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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

バイデン、日本から1週間遅れでようやく韓国と電話会談……その意味することとは?

文大統領、バイデン大統領と初の電話会談「韓米同盟1次元アップグレード」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日午前8時、バイデン米大統領との電話会談後に「私とバイデン大統領は共同の価値に基づいた韓米同盟を1次元アップグレードすることを約束した」と明らかにした。

文大統領はこの日自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に上げた文で「たったいま米国のバイデン大統領と首脳電話会談をした。新型コロナ、気候変動、経済二極化などが重なった世界的危機の中で『米国の帰還』を歓迎した」と明らかにした。

文大統領は続けて「私とバイデン大統領は韓半島(朝鮮半島)の平和だけでなく、世界的懸案対応でも常にともにすることにした」と付け加えた。
(引用ここまで)


 今日の朝、ムン・ジェイン大統領に対してバイデン大統領から初の電話がかかってきて、ようやく米韓電話首脳会談が行われたそうです。
 日本との電話首脳会談は先月28日未明に済んでいるところから見ると1週間遅れ。
 28日の0時45分とかでしたから、ほぼ27日扱いと見ることできるでしょう。そうすると8日遅れ。

 アメリカの大統領が就任してから日韓にどれだけの間隔を置いていたか見ると──。
 オバマ政権では日本から5日遅れ。当時はイ・ミョンバク政権時代。
 トランプ政権では日本との電話首脳会談の翌日に電話会談が行われました。
 当時はパク・クネ大統領の弾劾中で、大統領代理であったにも関わらず。
 相対的にトランプ政権では朝鮮半島について注目されていた、ということができますかね。
 その後の外交政策でもトランプ政権は大いに北朝鮮に関与していきました。
 最終的には決裂して没交渉になったものの、ここ数十年でアメリカと朝鮮半島がこれほど外交的に近くなったことはなかったほどの関与具合でした。
 マクマスター元補佐官や河野前幕僚長が証言しているように戦争寸前であったという意味でもありますけどね。

 そして今回は日本と比べて1週間遅れ。
 当初、韓国国内では「遅くなったものの、週明けすぐにでもかかってくるのでは」という予想でした。

中東より後? 菅首相と電話会談のバイデン大統領、文大統領とは週末明けか(中央日報)

 ですが、実際には木曜日になってようやく。
 バイデン大統領からの電話が遅いことについて、韓国大統領府は「順番や時期は重要ではない」と語っていましたが。
 十分に意味はありますし、重要なのです。

 昨日、ロバート・メネンデス次期上院外交委員長が語ったようにムン・ジェイン大統領が習近平国家主席との通話を優先して中共100周年を祝賀したことに不満であるということでしょうし。
 なによりもバイデン政権による朝鮮半島外交の優先度がどうなるのかということでもあるわけです。
 どう見ても重要視されるようには考えられない……というのが実際ですかね。

 ま、自業自得。
 ムン・ジェイン大統領としてはバイデン大統領から電話がかかってくる前に中韓で電話首脳会談を行うことで「中国ともうまくやっていくぞ」という意思表明したつもりだったのでしょうが。
 あっさりと「ああ、そっち側なのね」という扱いを受けたと。
 バイデン大統領が政権に携わるのがはじめてであれば、そうした部分も通用したのかもしれませんけどね。オバマ政権時代に8年間、韓国とは付きあってきたわけで。
 本人も政権スタッフも韓国のやりかたをしっかりと分かっているということなのでしょう。

 あ、会談内容ですか?
 少なくともムン・ジェインのフェイスブックに上がっているレベルではなにか論評するに値いはしないかなぁ……。
 あとでホワイトハウスと青瓦台から出てきたリリースをつきあわせてみます。

アメリカ次期上院外交委員長「ムン・ジェインの『共産党祝賀発言』に失望した。自由・民主主義を標榜する国として立ってもらいたい。こんなことのために我々は朝鮮戦争で血を流したのか?」と発言

「文の中国共産党への祝いに失望……こんなことのために我々が血を流して韓国守ったのか」(朝鮮日報・朝鮮語)
ロバート・メネンデス次期米国上院外交委員長は1日(現地時間)本紙との画像のインタビューでムン・ジェイン大統領が先月26日、習近平中国国家主席との電話通話で「中国共産党創立100周年を心からお祝いする」と述べたことについて「失望(discouraging)し、心配(concerning)でもある」とした。彼は「中国が香港人にしたこと、台湾に加える脅威などは懸念そのものだ。(中国共産党の)そのような歴史に祝いの言葉を述べるとは、なんのためなのか私にはよく分からない」と述べた。

彼はまた、中国が人工知能(AI)と顔認識などの最先端技術を動員した「『デジタル全体主義』を自国だけでなく、世界中の他国でも促進している」とした。続いて「ムン大統領が習近平へのお世辞(flatter)のためにそんなことを言ったかもしれないが、最終的にはそれ(中国共産党の価値)を、我々は世界や韓国と共有する価値がないという点を理解していることを願う」としながら「こんなことのために私たちは一緒に血を流して韓国の防衛と朝鮮半島の非核化のために続けて、リソースを投入したものではない」と述べた。

彼は「米国は韓国が中国に対抗して、必ず米国側につかなければならないとお願いするものではない」とし「破壊的な(6・25)戦争の後、韓国を強い国、信じられない経済的成長を作ったその原則を擁護してもらうこと」とした。また「これは米中対決で韓国が米国側につくといった問題ではなく、我々が共有する民主主義、自由市場、法治、反腐敗、紛争の平和外交的な解決、人権などの価値を守るための問題」とした。彼は「私たちが知っている韓国人は常に民主主義を愛し、人権を遵守し、国際秩序、法治、公平で開かれた取引市場を信じていた」とし、「中国が南シナ海でやっていることを見れば、韓国が歴史のどちらの側に立ちたいと思うべきか分かるでしょう」と述べた。 (中略)

韓国政府が望む北朝鮮制裁緩和・解除の可能性については「北朝鮮がバイデン政権の関与にどのように反応するかにかかっている」とした。「もし北朝鮮が朝鮮半島を非核化し、核プログラムを戻し、国際査察を受けようとする場合、制裁の解除や現在の水準の維持を含め、いくつかの対応をするに値する」とし「これらはキム・ジョンウンの出方次第」とした。
(引用ここまで・太字引用者)


 かなり長めのインタビュー記事で引用部分は1/3どころでなく短くなってます。翻訳サイトを通しても読む価値があるのではないでしょうかね。
 というのも「アメリカ人が期待している韓国の役割」というものが分かるからです。
 特に太字部分。

 自由主義国、民主主義国として中国にやれることをやり、言うべきことを言えという話ですね。
 5年前、当時のオバマ大統領も訪米してきたパク・クネ大統領との米韓首脳会談後に「中国が国際ルールにもとる行動を取った際には、韓国も意見すべきだ」ときっぱり言ったことがありますね。
 アメリカの同盟国として、民主主義国として、自由主義国として言うべきことを言うべきだ、と。
 我々はそのために朝鮮戦争で血を流したのであって、中国におべんちゃらを言わせるためではない……と。

 オバマ政権後期の韓国に対するいらつき具合がよく分かるエピソードではないでしょうか。その2ヶ月後の慰安婦合意につながる部分でもありますね。
 あ、ちなみにブリンケン国務長官ですが、慰安婦合意の成立を受けてアメリカ国内の韓国系団体に向かって「合意の精神に基づいた行動を取ることを望む」と言ったことがあるのですよ。
 当時の国務副長官でしたから、慰安婦合意の成り立ちの経緯もよく知っている……ということでしょう。
 バイデン政権はオバマ政権時代のスタッフを多く採用していることもあって、基本的な政策はオバマ政権後期のそれを引き継いだものとなるでしょう。

 それを考えると、ハーバード大学のラムザイヤー教授の「慰安婦は売春婦であった」との論文がこの時期に雑誌に掲載されるのも一連の流れといえるのかもしれません。
 discourageは「失望」と訳すよりも「落胆」くらいのほうがいいかなー。ため息をついているイメージ。言葉の強さとしてはdisappointよりもやや軽い意味合い。

 これ以外にも北朝鮮問題、北朝鮮へのビラ撒き禁止法等に言及しています。
 韓国に対しての失望感というのがよく伝わってくるインタビューですね。

バイデン政権「クアッドを継承・発展させていく」との宣言に韓国がため息……なぜなら……

カテゴリ:米韓関係 コメント:(73)
サリバン米大統領補佐官「バイデン大統領、クアッドを継承・発展」…韓国の外交負担はさらに増大(中央日報)
ジョー・バイデン行政府のジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が対中国圧迫協議体である「クアッド(Quad,米国・日本・オーストラリア・インドが参加した集団安保協議体)」の継承を公開的に明らかにした。クアッドはトランプ前政府で作られた。文在寅(ムン・ジェイン)政府ではバイデン・習近平時代を迎えて米国か中国かという選択の圧迫がさらに大きくなるものとみられる。

サリバン氏は先月29日(現地時間)、米平和研究所(USIP)のテレビ会議を通じて「クアッドの形式(format)と作動方式(mechanism)を継承・発展させる」として「(クアッドは)太平洋地域で米国の実質的な政策をたてていく基本的な土台になるだろう」と話した。アントニー・ブリンケン新国務長官が最近、日本・オーストラリア外交長官との電話会談でクアッドの重要性を強調したことと同じ流れだ。

韓国外大国際地域研究センターのカン・ジュニョン・センター長は「クアッドが中国はもちろん、北朝鮮に対する圧力の仕組みになり得るということからトランプ氏の遺産であるにもかかわらず、アジア地域の管理のためにクアッドを継承するとみられる」として「韓国にはクアッドへの参加を準備してほしいという事前予告に読まれる」と話した。 (中略)

サリバン氏は北朝鮮問題には言及しなかった。ブリンケン長官も先月27日初めての記者会見で北朝鮮という言葉に言及さえしなかった。南北関係の改善のために米朝交渉をバイデン政府の優先順位に入れたがる韓国政府の立場とは対照される。経済社会研究院のシン・ボムチョル・外交安保センター長は「バイデン行政府が北朝鮮に対して意図的に言及しない部分もある」として「時間をかけて北朝鮮を綿密に観察するという意味」と話した。
(引用ここまで)


 バイデン政権発足以前、韓国メディアからは「バイデン政権は韓国に親しみを感じているに違いない」とか「日本よりも韓国を重視するだろう」といった予測が多く建てられていました。
 その根拠は「人権重視の政権となるから」というものだったのですが。
 いや、なんでよ(笑)。

 ムン・ジェイン大統領は「バイデン政権はシンガポール宣言の精神を継承しなければならない」とか言い出し、カン・ギョンファ外交部長官(当時)はなぜかコロナ禍の中で訪米して「新政権が戦略的忍耐に回帰することはないだろう」と言い放ってました。
 あたかも呪いのようですね。
 ま、日本からも一部からは「トランプ外交を否定するために積極的に北朝鮮政策に取り組む」って予想が出たりもしていましたけども。

 基本的にトランプ政権での対中政策の方向性は取り込み、細部での修正を試みるといったような感じですかね。
 当初は自由で開かれたインド太平洋(FOIP)という用語を使おうとはしていなかった、なんてところもありましたが。
 同盟国である日本側からの「インド太平洋戦略はそもそも日本の提唱したものだ」との説得もあって使用するようになりました。
 バイデン政権が同盟国から無用の疑念を持たれることを避けようとした判断だったといえます。

 そして、軍事戦略上での「アジア版NATO」ともされるクアッドも継承することを言明。
 おそらく小国をクアッドに加えようとするクアッドプラスの概念も継承することでしょう。
 中国封じこめ政策を継承する、ということで韓国からはため息にも似た声が聞こえてきています。
 北朝鮮強硬派のブリンケン氏が国務長官、知日派とされるカート・キャンベル氏が国家安保会議(NSC)の「インド太平洋調整官」であるという時点で分かっていたことですけどね。

 韓国はバイデン政権に期待していただけに落胆も大きいというところなのでしょうが。
 そもそもまともな国だったら政権担当が変わっただけでなにもかもが反転するわけがないんだよな……それぞれの個人の特性はあるにせよ、政策っていうものは国民の要請によって成り立つものなのだから。

 多国間の交渉を重視するバイデン政権であってもCPTPPに即座に再加入とならないのも「各国と結んだFTAでアメリカが一方的に損をさせられている」という国民からの認識があってこそ。
 NAFTAや米韓FTAの見直しはトランプ前大統領の公約ではありましたが、国民がそれを求めていたからこそ公約に入れたという部分もある。
 歴史を見ても「一気に変化することがある」のも確かですが、ほとんどの場合は変化というのはゆっくりと訪れるものですよ。
 革命やら明治維新みたいなことがそうそうあるわけがないんだよな、ということでもありますかね。

日本での「日米首脳電話会談で徴用工裁判についても話があった」との3行ほどの記事に、韓国メディアが「アメリカに告げ口するつもりか!」と噛みつきまくる

バイデン大統領、菅首相との電話会談時に「慰安婦・強制徴用」意見交換…韓日関係改善に向け圧力か(朝鮮日報)
「バイデン大統領-菅首相、電話会談で徴用・慰安婦問題の意見交換」(中央日報)
 共同通信など日本の複数のメディアはこの日、日本政府関係者が伝えた内容として「バイデン大統領と菅首相は28日に行った電話会談で、核とミサイル開発を続けている北朝鮮に対処するには韓米日の協力関係が重要との認識で一致し、また韓国と日本が対立する現状についても意見を交換した」と報じた。バイデン大統領と菅首相は慰安婦被害者に対する日本政府の賠償責任を認めた韓国の裁判所判決と共に、韓日両国の間で出口を見いだせない強制徴用問題についても意見を交換したという。ただし両首脳による具体的な話の内容は公表されなかった。また通訳を除いた実際の通話時間はわずか15分ほどと非常に短かったため、原則的な立場を伝えるだけで終わった可能性も考えられる。

 外交関係者の間からは、「韓米日三角協力の復元を重視するバイデン政権が、韓日間の対立をめぐって仲裁者あるいは対話の促進者として乗り出すのでは」との見方も出ている。米国務省のブリンケン長官は先日、韓日のカウンターパートと行った電話会談で、韓米同盟を「リンチピン」、米日同盟を「コーナーストーン」と表現し、韓米日三カ国による持続的な協力の重要性を強調した。
(引用ここまで)


 29日の朝刊で読売新聞が菅総理とバイデン大統領の電話首脳会談を報じた中で、ホントにちょっとだけ「徴用工訴訟問題等についても話し合った」って書いていたのですね。
 日米電話首脳会談についての記事は2面の1/3の半分ほどを占めているものですが、日米韓関係については北朝鮮tの野絡みで8行ほど、徴用工や慰安婦問題については2行くらいのもの。
 そこに韓国メディアは一気に噛みついてきたのですよ。

 「日本が徴用工裁判を国際法違反だとアメリカに告げ口している!」とかそういった感じで。
 どんな内容であったかはまるで報じられていないのですが。
 まあ、あったとしたらアメリカ側から「日韓関係はいまどうなっているのか」と聞かれて、日本側からは説明があったというところでしょうかね。
 それでなくても話すことなんて山ほどあるので、日本側からわざわざ持ち出すような話題でもないですしね。

 それだけわずかな文章から記事にするということは、アメリカに説明されることがまずいという認識があるということですかね。
 シンシアリーのブログで紹介された記事では「今回の主権免除を否定する判決は先進的すぎる(嫌味?)。他の国には理解されない」といったコラムもあったとのこと。
 韓国国内であればともかく、国際的には認められないものだという認識はあるっぽい。

 国際法違反の状態については、トランプ政権時代にも徴用工裁判については河野外相からポンペオ国務長官に対して「サンフランシスコ平和条約をひっくり返すような事態になる」と説明が行われ、ポンペオ国務長官が理解したという話がありましたが。
 まあ、アメリカ側にもう一度レクチャーは必要ですかね。
 慰安婦関連についてはバイデン大統領もかんでいた慰安婦合意がどのように扱われたかという経緯を語ればいいだけですし、徴用工についても日韓請求権協定を無視しているのは韓国側。

 そしてインド太平洋戦略上、「日本の重要性」というのはかつてないくらいに上がっているのですよ。
 このあたりについては明日書く予定です。その状況の中、韓国がこれらを理由にして日韓関係をいまのままにできるかどうか。
 個人的には無理だと思うのですけどね。

韓国大統領府、バイデン大統領からの電話がかからず「通話の順番にはなんの意味もない」と叫ぶ

日本よりも先に通話したかどうか……大統領府「順序に大きな意味はない」(東亞日報・朝鮮語)
ジョー・バイデン米大統領が28日未明、菅義偉首相と首脳通話をしたことについて、大統領府は「ホワイトハウスが慣例的に定めた順序に従って行われるもので順番に大きな意味を見る必要はない」と述べた。 (中略)

通常、米国大統領の首脳通話順序は、カナダ、メキシコ、ヨーロッパ、アジアの国の順に行われた。アジアでは日本が韓国より前であった。 (中略)

一部ではムン大統領と習主席の電話首脳会談について残念だとの意見もあった。ムン大統領はまもなく就任祝いなどのためにバイデン大統領と首脳通話するにもかかわらず、あえて米国と対立している中国と通話する必要があったのかという指摘だ。

大統領府は「習主席との通話は、韓国と中国の旧正月の連休と春節を控えた新年のあいさつとして推進された」と拡大解釈を警戒した。

韓米首脳通話スケジュールについては、「韓米首脳通貨はまもなく行われるが、(国家安保室から)まだ知らせはない」と日程が決まっていないと説明した。
(引用ここまで)


 バイデン大統領が韓国よりも先んじて日本と電話首脳会談を行ったことについて、韓国大統領府からは「通話の順番に大きな意味はない」と述べたそうですよ。
 「アメリカがいつもの順番で電話をしているだけ」であると。
 ……それをわざわざ表明するっていうのは、順番を気にしているっていうことなんですけどね。
 日本よりも先んじたくてもうどうしょうもないのだけども、現実はそうでないから「通話の順番なんてなんの意味もない」と語ってしまう。
 すっぱいブドウだわ。

 2017年のドイツG20でトランプ大統領(当時)とムン・ジェイン大統領が同じ赤いネクタイをして、安倍総理(当時)が青いネクタイをして日米韓首脳会談をした際にはネクタイの色を揃えたことが「韓国大統領府の分析力のたまものだ」くらいの勢いでしたっけ。
 それほどまでに「アメリカから認められること」を重要視していた韓国が、通話の順番を気にしないわけがないのです。

 あとこの時期にわざわざ習近平国家主席と電話会談したのも同じことで。
 ムン・ジェイン的にはこの時期に中国側と通話することで、両天秤外交をやっていくという意思表示だったのでしょうけどね。
 匂わせが話題になったので慌てて理由を後付けしても「疑われた」という時点で終了。
 旧正月にあわせた挨拶だ、とかわざわざ言い訳をする必要もない。
 それが本当なら大元のリリースにそう書いておけばいいのだから。
 浅はかなんだよな、やっていることが。
 パク・クネとパン・ギムンが揃って中国戦勝記念パレードに参加したくらいに堂々としてりゃいいのに。

バイデン大統領から韓国への電話はいつになるか……日本はすでに会談済み、徴用工・慰安婦問題も日米間で話し合われたとのこと

バイデンの「ベル」はいつ鳴るか…「首脳電話会談順番表」でみる韓半島の運命(中央日報)
バイデン大統領は22日のカナダを皮切りに欧州友邦首脳との電話会談を終えた。続いて北大西洋条約機構(NATO)事務総長、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に続き28日には日本の菅義偉首相と電話会談を行った。

米国の電話外交には一般的なルールがある。カナダなどの近隣同盟国から始まり、欧州友好国やアジア同盟国につながる手順だ。ただし、新政府の関心事や今後推進する外交戦略により順序に変化が現れる。このため、各国首脳は米国大統領の通話順序に注目せざるを得ない。 (中略)

バイデン政府が発足した現在の南北、米朝関係は長い停滞局面を経ている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はバイデン大統領が韓半島問題を外交的優先順位に配置してほしいと願っている。実際に、18日の新年会見で「バイデン政府が米朝対話と米朝問題の順番を後回しにすると思わない。北朝鮮問題がバイデン政府において相変らず優先順位を持つことができる」と話した。

しかし、バイデン政府の戦略的優先順位を反映する電話外交は文大統領の期待とはやや異なって展開する雰囲気だ。

今までバイデン大統領が優先順位を置いて通話した国の共通点は、米国が主導する中国封鎖戦略に直接参加しているか、影響を与えることができる国々だ。米国の最優先外交課題が韓半島ではなく中国であることを明確にしている。特に28日の菅首相との会談後には「日本と米国、オーストラリア、インド間の強力を追加で増進することで一致した」という報道が出た。この4カ国はインド太平洋地域で中国牽制を念頭に置いて作られた「日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)」参加国だ。 (中略)

このような状況で文大統領は26日、習主席との電話会談で「韓半島情勢に関連し、対話を通じた問題解決に中国の建設的な役割をお願いしたい」と話した。習主席は「非核化の実現は共同の利益に符合する。中国は文大統領を高く評価し、積極的に支持する」と答えた。
(引用ここまで)


 バイデン大統領は当選後、日韓とそれぞれ電話会談を行いました。
 同じ日ではありましたが順番は当然のように日本→韓国というもの。
 それに対して韓国大統領府関係者は「日本は10分、我々は14分」「我々が先に会談時間を決めたらその前に日本が割りこんできた」「誰が先かは重要ではない」とか、逆説的に前後にこだわる姿勢を見せてくれていたのですが。

 バイデン政権発足後、いまだに韓国とは通話していないということが話題になりつつあります。
 昨日の未明、菅総理とは電話首脳会談が行われ、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用等を含めた話し合いが持たれています。
 外務省発表の概要とホワイトハウス発表の概要を突きあわせてみたのですが、おおよそ合致しています。

アメリカ合衆国 日米首脳電話会談(外務省)
Readout of President Joseph R. Biden, Jr. Call with Prime Minister Yoshihide Suga of Japan(the white house・英語)

 当初、バイデン政権は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という文言を使いたがっていないのではないかともされていました。トランプ政権で多用された言葉、かつ概念であったので。
 ですが先日の国防長官の話でも、そして今回の首脳電話会談でも使っているところを見ると「FOIP」を継続して使用するつもりのようですね。
 つまり、概念もそのまま引き継ぐということでしょうから、まずは一安心。

 読売新聞によるとこのFOIPについては新政権内部で使用に反対する意見もやはりあったようですが、日本側から「日本が発案したものだ」という説得で使うようになったとのこと。
 また、日韓間の徴用工・慰安婦問題についても意見交換があったとのことです。

 さて、韓国ですが。
 まずバイデン大統領との電話会談がいつになるか分からない。
 少なくとも「日本と同じ日」ではなかった。
 バイデン政権は対中国戦略で重要視している国々を優先し、その構想に入らない国は後回しにされている。
 韓国は後者の一団という状況を見るに、そこまで日韓関係への干渉はないのかな……とも感じますが。

 ちなみにムン・ジェイン大統領は26日に習近平国家主席と電話首脳会談を行っています。

韓中首脳が電話会談…習近平主席訪韓、昨年に続き再び推進(朝鮮日報)

 どちらからの呼びかけで行われたかは分かりませんが中国はもちろん、韓国側も対アメリカの圧力としているつもり……なのだろうな、これ。
 バイデン大統領の言葉を借りれば「アメリカの逆側に賭けるのはよくない」はずなのに、どんどん中国側に賭け金を積み上げている状況。
 タイミング的にもなかなか面白い。アメリカがどう感じるか、ということですが。

 ちなみにオバマ政権では政権発足から2週間後に韓国との電話会談が行われました。
 トランプ政権では10日後。
 さて、今回は……というところですかね。

韓国メディア「バイデン大統領、国防長官、国務長官……すべて日本を韓国よりも優先して連絡している!」……そりゃ当然でしょ

「なぜ日本の次が韓国なのか」……バイデン政権は違うと思ったが(毎日経済・朝鮮語)
アントニー・ブリンケン新任米国務長官が27日、日本の茂木外相と初めて電話会談を行ったとNHKが報道した。
昨年11月にジョー・バイデン大統領、国家安全保障補佐官、国防長官に続き、国務長官まですべて日本に先手を奪われたわけだ。
NHKによるとブリンケン長官はこの日の午前、国務省で長官就任宣誓をした後、カナダのフリーランド外相、茂木外相という順で通話をし、就任の挨拶を伝えた。ブリンケン長官は近いうちにカン・ギョンファ外交部長官とも電話をする方針だ。 (中略)

一部では20日に発足したかバイデン政府が最近、韓国より先に日本と通話したことをめぐり、アジア地域では優先順位を韓国よりも日本を上に置いていることが確認されたのではないかとの分析だ。

先にジェイク・サリバン ホワイトハウス国家安保補佐官も、過去21日のカウンターパートである北村滋国家安全保障局長と通話し、その二日後に叙勲国家安全保障室長と通話を行った。

ロイド・オースティン新任国防長官も23日に岸信夫日本の外相と会談した翌日の24日、ソ・ウク国防長官と電話した。
(引用ここまで)


 バイデン大統領、サリバン国家安保補佐官、オースティン国防長官、そしてブリンケン国務長官のすべてが日本と電話会談してから韓国のカウンターパートと会談している。
 ブリンケン長官のTwitterを見るとカナダ、メキシコのあとに日本の茂木外相と会談した模様。
 その後、カン・ギョンファ外交部長官とも会談があったようですね。



 ヨーロッパのカウンターパートと通話していないのは時差の問題ですかね。

 で、韓国メディアから「すべてで日本の後塵を拝している!」という話が出てるのですが。
 ……どの要素で日本よりも前にいられると思うんだか。
 「自由で開かれたインド太平洋」という概念を主導してクアッドの主たる柱になろうとしている日本。
 バイデン大統領(副大統領時代)に「アメリカの逆側に賭けるのはよくない」って言われた韓国。ついでに「クアッドはよくないアイディア」とか言い出している。

 というか、そんな国が日本のすぐあとくらいに連絡もらえている時点で大した扱いだと思います。
 一応、まだ同盟国なのだからそれなりに順位は高くて当然ではあるけども。
 日本よりも高く扱ってもらいたかったら、自分たちの行動をなんとかしろという話でもありますかね。

韓国メディア「専門家はバイデン政権について韓国のあいまい戦略を否定し、慰安婦問題に介入しないと言っている」……期待とはだいぶ異なっている模様

「バイデン氏、米中間であいまいな立場の韓国を尊重しない」(中央日報)
「バイデン氏、対北朝鮮ビラ法を支持しない」…韓米関係が暗礁に(中央日報)
「バイデン氏、慰安婦問題に関与しないがGSOMIAには強硬」(中央日報)
専門家34人に対し、バイデン政権がトランプ政権の政策を継承するかどうかを事案別に尋ねた。10点標準(0点は「完全に排斥する」、10点は「完全に継承する」)で質問したが、対中国牽制用「クアッド(米国・日本・オーストラリア・インド参加)安保協議体構想」の継承点数が8.1点と最も高かった。ファーウェイ(華為技術)など中国産装備を5G通信網から排除する「クリーンネットワーク構想」の継承点数も7.7点にのぼった。中国に圧力を加えるためにトランプ政権が構想した政策の大きな骨格は維持する可能性が高いということだ。 (中略)

文在寅(ムン・ジェイン)政権が2017年10月、高高度防衛ミサイル(THAAD)韓国配備による韓中間の葛藤を決着させるため、いわゆる「3不の立場」(THAAD追加配備を考慮しない、米国主導のミサイル防衛システムに加わらない、韓日米軍事同盟に発展しない)を表明したのも潜在的な火種になるという見方が多かった。「バイデン政権が3不立場を支持する」という回答は1人だった。「立場は尊重するが、韓国が中国に傾斜したとみる」という回答が15人(45.5%)、「反対したり撤回を要求する」という回答は4人(12.1%)だった。

そのほかを選んだ回答者も13人(39.4%)にのぼった。「THAADを追加配備しない限り問題にならない」(3人)、「韓米関係を考慮して圧力を加えない」(3人)、「事実上の3不立場の変更や撤回につながる措置を要求する」(4人)などだった。
(引用ここまで)

北朝鮮にビラやUSBなど物品を送れば懲役刑も可能にする「対北朝鮮ビラ禁止法」(改正南北関係発展法)に対し、人権など普遍的価値を重視するバイデン政権はどのような立場なのか。専門家34人に尋ねた結果、「支持する」と答えた人は一人もなかった。また、バイデン政権が「ビラ法に反対するが韓国に問題提起はしない」という回答者は14人(41.2%)、「ビラ法に反対して韓国に問題提起もする」という回答者は16人(47.1%)だった。 (中略)

慰安婦問題に対するバイデン政権の立場について尋ねると、専門家らは「韓日間で解決すべき問題であり、米国はすぐには関与しないはず」という回答が13人(38.2%)で最も多かった。梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会大教授は「米国は両国間の問題に基本的に強く介入しないという立場」とし「韓日が解決する問題ということに傍点を打つだろう」という見方を示した。 (中略)

しかし専門家らは韓日間の別の懸案である輸出規制およびGSOMIA(軍事情報包括保護協定)問題については、慰安婦問題とは全く違う予想をした。34人の専門家のうち「バイデン政権は関与しないという立場を見せるはず」と回答した人は3人(8.8%)にすぎなかった。一方、「日本が経済報復を続けても韓国はGSOMIAを終了すべきでないという立場」は25人(73.5%)にのぼった。
(引用ここまで)


 中央日報が日米韓の専門家34人に「バイデン新政権下での米韓関係、日米韓関係はどのようなものになるか」と質問した結果、というもの。
 なぜか韓国メディアの間では「人権を重視するバイデン政権は韓国により同情的で日韓であれば韓国の肩を持つだろう」というような論評が多いのです。
 慰安婦問題にしてもそういった視点からの記事がほとんどで、韓国側に有利な考えを持っているに違いないといった主張。
 「慰安婦合意を結んだ張本人のひとり」としてのバイデン副大統領(当時)のことなど記憶の彼方に消し去っているかのようなものばかり。

 専門家からは「この件についてアメリカは大きく関与しないだろう」との意見が多数。
 韓国がパク・クネ政権時代のように「慰安婦問題が解決しなければ日韓首脳会談すらない」とか言い出せば別なのでしょうが。
 そう言い出せば「じゃあ、慰安婦合意はなんだったのか」という話にもなる。
 韓国側からもこの話題を日米韓の間で持ち出すことは難しいんじゃないでしょうか。
 というか、ムン・ジェインの頭の中にはそんな話題なんてどこ吹く風で、戦時統制権返還から駐韓米軍撤退への道筋をつけて北朝鮮にほめてもらうことくらいしかないはずです。
 ムン・ジェインの脳内にもうひとつスペースがあれば、そこに入るのは「米朝会談をリブートしてほしい」くらいですかね。

 バイデン政権がオバマ政権後期の外交政策を継承すると考えるのであれば、韓国にいいことなんてひとつもないと思いますわ。
 そして実際に継承されるであろうことは閣僚の多くがオバマ政権から引き継がれていることを見れば確実。
 かつ中国に対してはアメリカ国民の対抗意識の高まりで厳しくなる、という形になるでしょう。
 今朝はWHO脱退の撤回が報じられましたし、中国のいやがる「インド太平洋」という名称のついたインド太平洋調整官のポストを新説。
 パリ協定に復帰し、CPTPPにも加入の意向を出すことでしょう。

 今朝、イギリスはCPTPPへの加入について正式な申請をすることを表明しています。
 そしてすでにクイーンエリザベスを東アジアへ派遣することを決定している。フランス、ドイツもインド太平洋戦略にコミットしている。
 インド太平洋戦略とCPTPPは軍事と経済における対中国包囲網の両輪です。
 そしてそれを牽引しているのが日本という構図。
 韓国にとっては面白くない展開になりそうですけどね。