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カテゴリ:KF-X事業の記事一覧

英誌、インドネシアがKF-X、Su-35を放棄し、ラファールを導入するのはアメリカの制裁が原因だと指摘

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(45)
​Will scars from US sanctions drive Indonesia to buy Rafale?(Flight Global・英語)

 イギリスの著名な航空専門紙であるFlight Global(フライトインターナショナル)にインドネシアのKF-X(ラファール)ネタが掲載されていたのでピックアップ。
 ラフにまとめると──

・インドネシアは購入予定だったSu-35を導入した場合、アメリカに制裁されるのでこの契約を放棄したと見られている。
・インドネシア空軍は中国に対抗するために可及的速やかに最新の戦闘機が必要である。
・F-16があるが、かつてアメリカに東ティモールに対する人権侵害について制裁され、武器禁輸措置が執られたことがある。
・それ以外にもインドネシアの空軍はさまざまな機種を導入していた混沌の極み。
・ラファール48機の導入はそうしたゴタゴタに対して効果的な選択である。
・プラボウォ・スビアント防衛相は再度の大統領選出馬を目論んでおり、その箔づけのためにも戦闘機導入を成功させたい。


 まあ、ラファール導入が噂されてきたときから楽韓Webでも解説してきた通りの話でもありますかね。
 KF-Xという絵に描いた餅ではなく、すぐに食べられるラファールという餅を導入したいのだという。
 ユーロファイタータイフーンの中古についても同じ文脈で語ることができるでしょう。
 4.5世代機を買うなら「共同開発とは名ばかり」のKF-X/IF-Xではなく、いますぐにでも導入できるラファールがほしいのだと。

 何度か書いているようにインドネシアは地域大国であるという自負があります。
 「我々は東南アジアの雄である」「ASEANの宗主国である」と自認しているのですね。
 ですが軍事的に見たら脆弱そのもの。
 オーストラリアはF-35Aを揃え、中国はEEZへの進入を繰り返している中、呑気にKF-Xの完成を待っている状況ではなくなっている。
 まあ、アメリカからの制裁を避け、かつアメリカの影響を避け、かつ西側から導入した艦船と情報共有ができる……という条件なのだからラファールは最適解ではあります。
 選択肢としてはこれしかない、というものなのですが。
 まあ、韓国のメンツは潰されますわな。

インドネシア、韓国へのKF-X開発分担金だけではなく、潜水艦3隻の代金も支払っていなかった……代わりにフランスがラファール、潜水艦等を売却へ?

インドネシアが怪しい... KF-Xも潜水艦も「お金がもうない」(世界日報・朝鮮語)
韓国型戦闘機(KF-X )の共同開発国であるインドネシアの動きが尋常でない。
数千億ウォンに達するKF-X分担金を延滞したインドネシアは大宇造船海洋に追加注文した潜水艦3隻契約金も支給していない。
インドネシア内では、「KF-Xに使われている技術は時代遅れである」「仕様がより高い潜水艦がほしい」と否定的な発言が相次いで出てくるのが実情である。
インドネシアの態度が変わる兆しを見せ東南アジア市場での影響力拡大を狙うフランスは「隙間の掘り下げ」に乗り出した。
フランスによる「場を揺るがす」戦略が効果をおさめると、インドネシアを含む東南アジア防衛産業市場全体に悪影響を与える危険性がある。

国会国防委員会所属の国民の力 カン・デシク議員が防衛事業庁から受けた資料によると、今月の基準でインドネシアKF-X分担金未納額は6044億ウォン。2016〜2020年支払うべき8316億ウォンのうち、77%が未送金のままだ。
2016年には分担金500億ウォンを全額納付したが、2017年には1841億ウォンのうち452億ウォンだけ出した。さらに2018年には1987億ウォン全額を未納した。昨年は1907億ウォンのうち1320億ウォンを支給したが、今年は2018億ウォンを全額延滞した。
来年から9022億ウォンを追加で支給するべきなのに、全体の分担金1兆7000億ウォンのうち未納額がどのようになるのか分からない。試作機1台と技術資料を受けて48機を現地生産する既存の計画の履行の意志を疑わせる部分だ。
昨年4月に契約した潜水艦3隻建造契約金1600億ウォンも2年近く未払いのままだ。 (中略)

このような状況下で、東南アジア防産市場攻略のためにこれまで動きのなかった、フランスの動きが速くなっている。あるていどの損失を出してもインドネシアに橋頭堡を確保し、韓国など競争国を排除しようという態勢だ。 (中略)

来年初め締結されることが知られている両国間の包括的防衛協力協定にはフランスがラファール戦闘機36機のほか、スコルペヌ型潜水艦3隻、ゴーウィンド級哨戒艦1〜2隻、スカルプ長距離空対地ミサイルを含めた先端航空武装販売含まれたものと伝えられた。

ダッソー、タレス、エアバスなどが技術移転と産業協力を提供し、金融支援が行われる可能性も高い。 (中略)

防衛事業庁は「インドネシアによる公式表明がない」という点を挙げて、ラファール取引とKF-Xは、別個という立場だ。これと関連し、軍消息筋は「防衛事業庁は『インドネシアのラファールの購入= KF-X離脱』という結びつけを極度に気にしている」と伝えた。
しかし、防衛事業庁はこれまでにもKF-X分担金と潜水艦契約金未払い問題を解決できなかった。
(引用ここまで)


 フランスがインドネシアに対してラファールを36機、もしくは48機導入させようとしている、というニュースが今月頭に入っていました。
 2026年になってようやく戦力化、それもなにもかもがうまくいって支障がないという条件付きのKF-Xと、すでに何度も実戦に参加しているラファールとでは同じ4.5世代機とはいえ条件が異なりすぎる。

 戦狼外交を繰り広げる中国に対しても、そして地域のライバルであるオーストラリアに対抗するためにも、インドネシアとしてはすぐにでも迎撃機が必要。
 「広い領土が海に隔たれている」という特性から足の長い戦闘機がよい。
 であれば、現行機の中ではラファールは最良の選択といえるでしょう。
 領土がもうちょっと狭ければグリペンも選択肢に入ったのでしょうが、なにしろインドネシアは東西の端から端までは5000km以上ありますからね。
 長いとされている日本ですら、北海道の端から沖縄までで3000km前後。択捉島東端から与那国島だと3200kmくらい?
 その1.5倍以上。ちょっと想像ができないな。

 フランスも第6世代機FCASへの投資が必要なので、枯れているラファールは売れるに越したことはない。
 最近、インド、ギリシャとセールスも好調ですしね。
 KF-Xは戦力化当初はまともな対地攻撃、対艦攻撃ができないことは確定済み。
 ラファールであればそんなこともなく、導入当初からマルチロール機として活動できる。

 といったわけで、いろいろとバリューセットでフランスからの導入に乗り換えようと考えるのも当然でしょう。
 インドネシア側は延々とKF-Xの分担金を支払わずにきましたし、さらに今回は韓国から2隻を導入し、インドネシア側で1隻を建造した209型潜水艦の代金も支払っていないことが判明。
 いや……えげつないなぁ。
 以前からインドネシア側からは「韓国から供与された209型(ナーガパーサ級)の性能に満足していない」「言われていたスペックを満たしていない」と不満の声が上がっていたのは確かなのですが。
 ちなみに3隻の追加注文も契約済みですが、こちらについても契約破棄が取り沙汰されています。既存の3隻も返品しそうな勢い。

 この記事ではフランスが躍進しそうな大きな理由として「武器供与+技術移転+金融支援」のパッケージが提供できるとあります。
 これ、実際にメガバンクを持たない韓国にはできないことで。途上国への大型輸出案件における懸案とされています。
 UAEへの原発輸出の際にも海外の銀行からドルを調達して逆ざやで9000億円規模の貸し出しをしていたなんてことがありましたね。
 今回もそのあたりで差をつけられている、との解説ですが……。
 どうしても「そもそもインドネシアにKF-Xは不要なのでは」というところには届きそうもない。「KF-Xは4.5世代機としては最強である」という前提を見直すといろいろ届きそうなのですけどね?

インドネシア、韓国とのKF-X共同開発から離脱してラファール36機を購入へ

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(71)
France Confirms That Indonesia Wants To Buy Rafale Fighter Jets(THE DRIVE・英語)
インドネシアに仏ラファール購入契約説…韓国型戦闘機の共同開発から離脱か(朝鮮日報)
 フランスのフロランス・パルリ国防相は先月26日、インドネシアのプラボウォ・スビアント国防相と電話会談を行い、両国間の防衛産業協力案を話し合ったという。7日に韓国政府や防衛産業界が明らかにした。フランス側のメディアは、インドネシアのラファール戦闘機購入問題が話し合われた可能性も報じた。フランスのあるテレビは「インドネシアは今年の年末までにフランスの戦闘機を36機購入する契約を結ぼうと言った」と伝え、購入規模は48機だと報じたメディアもあった。

 韓国政府は事実関係の把握に乗り出している。韓国政府の関係者が最近インドネシアを訪れたこともあった。韓国政府の一部からは「インドネシアは既にKF-X事業に2200億ウォン(現在のレートで約210億円。以下同じ)ほど投資した状況で、共同開発計画を撤回するのは困難なのではないか」という見方も出ている。ラファール購入はKF-X事業離脱を意味するものではない、というわけだ。しかし防衛産業界では、インドネシアの事業離脱は遠からず目に見える形になるだろう、という見方に重きが置かれている雰囲気だ。 (中略)

 韓国軍内外からは「韓国単独でやっても十分な事業を、いたずらに共同開発で進めたのではないか」という指摘も出ている。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究委員は「インドネシアの事業離脱に備えて独自のKF-X開発計画を樹立すべき」と語った。
(引用ここまで)


 インドネシアがフランスからラファールを36機、もしくは48機購入するのではないかとの報道がフランスのラ・トリビューン紙からありまして。
 ダッソーにとっては朗報だ、とされています。

L'Indonésie souhaite monter à bord du Rafale (Dassault Aviation)(LA TRIBUNE・仏語)

 ここのところ、インドネシアによるラファール購入、もしくはオーストリア空軍の15機の中古ユーロファイター・タイフーンの購入が真実味を持って報道されていました。
 インドネシアにとっては迎撃機は喫緊の課題。
 アホほど広い国土、かつ海で隔たれている領土という特性から、足の長い戦闘機が必要でもある。
 対中国でもそうですし、ライバル国であるオーストラリアに対しての抑止力も必要。
 オーストラリアはF-35Aを72機調達予定。
 現状、インドネシアは航空勢力劣勢に立たされています。
 ですが、KF-Xの引き渡しは早くても戦力化後の2026年以降。2026年という時期も開発になんの支障もなければ、です。

 本当にできるかどうかも分からない、できたところでアメリカから(T-50Iのように)横やりが入る可能性があるKF-Xなんて待ってらんないというのが正直なところでしょう。
 現状、手に入る4.5世代機の中であれば足の長さが必要ということからラファールは最適解でしょう。グリペンだとちょっと不安。

 まあ、韓国との契約は「支払いがなかった場合の違約金なし、2回連続で支払いがなかった場合は韓国側から契約破棄ができる」という生ぬるいもので、かつ契約主体が韓国政府 ではなくKAIだったのでどうとでもできるというもの。
 ちなみに韓国はインドネシア海軍に対して209型潜水艦も輸出しているのですが、これも3隻までで打ち切り、残りの契約も破棄するのではないかとされています。
 インドネシアの悪質さを甘く見た韓国の負け……かなぁ。

ダッソー ラファール (世界の名機シリーズ)
青木 謙知
イカロス出版
2018-06-22

韓国メディア「国産戦闘機のKF-Xは来年、試作機が離陸する!」……いや、しないけど

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(94)
KAI、高度な技術集約されたKF-Xの戦闘機... 来年上半期に離陸(毎日経済・朝鮮語)
9月3日、国内の防衛産業事業の歴史的な一線を画す日だった。韓国型戦闘機KF-Xの最初の実物気体である試作1号機が、最終的に最終的な組立工程に突入したのだ。すでに戦闘機前方・中央・後方胴体と主翼・尾翼は、製造が完了した。これ接続し、航空機の組み立てを完成する工程が最終組立である。KF-X試作1号機は、最終組立工程を経て、来年上半期に出荷される予定である。

次のステップは、地上試験と飛行試験である。韓国航空宇宙産業(KAI)は2026年までに完了を目標にKF-Xの開発に拍車をかけている。 (中略)

KF-X試作機に装着される任務・飛行制御コンピュータが、今年末までに性能試験を進める一方で、今年8月に試作品が出てきた国産AESAレーダーが2021年試作機の装着を目的と機能点検と地上試験を通じた技術の成熟度を高めている。

武装能力は空対空能力の確保で空対地能力確保で段階的に推進され、開発が完了すると、空中優勢の確保はもちろん、地上のターゲットの精密打撃が可能な核心戦力的に運用される見込みである。
(引用ここまで)


 ……いや、来年完成予定の試作1号機は離陸しないよ?
 これ、地上試験用の機体なんで。各部のマッチングをチェックするための機体であって飛行可能な試作機は2022年完成予定。
 すでにエンジンのF414も15基がGEから納入済み。6機分+3基の予備。将来はハンファテックウィンがライセンス生産するとの話。

 なんか韓国国内でKF-Xへの期待がものすごいことになっています。
 ムン・ジェイン政権をはじめとした左派が標榜する「自主国防」が盛り上がりつつあるのですよ。
 「我が国初の純正戦闘機開発!!!」みたいな感じですかね。

 ちなみに「銘品兵器」との(韓国内でだけ)誉れ高いK2戦車の国産トランスミッション計画はおじゃんになったようですが。

過酷な国産化の土台... K2戦車国産変速機事業廃棄手順(イーデイリー・朝鮮語)

 国産トランスミッションがテストを通過できず、かつ現行のトランスミッションを製造しているドイツ企業からは「年内に決めないと契約破棄」と宣告されて、国産化事業は断念したとのこと。
 耐久度テストはドイツ製のボルトが割れて失敗になった、とありますが。
 ボルトに負荷を与えるようなシステム全体の問題だよなぁ……。

 さて、KF-Xですがインドネシアは本格的に離脱を考えているという記事が出てきました。

韓国型戦闘機の開発の真っ最中なのに... インドネシアは「無視」(世界日報・朝鮮語)

 すべてがうまくいったとして、2026年に正式採用されたところでその時点では短距離空対空ミサイルと機銃ていどしか武装がない。初期生産型では対地攻撃ができないのは確定済み
 空対地、空対艦、長距離空対空ミサイルはその後の開発やアビオニクスの対応を待つ必要がある。

 現状、インドネシア空軍が中国に対応するためにはそんなものを待っていることはできない、というもの。
 噂のあるF-16Vやラファールといった既存の戦闘機なら対応できるし、オーストリアの中古ユーロファイタータイフーンはトランシェ1ですが対地攻撃対応のアップグレードはそれほど難しくなくできるはず。
 最新のトランシェ4にできるかはともかく、対地攻撃くらいは対応できるでしょう……できるよね?

 KF-Xはすべてがうまくいって完成したところでステルス性が高いというわけでもなく、安いというわけでもなく、なんらかの任務に特化した代替の難しい機体というわけでもない。
 現在のF-35Aの価格より高くなることはほぼ確定済み。
 正式採用される予定の6年後ならなおのこと。ま、維持費は少なくて済むでしょうけどね。

韓国「KF-Xの共同開発はどうするの?」……インドネシアがラファールを技術移転こみで導入に大筋合意か

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(55)
[単独]インドネシア、フランスの「ラファール」購入大筋合意……KF-X暗雲(韓国日報・朝鮮語)
インドネシア政府がフランスの戦闘機ラファールの購入で大筋合意したことが確認された。単なる購入ではなく、技術移転まで議論されることが知られ、韓国とインドネシアの次世代戦闘機(KF-X / IF-X )の共同開発に赤信号が大きくなった。

9日、複数の現地消息筋によると、インドネシアのプラボウォ・スビアント国防大臣は先月21日、フランスを訪問しフロランス・パルリ軍事大臣と防衛産業協力案を議論した。今年1月に訪問以来二回目だ。当時スビアント大臣はラファールの購入計画がフランスのメディアに報道されると、「フランスがそう希望しているだけ」と一蹴した。

しかし、今度はフランスの戦闘機ラファールの購入計画に具体的な進展を見せた。現地消息筋は「フランス側から第4.5世代ラファを購入すると戦闘機の技術移転まであるという許容度の高い提案をした」と伝えた。スビアント長官は、このような提案に満足したという話だ。他の消息筋も「インドネシアがラファール購入に向かっているという認識で正しい」と述べた。この情報は、国防部の中心人物のみが共有したことが分かった。

インドネシアは現在、最新鋭戦闘機の配置が絶望的な状況である。中国と領有権摩擦が生じている南シナ海のインドネシア領海で問題が発生したときにすぐに出撃する戦闘機が必要だからだ。スビアント長官は国会に出席し、「ブクナ諸島など、私たちの領海に対する中国船舶の侵入に対応するために、軍事装備を近代化させなければならない」と力説したことがある。

スビアント大臣のフランスの訪問は、米国(先月15〜19日)、オーストリア(先月20日)に続いて行われた。オーストリアで行われた中古ユーロファイター購入議論は戦闘機の維持費が多くかかるという欠点が浮き彫りにされて心配していると伝えられた。国会も同じ理由でブレーキをかけた。

技術移転まで含まれているとのインドネシアの戦闘機を購入する計画はKF-X事業に悪材料だ。KF-Xもラファールようにステルス機能がない第4.5世代に分類される。フランスはすでに5世代の開発を進めていると第4.5世代の技術移転にも問題がないという判断をしたものと思われる。来年に試作機が出てきても量産は2026年ごろと予想されるKF-X事業である通常の武器も与えて技術も与える、フランス側の提案が、インドネシアの立場では、欧米が引くしかない。

KF-X事業は9月23日から2日間、約1年ぶりに再交渉が再開されたが、まだ足踏み状態だ。現在の累積された未納分担金は、6,000億ウォンに達する。
(引用ここまで)


 インドネシアが技術移転こみでのラファールの購入に向かうのではないか、大筋で合意したのではないかとのニュース。
 これまでも何度か報じられてきたものですね。

 インドネシアにとっては戦闘機の購入は喫緊の問題なのですよ。
 中国に対抗しようにも一番新しい戦闘機はSu-27(5機)とSu-30(11機)。あとF-16のBlock32+(52とも)が23機。
 ロシア機は比較的新しいものの、インドネシア海軍の艦船は西側のもので揃えていることもあって連携が取りにくい。
 国土の形状的に島嶼防衛の必要に迫られているインドネシアにとっては西側の機体、特に領空侵犯に対する迎撃機(インターセプター)が必要なのは間違いないところ。
 何度か浮上しているオーストリアのユーロファイターを買い取るという案も、対地攻撃のできないトランシェ1だとしても迎撃機として用いるのであればさほどの問題はないという判断があったからでしょう。

 韓国からしてみれば「KF-Xも技術移転をするし、最新の戦闘機だぞ」ってところなのでしょうが。
 インドネシアからしてみれば「遅延なしでも2026年に戦力化予定の戦闘機なんて待ってられるか」というのも本音。情勢は開発がうまくいかなければ10年単位で遅延するのが当然の世界ですからね。
 「韓国の技術移転」がどれほどのものかも分からない。
 すぐに引き渡せるであろうラファールが技術移転もこみで買えるというのであれば渡りに船。何度も実戦に投入されている確実な機体ですしね。
 フランスにとっても、枯れているラファールの技術と機体を売ることで第6世代戦闘機とされているFCASの開発費捻出に役立つわけで。

 インドネシアにとってKF-X/IF-Xの利点といえば「自国が開発に関与した」ということになるのでしょうが、関与できる部分が小さいという不満が延々と述べられているのも事実。
 この報道も含めて各機種を天秤にかけて、価格・技術移転・戦力・導入時期等々含めて一番価値の高いものにしようとしているのでしょうが。
 インドネシアの嫌われる部分でもありますね。個人的には韓国とがお似合いだとは思いますが。
 でもまあ、現状で韓国から買ったT-50Iすらアメリカからの反対でレーダーの運用ができていない状況でF-35が買えるわけでもない。
 買える西側の戦闘機の中ではラファールが魅力的になるのも分からないでもないかな。
 フランスだったらインドネシアをやり込めるくらいのことは朝飯前でしょうしね。

インドネシア、韓国との戦闘機共同開発事業への分担金の未納額が5000億ウォンに到達……その一方で中古のユーロファイターを買う気満々

[単独]お金ないとKF-X先送りインドネシア、オーストリアには秘密の手紙で懇願(中央日報・朝鮮語)
韓国型戦闘機の共同開発国インドネシア、分担金5003億ウォン未納(ニュースピム・朝鮮語)
韓国型次世代戦闘機(KF-X )共同投資・開発国であるインドネシアが、オーストリア中古戦闘機を購入するために、両国間のハイレベル会談を要請したことが分かった。予算が足りずにKF-X事業分担金を減額したいと言っているにもかかわらず、他の国には秘密書簡まで送って、このような内容の「懇願」をしたというのだ。

最近、インドネシアのメディアジャカルタポストはプラボウォ・スビアント国防長官が8日、オーストリアのクラウディア・タンナー国防長官に手紙を送って会談を要請したと報じた。今月15〜19日、米国訪問が予定されてプラボウォ長官が20日にオーストリアのウィーンに滞在という内容が含まれていたという。

プラボウォ国防相は、自分の移動を明らかにした理由を、その手紙に明確に示した。彼は手紙の中で「私たちの領土と国民を保護するための重要な防御装置を調達している」とし「私たちが提案した、オーストリアのユーロファイター(タイフーン)戦闘機について議論しようとしている。お手隙の際に礼儀を揃えて会いたい」と書いた (中略)

ただし、インドネシア国防省はジャカルタポストの相次ぐ書簡や手紙公開についての事実確認は難しいと明らかにした。
(引用ここまで)

韓国型戦闘機(KFX)共同開発国であるインドネシアが未納した分担金が現時点基準5003億ウォンに達することが確認された。

防衛事業庁は20日午前、国会国防委員会で行われた国政監査に提出した業務報告資料を通じてこのように明らかにした。
(引用ここまで)


 インドネシアの次期戦闘機についての続報。
 これまで「ラファールを技術移転も含めて買う」とか「F-16Vになる」とか色々な話題が出てきましたが、どれも単発のニュースでした。
 今回のオーストリアが退役予定としているユーロファイタータイフーンの中古買取については何度か続報が出ているのでどちらも本気なのかもしれませんね。
 本気だったとしても条件等で決裂もありうるので、実際に決まるまではなんともいえないものですけども。

 この話題が出るたびに書いていますが、オーストリアが所有している15機のユーロファイタータイフーンは半ばだまされて購入したようなものでオーストリアの国力に見合ったものとはとてもいえません。
 「だまされて」って書くとオーストリア側に非がないように見えるな……。当時の政権もエアバス社からのワイロを嬉々として受け取っていたので双方に問題がある取引だったのですが。
 結果、ユーロファイタータイフーンはオーストリア空軍にとってはオーバースペックで維持費も高い。パイロットすら充足できずに持て余しているのが現状。
 武装も短距離空対空ミサイルだけを購入して終了。予算不足で飛ばすことすらろくにできていない新古品状態のまま。
 というわけでとっとと退役させて、維持費等も安価な戦闘機に乗り換えようとしているところです。おそらくはグリペンC/Dあたり。

 で、その早期退役予定の新古品といってもいいようなユーロファイターに興味を示したのがインドネシアの国防相。
 韓国メディアからはさかんに「お金がないってKF-Xの開発費を未納にしているのに!」との声が出ているのですが。
 海のものとも山のものとも分からない試作機すらまだ完成していないKF-Xと、いまそこにあるユーロファイタータイフーンどっちがいいのよって話ですからね。
 絵に描いた餅は食えんのです。
 というか、KF-Xできるよりも前に4.5世代機が欲しいというのが本音かな。

 ただまあ、インドネシア空軍はこのままだと以前に書いたように異常なくらいのバラエティ豊かな空軍になってしまいます。
 現状でもSu-27・Su-30・ F-16A/B・F-16C/D・F/A-50・ホーク200。
 しかも、それぞれ10機ずつくらいしかないっていう。
 これにSu-35が契約済み、将来的にはKF-X(IF-X)もあり。そこにさらにユーロファイター。
 東西入り混じってエリア88状態。

 そしてインドネシアの共同開発費未納額はこれまでで5000億ウォンを突破。本気でもう支払う気ないな、これは。
 なお、IF-Xについての契約は開発元のKAIとインドネシアの間で行われており、未納に対するペナルティはありません。むしろ契約上からはKAIがインドネシアの分担金を負担する必要があるのではないか、とすらされています。
 一応、分担金を2回未納で契約を破棄できるという条項はあるそうですが。
 韓国としては分担金を負担してほしくてしょうがないので、破棄を言い出すこともできないっていう状況になってます。
 まあ、インドネシアと韓国はキツネとタヌキの化かし合いを続けてくれればそれでよいのではないでしょうかね。どっちもこっち見んな、ってことで。

米誌「韓国のKF-Xは1機1億ドルを超える超高価格機になる」と指摘……まあ安くなる要因はないからなぁ

カテゴリ:KF-X事業 コメント:(91)
タグ: KF-X 軍事
Behold South Korea’s Very Expensive Stealth Fighter(Forbes・英語)
South Korea is developing its own stealth fighter. And now we finally have our first glimpse of the number-one prototype at a facility belonging to Korean Aerospace Industries.

The KF-X features a large cockpit. An electronically-scanned-array radar. A trapezoidal wing. Twin tail fins. Two engines. The KF-X in its basic layout is a fairly standard stealth fighter. It looks a lot like the American F-22 does, not to mention the Chinese J-31 and even Turkey’s own dead-end concept for a homegrown stealth fighter.

But for all its unsurprising features, the KF-X still is likely to cost a lot of money. And that should cast doubt on its future.

Development of the KF-X over the past two decades has set back South Korean taxpayers no less than $7 billion. If the South Korean air force buys all 120 copies it says it’s going to buy starting in 2026, the total bill could rise to $16 billion, according to Korea Joongang Daily.
(引用ここまで)


 Forbes誌の軍事ライターが「KF-Xはこのままなら1機1億ドルを超える価格になる」=価格競争力を持ち得ない戦闘機になる、との警告をしています。
 特にインドネシアがこのまま共同開発費を支払わずに離脱するのであれば、高騰は免れない運命でしょうね。以前からそういった指摘がされています。
 現在、F-35Aの調達価格は第14ロットで7790万ドルまで低下しています。
 ベストセラーとして数千機の製造が見えているからこその価格ではありますが。もちろん、初期導入時にはシミュレータや武装やパーツもあるでしょうから、1機あたりの価格はそれよりも高くなるでしょうけどね。

 それに比べると韓国で120機調達して終わりのKF-Xが安くできる要因がまるでない。
 というかF-414を2基搭載している以上、そこまで安くできないのは目に見えていたことではあります。
 でもまあ、どこかにニッチではありますが需要はあるんじゃないかと思いますよ。
 スペック的には実際のRCS(レーダー反射断面積=レーダーにどれくらいの大きさとして映るか≒ステルス性能)は不明、初期性能では対地攻撃不可能で、かつ最後の最後までアメリカが輸出を許可するかどうか分からないというリスクはありますが。
 まあ、当初予定の704億ウォン、6210万ドルで販売できるのであれば……どこかで買う酔狂な顧客ももしかしたらいないとも限らない。

 F-35Aは調達価格も安くなり最強と呼べるレベルで高性能ですが、ランニングコストは高いままですし、そもそもアメリカが同盟国かそれに近い友好国にしか販売しない方針に変更はない。
 ま、F-35が選択できないなら、普通はFー16Vかグリペン、もしくはグリペンNGを買うと思いますが。
   双発機であることに魅力を感じるのであれば……いや、だったらラファールかF/A-18E/F買うか。

 韓国製兵器がそこそこ売れているのは「アメリカ製やヨーロッパ製の兵器は高額すぎて手が出せない。だけども西側仕様のデータリンク機能は欲しい」という需要があるからです。特に自走砲のKー9が売れているのは他に安価な機種がないからという面が大きい。
 なので韓国では「Kー9が売れるならKF-Xも売れるはず」みたいな感覚があるようなのです。
 戦闘機はそうはいかないと思うのですけどねー。
 ちなみに韓国では「韓国以外に500機の需要がある(はず)」としています。

インドネシアがユーロファイタータイフーン取得へ……韓国メディアが焦りながらこの話題を報じる理由とは?

インドネシア、韓国との次世代戦闘機開発を決めたが…他国に注目(中央日報)
韓国型次世代戦闘機(KF-X)の共同投資・開発国のインドネシアが別の戦闘機に目を向けている。KF-X事業分担金の履行が遅れているインドネシアが結局、事業を放棄するのではという懸念が出ている。

オーストリアの日刊紙クローネは6日(現地時間)、クラウディア・タンナー国防相が自国空軍のユーロファイタータイフーンをインドネシアに販売する交渉が進めていると公式発表した。インドネシア側の交渉対象者はプラボウォ・スビアント国防相だ。プラボウォ国防相は7月、タンナー国防相に書簡を送り、ユーロファイタータイフーンの購買に関心があると明らかにした。

中立国のオーストリアは空軍の戦闘機としてユーロファイター18機のみ保有している。15機は1人乗りで、3機は訓練用として使用される2人乗り。しかし2002年にユーロファイターを導入する過程で腐敗スキャンダルがあった。2度の議会レベルの聴聞会と検察の捜査が続いた。オーストリアはユーロファイター15機を2020年から段階的に退役させる方針だった。
(引用ここまで)


 おや、この間の「オーストリアの中古ユーロファイター15機をインドネシアが引き取る意向」というネタが真実味を帯びてきましたね。
 オーストリア側が乗ってきたそうです。
 軍事関連には観測気球的なネタが多く出るので、あれもそのひとつかなぁと思いつつ扱ったのですが。
 瓢箪から駒とでもいうべきか。

 トランシェ1 ブロック5のユーロファイタータイフーンは対地攻撃できないこともない、というレベル。一応、一部の誘導弾も射てるはず。……射てたよな?
 対空任務は充分にできるけども、それだけの機体です。
 オーストリア空軍は導入時に不正があったとかで双発機なんていう身分不相応なものを購入してしまい、パイロットも充足できていない。もう機体寿命もあまりまくり。
 もちろん、予算がないので機体のアップグレードもできていない。
 まあ、インドネシアにしてみたら航続距離長めでかつそれなりの迎撃性能のある戦闘機は欲しいところでしょうけどね。

 ただ、これが本決まりになるとかなりめちゃくちゃな保有数になりますよ。
 Su-27が5機とSu-30が11機。
 F-16A/Bが12機、F-16C/Dが25機。
 そこにユーロファイターが15機。
 米露欧の戦闘機が勢揃い。整備士地獄。
 あと訓練機兼攻撃機として、韓国製のF/A-50相当のT-50I、BAEのホーク200もあって、そのうちSu-35とKF-Xが入ってくるのではという状況。
 いや、本気?

 現状のインドネシアだったら30機くらいのグループをふたつくらいに集約するのがよいんじゃないかなーという感じ。
 ロシア機は西側艦艇を揃えている海軍とのデータリンクができないので将来的には退役させていくしかない。
 っていうことで単発はグリペン(NG)かF-16C/DからアップグレードしたF-16V。というか、この2機種が30機ずつでもいいような。
 双発機が欲しいならそこに既報のラファールあたりを加えてもいいかな。
 インドネシアは地域大国を自認しているので、単発機だけというのもプライドが許さないのでしょう。まあ、そういう意味でユーロファイタータイフーンなんだろうけども。

 韓国メディアがこのネタを引っ張ってくるのも、ユーロファイターはKF-Xとスペック的に被ってくるからですね。
 いまだに2018年以降からのKF-X開発費の分担金は未払い状態。

 先日、韓国側が「試作機の製造にかかる」と大々的にアピールしたのもこのあたりの事情があるからかなー。

韓国型戦闘機の試作機 来年前半に公開へ=最終組み立て開始(聯合ニュース)

 来年春に公開予定の飛ばさない試作1号機。
 これの公開からわずか5年後の2026年には戦力化という予定です。
 インドネシアは総計48機のIF-X(KF-Xのインドネシア側呼称)を取得予定。

 それにしてもトランシェ1のユーロファイタータイフーンなぁ……。
 機体本体は無料か無料に近い価格で引き取られて、インドネシアがアップグレード費用を負担するっていうならギリギリありだとは思うけど。