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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

米メディアが「バイデン政権発足後、アメリカ政府はWTO事務局長選挙での韓国候補推しをやめるだろう」と予測

WSJ「バイデン氏、WTO事務局長選候補の兪明希氏をやめてナイジェリア候補を支持するかも」(中央日報)
ジョー・バイデン米国大統領当選者が世界貿易機関(WTO)事務局長選でどのような態度を取るだろうか。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は26日、米国の選択がナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ候補に転じる可能性に言及した。

林由佳記者が「バイデン氏は同盟国に自身の世界貿易のアジェンダを見せるチャンスがある」という見出しの記事で展開した主張だ。 (中略)

このような状況で、WSJは「バイデン行政府がナイジェリア候補に同意することで膠着状態を終わらせるかもしれない」と見通した。まだ原則的な話であり、バイデン氏や引継ぎ委員会では立場を出していない。

中国という変数も大きい。WSJは万一、兪氏がWTO事務局長になれば大陸の配分によりアジア国家はWTO副局長の席を他の大陸に明け渡す必要があると報じた。米国の選択に影響を与え得る事案だ。

WSJはこの他にもトランプ行政府が欧州と日本など同盟国にかけた鉄鋼・アルミニウムに対する関税もバイデン氏が廃止するだろうと見通した。
(引用ここまで)


 アメリカでも保守派メディアのひとつとされるウォールストリートジャーナル紙が「バイデン政権がオコンジョイウェアラ候補の事務局長当選に手を貸すだろう」と予測。
 トランプ政権を否定するところから入るであろうバイデン次期大統領はWTO事務局長選挙でオコンジョイウェアラ候補を支持し、トランプ政権が行った日欧に対する鉄鋼・アルミニウムに対する関税も廃止するだろうと。
 ……じゃあ、鉄鋼への関税を避けるために鉄鋼輸出制限をされて、かつ為替介入を透明化させられて、さらに保険制度改革をさせられた韓国の立場は(笑)。
 鉄鋼輸出のクォータ制度は撤回されるかも知れませんが、為替介入の透明化等の措置まで撤回されるとは思えないですしね。

 あとWSJによる「ユ・ミョンヒ候補が事務局長になれば中国が持っている副局長の座を明け渡す必要があることになる」という記述は「なるほど」、と膝を打つ視点でした。
 WTOから中国による影響力を減らしたい、というトランプ政権の考えからすると「中国に近しいオコンジョイウェアラ候補を排除して、かつ中国から副局長の座を取り上げることができる」という一石二鳥を達成できる妙手だったということですね。
 トランプ再選がなっていればできていたかもしれませんが。
 まあ、多国間交渉を重んじるであろうバイデン政権では無理でしょう。

 どうにかこうにか政治家による政治がアメリカに戻ってきて、あるていどの予測がつくようになる……というところかなー。
 WTOにしろ、WHOにしろ改革は必要でしょうけども、圧力で振り回し続けるのは違うよな、という話でもあります。
 中国による圧力で台湾のオブザーバ参加すらできないってのは奇妙な話ですからね。

アメリカ政府高官、フィリピン、ベトナムを歴訪。韓国政府は「大統領補佐官が訪韓する」と発表していたもののスルーされる

青瓦台は「11月来韓」と発表したけれど…アジア歴訪で韓国を飛ばした米高官(朝鮮日報)
 ロバート・オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が20日から4日間、ベトナムとフィリピンを訪問した。青瓦台は先月、「オブライエン補佐官は11月中に訪韓するとの考えを明らかにした」と述べたが、米大統領選挙後で初のアジア訪問で、中国と確執を抱えている東南アジア諸国だけに行ったものだ。このため、「米外交政策の優先順位が米朝対話再開ではなく、『反中キャンペーン』にあることを示す象徴的なシーンだ」との声が上がっている。

 米国務省は23日、オブライエン補佐官の東南アジア2カ国訪問について、「両国関係の強さを再確認する一方で、地域安保のための協力案を話し合った」と明らかにした。オブライエン補佐官は、東南アジア地域が自国の安保と経済的利害において重要であることを強調、「自由で開放されたインド太平洋」のための協力を要請したという。 (中略)

 青瓦台は先月、徐薫(ソ・フン)国家安保室長の訪米結果を説明する際、「オブライエン補佐官は徐薫室長の要請に応じて、来月韓国を訪問する」と発表した。与党の一部からは、オブライエン補佐官が「来年の東京五輪は米朝交渉のチャンス」と言ったと聞き、同補佐官の訪韓を米朝対話の契機とみなすべきだとの主張も提起された。
(引用ここまで)


 ふむ。
 菅総理の初外遊先はベトナムとインドネシア。
 アメリカの大統領選後の高官による訪問地はベトナムとフィリピン。
 ベトナム、インドネシア、フィリピンはクアッドプラスに入ってもおかしくない国。まあ、実際に入れるのはベトナムくらいかな……と感じてはいますが。
 フィリピン、インドネシアともに多国間対中戦略を必要としている国であることに間違いはない。
 その一方で大統領府から「オブライエン補佐官は訪韓する」という正式なアナウンスがあったにも関わらずキャンセルされた……か、もしくは最初から訪韓するつもりがなかったのに大統領府側が無理矢理発表したか。

 オブライエン補佐官はベトナムで首相、国防相、外相らと会談を行っています。
 そしてフィリピンでは南シナ海事態においてフィリピンとベトナムへの支持を表明しています。
 その発言に対して当然のように中国は反発中。

フィリピンの中国大使館、米はアジアで「混乱引き起こしている」(ロイター)

 どちらにせよ、10月頭のポンペオ国務長官10月末のポンペオ国務長官に続いてアメリカからの韓国訪問はキャンセルされました。
 トランプ政権にとって韓国がどのような位置づけの国であったか、痛いほどに分からせにきてますね。

米韓同盟消滅(新潮新書)
鈴置高史
新潮社
2018-10-26

在韓米軍司令官「戦時統制権の返還はムン・ジェイン大統領の任期には間に合わない」と断言……ムン・ジェインに残された手段は?

韓米連合軍司令官 2年後の作戦統制権移管は「時期尚早」(聯合ニュース)
 エイブラムス韓米連合軍司令官(在韓米軍司令官兼務)は20日、米軍主導の韓米連合軍が持つ有事作戦統制権の韓国軍への移管時期と関連し、運用能力の検証は続いているがまだ行程が残っているとし、文在寅(ムン・ジェイン)政権が公約として掲げた任期内(2022年)の移管は「時期尚早」との見解を示した。就任2周年を記念して行われた記者懇談会で明らかにした。

 韓国政府は文大統領の就任後、作戦統制権の移管完了時期について、期限を定めず、「早期転換の推進」と政策を調整したが、軍は文大統領が大統領選の公約で掲げた任期内を目標にしているとの見方が強かった。

 エイブラムス氏の発言は22年はもちろん、「早期推進」とする韓国政府の立場とも多少異なる米国側の見解を改めて示したものとみられる。

 エイブラムス氏はその一方で、「韓米軍事同盟はこれまでになく強固である」とし、「われわれは共に韓米同盟にとって最大の利益になる方向で意思決定をしていく」と述べた。作戦統制権の移管を巡り、一部で提起される韓米間のずれに対する懸念を意識した発言とみられる。

 また在韓国国連軍司令部の再活性化については、「将来的に、国連軍司令部を戦闘司令部に変えるという『秘密計画』は絶対にないことを明確にする」と強調。米国が北東アジア地域の国際秩序を主導することを目標に、国連軍司令部の再活性化を推進するという一部の観測に改めて反論した。 (中略)

 ただ最近米国が作戦統制権の移管や連合軍司令部の解体、未来連合軍司令部創設などに備え、国連軍司令部の役割を再調整しようとしているとの見方が出ている。
(引用ここまで)


 エイブラムス在韓米軍司令官が「ムン・ジェイン大統領の任期中に戦時作戦統制権の移行? しないけど、なにか?」と表明。
 まあ、正直なところ時間切れ。
 これから戦時統制権を移行するとしても、とてもじゃないけども間に合わない。

 となると、ムン・ジョンイン特別補佐官が言っていた「大統領が決断すれば米軍は韓国に居座り続けることはできない」って強硬手段が残っていますが。
 これは米韓軍事同盟を完全に解消する、ということになる。
 ムン・ジェインの意向としてはあくまでも「北朝鮮との連邦制等の南北統一のための足掛かり」くらいなのでしょうけども。
 アメリカから見れば完全な中国への傾倒宣言でしかない。
 ……常識から考えれば「そんなのやるわけがない」となるのですが。

 去年のGSOMIA破棄も「常識で考えればあり得ない選択肢」だったのですが、飄々とやってのけましたからね。
 さすがにアメリカにぶっ叩かれて撤回しましたが。
 あれでどれだけ「自主派」「民族派」と呼ばれている連中がムン・ジェイン政権で主流となっているか分かりましたね。
 北朝鮮から「米軍を追い出せば云々」という条件を出されたら、どうなるか分からないのですよ。ホントに。

アメリカ国営メディア「韓国は中国ではなくアメリカを選択すべきだ」「中国を選べば自由主義国家として悲惨な結末を迎える」

カテゴリ:米韓関係 コメント:(83)
タグ: 米韓関係 VOA
韓経:「韓国が中国を選択すれば悲惨に…在韓米軍が撤収すれば復帰ない」(韓国経済新聞)
米韓同盟の脅威「中国変数」……「韓国、中国選んで孤立招いてはならない」(Voice of America Korea・朝鮮語)
米ワシントンで次期政権発足以降の韓米同盟の未来に関する議論が活発に行われている中、韓半島(朝鮮半島)問題に詳しい米国の専門家らが「中国変数」に対する韓国の態度に注目する雰囲気が形成されていると、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)放送が16日(現地時間)報じた。

VOAによると、米国務省で北朝鮮核問題担当大使を務めたロバート・ガルーチ氏は「韓米両国は同盟を通じて利益を得ていて、今後も当分はそうなるはず」と述べ、韓米同盟は長期的に両国にプラスだという米国型の一般的な見解を伝えた。 (中略)

ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン研究員は「韓国は中国との近接性にバランスを保ってくれる(米国との)長期的な同盟から恩恵を得る」としながらも「最終的に決定するのは韓国」と述べた。続いて「米軍は韓国から撤収する場合、二度も戻らないだろう」とし「したがって(韓国は)慎重に決めなければならず、おそらく北朝鮮の脅威が少なくとも部分的に緩和した後に選択すべきだろう」と指摘した。
(引用ここまで)


 アメリカの国営放送であるヴォイス・オブ・アメリカの韓国版に「中国からの圧迫があっても、韓国は自由主義国家としてアメリカを同盟相手として選んできたのだし、選ぶべきだ」という記事が掲載されています。
 記事中で多くの専門家が同様の提言を行なっています。
 これはなかなか壮観な並びですね。

・ロバート・ガルーチ元北朝鮮核問題担当大使
・バーウェル・ベル元在韓米軍司令官
・アンドリュー・ヨ カトリック大学教授
・マイケル・オハンロン ブルッキング研究所上級研究員
・スコット・スナイダーCFR上級研究員
・マイケル・グリーン CSIS副理事長

 アメリカの東アジアの専門家が揃いまくってますね。
 総じて「中国の圧迫があるにしても、韓国はアメリカを選ぶべきでそれが総体的な利益につながる」という話をしています。
 もし、中国の歓心を買うことにリソースを集中しすぎるのなら、それは凄惨な結果を招くだろうと。
 特に元在韓米軍司令官であるベル氏からは「自由主義国家として自由と独立を維持したいなら中国からの支配に陥ることは避けるべき。(略)自由主義国家としての韓国の将来は凄惨なものとなるから」との提言。
 マイケル・オハンロン氏からは「もし、同盟を破棄して米軍が撤退するのであれば、2度と戻ってこないだろう」と最後通牒とも見える呼びかけ。

 それだけムン・ジェイン政権のありように恐れをなしている……ということなのでしょう。
 ムン・ジェインの師匠筋にあたるノ・ムヒョンも大概無茶苦茶でした。
 当時の国防長官であったロバート・ゲーツ氏から「反米的でおそらく少し頭がおかしい」という評価をされていましたし、Wikileaksへの流出資料では当時の駐韓アメリカ大使が「彼は竹島問題で狂った行動をするかもしれない」と危惧していたことが知られています。
 そのノ・ムヒョンの正統たる後継者はムン・ジェインであることは衆目の一致を見るところ。

 残された任期は1年半、ここでなんらかの北朝鮮関連のレガシーが残せなかった場合、なにをするか分からないのですよ。
 古田博司筑波大学教授は「最後の最後でノ・ムヒョンが北朝鮮主体の吸収合併を言い出してもおかしくない」と危惧していました。
 ムン・ジェインにもノ・ムヒョンと同じか、それ以上の狂気を感じるのです。
 最後の最後に「米韓同盟やーめた」とかやりかねない。
 すでにムン・ジェイン政権の外交・安保のメンターであるムン・ジョンイン特別補佐官は「韓国の大統領が出ていけといえば、在韓米軍は出ていく以外の選択肢はない」という発言をしています。
 そして、彼の発言は韓国の外交方針そのもの。
 んー、もう遅かったような気がするな……。

韓国メディア「バイデンは日本と先に電話会談した」→韓国政府「この時間を先に決めたのは韓国!」「日本は10分、韓国は14分も会談した!」……うわ、きっつ……

青瓦台「われわれは日本よりも先に電話会談の約束を取り付けた」(朝鮮日報)
 米国大統領選挙で当選したバイデン氏は12日午前9時(米国時間の11日午後7時)、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と電話会談を行う30分前に日本の菅義偉・首相と先に電話会談を行った。これを巡って一部からは「バイデン氏を巡る最初の外交戦において、日本が先手を打ったのではないか」との見方が出ている。これに対して青瓦台(韓国大統領府)は「(文大統領とバイデン氏との)電話会談にはこちらの意向が反映された」と説明した。青瓦台のある関係者は「われわれが午前9時にやろうと提案したということだ」と述べた。

 この関係者によると、文大統領とバイデン氏との電話会談の時間を青瓦台が先に決めた後に、米日首脳による電話会談の日時が決まったというのだ。この関係者は「『韓国は日本よりも30分遅れて電話会談を行った』という形で、何か『日本が勝った』というような記事も出ているが、首脳同士による電話会談は相互の調整により、やりやすい時間に行われるものだ」「誰が先かどうかは重要ではない」と主張した。ただし青瓦台はこの日「(双方は)14分にわたり電話会談を行った」と明らかにしたのに対し、日本は「約10分間会談した」と説明した。
(引用ここまで)


 うわ、きっつ……。
 朝イチで読む記事じゃないですね。

 昨日、バイデン次期大統領は日本、韓国、オーストラリアの首脳とそれぞれ電話会談を行いました。順番もこのままだったようです。
 昨日の韓国政府による「インド太平洋とは地域概念だ」というエントリを書いていた時点で外務省には「8時20分から」、韓国大統領府には「9時から」という記事がそれぞれ上がっていたので、順番も書こうかと思っていたのですが。
 それを書くと記事の焦点が微妙に拡散してしまうので書かずにおいたのですよ。

菅総理大臣とバイデン次期米国大統領との電話会談(外務省)
「バイデン」米国大統領当選者と電話通話関連したカン・ミンソク報道官による会見(青瓦台)

 まあ、言うほど重要なファクターではないかなと感じたので。
 一昨々日にはカナダ、一昨日は欧州各国、昨日はアジア各国と地域ごとにまとめている。
 その中で順番云々言っても意味がないなーというところだったのですが。

 やっぱり韓国にとっては大問題だったようです。
 「9時からの会談を決めたのは韓国政府だ」
 「その後に日本は時間を決めたにすぎない」
 「日本の会談時間は10分、韓国は14分だ」
 ……ですって。

 外務省サイトによると約15分とあるのですけどね。
 韓国的には時間も大事なのでしょう。
ASEANで安倍総理を待ち構えて首脳会談を行った時は韓国側は「11分」と端数も大事に表記(日本側表記では約10分)し、その前回の首脳会談でも「韓国側の意向で21分と表記」するとか細かいところにだけこだわり続けているのですから。

 いやぁ……それにしてもきついっすわ。

韓国政府「バイデン次期大統領との電話会談で『インド太平洋』って言葉が出たけど、これはインド太平洋戦略とは関係ない。対中けん制ではない!」と主張するものの……

バイデン氏発言の「インド太平洋」 対中けん制のことではない=韓国大統領府(聯合ニュース)
 韓国青瓦台(大統領府)は12日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とバイデン米次期大統領の電話会談で、バイデン氏が韓米同盟を「インド太平洋地域の安全保障と繁栄の中心軸」と表現したことを巡り、中国へのけん制を強調するものとの見方が出ていることについて、これを否定した。

 青瓦台の康珉碩(カン・ミンソク)報道官は同日午前に行われた文大統領とバイデン氏による電話会談の内容に関する見解を報道陣に伝える中で、バイデン氏の韓米同盟に関する言及で出た「インド・太平洋」は地理的なことを指すものであり、中国をけん制するトランプ現政権の「インド太平洋戦略」とは関係がないと説明した。

 康氏はまた、「中心軸」という表現は韓米同盟の重要性を示すために長く用いられてきた言葉だとした上で、「それ以外の意味を与えることは適切でない」と指摘した。
(引用ここまで)


 今日、バイデン次期大統領は日本の菅総理、韓国のムン・ジェイン大統領、オーストラリアのスコット・モリソン首相とそれぞれ電話会談を行っています。
 それぞれの会談内容はこんな感じだったとのこと。



 ワシントンポスト紙のジョン・ハドソン氏のTweetでは日韓豪の電話首脳会談すべてで「インド・太平洋」の言葉が入っており、かつ氏は「韓国との会談でこの言葉が入っているのはちょっと面白いね。トランプ時代から対中政策で米韓間で問題があった部分なのに」との感想を述べてます。

 個人的にちょっと気になるのは「安全で繁栄したインド太平洋」という用語になっている部分。トランプ時代の「自由で開かれたインド太平洋」という言葉を使いたくなかったのか。
 それとも用語を入れ替えることで概念にまで影響を及ぼそうとしているのか。

 日本側での発表はこんな感じ。

菅総理大臣とバイデン次期米国大統領との電話会談(外務省)

 日本側からは尖閣諸島への日米安保条約第5条の適用について言及していますが、バイデン側からの発表では「日米安保条約第5条を適用」までになってますね。まあ、そりゃそうだ。別に矛盾がある話ではありません。

 さて、韓国の外交部も同様にリリースを出しているのですが。
 この「インド太平洋地域における安保と繁栄の中心軸」という表現における「インド太平洋」は地域の話であって「インド太平洋戦略」とは関係がないんですって(笑)。

 日本、韓国、オーストラリアに並んで同じ「安全で繁栄したインド太平洋」という表現を使っていて、日本からは「自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて」と表現がある。
 これで「バイデン新政権は『インド太平洋戦略』の意味ではこの言葉を使っていない」っていうのは無理筋だわ。
 なんとかして日本、それも安倍前総理の提唱したインド太平洋戦略を葬りたいというのが本音なのでしょうけども。
 さすがになぁ。

 そもそもインド太平洋戦略が採用されはじめたのはオバマ政権で、いわゆるアジアリバランス政策との相性から採用されたという面がある。
 そしてバイデンはその時の副大統領だったわけで。
 オバマ政権の頃の話を忘れすぎでしょ。

おすすめ書籍。「はじめての地政学」って感じの本です。

韓国外相「バイデン氏の側近とあって北朝鮮問題を語った!」→ 国務長官候補の一人「韓国外相と新型コロナについて話しあった」

[単独]カン・ギョンファと会ったが……バイデン側近クーンズ北朝鮮への言及は`ノー`(毎日経済・朝鮮語)
現在、米国出張中のカン・ギョンファ外交部長官が10日(現地時間)ジョー・バイデン米大統領当選者の側近であるクリス・クーンズ上院議員に会って、北朝鮮の核問題の緊急性を強調した言及したが、肝心のクーンズ議員は、北朝鮮の核問題について何ら言及していていないことが分かった。 (中略)

特派員懇談会で言及内容を見ると、韓半島の平和プロセスの推進に関連して韓国政府の確固たる意志を説明し、そのための外交努力を強調したというのがカン長官の説明である。カン長官は「過去の民主党政権は、韓国政府と韓半島の平和のために緊密に協力して協力してきた経験があるだけにバイデン政権の発足後、速やかに韓米間の呼吸を合わせることができるものと期待している」と説明した。

しかし、姜長官と面談した後クーンズ議員が自身のツイッターに公開した会合の内容を見ると、北朝鮮や北朝鮮の核と関連した直接言及は発見されなかった。クーンズ議員は「私はカン・ギョンファ韓国外交部長官とコロナ19に相互対応するための方案に対して優れた議論をした」と明らかにした。続いて「米国と韓国の同盟は、互いに同じ価値を共有するために根を置いているように強くする」と記した。

姜長官は、北朝鮮の核問題とそれを解決するための外交的アプローチの必要性を喚起するとの説明したのとは異なりクーンズ議員は、両国の同盟関係の重要性を強調するために終わったのだ。 (中略)

北朝鮮に対して一切触れていないクーンズ議員の慎重なツイート反応を見ると、バイデン次期の2000人を超えるものと知られている彼の外交安保諮問グループの関心と優先順位で「北朝鮮との対話の模索」議題がまだ「遠い抜歯」にあることを推測することができる。したがってコロナ19関連の相互協力に積極的に関心を示したクーンズ議員のツイートのようにコロナ19協力という遠い問題からムン・ジェイン政府がバイデン政権を相手にじわじわ協力の勢いを育てる必要があるように見える。
(引用ここまで)


 一時は「民主党側の外交担当者と会えるかどうかは分からない」とまでされていたカン・ギョンファ外交部長官でしたが、なんとバイデン氏の側近であるクリス・クーンツ氏と会談できたそうですよ。
 ポンペオ国務長官とはランチミーティングだったので、どうにか面目が保てたとは言えるかな。

 で、その会談後に特派員との会談で「朝鮮半島平和プロセスについての韓国政府の働きかけについて語った」と鼻高々だった模様。
 まあ、クリス・クーンズ氏といえばトニー・ブリンケン氏やスーザン・ライス氏らとともに国務長官候補とされている人物で、将来のカウンターパートとなり得る人物。
 まあ、「外交担当の重鎮と会談したったわ」くらいの勢いになってもいいんじゃないでしょうかね。

 ただ、クーンズ氏のTwitterを見ると……



 カン・ギョンファ長官との会談で話題にしているのは新型コロナウイルスで共闘しようということと、米韓同盟が共通の価値観に基づいた強力なものであるということだけ。
 「朝鮮半島平和プロセス? なにそれ」くらいの勢い。
 少なくとも韓国政府が主張するところの「朝鮮半島平和プロセス」やら「終戦宣言ガー」という部分にはあまり興味がないのでしょう。
 これが北朝鮮への強硬派として知られているトニー・ブリンケン氏だったりしたらもう目も当てられない話になったでしょうから会談相手としては正解だったとは思いますが。

 これでカン・ギョンファ長官の訪米日程は終了で帰国することになるはずですが……まあ、クーンズ氏と会談できたことは収穫と言っていいんじゃないでしょうか。
 その中身が本当に主張しているようなものであったかどうかはともかくとして。
 日本側ももうちょっとアプローチがあってもいいと思うんだけどな。


韓国外相「バイデン新政権は『戦略的忍耐』への回帰はしない」と発言……その他にも韓国側からは「オバマの戦略的忍耐は失敗だった」との発言も……その戦略的忍耐の時の副大統領がバイデンなんですけどね……

バイデン側が外国接触禁止令中なのに…韓国外交部長官の訪米「ナンセンス外交」(中央日報)
米国大統領選以降、ワシントンでは「勝者対敗者」ではなく「勝者対不服者」の間の過去初めての対決が続いている。韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官の訪米はまさに「その渦中に」行われた。トランプ側・バイデン側双方と接触し、韓米同盟の強化を試みるという野心に充ちた目標だ。

だが、外交界では康長官の訪米計画発表以降、「なぜ?」「それも今?」という質問が絶えない。退くドナルド・トランプ政府との業務協議は実益がなく、ジョー・バイデン当選者キャンプや業務引継委員会は外国政府の要人とは接触していないためだ。

ところが与党「共に民主党」韓半島(朝鮮半島)タスクフォース(TF)所属の宋永吉(ソン・ヨンギル)・金漢正(キム・ハンジョン)・金炳基(キム・ビョンギ)・尹建永(ユン・ゴンヨン)議員も16~20日に米ワシントンを訪問してバイデン側の人々との接触を調整すると明らかにした。朴振(パク・ジン)議員が率いる野党「国民の力」外交安保特別委員会も訪米を検討中だ。政府だけでなく政界も先を争って「バイデン詣で」だ。

もちろんバイデン側とは可能なすべてのルートを使って人脈を構築するのは間違ったことではない。だが、そうであるなら大統領選レースが本格化する前に、水面下で行うべきだった。現在、バイデン業務引継委員会は米国駐在外交使節が電子メールを送っても一切答えない「既読スルー」モードを稼働中という言葉までワシントンからは出てくる。 (中略)

康長官は「(バイデン政府がオバマ政府の)戦略的忍耐に戻るわけではない」と述べた(8日ワシントン)。

この外に「戦略的忍耐ではなく、クリントン政府の積極的関与政策に進む可能性が高い」〔9日宋永吉(ソン・ヨンギル)国会外交統一委員長〕、「戦略的忍耐は民主党内部でも失敗した戦略なので自ら持ち出すはずがない」〔9日金峻亨(キム・ジュンヒョン)国立外交院長)など、似たような発言が政府の内外から出ている。

言葉自体に誤りがある。バイデン側はまだ北朝鮮政策はもちろん、韓半島(朝鮮半島)ラインの人事に手も付けていないためだ。(中略)第3国である韓国の責任ある人々が先を争ってバイデン政府が戦略的忍耐に回帰するだのしないだのと「予言」すること自体がナンセンスだ。また、オバマ政府は「戦略的忍耐」を北朝鮮政策の基調だと認めていなかっただけではなく、この表現を非常に不快に受け止めていることは外交界の常識だ。
(引用ここまで)


 カン・ギョンファ外交部長官が訪問先のアメリカで「バイデン新政権はオバマ政権時代の『戦略的忍耐』に回帰するわけではない」と発言。
 韓国の与党である共に民主党側からは「クリントン政権時代の関与政策になるのではないか」とか「戦略的忍耐は失敗だったので回帰するわけがない」等々の発言があったとのこと。

 先日のムン・ジェイン大統領による「トランプ大統領の対北路線を継承しよう」とバイデン新政権に対して呼びかけたという話もそうなのですが。
 なんで韓国がアメリカの対北政策を規定するつもりでいるんだか。
 まあ、100歩譲って外交的意見の表明だ、というのであればまだギリギリ理解の範疇と言えなくもないですが。

 わざわざこの微妙な時期に訪米して、かつトランプ政権のポンペオ国務長官と会いつつ、もう片手ではバイデン新政権に近いとされる外交政策担当者に会いながら「戦略的忍耐に回帰するな」とか「戦略的忍耐は失敗だった」とか言い出している。
 バイデンはその「失敗した戦略」を実行していた当時の副大統領だった人物なのですけどね。

 こうしたハイリスクをとっての訪米ですが、そのリスクに見合ったなんらかの成果が出せればいいのですが。
 虻蜂取らずどころか両陣営から嫌われるなんて可能性もあるわけで。
 退任する来年1月まで針のむしろに座らされたまま、そしてそれ以降もその位置のまま変わらない可能性すらある。
 まあ、リスクを取らずに利益は得られないものではありますが。
 なんでわざわざこの時期に……とは思いますし、わざわざ訪米しておいてその発言はどうなのとも思いますね。