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カテゴリ:ハイブリッド/EVの記事一覧

「水素自動車で世界一」を自称する韓国、100万円で燃料電池車を買えるものの水素インフラは日本の1/5以下で「週末はいつも水素充填待ち」

「不平等インフラ」に水素自動車王座揺れる(時事ジャーナル・朝鮮語)
「カーマゲドン時代」という言葉が流行している。終末を意味する「ハルマゲドン」と「カー(自動車)」を合わせた造語である。既存のいくつかの自動車会社も将来の生存を保証することはできない大激変の時代という意味だ。グリーンモビリティ時代が開かれている。現在、世界の水素車の市場は、現代車グループが主導している。自動車都市蔚山は、水素都市尖兵を宣言した。 

蔚山ヒュンダイ自動車5工場で1日70台の水素車生産される。現代車は7兆6000億ウォンを投資して、現在1万1000台の水準である生産量を2030年に50万台まで増やす計画だ。ギムセフン現代車専務は「今年を基点に、水素の時代が来る」と「ドイツ・フランスのに続き、最近、中国でも、水素政策を発表し、水素市場に本格的に参入した」と説明した。  (中略)

9月蔚山ヒュンダイ自動車営業所で7000万ウォンの「ネクソ」を購入した自営業者Aさん(48)は、「補助金と割賦利益のおかげで、1000万ウォンで水素車を購入した」と述べた。業界関係者は、「政府の政策補助金支給に水素自動車の普及、世界1位を達成することができた」と語った。しかし、専門家は懸念の声を高めている。キム・ピルス大林大学自動車学科教授は「水素車を拡大普及するために血税をサポートするのは問題があり、地方財政にも悪影響を及ぼす」と指摘した。 

水素車が一気に普及したのに対し、水素ステーションはまだ非常に不足である。国土交通省によると蔚山は韓国の自治体でも水素自動車(1628台)が最も多い。しかし、充填所は6ヶ所に過ぎない。1基あたり271台を担当しなければならないという現状だ。京幾道(1310台)とソウル(1152台)も水素ステーションがそれぞれ4カ所にとどまり、1基あたり、それぞれ328台と288台を担当している。他の都市も事情は似ている。

水素自動車オーナーの不満があちこちで出ている。全国で水素ステーションが最も多い蔚山も充填に30分以上待たなければならない。「ネクソ」のディーラーであるBさんは、「水素車のオーナーたちの不満が大きく蔚山中部営業所の場合、今年の初めまで毎月10台を販売したが、最近4〜5台に減った」と吐露した。大田には充電所が一所しかない。1時間程度の充電待ちは普通である。春川の水素自動車運転者は、往復130 kmである京幾道河南まで行って充電するというとんでもない状況も発生するのが実情である。 (中略)

充填ステーションの故障と運用停止も相次いでいる。去る8月15日、蔚山地域の水素ステーション2の動作が中断された。クーラーとコンプレッサーが故障したからだ。一部の部品を海外から需給しなければならない状況で故障からの回復に時間がかかる。光州の充電所、京畿安城充電所もコンプレッサー関連の故障で196時間ほど稼動に支障が生じた。産業資源通商部の資料によると、全国の水素ステーションで最近6ヶ月の間に156件の故障が発生した。充電所運営中断期間はなんと66日に相当する1585時間であった。
(引用ここまで)


 ソウル特別市と京幾道(場合によっては仁川市も)を合わせて「首都圏」とする場合がありますが、ソウルと京畿道は面積にして約10700平方キロメートルといったところ。
 そこに充填ステーションが合わせて8つだけ。
 ソウルの約600平方キロメートルに4つというのはまだ分からないでもないですが、東京の23区とほとんど同じ面積、人口で4つだけと考えるとちょっとアレ。
 ちなみに23区には移動式の充填所を含めるとすでに20ヶ所ほどあるそうです。
 100万円ていどで燃料電池車を売っておいて、充填ステーションはスルー。まあ、いつもの韓国です。

 2016年の頃、「韓国は電気自動車先進国になるのだ!」と大騒ぎしたのに高速充電所は600カ所しかなかったってアレを思い起こさせますね。
 ちなみに2010年では1基だけで、しかも使用者がいないから閉鎖されていたというオチでした。……まあ、これからしたらだいぶマシになったとはいえるのか。
 今年の頭に韓国メディアから「ムン・ジェイン政権は『韓国が水素環境で世界一になった』と喧伝しているが、そんなものは幻だ」「MIRAIもクラリティも発売からだいぶ経っているのに新モデルのネクソの販売数と比較するな」と書いた時はソウルの充填ステーションは3基だったという話ですから、33%増ですね。ちなみにこの「増加率」も世界一なんだそうで(笑)。

 燃料電池車、HV、EVといったブツ、ガワだけは作ることができても、こうしたインフラを整備することが本当にダメ。
 ヒュンダイ自動車が日本市場からの撤退原因は販売不振でしたが、その大元には「メンテ体制がホントに整っているのか」という不安感が拭いきれなかったところに原因があったと思えます。
 仁川のモノレールにしろ、高速鉄道の専用線をまともにひけなかったことも同じですよね。
 地味な作業が本当に嫌い。
 でもノーベル賞はほしいっていうんだからなぁ……。


ヒュンダイ製EVが連続して炎上……爆発してガレージを吹き飛ばした例も

【記者手帳】燃えるヒュンダイEV車、原因究明を(朝鮮日報)
 5月29日、大邱市北区の屋外駐車場で、充電中だった現代自動車のコナ(電気自動車〈EV〉)から火災が発生した。車は全焼したものの、幸い車のオーナーは車外にいたことから人命被害には至らなかった。しかし、コナEVのオーナーらは、今回の火災に神経をとがらせている。今回の火災が初めてではないからだ。昨年1年間に国内外で発生したコナEVの火災は、知られているものだけでも5件に上る。

 これまで発生したコナEVによる火災は、事故の経緯がそれぞれ異なっている。昨年7月にはカナダのモントリオールで自宅の車庫に止めてあったコナEVが爆発を起こした。当時車は充電中ではなく、充電器もコンセントにつながれていなかった。ところが、この爆発で車庫のシャッターが吹き飛ばされ、屋根が大破したという。 オーストリアでは走っていたコナEVから火災が発生した。江原道江陵市では充電中だった車両から出火し、世宗市では充電を終えて充電器につないであった状態の車から火災が発生した。

 問題は、これまで発生したコナEVの火災について、現代自が事故の原因を明らかにしていないことだ。
(引用ここまで)


 ヒュンダイ製電動自動車のコナが5件ほど燃えている、との話。
 うち、モントリオールでは充電すらしていない状況で爆発し、車庫を吹き飛ばしたとのこと。

hyundaikonaexplodes.jpg
画像はCBCのニュースサイトからキャプチャ。

 爆発後のガレージ画像は下記記事から見れます。

Electric car catches fire and explodes in Île-Bizard garage(CBC・英語)

 レンガ造りのガレージが破壊されてるわ……。
 現地メディアも「火災」ではなく「爆発」としてますね。実際には発火→リチウムイオン充電池が爆発ということなのでしょうけども。

 そういえば、アメリカで進んでいるはずのヒュンダイ・キア車の自然発火はどうなんてんだろ、と思って検索しようとしたところ。

hyundaicaughtfire.png

 「Hyundai caught」と入れた時点でGoogleさんからのサジェストがこんな感じでした。

 上から──

「ヒュンダイ発火」
「ヒュンダイ・ソナタ発火」
「ヒュンダイ車発火」
「ヒュンダイ・コナ発火」
「ヒュンダイ・ツーソン発火」
「ヒュンダイのエンジン発火」
「ヒュンダイ・サンタフェ発火」

 と、なっております。
 コナ、あるなぁ……。
 まあ、他の自動車企業でも「社名+caught」って入れたら似たような結果になるんじゃないかと思いますけどね。

 2017年から19年にかけて1日1台のペースで車体炎上していたという話で、集団訴訟を起こされていました
 ちなみに集団訴訟は2018年年末に起こされたもので、今年の5月には和解寸前まできているというニュースが出ています。

Kia and Hyundai owners one step closer to getting money because of non-crash fires(wsoctv.com・英語)

 EVについては、単一車種がこんな風に爆発していたという話はあまり聞きませんね。
 中国企業が作ったものはポンポン逝っているということでしたが。

 ちなみにコナについては部品製造企業で人身事故があって、パリセードと共に製造ができなくなりそうだとの話。

決定版 EVシフト―100年に一度の大転換
風間 智英
東洋経済新報社
2018-03-30

韓国政府「韓国は燃料電池車販売で世界1位となった」と鼻高々……実際の数字を見てみると……

世界で3モデルだけだが…「燃料電池車販売1位」と自慢する韓国政府(中央日報)
韓国の産業通商資源部が13日、「水素経済活性化推進1周年の成果」を発表した。核心は燃料電池自動車販売で世界1位を達成し、水素ステーションを世界で最も多く構築し、水素燃料電池発電量も最大であり、水素関連規制も画期的に改善したという内容だ。

成允模(ソン・ユンモ)産業部長官はこの日、「2019年は名実共に水素経済元年で、初期市場とインフラが本格的に形成され、産業の軸を用意するなど具体的な成果を出した」と自評した。こうした成果が正しいのかどうか、ファクトチェックした。

結論から言えば、昨年の燃料電池車世界販売1位は事実だ。昨年1-10月、韓国は現代車が燃料電池車3666台を販売した。世界販売台数(6126台)の59.8%を占めた。日本はトヨタが2174台、ホンダが286台を販売した。政府の成果というよりも燃料電池車ネクソを生産した現代車がスポットライトを浴びるべきだが、韓国が1位であるのは確かだ。

ところが1位だと誇るためには意味がなければいけない。まず「リング」が狭い。現在グローバル市場で販売する燃料電池車は現代「ネクソ」、トヨタ「MIRAI」、ホンダ「クラリティ」の3モデルだけだ。何よりもネクソは2018年10月に登場した新車だ。MIRAIは2014年、クラリティは2016年から販売されていて第2世代の新車を準備している。キム・ピルス大林大自動車学科教授は「燃料電池車の走行距離が毎年増えているうえ、新車発売直後の1-2年間の販売台数がピークになるだけに比較はできない」と指摘した。
(引用ここまで)


 韓国政府が「水素経済活性化推進」という政策を打ち出してまして。
 ムン・ジェイン政権の標榜する「キレイナ韓国」の一環ですね。  で、産業通商資源部が「韓国は燃料電池自動車販売で世界一を達成した。水素ステーションももっとも多く増えた」と自慢した……とのことですが。
 世界で販売された燃料電池車の約60%をネクソが占めたということで、鼻高々だったそうです。
 そりゃ、ヒュンダイが発売したネクソは一昨年の10月発売されたばかりで、2014年のMIRAI、2016年のクラリティよりも多く売れるのも当たり前だろって話。
 MIRAIは今年中にモデルチェンジ予定ですから、また当分はトヨタの独擅場になるのでしょうね。

 さて、ネクソは東京モーターショーに持ってくると散々アナウンスしておいて、ドタキャンしたアレですね。
 10年の臥薪嘗胆を経て「日本市場に燃料電池車と電気自動車で再参入する」とか言ってました。
 東京モーターショーをドタキャンしたということで、「再参入しても再撤退しそうだな」とか「そもそも再参入しないんじゃね」っていうイメージがついているんですが、どうするんでしょうか。
 まあ、どっちにしても勝負にならないのは目に見えているので再参入しない、というのが賢い選択だとは思います。

   んで、水素ステーションを世界最大に増やしたということですが、それも「14基から34基と20基増やした」との増加率での数字。
 日本の112基には人口比(1:2.46)ですら及んでいない。国土面積比(1:3.3)なら微妙に勝ってますかね。
 記事によるとソウルには3ヶ所しか水素ステーションがなく、週末には3~4時間の行列ができるとか。新世代っすなー。
 水素ステーションでの充填は1台数分しかかからないはずですがねぇ……。
 売るだけ売っておいてインフラ設備ができてない、というのはいかにも韓国的。

 そうそう、こないだ……といってもけっこう前になりますが有楽町からビッグサイトに行く時に燃料電池搭載の都バスに乗れたのですよ。
 あれはよい。ディーゼル独特の振動に弱くて酔いがちなのですが、そういうのがまったくありませんでした。あれは増えて欲しいなぁ。
 ちょっと見ものなので、ビッグサイトに用があって時間的余裕があったら乗ってみるとよいと思います。
 何歳になっても新しい乗りものを見るとわくわくしてしまう不思議。

ヒュンダイ自動車、10年の臥薪嘗胆を経て日本市場に再参入? 「水素自動車と電気自動車なら行けるはず」……そうかぁ?

現代車、10年ぶりに日本再進出...核心兵器は「水素・電気自動車」(電子新聞・朝鮮語)
現代自動車が日本の乗用車市場に戻って挑戦状を出す。2009年の販売不振で現地乗用車部門を撤退してから10年ぶりだ。

2000年から10年の間に販売量1万5000台にとどまり、苦みを見た現代車が今度は水素電気自動車(FCEV)と電気自動車(BEV)を中核兵器にした。日本は現代車が破れなかった唯一の市場でありながら変わった韓国自動車位相を証明する舞台という象徴性も帯びている。

6日、業界によると、現代自動車は最近、日本の乗用車市場の再進出を確定し、準備作業に入った。

まず、10月24日、東京で開かれる「2019東京モーターショー」に600平方メートル規模の単独ブースをセットすることにした。現代車の日本進出デビュー舞台だ。モーターショーで、現地進出を宣言している。現地車の販売時期はマーケティング効果が期待されている「2020年東京オリンピック」のスケジュールを考慮して、早ければ今年末か来年が有力である。 (中略)

日本の水素電気自動車市場の場合、トヨタ「MIRAI」とホンダ「クラリティFC」があるが、これらの車両は、発売されてから3年が過ぎた旧型である。ネクソと比較して走行性能はもちろん、各種半自律走行機能と安全仕様などは、現代自動車が大きく上回っている。現地水素ステーションも100箇所(2018年4月現在)に達し、充電インフラアクセスも優れている。

電気自動車(BEV)も同じだ。地元の市場占有率独歩1位トヨタの場合、まだBEVモデルがない。日産「リーフ」とホンダ「クラリティ」などが販売されているが冷暖房空調およびバッテリ運用効率などの面で現代車が一歩リードしている。型ラインナップを確保した、世界で唯一プロバイダーである。価格競争力も北米市場ベースでの日本ブランドと似ているか高い方である。
(引用ここまで)

 ヒュンダイ自動車が日本市場に再参入との噂。
 これまでも何度か噂に上がっては消えていっている再参入の話ですが、今回はかなりの具体性があるものとなっていますね。
 以前のようなフルラインナップではなく、電気自動車と燃料電池(水素)自動車のみでの参入。
 日本の水素インフラは世界でもトップレベルのものですし、急速充電施設も同様です。
 インフラが揃っているとは言いがたい韓国とは異なり、水素自動車と電気自動車なら消費者の選択肢のひとつとなり得るのではないかという目論見ですね。

 現実性はかなり高いのではないかと思われます。
 というのも、既報のようにヒュンダイ・キア自動車の業績は右肩下がり。特に中国市場では壊滅的。
 そしてまだ参入できていない1億2000万人という強大なマーケットがすぐ隣にある。
 前回とは異なり、車種を絞ってのチャレンジ。
 単純なマーケティングとしては参入にGOサインを出すところでしょうね。ぱっと見で行けるように見える。

 ですが、前回のヒュンダイ自動車が日本市場に参入していた時期は2001年~2009年とそれなりに日韓関係がよかった時代。
 日韓でワールドカップを共催し、韓流なるものが生まれてヨン様ブームなんてものもありましたっけ。
 ですが、そのペ・ヨンジュンをCMキャラクターに採用してですら通用せずに日本市場から撤退するしかなかったわけで。

 当時、ペ・ヨンジュンを使う他にもテレビCMで「ヒュンダイ自動車を知らないのは日本だけかもしれない」なんて挑発をしてみたり、小倉優子に悲しげな宣伝をさせてみたりいろいろはやっていたのですよね。
 それでも、韓国政府から「日本市場は閉鎖的だ」って言われるくらいにヒュンダイ自動車は売れなかった。
 韓国では「外国車の象徴である左ハンドルにせずに右ハンドルにしたのが間違いだ」とかあさってな方向での指摘もありましたけど、根本はそうじゃない。  韓国製品に対する根本的な不信感が日本人にあるのですよ。


 で、今回はさらに「日韓関係は戦後最悪」といわれているレベルで悪化している。
 そこにおそらく高額になるであろう燃料電池自動車と電気自動車。
 ……無理じゃね?
 損失を増やして終わりだと思いますが……まあ、東京モーターショーに来るのであれば本気なんだろうなぁ……。

韓国政府「電気自動車を一定数売らないと罰金!」 → 自動車業界「無理」「罰金払うわ」「充電器作れよ!」 → 急速充電機数、日本の1/300しかないのに……

【現場から】急速充電器たった606台備え電気自動車売れという韓国環境部(中央日報)
韓国環境部が早ければ2018年から韓国内の自動車会社に「電気自動車義務販売制」を導入する方案を推進中だ。

年間販売量の最大2%を電気自動車にするようにして、それに及ばなかった分を課徴金を賦課する内容だ。昨年現代起亜車と韓国GM・ルノーサムソン車・双龍(サンヨン)車など韓国ブランドの国内自動車販売量は155万8000台だ。

環境部の方針によると3万1000台を電気自動車で満たせということだ。環境部が攻撃的に出たのは電気自動車普及対策が特別な成果を出せずにいるからだ。

電気自動車の普及を増やそうとの趣旨だが消費者の反応は冷たい。関連記事には「まず充電所を十分に建ててから充電料を低くするのが先だ」「電気自動車が買う価値があるならば消費者が分かって買うはずなのにはき違えている」などの否定的なコメントが相次いだ。ある電気自動車担当部長は「政府の方針に従うべきだが義務販売量に及ばず課徴金を支払う可能性が高い」と打ち明けた。

電気自動車が魅力的ならば消費者が先に反応するだろう。だが、電気自動車は今も売れていない。韓国自動車産業協会によると今年1~9月の韓国内電気自動車販売量は2279台だ。昨年同期(2311台)より1.4%減った。反面、今年9月まで電気自動車販売は米国が16%、日本は18%、中国は75%増加した。政府が充電インフラ普及に積極的に取り組んだおかげだ。韓国内で電気自動車普及が遅々とし進まないのは充電インフラが不足しているからだ。9月基準の韓国内電気自動車急速充電器は606台だ。反面、昨年末基準で▼米国は3万6547台▼中国は4万9000台▼日本は2万2000台の急速充電器を設置した。

産業研究院によれば米国は充電器1台当たり電気自動車2台、韓国は充電器1台当たり電気自動車17台が分けて使わなければならない状況だ。さらに韓国の電気自動車充電器の相当数が済州道(チェジュド)に集まっている。環境部は「充電器を今年の末まで330台、来年中250台を追加設置する計画」と話したが消費者の電気自動車購買欲求を引くには力不足だ。

環境部は6月にディーゼル車を減らし電気自動車普及を増やす内容のPM2.5対策を出した。「2020年まで電気自動車25万台普及」のようなバラ色の青写真も提示した。だが、現在の電気自動車登録台数は8168台だ。2020年までに政府目標を達成するのは事実上不可能だ。

キム・ピルス韓国電気自動車協会会長は「環境部がPM2.5政局から抜け出すために市場状況・需要を綿密に考慮しないで無理な電気自動車普及対策を出した」と指摘した。

ドイツが自動車大国になったのは堅固な「アウトバーン」高速道路インフラが、韓国が携帯電話強国として浮上したのは四方八方張り巡らされた通信網が一役買った。電気自動車普及を増やしたいなら自動車会社の腕を捻る時ではない。堅固な充電インフラから構築して電気自動車が安心して走れるようにしなければならない。「(電気自動車を)売れ、そうすれば買うだろう」という考えはあまりに純真すぎる。
(引用ここまで)

 日本に急速充電器が2万2000台もあるんだ……全然気がつかなかったですけどね。
 ちらっと検索したら、チャデモだけで7000基もある。(CHAdeMO 公式サイト
 かつトヨタ系列のJ1772も加えればそのくらいはあるのかな。

 先日の「アパッチを買ったけどもヘルファイアを打てる訓練施設がないので訓練せずに放置」と一緒で、インフラとか維持費とかまったく考えないいつものパターン。

 でも今年4月の時点で337基しかなかったことを考えれば、606基は「倍増」といえるんじゃないでしょうかね。
 なぜか済州島にばっかり急速充電器があるとのことですが、これはおそらく済州島が2030年までにはカーボンフリーの島になると宣言していることと関連しているのでしょう。
 あと済州島くらいの広さであれば電気自動車の利点も出てくる、ということなのかな。

 そのカーボンフリーのモデルケースとしている小島でさっそく失敗してますが。 

 ちなみに日本では充電料金は無料。消費者への転売が法律で禁じられているので無料にするしかないのですね。
 韓国では600基しかないのに有料。しかもいうほど安くない。
 なもんで消費者も買おうとしない。以前は「軽電気自動車100万台普及で一気に標準を獲る!」という政策だったのですが、その肝心の軽電気自動車メーカーが全部潰れてしまったのですね。韓国では自動車はステータスの象徴なので、中型車以上じゃないと売れないのです。

 エコカーについては政府もメーカーもなんもかもが迷走中。「トヨタは無理でも2年でホンダに追いつく宣言」とかもあったなぁ。
 ……迷走しているのはエコカーだけじゃないか。

VWの失敗とエコカー戦争 日本車は生き残れるか (文春新書)
香住 駿
文藝春秋
2015/12/16

 

パナ独占のテスラのEVにサムスンSDI製バッテリー採用か? → 嘘でした

テスラのEV用蓄電池、サムスン製も採用検討 (日経新聞)
韓経:テスラCEO「バッテリーはパナソニックだけ」…供給説サムスンSDIの株価8%急落(中央日報)
米電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズがEV用の蓄電池を韓国サムスンSDIからも調達する方向で最終調整していることがわかった。これまではほぼパナソニックが独占していたが、EV販売の規模が拡大するなかで調達先の多様化を進める計画だ。

 米カリフォルニア州のテスラの開発拠点にサムスンが出荷したEV用リチウムイオン蓄電池のセルが到着した。初期の試験用としては量が多く、本格採用前の試験に使われるとみられる。
(引用ここまで)
米電気自動車会社テスラが日本のパナソニックにのみ電気自動車バッテリー独占供給権を与える方針を明らかにした。日本経済新聞など一部が提起したサムスンSDIのバッテリー供給説に正面から反論したのだ。

テスラのマスク最高経営責任者(CEO)は8日午後、ツイッターで「テスラモデル3のバッテリーについてパナソニックとのみ協業していることを明確にしておきたい」と伝えた。また「他の電気自動車のモデルSとモデルXのバッテリーも同じ」とし「これとは異なる主張をする記事はすべて事実でない」と説明した。
(引用ここまで)

 日経の最初の記事を見たときに「ああん?」って思ったのですよね。まず。
 主語がないのですよ。誰がそう言っているのか。誰が「本格採用前の試験に使われる」と見ているのか。
 テスラの内部リークなのか、取材の結果なのか。
 主語がぼやかされているので、どういうソースなのかさっぱり分からない。

 こういうときによくあるのがアドバルーンとしての効果ですね。
 テスラ側からもたらされたのであれば、パナソニック側への圧力として使えます。あるいは、テスラ内部で独占供給に反対している勢力の可能性もあり得ますね。
 サムスンSDI側からもたらされたのであれば株価対策としても使えます。
 パナソニック側からである可能性も考えられるのですよね。「独占供給だって約束だろうが!」っていうのを知らしめるために。あるいは「テストしているのは知っているからな」っていう可能性もあるかな。
 なので、どこからのリーク情報か分からないように主語をぼやかしているのだろうな、と感じました。

 どこかに「テスラのバッテリーはパナソニックによる独占供給である」という事実を打ち消したいというか、ひび割れをさせたい勢力が存在してそこからリークされているというのが実際のところかなー。
 その勢力がサムスンSDIなのか、テスラなのか、その他のものなのかまでは分かりませんが。
 こういう主語があいまいな記事の場合、そういう形で利用されていることが多いのです。
 もちろん、マスコミ側もそう知った上で利用しているのですけどね。

 それはそれとして、韓国側のぬか喜び具合はなかなかのジェットコースター具合で面白かったので、個人的にはGJを差し上げたいと思います。

こちらもパナソニック製セル搭載~。

韓国政府「これからEV用急速充電器は有料化です」 → 韓国人「300ヶ所しかないのにもう有料化?」「誰もエコカーなんて買わない!」

カテゴリ:ハイブリッド/EV コメント:(36)
韓国の電気自動車市場…増えた車、足りない充電所(中央日報)
環境部が電気自動車の急速充電料を有料化しながら広がっている風景だ。環境部は11日から1キロワット時(kWh)の充電時に313.1ウォンを徴収することにした。環境部によれば電気自動車の所有者は年間走行距離1万3378キロ基準で月平均5万8000ウォンの充電料を負担しなければならない。同じ走行距離基準のガソリン車(13万2000ウォン)・軽油車(9万4000ウォン)の半分以下程度だが、これまで無料だった点を考慮すれば「ショック」だ。

有料化直後の電気自動車のインターネットカフェでは「これで電気自動車を誰が買うか」という文が相次ぎ上がってきた。4190万ウォンのSM3 ZEは一度充電すれば最大135キロ走る。6月発売予定の現代車のアイオニックエレクトリック(電気自動車)は4000万ウォンで、1回の充電で180キロまで走ることができる。

消費者が車の価格は(同じ車級の)2倍で走行距離は短く、充電所は不足し、充電時間は長くかかる(急速充電約30分)の電気自動車を選択する大きな理由の1つが安い維持費(充電料)だ。電気自動車の普及に先に立たなければならない政府が「悪手」を置いたという指摘が出ている理由だ。

キム・ピルス韓国電気自動車協会長は「現代車がアイオニックをちょうど発売して米国電気自動車企業テスラの国内攻略が可視化している状況で、韓国の電気自動車市場の成長にブレーキがかかった」と指摘した。

環境部が無料だった充電料を有料に変えたのは民間の参加を誘導するためだ。一定の収益を保障してこそ民間で充電インフラを早い時期に構築するという論理だ。環境部関係者は「電気自動車の普及が伸びる状況で、政府が充電料を支援し続けることはできない。米国・欧州をはじめとする先進国も充電料を賦課している」と話した。

だが先進国と単純比較することは難しい。まだ韓国の電気自動車市場は初期段階の水準だからだ。「電気自動車天国」と呼ばれるノルウェーの電気自動車普及台数(5万台)は国内普及台数(5767台)の9倍に達する。急速充電所(337カ所)は米国(3万1792カ所)、日本(約3000カ所)、中国(約3万1000カ所)に比べて非常に不足している。

市場が成熟してこそインフラにお金が集まる。環境部は電気自動車市場が成熟したとみたようだ。だがインフラから磨いてこそ市場が成熟する場合もある。充電インフラがなければ無用の物である電気車が代表的だ。市場が未成熟なだけに、自動車企業が自らインフラを構築するには限界がある。充電料の有料化が時期尚早という指摘が出る理由だ。
(引用ここまで)

 ちょっと韓国のハイブリッド/EVの歴史をさくっと紹介してみましょうかね。

 かつて韓国は電気自動車を次世代の輸出主力品目にしようとしていたのですよ。
 ゴルフカートにシャシーだけつけたような、いわば「軽電気自動車」を先行して実用化して、圧倒的な物量で標準規格になろうとしていたのです。

 でも、韓国人は自動車に自らのステータスを乗せているので、小型自動車なんてそもそも相手にされません。
 つまり、小型自動車自体の需要がないのですから、電気自動車のそれなんて需要のなさの自乗だったのです。売れるわけないですね。
 100万台普及させればロケットスタートできるはずだっていう予測だったのですが。

 というわけで、この戦略は大失敗。
 政府肝いりで小型自動車普及活動を行っていたのですが、需要がないところに供給は生まれませんわな。
 で、ヒュンダイを中心にしてハイブリッドや普通車サイズの電気自動車の開発に乗り出したのですが、こちらも失敗。
 「トヨタは無理でもホンダには2年で追いつく」って豪語していたんですけどねー。
 トヨタが水素電池車の特許をオープンにしたらなぜか「トヨタはハイブリッドも公開すべきだ!」みたいな社説が韓国で出たこともあってあれもなかなかに笑いましたね。

 ま、そんな歴史を持っている韓国のエコカー開発史なのですが、日本の一部オートジャーナリストは「日本のそれに追いついている」と主張していますね。

 でも、実際の韓国国内の電気自動車の普及台数は5767台。
 で、EVでもっとも必要とされる急速充電所が337ヶ所。
 おそらくソウルがそのうちの8割ってところでしょうかね。
 エコカーなんてものは韓国人の必要とするステータスリストにはないので、どうしたって需要がないんですよ。

 あと、日本の急速充電器が3000ヶ所っていうのは嘘だなぁ。
 CHAdeMOだけですら6507ヶ所。
 プリウスPHV対応のSAE J1772だけのところを加えたらさらに増えるでしょうね。

 どこまでいっても需要と供給の問題で、これを覆すことができる唯一の手段というのが公的資金による支援なのですが。
  急速充電の有料化でそれすらも諦めてしまったと。
 そのうちカリフォルニアで走れる韓国車はなくなってしまうのかもしれませんね。


「世界初の量産水素自動車はヒュンダイ自動車のツーソンだ!」と言ってはみたものの、その実際は水素ステーションすらまともに建造できていなかった……

カテゴリ:ハイブリッド/EV コメント:(40)
韓経:【取材手帳】「水素車の明暗」分けた韓日の政府支援(中央日報)
現代(ヒョンデ)自動車は水素車部門のトップランナーだ。2013年、蔚山(ウルサン)工場に世界で初めてツーソンix水素車の量産体制を整えて生産を始めた。だが国内では昨年末基準で29台だけが登録されている。日本は違う。トヨタは2014年末、現代車に続き水素車「ミライ」を出した。この車は昨年だけで500台余りが売れた。契約台数が3000台に達し、供給が需要に追いつかない。ツーソンix水素車のグローバル累積販売量(1500台)を上回る。

専門家たちは政府の支援政策がこのような差を生んだと指摘している。日本政府は620万円(約6700万ウォン)のミライを購入する時に1台あたり200万~300万円(約2100万~3200万ウォン)の補助金を支給する。一方で韓国政府は、地方自治体が購入すれば2700万ウォンの補助金を与えるが一般購買者には支援金を出さない。ツーソンix水素車の価格は8500万ウォンだ。補助金なしでは一般普及が事実上不可能だ。

水素充電所の普及も相当な差を見せている。日本は昨年、充電所80カ所を作った。2025年まで充電所を1000カ所に増やす計画だ。韓国は現在17カ所の水素充電所だけを持っている。2020年までに計80カ所を設置するというのが政府目標だ。
(引用ここまで)

 最大の問題は車体への政府支援じゃなくて、水素ステーションをどうするかということなのですよね。
 現状17基。去年年末の日経では10基ってあったような気もしますが、まあいいか。誤差の範囲ですし。
 以前の計画では2020年までに水素ステーションを23基にするということだったので、この記事では目標を80基とだいぶ上方修正されているようですけども。
 すでに日本には80基あるのですよね……。

 EVの時にも急速充電ができるのがヒュンダイ自動車の本社にしかない。しかも、EVが生産されていないので電源オフになっていたというような悪質な笑い話がありました。
 さすがに現在では急速充電ステーションが300基以上あって、2020年までには1400基にまで増やすということなのですが。

 韓国のパターンなのですが、こういうインフラを地道に整備していくっていうことが異様にヘタなのです。
 軍装備なんかでもガワだけは立派なのですが、行き着くところは共食い整備だったりします。
 なんとかして見栄えだけは整えるのですが、それを運営・運用できない。
 そんなところも先進国のなりそこない、なのです。

韓国はどこへ?
黒田 勝弘
海竜社
2016-02-15