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カテゴリ:米韓関係の記事一覧

韓国外相「バイデン新政権は『戦略的忍耐』への回帰はしない」と発言……その他にも韓国側からは「オバマの戦略的忍耐は失敗だった」との発言も……その戦略的忍耐の時の副大統領がバイデンなんですけどね……

バイデン側が外国接触禁止令中なのに…韓国外交部長官の訪米「ナンセンス外交」(中央日報)
米国大統領選以降、ワシントンでは「勝者対敗者」ではなく「勝者対不服者」の間の過去初めての対決が続いている。韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官の訪米はまさに「その渦中に」行われた。トランプ側・バイデン側双方と接触し、韓米同盟の強化を試みるという野心に充ちた目標だ。

だが、外交界では康長官の訪米計画発表以降、「なぜ?」「それも今?」という質問が絶えない。退くドナルド・トランプ政府との業務協議は実益がなく、ジョー・バイデン当選者キャンプや業務引継委員会は外国政府の要人とは接触していないためだ。

ところが与党「共に民主党」韓半島(朝鮮半島)タスクフォース(TF)所属の宋永吉(ソン・ヨンギル)・金漢正(キム・ハンジョン)・金炳基(キム・ビョンギ)・尹建永(ユン・ゴンヨン)議員も16~20日に米ワシントンを訪問してバイデン側の人々との接触を調整すると明らかにした。朴振(パク・ジン)議員が率いる野党「国民の力」外交安保特別委員会も訪米を検討中だ。政府だけでなく政界も先を争って「バイデン詣で」だ。

もちろんバイデン側とは可能なすべてのルートを使って人脈を構築するのは間違ったことではない。だが、そうであるなら大統領選レースが本格化する前に、水面下で行うべきだった。現在、バイデン業務引継委員会は米国駐在外交使節が電子メールを送っても一切答えない「既読スルー」モードを稼働中という言葉までワシントンからは出てくる。 (中略)

康長官は「(バイデン政府がオバマ政府の)戦略的忍耐に戻るわけではない」と述べた(8日ワシントン)。

この外に「戦略的忍耐ではなく、クリントン政府の積極的関与政策に進む可能性が高い」〔9日宋永吉(ソン・ヨンギル)国会外交統一委員長〕、「戦略的忍耐は民主党内部でも失敗した戦略なので自ら持ち出すはずがない」〔9日金峻亨(キム・ジュンヒョン)国立外交院長)など、似たような発言が政府の内外から出ている。

言葉自体に誤りがある。バイデン側はまだ北朝鮮政策はもちろん、韓半島(朝鮮半島)ラインの人事に手も付けていないためだ。(中略)第3国である韓国の責任ある人々が先を争ってバイデン政府が戦略的忍耐に回帰するだのしないだのと「予言」すること自体がナンセンスだ。また、オバマ政府は「戦略的忍耐」を北朝鮮政策の基調だと認めていなかっただけではなく、この表現を非常に不快に受け止めていることは外交界の常識だ。
(引用ここまで)


 カン・ギョンファ外交部長官が訪問先のアメリカで「バイデン新政権はオバマ政権時代の『戦略的忍耐』に回帰するわけではない」と発言。
 韓国の与党である共に民主党側からは「クリントン政権時代の関与政策になるのではないか」とか「戦略的忍耐は失敗だったので回帰するわけがない」等々の発言があったとのこと。

 先日のムン・ジェイン大統領による「トランプ大統領の対北路線を継承しよう」とバイデン新政権に対して呼びかけたという話もそうなのですが。
 なんで韓国がアメリカの対北政策を規定するつもりでいるんだか。
 まあ、100歩譲って外交的意見の表明だ、というのであればまだギリギリ理解の範疇と言えなくもないですが。

 わざわざこの微妙な時期に訪米して、かつトランプ政権のポンペオ国務長官と会いつつ、もう片手ではバイデン新政権に近いとされる外交政策担当者に会いながら「戦略的忍耐に回帰するな」とか「戦略的忍耐は失敗だった」とか言い出している。
 バイデンはその「失敗した戦略」を実行していた当時の副大統領だった人物なのですけどね。

 こうしたハイリスクをとっての訪米ですが、そのリスクに見合ったなんらかの成果が出せればいいのですが。
 虻蜂取らずどころか両陣営から嫌われるなんて可能性もあるわけで。
 退任する来年1月まで針のむしろに座らされたまま、そしてそれ以降もその位置のまま変わらない可能性すらある。
 まあ、リスクを取らずに利益は得られないものではありますが。
 なんでわざわざこの時期に……とは思いますし、わざわざ訪米しておいてその発言はどうなのとも思いますね。

韓国メディア「日韓のどちらがバイデン次期大統領に電話会談をするか、外交戦だ!」……だからそんな競争をしているのは韓国だけだって……

「こんにちは、バイデン」誰が最初に電話会談をするか? 韓国・日本外交戦(朝鮮日報・朝鮮語)
バイデン民主党候補が米国の大統領選挙で勝利を確定した中で、ムン・ジェイン大統領とバイデン次期大統領の通話に関心が集まっている。特に通話での首脳会談の時期などについて、日韓外交当局間の熾烈な水面下の競争が予想される。

外交部イ・ジェウン副報道官は10日の定例ブリーフィングで、「ムン大統領はいつ頃にバイデン次期大統領との通話ができるのか」という質問に「米国側の大統領当選者への祝電、そして通話などに関する外交行事には、適切な時期を検討中である」と答えた。 (中略)

最も積極的な態度を見せているのは日本だ。「ホワイトハウス一着(一番最初に到着)」を目標に、外交資産を総動員していると伝えられた。日本の時事通信は10日、「菅義偉首相がバイデンが主人となったホワイトハウスに『一着』を目標にしている」とし「早期にバイデン側との信頼関係を構築し、堅固な日米同盟を周辺国に見せるために他の国よりも先に訪米したい」と報道した。

日本は2016年にトランプ大統領が勝利した時も、安倍晋三元首相がニューヨークへ飛んで面談を持ち、個人的な親交を築くために念を入れた。最初の通話もパク・クネ前大統領より2時間速く、公式首脳会談ではテレサ・メイ英国首相(当時)に続き、2017年2月に第二に行われた。

韓国外交部もいわゆる「バイデンチャンネル」の構築、さらには通話と早期の会談のために官民など複数のパスでの接触を試みていることが分かった。「日本より無条件遅れてはならない」という雰囲気も感知される。
(引用ここまで)


 うーん?
 バイデン時期大統領に日韓のどちらが早く通話をするか、会談を行うかについて情報戦が行われている、とのことです。
 ……そう?
 ちょっと前にも書きましたが、韓国ではそういった競争が行われているのかもしれませんが。
 日本が「次期大統領」の段階で祝意を伝える順番がどうこうとは考えないと思うなぁ。
 大統領としてどう対応するのか、は重要かもしれませんが。

 記事中にもありますが、トランプ大統領が当選した直後に安倍総理が電撃訪問したことに対して韓国では大きな衝撃を受けたのでしょうね。
 あとあとまで米韓関係の歯車が噛み合うことがなかったのは、あれをきっかけとして安倍ートランプ間の個人関係がよかったことが反映されての日米関係が蜜月であったから……というような考えがありそうです。
 日米関係が順調であったことは少なからず安倍ートランプ間の信頼関係があったことが反映されていると思いますが。

 米韓関係がしっくりとこなかったのはムン・ジェイン大統領の外交政策がポンコツで虚偽に塗れていたからですよ。
 米韓関係にかぎったこっちゃないですけどね。  いまの外交方針である以上、どの国からも信頼は得られないし、「少しおかしい人物」という評判にしかなりようがないのです。

韓国外相のカン・ギョンファ、訪米するもポンペオ長官とはワーキングランチと格の低さを露呈……バイデン新政権の外交担当と会えるかどうかも不明

【独自】韓国外交部が発表した康京和・ポンペオ長官会談は「ワーキングランチ」(朝鮮日報)
 韓国外交部(省に相当)が先ごろ発表した「韓米外交長官会談」は、簡単に昼食を取りながら協議を行う「ワーキングランチ」形式であることが9日、分かった。

 米国務省は8日(現地時間)「マイク・ポンペオ国務長官は9日正午、国務省内で韓国の康京和(カン・ギョンファ)長官との『ワーキングランチ』に臨む」と発表した。これに先立ち韓国外交部は今月5日「康長官とポンペオ長官が韓米外交長官会談を行う予定」として「(各種の懸案について)踏み込んだ協議をする」と明らかにしていた。韓国外交部は完全な格式に則った二者会談を行うかのように発表したが、実際には昼食時間を利用したワーキングランチになるわけだ。

 康長官の今回の訪米は、米大統領選直後の政権交代期に行われるため、外交関係者だけでなく韓国政界内でも物議を醸した。康長官も8日の出国直前、記者団の質問に「デリケートな時期」と述べた。今回の訪米タイミングが何かと物議を醸していることを意識した発言だった。トランプ大統領が選挙結果を不服とし、当選確実となったジョー・バイデン氏側と摩擦を引き起こす中、韓国の外交長官がトランプ大統領の側近と会うという状況が演出されるからだ。

 こうした中、康長官が臨む韓米長官会談も格の低い「ワーキングランチ」であることが分かり、このランチのためにわざわざ訪米する必要があったのかとの指摘も出ている。康長官が11日までの訪米期間中にバイデン氏側の外交ラインと会うだろうという一部メディアの報道もあったが、外交部はこれについて「明らかにできない」との立場だ。
(引用ここまで)


 この訪米は以前から予定されていたものですね。
 10月にトランプ大統領の新型コロナ罹患を受けてポンペオ国務長官の訪韓が取りやめ(でも、日本でのクアッド外相会談には出席)になり、かつ月末のアジア歴訪でも韓国訪問がなかったことで「韓国パッシングなのでは?」という話が出まして。
 今月頭の大統領選直前に「カン・ギョンファ外交部長官が訪米してポンペオ国務長官と会談する」という話が出て、パッシング云々の騒ぎは収まったのですが。
 バイデン前副大統領が当選したらどうするのだって話は当然あったのですよ。
 まあ、その時はその時でバイデン政権の外交担当者と会えばいい、くらいのつもりだったのでしょうね。

 ただ、実際に政権交代がなってしまった現在ではどうにもタイミングが悪いというか。
 いかにも持っていないなぁ……と。

 4年前、当時の安倍総理が当選直後のトランプに会いに行ったのはよいのですよ。
 次期大統領のトランプに顔繋ぎに行くことができた。まあ、現職がいるのに次期大統領に会うとは何事だという意見もありましたが。
 南米に行く用事があったついで、というのもありましたしね。
 次のカウンターパートとして会うことができた、というわけです。その後の日米蜜月状態は記憶にまだ新しいところ。

 今回のカン・ギョンファはカウンターパートではないからバイデン次期大統領に会うことはできない。
 次期国務長官が決まっているわけでもないので会うことはできない。
 かといってポンペオ国務長官に会ってもなにができるというわけでもない。
 おまけにワーキングランチでの会談と扱いの低さは再確認できてしまうっていう。
 なんだろ……ホント、「持ってない」よなぁ。
 政治家の根本としての資質として必要なんですよね。運って。

韓国・北朝鮮・中国ともに「トランプ再選」を願っていたのではないか、というそれぞれの事情

北朝鮮と韓国が「トランプ勝利」を熱望した理由(現代ビジネス)
トランプ再選を待ち望んでいる首脳もいないわけではない。日本の近隣では、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領だ。
なぜ、両政権はトランプ再選を願うのだろうか。その戦略は東アジアの安全保障にどんな影響を与えるのだろうか。 (中略)

北朝鮮がトランプ再選に期待をかけるのは、2019年2月に決裂した米朝首脳会談のリターンマッチを願うからだ。
当時、トランプ大統領は北朝鮮が「寧辺(ニョンビョン)核施設+α」の廃棄に応じれば、制裁の緩和が可能だと主張した。金正恩氏は当時、寧辺核施設だけの放棄にこだわり、会談は物別れに終わったが、「寧辺核施設+α」の提案は、北朝鮮にとって悪くない話だ。
米政府は韓国に対し、北朝鮮の核関連施設は300近くあると説明している。このうち、ウラン濃縮施設だけで10カ所前後にのぼる。このうち、数か所の廃棄に応じたところで、北朝鮮にしてみれば痛くもかゆくもない。 (中略)

金正恩氏にしてみれば、一刻も早くトランプ大統領と会談し、核関連施設の一部廃棄と引き換えに外貨を得る道筋をつけたいところだ。 (中略)

ソウルの政界関係筋は「文政権の本音は、トランプ再選。この政権の唯一最大の関心事項は南北関係でレガシーをつくることだからだ」と語る。
トランプ再登板により、米朝首脳会談が再び開かれ、北朝鮮による一部核廃棄と米国による制裁の一部緩和が合意されれば、文在寅政権が待ち望んでいた北朝鮮に対する経済支援が可能になる。北朝鮮から南北協議の席で「散々やると言って、何も進んでいない」となじられてきた南北の鉄道連結事業や、北朝鮮の名峰金剛山(クムガンサン)への個人観光なども実現できるかもしれないと期待しているからだ。
(引用ここまで)


 まだまだ続くバイデン新政権の話。
 今回は朝日新聞の牧野愛博氏の記事。
 韓国、そして北朝鮮はトランプ再選を願っていた、というもの。

 ま、正直なところとしては「ビジネスマン」であるトランプ大統領のほうが、「政治家」であるバイデンよりも与し易い部分はあったでしょうね。
 昨日もちらっと書きましたが、「アンチオバマ」であるトランプ大統領のやりようというのは分かりやすい部分が少なくなったのです。
 「DEAL」が大好きだったというのは米朝交渉を見ても分かるところ。
 ま、さすがにベトナム・ハノイでの会談はビジネスマンとしての姿よりも、政治家としての判断を優先したようでしたけども。

 これはなにも韓国・北朝鮮に限ったことではなく、中国も同様だと思われます。
 バイデン新政権になったところで対中国路線というのが大きく変化するとは思えない。
 以前と比べれば世界的に中国への世論というものは厳しくなっていますからね。
 であれば、中国の本当の急所である人権云々を言い出してくるであろうバイデンよりも、ビジネスマンであるトランプのほうがマシ、という考えかたで。

 実際にはバイデン新政権になることで大きく世界は移ろおうとしているわけですが。
 あまりにもアメリカの分断が深くなりすぎたことで、それを外に責任転嫁する……ということはあり得るかもなぁ。
 「中国こそが我々の富と雇用を奪った相手なのだ」なんて話はトランプ的ではありますが、ひとつの事実でもありますしね。


韓国メディア「バイデンは副大統領時代に安倍総理に対して『失望した』と声明に入れた人物だ」……いや、だからといって韓国に肩入れしてくれるわけじゃないだろうに

7年前の安倍氏の靖国参拝…米国の声明に「失望」入れたのがバイデン氏(中央日報)
日本では、バイデン氏が同盟国を重視する路線を取っていることから、現在進行中の在日米軍駐留費用分担金交渉もさらに容易になるのではないかとの期待もある。トランプ大統領は日本側に年間在日米軍駐留経費を現在の4倍にあたる80億ドル(約8265億円)を要求したことに比べて、バイデン氏はより合理的な姿勢を取るだろうとの期待からだ。

日本メディアは「(バイデン氏は日本を含めた)同盟国を重視する路線への転換を明言する」としながら「在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)交渉でも、トランプ政権に比べ大幅な負担増を求めないとの見方が強い」と報じた。

ただし、中国に対する圧迫を強化してきたトランプ政府とは違い、バイデン氏の場合、東シナ海へのさらなる進出など中国の影響力拡大を許す懸念もあるとこのメディアは伝えた。

韓日関係にも影響を及ぼすだろうという観測も出てくる。

バイデン氏は上院議員時代に外交委員長を務めたほか、2009~2017年には副大統領としてオバマ政府の外交政策を支えて韓日米共助を強調してきた。

2013年12月3日、当時安倍晋三首相との会談後の共同記者会見では「(韓国と日本の)協力と関係改善が重要だ」と述べていた。当時、韓日葛藤が悪化の一途をたどっていた時期で、関係改善を促すメッセージを出したものだ。

また、副大統領時期後半期である2016年8月26日、米国時事雑誌「ATLANTIC(アトランティック)」が掲載した「地政学治療師-バイデン副大統領との対話(The Geopolitical Therapist-A conversation with Vice President Joe Biden)」という題名のインタビュー記事で、韓日首脳間交渉を仲介した経験を公開したことがある。

このインタビューでバイデン氏は、自身が安倍当時首相の要請を受けて朴槿恵(パク・クネ)当時大統領と電話会談を行ったと紹介した。バイデン氏は「私は合意に至る交渉をすることはないが、2人(朴、安倍)とは個人的な関係を持ち、彼らが私を信頼していたから、結局は相談相手になることができた。夫婦関係を修復する『離婚カウンセラー』のようだった」と述懐した。

2013年12月に安倍氏が靖国神社を参拝した時、米国政府の強い批判声名を主導したのもバイデン氏だった。当時の日本経済新聞報道によると、バイデン氏が安倍氏に事前に電話をして、靖国を参拝しないよう迂回的に勧告したが、参拝を強行したため国務省の非難声明に「失望(disappointed)」という一言を入れるように主導したという。

上記のようなことから、韓日関係に無関心な態度を示していたトランプ政府とは違い、バイデン氏は懸案により直・間接的に介入する可能性がある。
(引用ここまで)


 バイデン前副大統領が当選したことによって面白いことに、韓国が「バイデン大統領は日本に対してどのような政策を持ち出すか」ということを主眼とした記事を書いています。
 昨日も「バイデンは果たして親日傾向のある人物なのか」というファクトチェックが行われていた記事を紹介しましたが。
 あれも韓国人の間で「バイデンは親日人士だから韓国に辛くあたるに違いない」という風説が広まったことに対してのものでした。
 韓国ではアメリカの大統領に対して政策や人となり以前に「親日であるかどうか」が語られるのですね。

 で、今回の記事は「安倍総理の靖国神社訪問に際して『disappointed』の文字を入れるよう主張したのはバイデン副大統領(当時)だったのだ」という記事で安心しようとしていると。
 ですが、バイデン政権が日韓関係により強く干渉してくる、ムン・ジェイン政権と菅政権のどちらに不利かということを考えてみたほうがいいような気がしますけどね。
 バイデンが副大統領時代に結んだ慰安婦合意を破棄し、今度は日韓基本条約すら無視しようとしている。
 米韓関係だけ見ても韓国は明白に離米路線をひた走っているわけで。
 バイデン政権になったからといって米韓関係が劇的に改善するとも思えませんわ。

 トランプ政権下では苦渋をなめてきたので、バイデン政権に期待したいということなのでしょうが。
 苦渋を舐めてきたのは米韓関係だけでもないでしょうに。
 対中国でも対ヨーロッパでも、そしてもちろん日本に対しても。
 ムン・ジェイン政権が外交でうまくやっている相手なんてどこにもないと思いますがね?
 もちろん、北朝鮮を含めて。

 噂では「外交王」として世界に君臨して、ホワイトハウス内部にムン・ジェインファンクラブができているということなので、私の知らない世界線では偉大な大統領として崇められているのかもしれませんが。
 少なくとも現実では米朝会談で一気に核問題の解決を目論んだものの、狂言回しに失敗して米朝双方から信頼を失った人物でしかないですからね。

 個人的にバイデン政権で気になるところがあるとしたらスーザン・ライスが国務長官になるのだけは避けてほしいかな……といったところ。
 あれだけはいかん。

韓国「バイデン政権に変われば、再び仲介者としての韓国の役割にスポットライトが当たるのでは?」……オバマ政権後期を思い出したほうがいいんじゃない?

<バイデン政権誕生へ>米朝関係の不確実性高まる 仲介役・韓国に注目(聯合ニュース)
 米大統領選で民主党のバイデン候補が勝利し、米朝関係の不確実性が高まる見通しとなった。だが、北朝鮮問題で韓国の存在感が一層注目されるとの見方も出ている。

 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)は親書を交換するなど良好な関係を築いたが、バイデン政権が発足すれば北朝鮮側との意思疎通が容易ではなく、米朝双方が韓国の仲介を必要とするとみられる。米朝関係のリスクは高まるが、南北関係では関係改善に向けたチャンスになる可能性もある。

 バイデン政権は新しい外交・安全保障を担う陣容を整えて対北朝鮮戦略を立てるため、北朝鮮と交渉に乗り出すまでに時間がかかるとみられる。この時期は北朝鮮の挑発の可能性が高まる時期でもある。北朝鮮は2001年、クリントン政権からブッシュ政権に移行した際を除いては米政権の交代時にミサイル発射や核実験を強行してきた。

 韓国は米国と連携し、北朝鮮に挑発行為を行わないよう求め、朝鮮半島情勢が悪化しないよう管理する必要がある。
(引用ここまで)


 韓国が南北関係で再度「仲介役」に返り咲けるはずだ……とする話が韓国国内では出てるそうですわ。
 トランプ政権下のアメリカと北朝鮮は反発しあったけども、バイデン政権なら……という期待をしているのでしょう。

 さて、トランプ大統領は明白に「変革者」としての自分を意識して行動していた節が伺えます。
 ことあるごとにオバマ前大統領を引き合いに出していたことがその傍証といえるでしょう。
 オバマケアの廃止、TPPからの離脱、米韓FTA・NAFTAへの批判などの政策、そしてノーベル平和賞を強力に意識していたのはオバマ前大統領への対抗心があったから、といえます。
 言ってみれば「オバマの逆張り」をしていたわけで。
 どこに対してどう動くかというのは、比較的分かりやすくもあったのですね。

 一方で今回の大統領選挙で当選したバイデン前副大統領には、否定されたオバマ路線にアメリカを引き戻す役割があるといえるでしょう。
 内政では上記のようなTPPや国民皆保険といった方針が取られるでしょう。

 外交を考えてみましょうか。
 日米韓関係でいえば慰安婦合意が結ばれたのは、オバマ政権の暗躍があればこそ。
 オバマ政権時代後半では日米関係が前進し、米韓関係は希薄になりつつありました。
 これはオバマ政権がようやく中国の脅威に気がついたからで、アジアリバランスの主役となるのは日本以外にないと判断せざるを得なかったからでしょうね。
 オバマ大統領(当時)の広島訪問、安倍総理(当時)の真珠湾訪問もその一端と考えれば分かりやすい構図になるのではないでしょうか。
 バイデン政権はこのあたりの路線を引き継ぐことになるのではないかと思われます。

 韓国では「バイデンは親日だ」とする風評が拡がっているそうです。

[ファクトチェック]バイデンは「親日」の傾向がある人物か?(聯合ニュース・朝鮮語)

 結論としては「特別に親日傾向のある人物ではない」というものなのですが。
 韓国でこういった「バイデンは親日人士だ」という話がまことしやかに語られている、ということ自体が韓国人が不安を抱いている、ということの反映でしょう。
 アメリカ・中国を両天秤にかけているムン・ジェイン政権の外交戦略を、少なからず不安に感じている……ということでしょうね。

 日米が蜜月だったのは安倍・トランプ政権だったからこそという部分は少なからずありますが、時代の要請であることも確かなのです。
 アメリカ側がいまになってインド太平洋戦略を捨て去るとも思えませんし。
 ま、とりあえずはバイデンがどんな世界戦略を描くのか、それを見てからですね。

バイデン当選を受けて韓国はWTO事務局長選から撤退を選ぶのか ── 公式では「総合的に検討中」とするものの……

韓国政府「兪明希氏、WTO事務局長候補に辞退? 決定されたことはない」(中央日報)
WTO事務局長選 「進退について検討中」=韓国政府(聯合ニュース)
韓国政府が兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長をめぐる世界貿易機関(WTO)事務局長候補辞退説を一蹴した。兪氏は最終選好度調査で競争候補であるナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相に大きく後れをとり、その後辞退説が浮上した。

外交部は5日「WTO事務局長選出に関して、候補者である兪明希氏個人の去就やわが政府の立場に対しては総合的に検討中」としながらも「いかなる方向にも決定されたことがない」と公式立場を出した。

また「政府はWTOの規定と手続きを尊重する加盟国として事務局長候補者に対する最終コンセンサス(全員合意)が導き出される過程でも建設的な姿勢で参加していく」とし「このため、米国をはじめとする加盟国とも引き続き協議していく予定」とした。
(引用ここまで)


 実は聯合ニュースも中央日報も報じているソースはおそらく同じもの。
 外交部からのリリース。たぶん、カカオトークのグループチャットあたりで出されているヤツ。

 「WTO事務局長選挙については総合的に検討中」

 というリリースで中央日報は「撤退説を一蹴」と報じ、聯合ニュースは「進退について検討中」と報じる。
 ま、そのくらい微妙な局面であるのは間違いないですかね。

 現在の情勢で韓国のユ・ミョンヒ候補を強力にプッシュしているのはアメリカだけ。
 そのアメリカでは政権交代が確実な情勢。
 ユ・ミョンヒへの支持を取り下げるまでいかなくても、これまでのように強力に推してくるかは不明。というか、推してこないでしょう。
 今回のアメリカの政権交代は韓国のように激しくはなくとも、易姓革命的な側面を持つものとなるでしょう。
 トランプ大統領がオバマケアを切り捨て、TPP・パリ協定から離脱したように。

 その過程の中でユ・ミョンヒへの支持も切り捨てられるでしょう。
 実際に切り捨てられる前に韓国側が撤退を選ぶかどうか、といったところかな。

アメリカの安保専門家「韓国は中国とアメリカを天秤にかけるべきではない」「相互防衛条約の『相互』の意味を忘れている」と指摘……

「クアッド参加反対」文正仁発言に米専門家「同盟の評価を切り下げるな」(朝鮮日報)
 米ランド研究所上級防衛アナリストのブルース・ベネット氏は3日、米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)とのインタビューで「文正仁氏をはじめとする韓国の安全保障専門家の多くは、韓米同盟が『相互防衛条約』によって構築された事実を忘れている」「両国による条約の名称に『相互』という言葉が入っているのは、双方が互いに助け合うことで合意したという意味だ」と指摘した。ベネット氏はさらに「米国は韓国に対してここ70年間、かなりの軍事支援を行ってきた。その米国が今、中国を『米国に対して積極的に冷戦を仕掛ける国』と見なしている」「韓国が米国に負っている多くの負債を返すべき時というのが米国の見方だ」とも述べた。

 パシフィック・フォーラムCSIS(戦略国際問題研究所)のラルフ・コッサ名誉会長は「現在、クアッドはいかなる種類の同盟でもなく、自由で開かれたインド・太平洋を促進する民主主義諸国の集まりだ」「文教授はこの原則に反対しているのか、あるいは米国政府が支持することに対して無条件反対するのか気になるところだ」と話した。米ヘリテージ財団のブルース・クリンナー上級研究員は、「韓国が(クアッドに)参加すれば、新冷戦時代の最前線に立つかもしれない」とする文氏の発言を引き合いに出し「実際は韓国が1950年に北朝鮮に侵攻されて以来、冷戦の最前線に立ってきたということだ」と皮肉った。

 このような中で米国、インド、日本、オーストラリアからなるクアッド4カ国は、この日からインド洋東北部のベンガル湾で定例の合同海上軍事訓練「マラバール」を実施すると発表した。米国は現在、複数の経路を通じて韓国にもクアッドに参加するよう説得しているが、韓国政府は判断を保留している。
(引用ここまで)


 先日、ムン・ジェイン大統領の外交安保におけるメンターであるムン・ジョンイン大統領府特別補佐官が「韓国がクアッドに参加すれば中国が敵と看做すことだろう(だから参加できない)」という話をしていました。
 楽韓Webでも報じて「じゃあ、米韓軍事同盟の意味ってなんだよ」と呆れながら書きましたね。

 アメリカの安保専門家からも同様に半ば呆れたようなコメントが続出しています。
 韓国はアメリカとの同盟を選んだのではないのか、というツッコミはそりゃするよなぁ。
 中国とアメリカを天秤にかけるのであれば、同盟を蹴ってからだろっていう。
 そもそも同じ天秤に乗らないはずなのです。

 トランプ大統領の傍若無人さというのはありますが。
 それにしたって原則ってものがあるだろう、というのがアメリカの言い分ですわな。
 「自由で開かれたインド太平洋」を標榜する国々の集まりなのですから。
 ぶっちゃけ、中国がその中に入ったっていいんですよ。
 もちろん、韓国が入ってもいい。
 理念ですからね。

 自由主義陣営として利益は得ながら、中国との取引も100パーセント保証してほしい。
 しかもアメリカとの軍事同盟は保持したまま。
 そんなわがままが通用する状況じゃないのですよ、もう。