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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

韓国与党議員「キム・ジョンウンが嫌がっているから米韓合同軍事演習は延期すべきだ」と言い出す。なお、元正義連理事のユン・ミヒャンも参加

尹美香氏など韓国与党議員35人「韓米演習を延期せよ…金正恩総書記が反発する」(中央日報)
与党議員35人が25日声明を出して翌月に予定された韓米合同演習を延期するように促した。議員らは韓半島(朝鮮半島)の平和と金正恩(キム・ジョンウン)総書記が反発しているという点を理由にあげた。声明にはアン・ミンソク、尹美香(ユン・ミヒャン)、キム・ナムグクなど共に民主党議員とチェ・ガンウクなど開かれた民主党の議員が参加した。

議員らは「今は韓半島の平和のために新しい一歩を踏み出す時」として「この機会を逃がさないための戦略的な方法として韓米政府が韓米合同演習の延期を決断することを丁寧に訴える」とした。議員らは「わが国防部は従来に実施してきたように、防御的意味の連合指揮所の訓練だと説明しているが、北朝鮮は金正恩総書記まで直接出て強力に反発しており、さらに今年党大会では南北関係の『根本的問題』として前面に出している」と理由を説明した。

また「現在の韓半島情勢は南北間、米朝間相互不信の壁が非常に高く、一寸先も見えない」として「したがって、現時点で韓米合同演習は北朝鮮側の強硬対応を誘発し、極端な外交・安保的対立を起こす可能性がある」と主張した。
(引用ここまで)


 元正義連理事長で慰安婦ビジネスの元締めであるユン・ミヒャン議員をはじめとした与党議員35人が3月に予定されている米韓合同軍事演習に対して「中止せよ!」と言い出した、との話。
 その理由は「キム・ジョンウン総書記が反発しているから」だそうです。

 もとより挺対協、正義連は北朝鮮との関連が噂されている組織です。
 挺対協は金正日が亡くなった際に弔電を出したことでも知られていますし、ユン・ミヒャンの旦那は北朝鮮と通じているとして逮捕された経歴のある人物。
 実際、脱北者に面会して「北へ戻れ」と懐柔しようとしたとの証言もあります。
 まあ、正直なところ脱北者の証言というのは信じ切れないというのも実際ですけどね。
 なんでもかんでも切り売りしようとするからな、連中。

 まあ、そんなわけで正体をさらけ出したといったところです。
 トランプ政権下ではハノイでの決裂以降、「金の無駄だ」として米韓での合同軍事演習は中止されていました。
 北朝鮮から要請があったということもありますが、それに乗じてという感じでしたね。
 それがバイデン政権になってからは復活しようとしています。

 さて、この動きに対してムン・ジェイン大統領が出るか。
 「合同軍事演習やめたい」ってアメリカ側に言えるほどの胆力はあるのか。それともなにも考えずに「キム・ジョンウンが嫌がっている」の一点張りでやめるのか。
 ちょっと注目したいところではありますかね。

韓国保守紙からムン・ジェインに向けて「頼むからアメリカを蔑ろにするのはやめてくれ!」と悲鳴のような社説

【社説】中国側に漂流する韓国、その結果に責任を取れるのか(朝鮮日報)
【社説】韓日米協力の再建を通じて外交孤立から抜け出してほしい(中央日報)
中国の習近平・国家主席が覇権を目指す考えを明確にしたことで、今世界では「中共体制」に対する警戒が一気に強まっている。そのため米国はインド・太平洋地域で「クアッド」を拡大する新たな安全保障協力体を立ち上げようとしているが、これに加わらないとなれば、それは米国との同盟関係が弱体化することを意味する。

 ところが韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)前外相は「(クアッドは)良いアイデアではない」と述べた。今の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官も「透明で開放的、抱擁的でなければならない」と条件をつけた。中国を牽制するクアッドには参加しない意向を明確にしたのだ。(中略)米国による中国牽制の活動を全て拒否しているのだ。このような態度を取る韓国を米国がどう考えるかはもはや問い直す必要もないだろう。 (中略)

詐欺的な非核化や南北ショーもすでに終わった。それでも「南北」ばかりを口にしているようでは、安全保障政策と外交政策はどこにいってしまうのか。中国市場が大きく重要なことは事実だ。しかし韓国は米国なしに北朝鮮の核ミサイルを1発でも防げるのか。米国なしに、中国による韓半島、あるいはアジアでの覇権の野望を阻止できるのか。米国なしに今の繁栄が可能で、今後も米国なしにこの繁栄を維持できるのか。米国人たちは「韓国は中国の側に漂流を続け、流れている」と指摘する。文在寅政権はその結果に責任が取れるのか。
(引用ここまで)

欧州とアジア・太平洋民主主義国家の「反中連合」が可視化し、国際情勢が揺れ動き始めた。しかし、韓国政府は中国と北朝鮮の顔色を伺いながら日本と衝突する一方、韓米同盟の管理はないがしろにした結果、新しいグローバル構図から一人ぼっちになる危機に処した。

政府もこのような現実を認識し、あたふたと韓日関係の改善に出ているが、日本は消極的だ。徴用・慰安婦問題が自国の思い通りに解決されない限り、韓国と生半可に手を握ることはないという立場が強い。政府は念願の南北関係の改善に向けて米国との連携が切実な状況だが、バイデン行政府は韓日関係から先に改善してほしいとの立場なので困惑している。19日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で徴用・慰安婦問題に関連して「日本の真心のこめた謝罪にかかっている状況」と「韓日関係の正常化が大事だ」という微妙な立場の隔たりが相次ぎ浮き彫りとなったのは政府の困惑を端的に見せる。 (中略)

中国に言うべきことは言いながらも協力する関係を作ることが賢明な選択だ。アンゲラ・メルケル独首相はバイデン行政府の中国たたきに参加しながらも「気候変動や生物多様性のような世界的な問題では中国との連携が必要だ」と米国に促した。韓国もこのようなドイツ式の柔軟な戦術を駆使すれば、クアッドに参加しながらも中国と協力関係を維持することができないわけがない。
(引用ここまで)


 図らずも中央日報と朝鮮日報という韓国の保守紙から悲鳴のような社説が上がってきています。
 これ以上、アメリカの立場を蔑ろにするようなことをやめてくれ、という懇願ですね。
 少なくとももう少しバランスをとることはできるのではないか。
 いまの状態はあまりにもみすぼらしい、ということを訴えかけています。
 両紙とも保守紙であって左派政権に諫言するという立場であることを認識した上でも、もうだいぶ疲弊している感じ。
 同じ日にこういった社説が並ぶのもなかなか面白い。

 というか中国にこれ以上傅いても得られるものがないのではないか、ということにも気がつくべき。
 なんせ三不の誓いを捧げたのが2017年10月。カン・ギョンファ前外交部長官が「中国とTHAAD追加配備をしない、日米韓三国同盟を結ばない」等の「協議の結果」を国会で明かしました。
 当時、アメリカからも「主権を放棄したとは思わない」っていう絶妙なコメントがありましたっけ。普通に考えれば主権放棄と受け取れるに等しいレベルのことをやってのですよ。

 で、三不を受け入れたことによってなんとか国賓としてムン・ジェイン大統領は訪中したのですよ。それが同年12月。わずか2ヶ月後。
 そこでムン・ジェインはどのように歓待を受けたかというと、こんな感じ
 もう悲惨の一言に尽きる。
 あれを体験してでもなお、まだ中国にコミットしようというのだから筋金入り。
 中国共産党の序列でいったら下位の王毅外交部長に同格の扱いを受けてもまだ中国にミリほども反抗しない。鉄の意志。
 あれと同じことを何度でも何度でも繰り返すのでしょうね。

 「中国には逆らえない」というコマンドが遺伝子レベルで染みついているんだろうなぁ……。
 まあ、そんな国から見たらクアッドも「よくないアイディア」だったり「透明性があれば参加する」ていどのものなのでしょうよ。

韓国メディア「日本はインド太平洋戦略の要になっているのに韓国は枠組みの外だ」……それが韓国の望みなのだからしょうがない

日本は米国とさらに密着...クアッド事務局の役割を果たし影響力強化に乗り出す(朝鮮日報)
バイデンの同盟外交の舞台に韓国はいなかった(朝鮮日報)
 バイデン政権は日本の安倍晋三・前首相が提唱した「自由で開かれたインド・太平洋(FOIP)」というスローガンをそのまま使用することで日本に力を与えている。ミャンマーで軍事クーデターが起こった際にも、アジア諸国の中で最初に日本とこの問題について意見を交換した。茂木敏充外相は先日からインドに対し、より積極的に中国に対抗するよう説得を続けているという。

 日本は米日同盟の基盤の上に欧州の主要国をインド・太平洋地域に引き入れる役割も果たしている。日本は今月はじめに開催された英国との外相・国防相会議(2プラス2)を通じ、英国が今年インド・太平洋地域に空母クイーン・エリザベス艦隊を派遣することと、米国と共に3カ国共同の軍事訓練を行うことで合意した。フランスも近くインド・太平洋地域に艦隊を派遣し、3カ国による演習を実施した後に長崎県の佐世保港に入港する予定だ。

米日同盟がバイデン政権発足によって一段階アップグレードするような雰囲気も見受けられる。米国は新政権発足からわずか1週間で大統領、国務長官、ホワイトハウス国家安保補佐官が相次いで日中が領有権を主張している尖閣諸島(中国名、釣魚島)防衛の意向を明確にしたが、これは過去にはなかったことだ。
(引用ここまで)

米国のバイデン政権発足直後から米国と同盟国による多国間外交が激しく展開しているが、ここに韓国の姿は見られない。米国のブリンケン国務長官は18日(現地時間)、米国、日本、オーストラリア、インドの4カ国連合体「クアッド」外相による遠隔会議、さらに米国とE3(英国、フランス、ドイツ)外相の遠隔会議を相次いで開催し、中国牽制(けんせい)の方策について意見を交換した。バイデン大統領は19日に同じく遠隔で開催されたG7(主要7カ国)首脳会議で多国間外交の舞台にデビューを果たした。

 米国は主要な同盟国、あるいはパートナーとの会議を2日間に集中して行うことで「新たな枠組み」の形成に乗り出しているが、韓国はいずれの会議にも参加できなかった。 (中略)

 東南アジア諸国連合(ASEAN)のような地域連合体との交流や協力においてもクアッドが一つの単位になる可能性が考えられる。オーストラリア外務省はクアッド外相会議の結果を発表する際「クアッド諸国は(インド・太平洋を)安定的かつ繁栄する地域に発展させるため、ASEANとも協力を進めていく」と述べた。これまで韓国は「ASEAN+3(韓国、中国、日本)」の形を通じてASEANとの関係を維持してきた。これが「ASEAN+クアッド」となった場合、今の力学関係も揺らいできそうだ。
(引用ここまで)


 クアッド、およびインド太平洋戦略においてその提唱者である日本の地位は明白に高くなっています。
 以前も書いたようにこれは安倍前総理が長期政権をなし得たことによる、方向性の安定が大きく寄与していることでもありますが。
 最大の要因は中国による戦狼外交、おいしいとこ取り通商の「被害者連合」をうまい時期に提唱できたということですかね。
 フランス、ドイツ、イギリスがインド太平洋戦略にそれぞれ乗ってきたというのは、時代の要請に応えられたものであったからといえるでしょう。

 で、朝鮮日報はその枠組みの中に韓国がミリほども入れていないことを危惧しているのですが。
 まあ、ムン・ジェイン政府にとっては幸いなんじゃないでしょうかね?
 だってカン・ギョンファ外交部長官(当時・外相に相当)はクアッドについて「よくないアイディアだ」と断言していましたし。
 それ以前にも日米韓の3ヶ国防衛相会談もキャンセルしていました。コロナ禍を理由にして。
 でも、ほぼ同時期に中国の外交トップは韓国訪問を果たしてましたね。

 韓国派「こちらの枠組みに入りたくない」という態度を延々と示している。
 バイデン大統領もそれに配慮して、ムン・ジェイン大統領との電話首脳会談の概要には「インド太平洋」という文言を盛り込んでいませんでした
 クアッドを構成する日本、インド、オーストラリアとの電話首脳会談ではそれぞれなんらかの形で「インド太平洋」という文言が入っているのと対照的でしたね。

 ちなみに日本は先月、EUの外務理事会に招かれて初出席を果たしています。
 「インド太平洋戦略」について討議する場で、日本に対して助言を求めてきたとのこと。

EUに「インド太平洋」連携呼びかけ 外務理事会に日本初出席(日本経済新聞)

 韓国はこうした日本が主導する事柄のひとつひとつが気に入らないようなのですが。
 2017年にも米韓首脳会談の発表文に「インド太平洋地域の安保、安定と反映のための〜」と書かれていたものを翌日に否定するなんてこともありました。
 それも「インド太平洋戦略は日本が主導しているものなので、三不を掲げて『日米韓同盟をしない』と中国に誓っているために同調できない」というもの。

 まあ、現在の位置くらいが韓国には一番いいんじゃないでしょうかね。
 その結果、もしかしたら中国の子分としていい目を見させてもらえる可能性というのもなくはないですからね?

バイデン政権は「日米韓関係は重要だ」と口では言うものの……どうも対中政策の要とは考えていないのかもしれない、という話

米国務省「韓日間の緊張は遺憾」(朝鮮日報)
米国務省が「現在存在している韓国と日本の緊張状態は遺憾」とコメントした。米国務省のブリンケン長官も韓国外交部(省に相当)の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官との初の電話会談で「韓米日による三角協力」を改めて強調した。慰安婦問題や強制徴用問題などの歴史問題で韓日関係が突破口を見いだせない中、米国から関係改善を求める要求が徐々に強まっているのだ。

 米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、米国務省報道官室の関係者は12日(現地時間)「現在存在している韓国と日本の緊張状態は遺憾なこと」「日本と韓国との関係以上に重要なことはない」とコメントしたという。この関係者は「われわれは韓日協力を深める機会を模索する」とも述べ、北朝鮮問題やコロナの感染対策、気候変動、サイバー攻撃の脅威などにも言及した。

 ブリンケン国務長官も鄭長官との最初の電話会談で「韓米日協力」を改めて強調した。国務省のネッド・プライス報道官は「韓米同盟は世界の安全保障と平和のリンチピン(要のピン)であることと、持続的な韓米日協力の重要性を訴えた」と説明した。
(引用ここまで)


 バイデン政権が日米韓関係をどのような位置づけにするのか。
 対中国政策として用いるのか、それとも対北朝鮮政策として用いるのか。あるいは両方なのか。
 それによって話は変わってくるでしょうね。

 現状、バイデン政権による外交の優先度を見ると、北朝鮮問題はさほど高いものであるとも思えません。
 朝鮮半島問題そのものの位置づけが低く、対中外交のサブセットとなっている感触です。あくまでも現在は、ですが。
 これが北朝鮮がアメリカの注目を受けようとして核実験を行ったり、「衛星打ち上げ」と称してICBMを打ち上げるようなことがあれば話はまた別なのですけども。

 そして、現在のところバイデン政権は日米韓関係を対北朝鮮政策としてのみ扱っていく方向になるのではないかと思われるのです。
 日本に遅れること1週間後に行われた米韓電話首脳会談ではアメリカからの概要に「米韓同盟は北東アジアにおける基幹」との文言が含まれていました。
 日本、インド、オーストラリア首脳との電話会談における概要(Readout)ではインド太平洋(Indo-Pacific)の文言が入っています。

Readout of President Joseph R. Biden, Jr. Call with Prime Minister Scott Morrison of Australia(White House・英語)
Readout of President Joseph R. Biden, Jr. Call with Prime Minister Narendra Modi of India(White House・英語)

 そうして韓国を格下げすることで、対中政策の邪魔にならないように配慮しているのではないかと感じられるのです。
 ただまあ、記事にあるVoice of Americaの記事では「日米韓関係は重要だ」ということが述べられているのですけども。

米政府、米韓同盟の重要性を強調...専門家ら「北東アジア政策の中核、課題が多い」(Voice of America Korea・朝鮮語)

 VoAの記事中では「日韓関係が悪くとも、パンデミックなど協力できる部分はあるはず」「アメリカは日韓関係に立ち入らない」「裁判官役をすることはない」といった専門家の言葉があります。
 この中に出てくるヘリテージ財団のブルース・クリングナー氏の過去のインタビューもあるのでそちらも参考になると思います。

日韓対立、米は仲裁せず、ヘリテージ財団クリングナー氏(日経ビジネス)

 ハノイでの米朝首脳会談の決裂後のものですが、現在の日韓関係の悪化はこれまでのそれとは質が異なっているという話をしています。
 どちらにせよアメリカが介入できる部位は最低限。
 そして、介入した結果が慰安婦同意であり、ムン・ジェイン政権による(実質的)破棄であるということを鑑みれば、日米韓関係というものをことさらクローズアップすることは少ないのではないのかな、と感じられます。

中国のやりようは必ずしも戦狼外交だけではない、という話。

韓国メディア「アメリカ議会から『日韓関係悪化が日米韓協調を損なっている』とのレポートを出した」……報じていない一文があるよね?

カテゴリ:米韓関係 コメント:(68)
米議会調査局「韓日関係の数十年来の最低レベル……日米韓協調弱体化」(聯合ニュース・朝鮮語)
米国議会調査局(CRS)は、日韓関係が数十年ぶりの低水準に悪化して、日米韓3カ国の政策調整が弱体化していると評価した。
CRSは去る2日、日米関係について更新した報告書において韓日関係には日本の過去の植民地支配という敏感な歴史的問題のために、継続的な緊張が存在したとして「2018年以来、二国間関係は数十年ぶりの最低水準を記録した」と述べた。
CRSは「2018〜2019年の貿易、安全保障、歴史関連の議論を含めて、両国政府がとった一連の措置と報復的な対応手段は、両国関係が墜落する状況を招いた」とし「これは日米韓政策調整を弱めた」と述べた。

続いて「ジョー・バイデン政権は、米国の同盟が活性化するようにすると公言した」とし「より効果的な3ヶ国の協力を促進するために、日韓という同盟間の信頼を促進する方法を検討すべき」と述べた。
CRSは「多くの日本人は、北朝鮮が核兵器やミサイルを放棄するという確信を持っていない」とドナルド・トランプ前大統領時代に北朝鮮との外交の試みが日本を不安にさせたと評価した。
また、日本は中国との関係を安定させるために努力して、中国の影響力拡大を警戒して域内の他の国との絆を深めたして、具体例として米国、インド、オーストラリアとの防衛協力を改善するための「クワッド」(Quad)協力擁護を挙げた。
(引用ここまで)


 実際のCRSによるレポートはこちら(PDF注意)。

South Korea: Background and U.S. Relations(Congressional Research Service・英語/PDF)
U.S.-Japan Relations(Congressional Research Service・英語/PDF)

 日韓関係について書かれているのは、どちらも2ページ目の真ん中あたり。
 全部で2ページちょっとのさほど大きくないレポートですが。
 韓国メディアがあえて外している部分がありますね。

 韓国についてのレポートには最後に「オバマ政権時代の高官の中には韓日関係の改善に多大な努力をした者もいる」という一文があるのです。
 慰安婦合意の背後にアメリカがいた、ということを認識しているとも取れる一文です。

 慰安婦合意当時、副大統領であったバイデン大統領本人もそうですし、ブリンケン国務長官はオバマ政権時代に国務副長官としてアメリカの韓国系市民団体に「慰安婦合意の精神に基づいて行動してほしい」とまで発言したことがあります。
 その発言に対して韓国系団体は大きく反発して「罷免しろ!」とか運動を繰り広げて完全に無視されていたのですけどね。
 さらに「かつての敵をあしざまに言うことで国民の歓心を買うことは簡単だが、こうした挑発は機能停止を招くだけで進歩はない」と韓国に向けて言ったと思われるウェンディ・シャーマン国務次官(当時)は、バイデン政権で国務副長官となっています。彼女は東アジアの専門家です。
 そして「アメリカを合意の証人とすべきだ」と進言したのは管官房長官(当時)ともされています。

 そうした人々が政権を担っている中で、すなわち日米韓が一緒になって描いた慰安婦合意を形成してきた人々の中で、その慰安婦合意を丸めて捨てたムン・ジェイン政権は「日本が悪い」と言い続けることができるのか……ということでもあるわけですが。
 まあ、言うことはできてもそれが通用するとはとても思えない、といったところですかね。
 韓国の自由主義陣営からの離脱を促進しそうな感じではあります。

バイデン政権、「北朝鮮の挑発よりも、同盟国の非協力が問題」と韓国に問題があることを示唆

「北朝鮮の挑発より同盟の非協力が問題」…バイデン政権、韓国に向けた発言か(中央日報)
米国務省のプライス報道官はこの日の定例記者会見で、「北朝鮮への関与が遅れれば、北朝鮮が核実験やミサイル発射など米国の関心を引くための行動をする可能性があるということをバイデン政権は心配しているのか」という質問に対し、「私は我々がパートナーの韓国・日本と緊密に協力しないという展望がさらに心配だと考える」と答えた。バイデン政権は北朝鮮接近法関連の質問が出るたびに「過去の政権の北朝鮮政策全般を検討した後に決める」という立場を繰り返してきたが、この日のプライス報道官の発言は米国や韓国など同盟国間の北朝鮮政策の立場調整を強調した。

プライス報道官は「北朝鮮であれ、イランであれ、そのほかのグローバル挑戦課題であれ、まずは我々が正確に同じ考えを持っていること(on precisely the same page)を確認し、同盟とパートナーに我々が彼らのためにいることを知らせたい」と述べた。続いて「我々が彼らの支持を受けて外交的な努力を共にしているということを確実にすることを願う」と話した。

記者が「米国の同盟の韓国・日本は北朝鮮の核の脅威に対して常に同じ立場を取るわけではない。同盟と接触しながら同じ考えをしていると感じるか」と尋ねると、プライス報道官は即答を避けながら、同盟との調整がさらに必要だという趣旨の発言だけをした。

プライス報道官は「あまりにも速く動き、同盟とパートナーが共に進めないことを危険(risk)だと考える」とし「我々が何らかの接近法を取る前、戦略的な目標が何かを知り、外交的な責務を遂行することが非常に重要だ」と話した。続いて「これに劣らず重要なのはパートナーと同盟が我々の戦略的目標が何かを知っていることだ」と強調した。
(引用ここまで)


 ……まあ、でしょうね。
 韓国側の言い分をまるっきり否定する方向にバイデン政権の対北朝鮮政策はあります。
 先日もチョン・ウィヨン外交部長官候補による「北朝鮮には非核化の意思がある」という発言に対しても即座に「北朝鮮の核拡散指向は国際社会に対する脅威である」と反論する。
 これは同時にムン・ジェイン大統領が新年記者会見で述べていた「キム・ジョンウン委員長には明確な非核化への意思がある」という見解への反論でもあります。

 そもそも、大統領選挙中からトランプ前大統領によるリアリティショウ的な極端なトップダウン方式には反対し続けており、ボトムアップ方式による事務方による折衝からの積み上げで交渉するものと見られています。
 さらにブリンケン国務長官は対北強硬派として知られていた人物。
 事前の予想通りではありますね。
 同盟国を振り回すことなく、その基盤を固めた上で動く。
 対中国でも、対北朝鮮でも、対イランでも同様に動くことでしょう。
 当初は採用していなかった「自由で開かれたインド太平洋」という用語を使うようになったのも、同盟国である日本とのすりあわせを行った結果といえるでしょう。

 オバマ政権時代からのスタッフが多く政権に参加していることからも、「韓国のやっていることをしっかりと認識した上で対応」できているようにいまのところは見えます。
 まだ「日韓関係」そのものについてはアクションを起こしていませんが……まあ、日本を切ったら対中戦略が成り立ちませんからねぇ。

韓国「台湾TSMCが日本に開発拠点、アメリカに工場建設。日米台が半導体で反中連合を……韓国はまた除け者に」……まあ、そういう側面もあるのだけど、実際にはTSMCによるリスクヘッジだよな

台湾TSMC、日本と組み反中連合の先鋒に(朝鮮日報)
 TSMCは9日、茨城県つくば市に日本初となる本格的な開発拠点を設立すると発表した。投資額は186億円となる見込みだ。10日付日本経済新聞は「開発の重要性が増している『後工程』と呼ばれる分野で日本で研究開発に取り組む」などと伝えた。台湾のみで半導体を生産してきたTSMCは最近、攻撃的に海外進出に取り組んでいる。昨年には米アリゾナ州に35億米ドルを投資し、初の海外工場を建設することを決め、今回日本にも進出することになる。インテル、アップル、クアルコムなど大口顧客が集中している米国と半導体素材・設備の先進国である日本にそれぞれ拠点を置き、独走体制を固める戦略だ。TSMCは今年の設備投資に過去最高の250億-280億米ドルを充てる計画だ。米日政府にとっては、台湾企業であるTSMCを支援することで、中国を孤立させる効果もある。実際に米国はTSMCのアリゾナ工場に大規模な税制優遇を行い、日本の経済産業省もTSMCの誘致に向け補助金を約束したとされる。 (中略)

 韓国企業はつらい立場だ。サムスン電子は中国・西安、SKハイニックスは中国の無錫、重慶に半導体工場を持ち、米日台と台湾のどちらかに付くことが難しい状況だ。米日台連合が強固になれば、サムスン電子はTSMCとの競争でも急速に不利な立場に追い込まれ、さらに中国企業に人材と技術を奪われるという二重苦を味わうとの見方もある。現在サムスン電子のファウンドリー市場でのシェアは17%で、TSMC(54%)の3分の1にすぎない。
(引用ここまで)


 世界一の半導体ファウンドリであるTSMCが日本に拠点を作り、日米台のトライアングルで「半導体防衛」をする、という韓国メディアの記事。
 アメリカに工場を作ることも、日本に開発拠点を作ることもTSMCにとってはリスクヘッジなのです。
 米中貿易戦争に対するリスクヘッジでもありますし、それ以上の意味があるのです。 

 2025年までに中国による台湾侵攻があってもおかしくないと踏んでいます。
 楽韓Webでは2017年にアメリカが北朝鮮に対して空爆を行うのではないかと危惧していましたが、実現はしませんでした。
 しかし、後日になってから「いつ開戦していてもおかしくない状況であった」ことが当時の大統領補佐官自衛隊の前統合幕僚長から語られています。
 そのときよりも、2025年までに中国が台湾侵攻を行う確率のほうが高いと考えています。

 その理由はいくつかあるのですが、最大の理由は「中国が自分の力を過信しつつある」ことです。
 東シナ海における米軍のプレゼンスを実際よりも低く見積もり、かつ中国軍自身の力を高く見積もりつつある。
 かつて「私軍の延長」だった人民軍は国軍として成り立ちつつあり、あなどれない力を持ちつつあります。
 ですが、さすがに第七艦隊に対抗できるようになるのはまだ当分先であると感じます。
 ……それでもいくつかの理由で中国が「開戦に踏み切ることができる」と考える可能性は小さくないのです。

 そして中国による台湾侵攻があった場合、成功しようと失敗しようとTSMCは小さくない被害を受けることでしょう。
 そのリスクヘッジがアメリカ、日本への工場、開発拠点設置なのです。
 もちろん、トランプ前大統領の「アメリカ製品の部品はアメリカで作れ」という話に乗った側面もありますけどね。
 税制面、補助金でもかなり優遇されているようですし。
 半導体はかつての鉄や石炭にも相当する戦略物資であるという側面から見れば、インド太平洋戦略の一環でもあるわけです。

 韓国ではこれらのTSMCによる投資が「サムスン電子の追撃をかわすための一手」「中国に対抗する日米台連合」という側面が強調されすぎています。
 現状、ファウンドリとしては今後10年は追いつけないほどの差がTSMCとサムスン電子の間にはあります。
 おまけにサムスン電子の総帥であるイ・ジェヨンは収監され、今後1年半ほどは陣頭指揮を執ることができない。
 正直、韓国はあまり関係ないかな……という感じ。
 というよりも韓国にまかせてられないのでTSMCを大きく扱うようになってきた……という感じか。

米韓首脳電話会談、初手から米韓で見解の違い……ホワイトハウス「米韓同盟は東北アジアの核心軸」……つまり、韓国はインド太平洋戦略とは無縁だということか

文-バイデン大統領、最初の電話会談から見解の違い鮮明に(中央日報)
韓経:バイデン氏「韓米同盟、北東アジアのリンチピン」…インド太平洋戦略から韓国外されたか(中央日報)
この日午前8時25分から57分まで32分間行われた会談直後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はすぐにツイートを上げた。文大統領は「私とバイデン大統領は共同の価値に基づく韓米同盟を一次元アップグレードすることを約束した」と明らかにした。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の姜ミン碩(カン・ミンソク)報道官は会見で「両首脳は韓米同盟を韓半島(朝鮮半島)とインド太平洋地域の協力を越えて民主主義・人権増進に寄与する包括的戦略同盟として引き続き発展させていくことにした」と明らかにした。 (中略)

だが、電話会談後のホワイトハウスの発表をみると、両国間の温度差が明らかになった。対中牽制を念頭に置いた概念や表現がほぼ抜けていた。代表的な例が「インド太平洋」だ。ホワイトハウスはこの日、報道資料を通じてバイデン大統領が韓米同盟をインド太平洋ではない「東北アジアの核心軸(linchpin)」と表現したと伝えた。

これは先月27日、バイデン大統領と菅義偉首相の電話会談後の発表内容と比較される。当時ホワイトハウスは「両首脳はインド太平洋の平和と繁栄のための礎(cornerstone)で米日同盟の重要性を強調した」と明らかにした。バイデン大統領はこの日、オーストラリアのスコット・モリソン首相とも電話会談に臨んだが、ホワイトハウスは「バイデン大統領が米国・オーストラリア同盟をインド太平洋と世界の安定を守るための錨(anchor)として重視した」と明らかにした。

まとめると、韓米同盟は「北東アジアの核心軸」、日米同盟は「インド太平洋の礎」、米豪同盟は「インド太平洋と世界の錨」と表現したが、中国牽制などグローバル戦略でどの同盟をより重視するのかそれとなく表現したといえる。 (中略)

このような違いに対して、青瓦台の核心関係者は「電話会談以降、両側が調整しないでそれぞれ発表した。ホワイトハウスの資料も脈絡は同じだとみる」と話した。
(引用ここまで)

通常、韓国政府は韓米外交で「領域内」「北東アジア地域」などを好む反面、米国は「インド太平洋」という表現を主に使ってきた。インド太平洋地域を強調するのは、この地域の安定を脅かす国に挙げられている中国に対する牽制に韓国の参加を要求すると解釈されるためだ。昨年11月の電話会談で、バイデン氏がインド太平洋同盟のリンチピン役を注文し、「反中戦線」への参加を迂回的に圧迫したという分析が出たりもした。一部では数カ月にわたり韓国がインド太平洋から除外されていることについて、米国の韓米同盟戦略に変化があるのではないかという見方も出ている。
(引用ここまで)


 昨日の米韓電話首脳会談について書いたエントリで「韓国とアメリカ、それぞれの発表をつきあわせてみないと評価はできない」とちらと書いていました。
 案の定、表記の差異が大きく出てきましたね。

 先月に行われた菅総理とバイデン大統領の電話首脳会談で、後日に出された外務省の概要とホワイトハウスのREADOUTでは大きな差はなく「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)という表記も両者に記されていました。
 これはバイデン政権が対中国戦略としてのインド太平洋戦略、およびクアッドをトランプ政権から継承する、という意思表明であったと見て間違いありません。
 もうひとつの包囲網であるCPTPPへの復帰はアメリカ国民からのFTA不信が大きく、なかなか難しいと思いますが2期目があれば可能性は出てくると思います。

 さて、米韓電話首脳会談。
 さっそく齟齬が出てきて苦笑します。
 ムン・ジェイン側が「朝鮮半島、インド太平洋地域を越えて(世界での)民主主義・人権増進に〜」と、珍しく「インド太平洋」という語句を使ったのに比べて、ホワイトハウスのREADOUTは「米韓同盟は北東アジアのリンチピン(核心軸)であり〜」との表記。

 韓国の一部メディアからは「中国との両天秤外交を繰り広げている韓国への配慮ではないか」との記述もあるのですが、まあ普通に考えれば「おまえんところはインド太平洋戦略に組み入れられてないから」っていう宣言でしかない。
 バイデン大統領は副大統領時代にも韓国のやりようというものをよく見てきましたし、「韓国がアメリカの逆側に賭けるのはよくない」という発言があったことでも知られています。
 日韓間の慰安婦合意でも一定の役割を果たしたのではないか、ともされています。

 インド太平洋戦略から除外する、までは行かなくとも「韓国のやってきていることはよく知っている」という宣言といえるかもしれませんね。
 まあ、韓国がこだわって「日本よりも韓国が上の扱いだ」としているリンチピンという言葉を使ってもらってよかったですね?