韓国で1回目の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)ワクチンを済州(チェジュ)に移送している途中、適正温度範囲を超えたため全量回収する騒動が起きた。
25日、疾病管理庁などによると、前日午後、済州道民に接種するワクチン3900回分が京畿道利川(キョンギ・イチョン)の物流センターから冷凍車を通じて出庫されたが、移送中に適正温度範囲を超えたため全量回収して別のものと取り替えて送った。
慶尚北道安東(キョンサンブクド・アンドン)のSKバイオサイエンス工場から24日出荷されたアストラゼネカ(AZ)社のワクチンは利川物流センターで小分けにされて全国の保健所と療養病院に移送中だ。
当初、済州行きワクチンは24日午後11時に木浦(モクポ)旅客船ターミナルに到着して25日午前1時ごろカーフェリーを利用して済州に到着する計画だった。だが、摂氏2~8度の常温で移されなければならないAZワクチンが利川郊外周辺を出るころ、車両内の輸送容器の温度が一時摂氏1.5度まで落ちて問題になった。
(引用ここまで)
マイナス70〜80度での運搬が必要となるファイザーのmRNAワクチンや、マイナス20度での運搬が必要となるモデルナのmRNAワクチンと異なり、従来の技法で製造されているアストラゼネカのワクチンは2〜8度ていどの低温での運搬が可能というところが利点とされています。
ファイザーのものもマイナス20度で2週間は大丈夫、ということになりそうですが。
コールドチェーンが構築できない途上国ではアストラゼネカのワクチンが普及するのではないか、ともされていますね。
で、韓国でまず導入されたアストラゼネカのワクチンは、韓国国内でSKバイオに製造委託されているもの。
つまり、曝露のタイミングが最小となる国内輸送だけしかしていないのにこうなった……ということです。
記事中にあるように「2〜8度での運搬」となっているところが、1.5度になったというだけなので問題はないはずですが。
まあ、念には念を入れて……ということかな。
ただ、韓国では以前にも常温曝露したインフルエンザワクチンが回収されたはずが、2000人以上に接種されていた(しかも無料接種のはずが一部は有料で)なんてことがありました。
現状は細心の注意を払って「0.5度外れた」という報告も出ているのでしょうが、緩んだ時にどうなるか……ですね。
韓国の現実は往々にして想像の斜め上を行くのです。