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カテゴリ:伝染病の記事一覧

韓国政府「ワクチンの副作用を1、2ヶ月間観察できるのはよいこと」……でもアストラゼネカのワクチンは初回ロット入手だよね?

ワクチン確保が急がれるが…韓国政府「1、2カ月間の観察機会ができて幸い」(中央日報)
新型コロナウイルス感染症のワクチンを確保できなかったという批判が続く中、韓国政府が「新型コロナワクチンを世界で最初に接種する状況はできる限り避けるべきだ」と主張した。これは文在寅(ムン・ジェイン)大統領の前日の発言(「我々は特に遅くない時期に接種できる」)と軌を一にする。これに対し感染病専門家らはワクチン確保に全力を注いでも足りない状況で「ワクチンをゆっくりと接種すべき」という主張はあまりにも安易だと批判した。

中央事故収拾本部のソン・ヨンレ戦略企画班長(保健福祉部報道官)は23日の定例記者会見で「最近、ワクチンを世界で最初に接種しなければいけないような、1位競争をするような社会の雰囲気が形成されているが、防疫当局として深い憂慮を表す」と述べた。続いて「ワクチンは開発の過程がかなり短縮されたが、安全性の問題は国民のために逃せない重要な部分」とし「ワクチンを世界で最初に接種するという状況はできるだけ避けるべきであり、先に接種する国で発生する問題を1、2カ月ほど観察する機会を持つことができるのは本当に幸いだと考える」と話した。また、米国と英国のパンデミック状況に言及し「これらの国をモデルにするのはやや不適切であり、世界で1、2番目にワクチンを接種する国になる理由はない」とも話した。

これに対し、チェ・ジェウク高麗大医大予防医学教室教授は「いつ我々が接種で1番になろうと言ったのか。ワクチンを確保すべきだったと話しているのに、政府はピントが合わない言い訳(安全性の問題)をしている」と批判した。続いて「専門家の間では、来年3、4月にはワクチン接種国と未接種国の間で状況が明確に比較されるという話をしている」とし「ワクチン接種率が30%でも新規患者は急激に減る。ワクチン接種を急ぐほど新型コロナの危険から少しでも早く抜け出すことができる」と話した。
(引用ここまで)


 ……お前はなにを言っているんだ。
 いや、真面目な話。
 ファイザー、モデルナのmRNAワクチンはすでに臨床試験の第3相まで終了していて、FDAから承認を受けている。
 緊急使用ではありますけどね。

 でもまあ、「1番最初に打つ必要はない」とか「1〜2ヶ月の猶予を見るのは悪くない」とかいうのはまあありでしょうよ。
 これまでなかったタイプのワクチンですし。
 副作用もあるでしょうしね。
 でも、韓国がファイザーの契約ができたのは今日。
 供給は来年の第3四半期(7-9月)とされています。

韓国政府、ヤンセン・ファイザーワクチン確保…計1600万人分の契約締結(中央日報)
丁首相はファイザーワクチンについて「1000万人分を契約し、来年7-9月期から入ってくる」とし「導入時期を4-6月期以内に操り上げるために国家次元の力を総動員しているところで、交渉が進行中」と伝えた。
(引用ここまで)

 わー、猶予が半年ほどあっていいですね。
 副作用の有無もじっくり見ることができますよ。

 さて、その一方で韓国政府が「遅くても3月には接種ができる」としているアストラゼネカのワクチンはFDAの承認が来年半ばまで得られそうにない。イギリスでも承認申請を出したばかり。というか申請出したの今日(現地時間昨日)ですよ。
 それなのに韓国政府は「1000万人分を契約した!」と大々的に発表している。
 そして、75万人分の初回出荷が2月にあると話している。
 おそらく、2月の初回出荷って量産されたものの最初のロットかそれに近いものですよね。
 ……副作用の有無を見据えるんじゃないんですかね。

 先日の「ムン・ジェイン大統領は13回もワクチン購入について言及している」っていう言い訳もそうなのですが。
 言っていることとやっていることがばらばらなのですよ。
 それだけワクチン入手について把握できていない、ということなのでしょう。

韓国のコロナ禍、どうやらトリアージで老人は無視することに決まった模様……

病床大乱に24人が死亡 「最多」 ... チョン・ウンギョン「来週、確定1200人予想」(毎日経済・朝鮮語)
首都圏が社会的距離を置く2.5段階を実施してから2週間がされたが、国内のコロナ19確定患者は連日1000人前後で増加し累積5万人を突破した。死者は過去20日の一日だけで24人となり歴代最多であった。しかし、政府は、社会的距離を第3段階に格上げすることなく22日にクリスマス・新年連休について「ピンセット」防疫強化措置を発表する予定である。

中央防疫対策本部は21日0時基準でコロナ19新規感染者が926人増え累積5万591人と発表した。累積感染者が3万人から4万人まで増えるのに20日ほどかかったが、今回は11日ぶりに5万人を超えた。この日は六日ぶりに確定者1000人以下となったが、検査対象者の数が少ない休日の影響からで減少に転じたわけではない。チョン・ウンギョン本部長はこの日のブリーフィングで、「先週の感染再生指数(確定者1人どのように感染するかを示す指標)が1.28程度で、来週には新規感染者が1000〜1200人発生する」とし「(距離を置く関連)抑制効果があり、これ以上の急増は防がれると考えるが、この流行の頂点を折って反転を起こすほどの効果はないと判断している」と分析した。続いて彼は「高齢者、基礎疾患の方々の最後のクリスマスにならないよう、すべて団結した止めと対面会議の行事取り消しが必要だ」と付け加えた。 (中略)

全死亡者698人のうち自宅待機中に亡くなったのは3人、医療機関入院待機中に死亡は22人である。重症患者も1日97人で、この日0時まで274人と大幅に増えた。集中治療の治療病床は全国に42個、ソウルに6つの残っているが仁川市と京畿道には1つも残っていなかった。
(引用ここまで)


 ……さらっと「医療機関に入院したまま待機中に死亡したのは22人」ってありますが。
 ちょっと前まで6人……じゃなくて、ひとりになったんでしたっけ?
 まあ、どっちにしても10人以上、15人ほどが一気に亡くなったということでしょう。
 終末医療を行っている療養病院で複数の集団感染があったとのことですから、それでしょう。
 もう療養病院で集団感染が起きたらしょうがないものとして扱われている。
 半ば以上、トリアージで老人は無視することに決まっているも同然ですね。

 その一方で「病床大乱」ということで首都圏とされるソウル市+仁川市+京畿道での集中治療室はソウルに6つの空きができ、仁川と京畿道にはゼロ。
 ちなみに3日前はソウルと仁川にひとつずつ、京畿道に2つという状況でした。
 韓国で過去最大の死亡数である24人が亡くなって、ソウルで6つの空きができた……ということはそういうこと、なのでしょう。
 いろいろとしんどいことですね。

韓国ソウル大教授「ムン・ジェイン大統領の前でワクチンの重要性を説いたら参謀に制止された」

文大統領にワクチン直言2回、無駄だった(中央日報)
韓国ではワクチンがない状態で「冬の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)」に臨まなくてはならないあきれた現実に対する批判が強まっている中で、元疾病管理本部長が過去に2回もワクチンと治療剤の重要性について文在寅(ムン・ジェイン)大統領に直言していたことが確認された。

ソウル大学医大の李鍾求(イ・ジョング)教授(元疾病管理本部長)は21日、中央日報の電話取材に対して「2月と6月の2度にわたり、文大統領が出席した会議でワクチンと治療剤を確保しなければなければならないと提言した」と話した。

李氏は2月2日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)防疫専門家懇談会に出席した。李氏は会議の中間辺りでワクチンと治療剤の重要性を強調したという。また、会議が終わろうとする瞬間に「ちょっと待ってください」と叫び、「感染病は必ず科学が勝利することになっている。ワクチンと治療剤があってこそすべてのことが解決できる」と再度強調した。李氏は「当時、ワクチンの重要性に言及したが、まともに受け止められず過ぎ去りそうだったので終了間際にもう一度話し、それが一番重要だと申し上げた」と振り返った。 (中略)

李氏は6月15日の青瓦台首席・補佐官会議にも出席した。青瓦台政策企画委員会保健医療革新タスクフォース(TF、作業部会)の委員長としてだった。この席で李氏は同じような趣旨の提言をした。李氏は「新型コロナ拡大抑制政策だけではもたない。抑制すれば患者の発生が減り、緩和すれば増える。ワクチンを使うまでは長引かざるをえない」と話したという。李氏は「その日の会議でさまざまな問題点を指摘すると、一部の参謀に制止された」と伝えた。文大統領はこの日会議でも「新型コロナがどのように展開すると思うか」として首都圏の新型コロナ拡大を心配したが、ワクチンについては言及しなかった。
(引用ここまで)


 あー、科学者はあくまでも「経済・社会の状況を元に戻すには社会的免疫を獲得するしかない」という提言はしていた……ということですね。
 少なくとも2月、6月とあった対策会議で提言していた。
 しかも、2月の会議では最後にわざわざ「ワクチンこそがもっとも重要だ」と話はしていた。
 ですが、6月の会議では問題点を指摘すると「参謀に制止された」との話。
 あわせて「社会的抑制だけでは長引かざるを得ない」とまで話している。つまり、K防疫を否定してしまったのですね。
 ムン・ジェイン大統領が出席している場で。

 まだソウル大にいられるだけ運がよかったというべきか。
 ここまで不通だとは思っていなかったのだろうなぁ。
 大統領が演説でK防疫を絶賛してしまった以上、それを否定することになるワクチンの早期導入は禁忌になってしまった……という楽韓さんの見立ては少なくとも正解からそう遠くないところにありそうです。

 なお、ムン・ジェイン大統領ですが昨日もワクチンの導入そのものにはなんら言及せずに「治療薬・ワクチンの開発に最善を尽くしてほしい」と述べたとのこと。

文大統領、ワクチン確保関連の言及なしに「治療薬・ワクチン開発に最善を尽くす科学技術者を応援」(中央日報)

 まあ、失敗したら首相以下の閣僚が説明と尻拭いに廻るというのはいつものこと。
 国を揺るがすような検察総長と法務部長官の戦いがあっても完全に無視。
 北朝鮮によって南北共同連絡事務所が爆破されても無視。
 それだったら、ワクチンの導入に失敗して国民の命が危険にさらされても無視しててもなんの不思議もないですね。

 ……パク・クネの罪状のひとつとして「国民と対話をせずに不通であった」ということが挙げられていたと思うのですが。
 こんなところでもネロナムブル(自分がやればロマンス、他人がやれば不倫)。
 韓国というものを理解する大きなキーワードといえますね。

この本のセールスマンのようになってますが、うちがこれだけ勧める理由がちゃんとあります。そのうち書く。


韓国首相の「感染者が少なくワクチン導入をためらった」という言葉の裏に見える、本当の「ワクチン導入をしなかった理由」とは

韓経:「感染者少なくワクチン考えなかった」告白…集団免疫誤判断した韓国政府(韓国経済新聞)
7月の韓国国内の新型コロナウイルス流行状況が深刻でなく初期ワクチン確保をおろそかにしたという韓国政府の立場が出された。当時国内感染者が少なくワクチンを確保することは急務でなかったという趣旨だ。だが人為的に免疫を形成するワクチンは感染者が少ないほど必要になる手段だ。韓国政府がワクチン確保初期段階から感染症集団免疫に対し誤認したとの指摘が出ている。

丁世均(チョン・セギュン)首相は20日にある放送インタビューを通じ、「7月にワクチンタスクフォースチームが稼動した時は韓国国内の感染者が100人程度でワクチン依存度を高める考えがなかった側面がある」と話した。丁首相は「米国、英国、カナダなど患者が多い国は多国籍製薬会社のワクチン開発費をあらかじめ出していた。開発費を出した国と購入するだけの国は差別を置くため韓国は(ワクチン導入が)遅れた側面がある」ともした。

韓国政府はこれまで6月末にワクチンタスクフォースを稼動してワクチン確保に向け努力してきたと主張してきた。他の国より韓国のワクチン接種が遅れることに対しては「他の国の副作用事例を確認した後で接種するため」と説明した。だが丁首相の説明通りならばタスクフォース稼動初期に開発費支援などの形態でワクチン確保計画を立てたが、韓国の防疫状況だけ信じ軽視したということだ。

医療界では新型コロナウイルス流行初期からワクチン確保戦に飛び込まなければならないと要求していた。感染者が多い米国や欧州などと違い、韓国は感染後に生まれる自然免疫を持った人がごく少数という理由だった。免疫を得る方法はワクチンしかないというのが医療界の指摘だった。

人材を投じてすべての感染者と接触者を追跡・管理するK防疫は、感染者が増えると力を発揮できない。流行が長期化するほど人材減少が激しくなり事態は悪化するほかはない。流行拡散を防ぐワクチンが必要なまた別の理由だ。英国、米国などではワクチン接種を始めたが韓国では早くて来年2~3月ごろに医療陣と高リスク群に接種が可能な状況だ。

丁首相はこの日、「ファイザーとモデルナのワクチンは来年1-3月期中の接種が難しい。社会的距離確保3段階措置を首都圏などに局地的に適用するかもしれない」とした。 (中略)

感染症は免疫力を持った人が増えればそれ以上広がらない。新型コロナウイルスも同じだ。免疫は感染した後に回復したりワクチンを接種することで得られる。他の方法はない。社会的距離確保、マスク着用などは感染を防ぐ補助的手段にすぎない。「K防疫」を信じてワクチン確保戦で遅れを取った韓国政府の判断が手痛い理由だ。
(引用ここまで)


 チョン・セギュン国務総理が「ファイザーとモデルナのmRNAワクチンは交渉中だが、第1四半期に接種するのは難しいかもしれない」「7月の時点で感染者数が少なかったのでワクチン導入が遅れた」「アストラゼネカのワクチンは遅くとも3月に接種する。FDA承認は関係ない」と述べました。
 集団免疫についてなにも考えていなかった、という告白なのですが……自分の言っていることを理解しているのかな、この人。
 K防疫で抑えこめばいいと本気で考えていた、ということでしょうね。

 さらにムン・ジェイン大統領が自画自賛して「我々こそが世界、我々こそが標準だ」と演説でぶち上げてしまったので動きが取りづらくなった、という面もあるかな。
 「ワクチンを導入して社会的免疫を得る」という方針は大統領様の「K防疫最高!」っていう言葉に逆らうことでもありますから。

 言ってみれば、韓国では「ワクチンで社会的免疫を獲得しよう」と主張することは反社会的勢力的な扱いを受けるということになりますかね。
 「大統領の言葉に逆らうことを恐れた」という以外、この致命的な遅れの説明はできないと思います。
 この構造は他にもありますよ。
 法廷闘争を決めたユン・ソンニョル検察総長に対して「ムン大統領に逆らうつもりか」という言葉が与党議員から連発されたこと。
 あるいは月城原発廃炉の経緯で「存続のレポートなどありえない」「死にたいのか」といった発言があったこと、そしてその大きな原因がムン・ジェイン大統領の「月城原発はいつ廃炉になるのか」という発言であったこと。
 「大統領の言葉に逆らうことは罪」という構造、意識があるのではないかなと感じられますね。

 もちろん、ファイザー、モデルナのワクチンが高価であることや、超低温コールドチェーンを確立しなければならないといった予算の面も見逃せないでしょうし。
 韓国の製薬企業が治療薬、ワクチン開発をしていてそちらをあてにしていた部分もあるでしょうけども。
 主因はどう考えても「ムン・ジェインの絶賛するK防疫を優先する」という意識です。

 ちなみに今日になってチョン・セギュン総理は「感染者数が少なかったのでワクチン導入をためらった」という発言について「そんな発言はしていない」と言い出しています。

チョン・セギュン 「確定者少なくワクチン考えなかった」という言葉は全くないと述べた(ソウル経済・朝鮮語)

 同時に「フェイクニュースはどこまででも追求する」とまで言い出しています。
 このニュースのコメントには「(番組でのチョン総理の言葉は)そう言っているようにしか受け取れないけどなぁ」というもので溢れてますね。

 

韓国メディアが揃って「ワクチン入手の遅れについて大統領が釈明しろ!」「いつ導入できるのか明言しろ」と激オコ……K防疫があるのにね?

韓国、ワクチン導入で立ち遅れ…速いウイルス拡散の中もどかしさ募る(ハンギョレ)
 政府は、新型コロナウイルス感染症予防ワクチンの導入に向けて、ヤンセンファーマ-ジョンソン・エンド・ジョンソンとファイザーとは今月中に、モデルナとは来年1月までにそれぞれ契約する方向で進めていると明らかにした。しかし、連日コロナ新規感染者数が1000人を上回るとともに、米国や英国などではワクチンの接種が相次いで始まっていることから、国民の不安も高まっている。来年2~3月に国内に持ち込まれる予定のアストラゼネカ以外のワクチンは、導入日程が具体的に決まっていない状況だ。

 政府は18日、関係省庁合同ブリーフィングを開き、「新型コロナワクチン確保の現状および予防接種計画」を発表した。政府は8日に「COVAXファシリティ(ワクチン共同購入のための国際連合体)」を通じて1000万人分、グローバル製薬会社との個別交渉によって3400万人分のワクチンを先行購入することを確定している。しかし、アストラゼネカ(1000千万人分、2回接種)のほかには購入契約が完了しておらず、接種時期も具体的に明示できていないため議論になってきた。

 保健福祉部のイム・インテク保健産業政策局長はこの日のブリーフィングで、「ヤンセンとファイザーは12月、モデルナは1月を目標として契約を推進する」と明らかにした。ヤンセンとは400万人分(1回接種)、ファイザーとは1000万人分(2回接種)の購入契約を結ぶことが目標だ。また、アストラゼネカのワクチンは、「SKバイオサイエンスが受託生産する『メイド・イン・コリア』ワクチンが来年2月から3月にかけて導入される」と説明した。 (中略)

イム局長は「今朝、ノババックスと購入についての交渉を政府代表団が行った。具体的な導入量がどの程度となるかについては、さらに協議が必要だ」と述べた。

 高麗大学九老(クロ)病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は「安全で効果的なワクチンを接種して集団免疫が形成されれば流行は終息するので、ワクチンを早く確保することが重要だ」とし「米国、英国、カナダは接種を始め、欧州連合(EU)もすぐに着手するが、韓国はワクチンの確保、接種、集団免疫獲得戦略で立ち遅れている」と指摘した。
(引用ここまで)


 ムン・ジェイン政権に近しい立場にあるハンギョレからもこんな風に「ワクチン戦略で遅れている」とはっきり指摘されるほどになってしまった、ということか。
 ハンギョレは左派紙としてムン・ジェイン政権擁護を垂れ流すことが多々あります。
 たとえばユン・ソンニョル検事総長とチュ・ミエ法務部長官の抗争については、ムン・ジェイン政権や与党側の言い分をそのまま掲載するようなオピニオン記事を掲載していました。
 痛々しくてしょうがなかったですね。
 政権からの歓心を得るためにここまでやらないとダメなんだっていう。
 ウリ擁護とはここまでやるんだなぁ……。

 そのハンギョレですら、ワクチン戦略については批判せざるを得ない。
 各社も社説やオピニオンでムン・ジェイン政権の出遅れを批判しています。

コロナウイルスの確保に国の命運がかかっている(聯合ニュース・朝鮮語)
第3段階への格上げも、ベッドやワクチン確保も先制的に対応すべきだ(東亞日報)
【社説】ワクチン事態、大統領が陳謝して収拾すべき=韓国(中央日報)
[社説]世界が間もなく接種、韓国だけ「島」になるところ……ワクチン搬入時期を明らかにせよ(朝鮮日報・朝鮮語)
[社説]ワクチンもないままに新年の経済を楽観する政府(毎日経済・朝鮮語)

 まあ、今回のワクチン戦略の遅れについては擁護の余地なし、というところでしょう。
 ムン・ジェイン政権がノリノリでK防疫の広報を続けていた間、先進各国は製薬企業とワクチン供給契約を着々と行っていた。
 韓国が契約できたのは臨床試験も終えていないアストラゼネカのものだけで、ファイザー、モデルナのmRNAワクチンを運用するためのコールドチェーンすら構築できていない
 まあ、集団免疫獲得のための方策を執らずに、「K防疫」とか能天気にやっているうちにフェーズが先に進んでいた……ということか。時代遅れになる、老害になるっていうのはこういうことなんでしょう。

韓国、2700万人が住む首都圏で残りの重症者対応病床は4つ……じわじわと医療崩壊が進行中

コロナの病床なく、今月6人目の死亡……死の谷渡る危機(朝鮮日報・朝鮮語)
6日前に新型コロナに感染した80代の患者が集中治療病院搬送を待ったまま死亡した。この患者は、京畿道富川療養病院で感染状態のまま待機して4日前から肺炎が悪化して集中治療治療病院に移さなければならなかったが、病床を割り当てを受けられず運命を変えざるを得なかった。この療養病院の70代の男性2人も過去13〜14日、病床を割り当てられないまま、病棟を丸ごと隔離されている状態で病状が悪化して死亡したことが一歩遅れて確認された。

ソウルをはじめとする首都圏でこのように適時適切な病床を割り当てられない確定者が自宅待機、または療養病院で待ったまま治療を受けられず死亡したケースが、今月だけで6件となった。今年2〜3月に大邱事態時でも2人だった。政府の計画通り、年末までに病状が大幅に増えても、それまで確定者らは「死の谷」を渡らなければならない状況に直面しているものである。

このような人々が18日あたりソウル580人、京畿道251人、仁川10人など841人にもなる。このうち確定判定した後、24時間以上入院待機中の場合は、496人、二日以上待っている人は315人である。チョン・セギュン首相は、過去14日「1日以上自宅で待機することがないようにする」としたが、虚言になった。 (中略)

首都圏で集中治療がすぐに入院可能な病床は4つだけである。ソウルはコロナ重症患者専門の治療病床を過去16日に比べて6個以上確保したが入院患者がすぐに入ってしまい、全86件のうち1つだけ残っている状況だ。仁川も担当病床は1つだけである。医療界では「集中治療室で死者が出れば、その空席に1人が入る極限状況」としている。
(引用ここまで)


 「医療崩壊」というと3月頃のニューヨークやイタリアで遺体袋がそのあたりに転がっている中、防護服姿の医者が椅子に座ったままで仮眠している……なんていう光景を思い浮かべそうになりますが。
 本来、受けることができていた医療を受けられなくなった時点で医療崩壊なのです。

 韓国では軽症者用にコンテナ病床を作ったり、重症者用の集中治療室を少しずつ増やしているようですが、とても間に合っていない。
 記事中の療育病院というのは終末期医療のための病院。
 緩和ケアが必要な患者が入院しているところで、続々と集団感染が起こってしまっています。3月の大邱でも療養病院で集団感染が起きていましたね

 でも、そのまま療養病院に留め置かれて、肺炎症状を起こしても集中治療室に入ることができずに亡くなる。
 それも今月だけで6件。
 ……たらればになってしまいますが。
 1200億ウォンもかけて「K防疫の広報」に費やさずに、まともに1万床増やすという約束を守ることができていたらもうちょっとマシだったかもしれませんが。
 なお、あまりに重症患者が増えたために、上級総合病院・国立病院には病床の1%を新型コロナ患者の重症患者用に差し出すようにとの行政命令が出ています。

韓国政府「重症患者病床確保」初めての行政命令(Wow! Korea)

 要するにこれまで入院している重症患者を放り出して、新型コロナの重症者に対応しろという命令なのですが……。
 それができるようだったら、最初からそうしてますよね。

韓国与党、製薬会社トップの国会招致で「ワクチン契約の経緯」を語られることを拒絶……「K防疫があるのだからワクチンは唯一の解決策ではない」「具体的な供給時期、供給量は説明できない」

【独自】韓国与党、ワクチンメーカー責任者の参考人採用を拒否=保健福祉長官聴聞会(朝鮮日報)
 与党・共に民主党が権徳チョル(クォン・ドクチョル)保健福祉部長官候補者の人事聴聞会で、新型コロナワクチンを製造する外資系製薬会社責任者らの参考人採用を全面的に拒否していたことが18日、確認された。新型コロナワクチン供給量が十分に確保できているのか、いつごろ接種できるのかについて、野党の質疑を封じたということだ。野党は「K防疫推進に血税1200億ウォン(約112億7000万円)をばらまいた政府・与党が、肝心の生命・健康に直結する緊急事案に対しては国民の目と耳をふさごうとしたのではないのか」と反発した。

 国会保健福祉委員会によると、野党・国民の力は22日に行われる権徳チョル氏の人事聴聞会で、新型コロナワクチン製造会社の韓国ファイザー社、韓国アストラゼネカ社の代表取締役を参考人として申請した。保健福祉部長官候補者の面前で、外資系製薬会社側に新型コロナワクチンの交渉過程、供給時期・供給量などを問おうという趣旨だった。新型コロナワクチンをいつごろ、どれだけ入手できるのかをありのままに明らかにするというのが野党の考えだった。

 ところが、共に民主党は「長官候補者と直接的な関連性がない」などの理由で参考人採用不可との姿勢を崩さなかった。人事聴聞会法では、証人・参考人に対して聴聞会5日前には出席要求書が送達されるよう規定している。だが、同日まで共に民主党が参考人採用を拒否したため、権徳チョル氏の人事聴聞会に外資系製薬会社側は出席できなくなった。

 国民の力は「保健福祉部長官聴聞会は、すなわち新型コロナワクチン聴聞会といってもおかしくない」「外資系ワクチン製造会社の聴聞会出席を阻むという底意があるのではと疑われる」と述べ、納得が行かない様子だ。

 事実、政府・与党側は新型コロナワクチン供給時期については直接的な回答を避けている。保健福祉部は先日、国民の力イ・ジョンソン議員に提出した書面答弁書で、「新型コロナワクチンの具体的な供給時期・供給量は申し上げられない」「国家間のワクチン確保競争などの理由で、各製薬会社が非公開を求めたことによるもの」と説明した。国会福祉委員会の共に民主党幹事を務める金成柱(キム・ソンジュ)議員も前日の党会議で、「米国・英国がワクチン接種を開始したからと言って、我々がうらやむべきことだろうか」「ワクチンが唯一の解決策だというのは、これまでうまく維持してきたK防疫を乱すだけだ」と発言した。

 これに対してイ・ジョンソン議員は「新型コロナワクチン確保は国民の健康に関して責任を負うべき次期保健福祉長官の至上課題だ」「もしかしたら、共に民主党は『先進諸国が新型コロナワクチンをすべて青田買いし、来年も接種が難しい』と製薬会社が答えるのではないか、と恐れているのではないか」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国の野党である国民の力が韓国ファイザー、および韓国アストラゼネカの代表取締役を参考人として国会に招致して、韓国政府のワクチン入手について証言してもらおうとした……のだけども、与党が拒絶で挫折。
 ちょっと面白い。
 要するに「詳細を知られるとまずい」という意識があるのでしょう。
 こうしてメディアにすっぱ抜かれる可能性を計算に入れても、実際に証言されてしまうよりはダメージが少ないってことなのだろうなぁ。

 「ワクチンが唯一の解決策だというのは、これまでのK防疫の成果を乱すだけだ」っていうのもアレっすなぁ。
 何度か書いているように本気で「K防疫で抑えこめているからワクチンはあとでいい」って考えかたが少なくとも政府や国会では一般的だったということですね。
 それに対して保健担当省の役人はなにも反論せずに放置
 政府はK防疫の広報に1200億ウォンを垂れ流した……と。
 春に「1万床を増やして備える」という約束はスルー。
 地獄絵図じゃん。
 なんか3流パニック映画のシナリオみたいですね。「よし、これでもうゾンビは入ってこれないぞ!」って言うヤツ。
 でもっていまになって「K防疫があるのだからワクチンを入手できなかったとか言うな」とか「先進国がワクチンを確保しすぎで入手できない」って騒いでいるっていう。

 ただまあ、4日連続で新規感染者は1000人超なのですが、7日間の平均曲線は穏やかになりつつあります。
 ソーシャルディスタンスの最終段階に踏み込まなくてもなんとかなる……とか思っていそうなのですが。
 現場はほぼ医療崩壊中(次のエントリでピックアップ予定)。
 増加速度が速すぎた感じですね。

とりあえず最初の一冊として読んでおくべきという話をもう4回くらいしているとは思いますが。

韓国政府「4400万人分のワクチンを用意した!」→まだ超低温コールドチェーン構築すらしていなかった

「ワクチン4400万人分供給」断言したが... 「いつ」が抜けた(韓国経済新聞・朝鮮語)
「国内新型コロナウイルス感染症(コロナ19)ワクチン4400万人分は確実に韓国政府に供給されます」

イム・インテク保健福祉部保健産業政策局長は18日、コロナ19ワクチン確保ブリーフィングで数回このように述べた。国内供給ワクチンが確保されたため、来年2〜3月にアストラゼネカワクチンから接種することができるという意味だ。「ノババックス、モデルナと追加ワクチン交渉をしている」とも述べた。しかし、既存の発表内容を再確認した水準でのワクチンの確保をめぐる議論を鎮めるには力不足という指摘が出た。

政府が8日、国内接種のために確保したと発表したコロナ19ワクチンは、4400万人分である。この日までに契約を締結したコロナ19ワクチンは、アストラゼネカの開発している製品1000万人分(2000万本)だけであった。8日に発表した後、十日が経ったが進展はない。

世界保健機関(WHO)などが率いるコロナ19ワクチン供給多国家連合であるCOVAXファシリティからも1000万人分(2000万本)を確保した。政府は、来年1月に国内にワクチン物量を供給することを念頭に置いてCOVAX側と交渉中である。まだワクチンをいつまで輸入するか決定していない。一部では、個々の国のワクチン確保戦が激しく展開されてCOVAXがワクチンの確保から後順位に押され、実際の物量を適時確保するのは難しいかもしれないという見通しが出ている。 (中略)

この日、政府が「ワクチンを確実に入手する」と何度も言及したが、医療界では疑問を解消するには力不足という指摘が出た。海外ではすでに接種が開始されたファイザーとモデルナのワクチン接種時期が発表されていないからである。

まだ臨床3相すら終わっていないアストラゼネカワクチンを2月から接種するという計画も政府の説明と相反している。政府は「米国、英国など西欧圏の国の接種後に副作用などを監視して、安全な製品を国内に導入するためにワクチン接種の時期を遅らせた」と説明した。このような趣旨を生かすためには、海外で広く接種を開始したファイザー、モデルナ製品から確保して接種しなければならないというものである。
(引用ここまで)


 引用外には「コールドチェーンを構築するなど道のりは長い」という一文がありまして。
 ファイザー、モデルナのmRNAワクチンを導入するにはマイナス80度の超低温を維持できるネットワークを構築する必要があるのですよ。運搬、保存のどちらも超低温が必要。しかも、ワクチンの有効期限は製造から10日間。
 導入するなら超低温に対応したコールドチェーンの構築は必須。
 要するに韓国政府にそれらのmRNAワクチンを契約するつもりなんてないということです。

 ファイザー、モデルナから「早期に契約することをすすめる」って言われて「製薬会社が早期契約を促している。立場は韓国政府のほうが上!」とか勘違いしまくり。
 「情勢を見守る」「副作用などの安全性を確認したい」とかしていたうちに感染拡大して、ワクチンを導入しなかったことを突き上げられているっていう。
 で、なんとか契約に至ったのはアストラゼネカのワクチンですが、まだ臨床試験の第3相にすら至っていない。
 「安全性を確認したい」っていう話はどうなったんでしょうね?

 もうひとつのワクチンの入手元として韓国政府が有力視しているのが「ワクチンを世界に平等に配布する」という枠組みのCOVAXファシリティ。ですが、こちらはアジア・アフリカをはじめとした途上国への配布を優先することになりそうです。
 十分に裕福であると考えられている先進国、準先進国はCOVAXからの供給は期待できそうにない。
 1人あたりのGDPが3万ドルを突破している韓国がCOVAXからの供給で優先順位を高くするなんてことはできない。COVAXは基本的に先進国から供出されたお金で途上国向けのワクチン購入をするというものですから。

 となると、実際に導入できるワクチンはほぼゼロ。
 少なくとも超低温コールドチェーンを構築できるまではファイザー、モデルナからの供給は受けられない。
 アストラゼネカのワクチンはFDAからの承認を当分受けられそうにない。場合によっては来年中頃ともされています。
 アストラゼネカのワクチンについて韓国独自で承認を行うって話もありますが「副作用の有無を見据えたい」って建前はどこ行ったのとなる。

 というか、なんらかの形で集団免疫を獲得しなければ、社会を以前のような形にすることはもうできないなんてことは分かりきっていたことで。
 ワクチンはその手段として有力だなんてこともとうの昔に分かっていたこと。
 少なくとも入手の算段くらいはしておくべきだったのに、徒手空拳で「我、K防疫の宗主国ぞ」みたいなノリで対応するとかなんのっていう。
 いまから製薬企業と契約しても並べるのは行列の最後尾。
 まあ、韓国らしいオチといえばそうなのかもしれませんが。
 こんな政府を「世界でもっとも素晴らしい民主主義」とか言っていたのだから嗤うしかないな……。