

 ま、それはともかく。
 GSOMIA破棄をきっかけにして時代が動く可能性があります。
 東アジアの軍事バランスの再編となり得るほどの動きが出る可能性がありますよ。  このタイミングで日本はファイブアイズに加入することになり、韓国はGSOMIAを破棄する。
 いくら「GSOMIAは破棄したけどもインド太平洋戦略には賛同します」とか言っても信じるわけにもいかないし。
 まあ、それ以前に信じてもらえることもないでしょう。
 韓国はしばらくは中国側に入れるわけでもなく、孤立する可能性が高いと見ていますが。
 このあたりはそのうち、きっちりまとめてエントリにしましょう。

China 2049 秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」
マイケル ピルズベリー
日経BP
2015/9/3

ムン・ジェイン、ついにエスパー国防長官に「GSOMIA破棄を再考するつもりはない」と言い放つ

文大統領「日本との軍事情報共有は困難」 GSOMIAに関し米国防長官に(聯合ニュース)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、青瓦台(大統領府)でエスパー米国防長官と会談し、失効期限が迫っている韓国と日本の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)と関連し、安全保障上信頼できないという理由で対韓輸出規制を強化した日本と軍事情報を共有するのは難しいとの立場を改めて伝えた上で、韓米日間の安保協力は重要で持続的な努力を傾けるとの意向を示した。青瓦台の高ミン廷(コ・ミンジョン)報道官が会見で伝えた。

 文大統領の発言は、日本が対韓輸出規制強化を撤回すればGSOMIAの終了決定を再検討することができるとする韓国政府のこれまでの立場を改めて示したもので、現在の韓日間協議の状況を勘案すれば、GSOMIAはこのまま失効する可能性が非常に高いとみられる。 (中略)

 エスパー氏は文大統領の発言に理解を示した上で、「GSOMIAに関連した問題についてよく理解している」とし、「この懸案が円満に解決されるよう日本側にも努力を要請する」と述べた。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン大統領が直接、マーク・エスパー国防長官に向けて「日本との軍事情報共有は難しい」と発言。
 まあ、これで3ヶ月にわたって続いてきたGSOMIA狂騒曲も終了ですかね。
 いや、それにしても分からない。
 どんな希望や願望を持ってGSOMIA破棄を宣言したのか、いまだに分からない。
 勝ち筋ゼロで自分から詰みに向かっている。それも意気揚々と。

 何度か書いているように、まともな判断力を持っている政権であればGSOMIA延長か否かの判断は100回機会があったら100回延長です。特に今回の場合であれば。
 それくらいガチに手を出すべきではない事柄でした。
 事前に韓国側、特に与党の共に民主党からはあれだけ「GSOMIA破棄を云々~」という話が出てきたので「これだけ言っているけど、まさかね……まさか……だよね?」みたいな話は何度かしましたけどね。

 アメリカのシンクタンクが「GSOMIA破棄は米軍撤退や同盟消滅にすらつながりかねない」って警告していましたが、楽韓Webでは韓国にとってはそれがそのまま「アメリカが重要視しているGSOMIAは外交カードとして使える」という思考になっているという話を事前にしています。
 そして、本当にそうやってしまった。
 本当にあり得ない判断をしてくれている。

 ムン・ジェイン政権は理性的ではないということは分かっていました。
 当選直後に「ムン・ジェインはやらかすよ」という話を前もってしていました。
   それでも、さすがにここまでとは。

 日本に対抗できる手札がなにもないからGSOMIAを外交カードにするしかなかった、というのは分からないでもないですが。
 理性的な判断がひとつも働いていない。
 「GSOMIAよさらば! 我が代表堂々退場す」くらいの勢いですね。

 あ、それとエスパー国防長官の「日本側にも努力を要請する」という話はあくまでも大統領府の報道官が「エスパー国防長官がそういっていた」というだけの話。
 とんぼ返りして日本に戻って話をするわけでもなく。
 まあ、いつものアレでしょうね。

韓国メディア「アメリカはGSOMIA問題の根本には日本の輸出規制があることを知るべきだ」……もうそんなこと言っている状況じゃないけどね

大統領府「米当局者が来てもGSOMIA終了が撤回されることはない」(ハンギョレ)
[社説]米国、「GSOMIA問題」解決策は日本で見つけよ(ハンギョレ)
 大統領府の高位関係者は13日、「GSOMIAは米国の外交安保当局者が来て話したからといって(終了方針が撤回に)なる事はない。GSOMIAを終了すると発表する前に、すでに米国側と話がついた状況」と述べた。この関係者は「日本や私たちも(共に)満足するに値する解決策はすぐにはない。それならばGSOMIAも終了するしかない」と付け加えた。 (中略)

 大統領府はただし、この問題が「同盟亀裂」の議論に広がることに困惑している。GSOMIA終了に関連して米国側と十分に対話を交わしていることを強調するのもそのためだ。6日、キム・ヒョンジョン国家安保室2次長が、デービッド・スティルウェル米国務省東アジア太平洋次官補とロバート・エイブラムス韓米連合軍司令官に会った時にも、予定より長い70分余りの間意見を交わし、政府の立場を十分に伝達したというのが大統領府の説明だ。当時大統領府は、「両国間の同盟の懸案について、具体的かつ建設的で未来志向的な協議を行った」と明らかにしている。

 大統領府は、米国務省関係者がGSOMIAの話を継続するのには、別の狙いがあると見ている。韓国政府の防衛費分担金を高めるための交渉のテコとして、GSOMIA問題を活用しているということだ。大統領府の高位関係者は、「今回の訪韓の期間中、私たちが分担しなければならない防衛費の規模を明示的に話さなかった。しかし、訪韓の主な目的が防衛費を上げることにあったのは明らかだ」と述べた。
(引用ここまで)

 しかし、米国がまず知るべきことは、GSOMIA終了の原因を提供したのは日本だという事実だ。日本は安保上信頼できない国であるという理由で韓国に対する輸出規制を強行した。「安保上信じられない国」と言いながら最も重要な安保情報の提供を受けるというのはつじつまが合わない。韓国政府のGSOMIA終了決定は、日本の不当な経済報復によるまっとうな措置だ。

 にもかかわらず、米国が日本による原因提供には口を閉ざしたまま韓国だけを圧迫しているようにみえるのは、同盟に対する礼儀にもとるだけでなく、同盟の価値を自ら下げる行いだ。韓国政府はすでに、日本が不当な輸出規制を撤回すればGSOMIA終了決定を再検討し得るという立場を何度も明らかにしてきた。米国は、韓国政府と国民の意思を深くくみとる必要がある。GSOMIA問題を解決するカギは韓国政府ではなく日本政府が握っている。日本を置き去りにして韓国政府を圧迫することは正しい解決策とはなり得ず、日本との軍事情報共有に対する韓国国民の否定的な世論ばかりを育てる恐れがある。

 政府は米国の圧迫に屈することなく、原則を守るべきである。日本の態度変化なしにGSOMIAを延長すれば、米国の圧力に屈して名分と実利をともに失うことになるだけだ。
(引用ここまで)


・アメリカがなにを言ってきても日本が輸出規制強化撤回しないかぎりは、GSOMIA破棄は変わらない。
・アメリカは日本に対して輸出規制強化を撤回するように言うべきだ。

 このふたつが韓国政府によるGSOMIAについての意見、ということでしょうね。
 他にもいろいろとあるでしょうけども、主としてこのふたつに集約されると思います。

 それともうひとつ、上の記事の最後にある「アメリカはGSOMIA破棄宣言をテコに防衛費分担金を増額させようとしている」というもの。
 まあ、それも狙いのひとつではあるとは思いますが。

 アメリカの言っていることはそうじゃないんだよな。
 対外的な問題になるからGSOMIAに触るなって事前にあれだけ言い続けてきたのに、あっさりと外交カードとしてピックアップして扱ったことに対する不満ですよ。
 パク・クネ大統領(当時)がアメリカからの否定的な見解も省みずに、中国の抗日勝利記念式典軍事パレードに出席したことについて、アメリカからは「ブルーチームにいるべき人がレッドチームにいる」という話まで出た、とされていました。
 これについても散々、「出席するべきではない」という話がアメリカから出ていましたね。
 アメリカ側の話は「米韓関係に楔を打ちこんだという誤ったメッセージを対外的に送ることになる」というものでした。

 今回もまったく同様の話で。
 GSOMIAが日韓間で結ばれたのはアメリカの要望によるものでした。渋る韓国側を説得し、どうにかこうにか席に着かせた。それは世界中が認識している。
 今回の韓国の行動はそのアメリカの要望に逆らった、というように見えるということです。
 軍事同盟国であるにも関わらず、ですね。

 アメリカは「韓国のこの行動がアメリカへの裏切りに見えるからやめてくれ」って話をしている。どんな政治、外交の素人でも理解できる話なのに、韓国政府だけがそれを理解していない。もしくは理解していない振りをしている。
 最終的にエスパー国防長官とミリー統合参謀本部議長が同時に訪韓するという異常事態を招いたわけです。
 まあ、これは多分にアメリカによる他の同盟国に向けての「ここまでアメリカはやったのに韓国は裏切ったのだ」というようなアリバイ作りであると思われますが。

 こうして日本にツケを払わせようとしても、その魂胆が見え透いているから相手にされていない。
 最初から「GSOMIAを外交カードとして扱うな」と言われていたわけですから。
 ハンギョレの社説もしょせんは「GSOMIAを外交カードとして扱ったこと自体が間違いである」というところまで届いてない浅いもの。
 さすがにこの状況でアメリカも「日本が折れろ」とは言い出さないわ……。
 それでもGSOMIA破棄の1週間後までにまだまだ波乱があるとは思いますけどね。

アメリカ政府高官「GSOMIA終了なら想像できないほどの波紋」「最大強度の非難声明が出るだろう」と断言

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米「GSOMIA終了なら想像できないほどの波紋」(朝鮮日報)
 韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長と防衛費引き上げ問題をめぐり、米政府が連日、「波状圧力」をかけている。米政府はGSOMIA終了時に備え、韓国政府を強く批判する声明を準備しているところで、米軍高官も相次いで出てGSOMIA延長と防衛費増額を要求している。

 米国の外交消息筋は13日、「米政府はGSOMIA終了と維持という両方の可能性を念頭に置いて2種類の声明を準備している」と伝えた。韓国政府が22日までにGSOMIA破棄決定を覆さなかった場合、米国は23日に最も強度の高い文在寅(ムン・ジェイン)政権批判声明を発表する方針だという。逆にGSOMIAが延長された場合は、これを歓迎して韓日関係の改善を望む声明を出すだろうと言った。こうした声明は米国務省ではなくホワイトハウスが主導するとのことだ。

 米政府関係者は「これまで長官クラスをはじめ、さまざまな次元でGSOMIA維持を望む言及をしてきた。韓国が最終的に米韓日3カ国の協力強化を望む我々の要請を拒否するなら、想像しがたいほどの波紋が起こるだろう」と語った。また、別の関係者は「韓国が我々の立場を受け入れていないなら、『パーフェクト・ストーム(最悪の状況)』に見舞われるかもしれない」と述べた。

 ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官は12日、京畿道平沢市内のハンフリーズ基地で行われた就任1周年記者懇談会で、「GSOMIAが終了したら、(朝中露などの)周辺国に、我々(韓米日)が弱いという間違ったメッセージを与えるかもしれない」「GSOMIAの根本原則は、韓日が歴史的な違いを後回しにして、北東アジア域内の安定と安保を最優先しているという明確なメッセージを地域に発することだ」と述べた。
(引用ここまで)


 GSOMIA破棄まであと8日と数時間。
 これまでもアメリカはGSOMIA破棄に対して強硬な姿勢を見せてきました。
 「失望した」という声明の連発や、「韓国のいう『アメリカは理解している』という話は嘘だ」といった外交的には異例の対応を繰り返してきました。
 ちょっと尋常ではないというか、想定していたよりもはるかに強い対応をしてきたというのが実際ではないでしょうか。

 少なくとも現状では対中戦略として「日米韓は一致協力して対抗している」というポーズを取っておきたい、ということなのでしょう。
 インド太平洋戦略を進めるにしても、まだあやふやな部分がありますし。
 ついでにいえばインド太平洋戦略と日米韓が共同戦線を組むということが並列で進行するということ自体にも矛盾はありませんしね。

 朝鮮日報が報じるところの「もっとも強度の高いムン・ジェイン政権批判声明」、そして「想像しがたいほどの波紋が起こるだろう」というアメリカ政府関係者の発言、充分にあり得るでしょうね。
 具体的になにをやるかといえば「安保協力と経済をリンクさせたいのであれば、そうしてやるよ」と言わんばかりの関税攻勢でしょうね。
 トランプ政権は輸入車に対する懲罰的関税を宣言し、現状はそれをペンディングしています。
 韓国とは米韓FTAを再交渉することで妥結しましたが、この問題を再燃させる可能性があります。
 そもそもトランプ自身が米韓FTAについては「ひどい協定だ」ってはばかることなく言ってましたからね。
 同盟国であるからこそFTA見直しくらいで済ませた。けれども実質的に同盟国でなくなるのであれば、そんな遠慮をすることはないという話です。

 S400を購入したトルコに対してもトランプ大統領本人はともかく、アメリカ政府は大筋で制裁の方向性に向かっています。
 それと同レベルの制裁があってもなんの不思議もないでしょうね。