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カテゴリ:中韓関係の記事一覧

韓国メディア「中国は韓国を属国のように扱っている」→韓国政府「そ、そんなことは事実ではない!」

「小国があえて大国に…」傍若無人な中国に抗議一度すらできなくて(朝鮮日報・朝鮮語)
昨年6月10日、韓国外交部がばっさりとひっくり返った。中国外交部が韓中外交長官通話のニュースを伝えながら双方が非公開とする敏感な内容を一方的に発表したのだ。中国側の発表によると、王毅外交部長は米国の中国牽制構想であるアジア・太平洋戦略を猛批難し、チョン・ウィヨン長官に「(アメリカの)偏向された偏節奏に巻き込まれてはならない」「正しいこと、正しくないことを把握して正しい立場を堅持せよ」というなど訓戒調の発言を発表したのだ。

対等な主権国家の間で行ったと信じにくい対話だった。しかも相手が困惑する内容を公開して後頭部を打ったのは外交的にタブーに属する非紳士的行為だった。しかし、韓国側が中国に抗議したという話は聞こえなかった。外交界では「30年の韓中関係の現住所を見せた端的な場面」という言葉だった。

中国を相手にした前・現職外交官の多くは「中国の非外交的行動に当惑したことが多い」と話す。中国の外交司令塔である楊潔チ共産党政治局委員が2018年と2020年に訪韓当時「ソウルで会談しよう」との韓国側の提案を一蹴し、大統領府国家安全保障室(チョン・ウィヨン、ソフン)を釜山に呼んだのが代表的な事例だ。中国の無礼は政権を選ばなかった。イ・ミョンバク政権時代(2010年11月)「韓国に行くからソウル空港を空けてほしい」という一方通報とともに中国を出発した戴秉国外交担当国務委員が到着と同時に大統領面談を要求し、韓国外交部が慌てたという逸話は今も広く知られている。

韓国に対して言葉だけ戦略的同伴者と呼び、実際には属国扱いするような中国の傍若無人な態度は「小国は大国に従わなければならない」という中華思想・大国主義から始まったというのが中国専門家らの診断だ。
(引用ここまで)


 中国が韓国に対して属国に対するような扱いをしてきている、というニュース。
 王毅外交部長との通話会談で「なにが正しいのか、正しくないのかを理解せよ」「アメリカのリズムに乗せられるな」と韓国のチョン・ウィヨン外交部長官に言い渡した、という話はすでに去年の時点で出てましたね。

中国が韓国けん制 「米のリズムに乗るな」(時事通信)

 G7出席前に釘を刺された、とされています。
 これ、韓国側としては出されるつもりのない会話だったと。
 でもまぁ……中国のやりようとしてはいつものこと。


 ついで2018年、2020年と楊潔チ政治局委員が訪韓した際には「ソウルで会談したい」という韓国の要望を断って釜山で会談。
 ま、どれもこれも中国のいつもの姿であって、特段どうこう言うような話でもないとは思うのですけどね。
 引用外ではTHAADミサイル配備に対する三不の誓いも書かれてますし。

 でも、韓国政府はこの朝鮮日報の報道に対して「まったく事実ではない」とわざわざ反論していたりします。

韓国外交部が反論 中国に低姿勢は「全く事実ではない」(聯合ニュース)
韓国外交部の当局者は6日、記者団に対し、政府が対中国外交で「低姿勢」を取っていると指摘する国内メディアの記事に関連し、「事実関係や外交上の慣行に対し、もう少し客観的で明確な理解があってほしかった」とし、「全く事実ではない」と反論した。

ある韓国メディアは、韓中が今年国交樹立から30年を迎えることを扱った記事で、中国外交担当トップの楊潔チ共産党政治局員が2018年と20年に韓国国家安保室長との韓国での会合場所を一方的に指定したと指摘した。

 これについて同当局者は「事前に協議したものであり、強圧的だったというのはわれわれの自尊心に照らしてみてもあり得ない」と強調した。
(引用ここまで)

 無視してりゃいいものをこうしてわざわざ反応して反論しなくちゃいけない、ということは事実なんだろうなぁ……と。
 「効いてる、効いてる」ってヤツですね。

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韓国政府「オードリー・タン氏へのドタキャンは諸般の状況をムニャムニャ……」→中国機関紙「韓国は正しい決定をした」

韓国外交部、台湾閣僚級演説の「当日キャンセル通告」について立場を明かす「諸般の状況を総合的に検討して決定」(Wow! Korea)
台湾閣僚の講演中止 「中国を意識したものではない」=韓国大統領府(聯合ニュース)
 韓国外交部(外務省に相当)は、大統領直属機構である第4次産業革命委員会が台湾閣僚級人事を国際カンファレンス演説者として招いたが、当日突然取り消したことについて立場を明らかにした。

 外交部のチェ・ヨンサム報道官は21日、定例会見で、この決定が「両岸関係」を考慮したものではないかと指摘され、「諸般の状況を総合的に検討して決定したこと」と答えた。
(引用ここまで)

 韓国青瓦台(大統領府)は22日、韓国大統領直属機関の国際会議で予定されていた台湾の唐鳳(オードリー・タン)政務委員(デジタル担当)の講演が突然キャンセルされ、台湾政府が韓国側に抗議したことに関し、「(キャンセルは)中国を意識した措置というより、われわれの外交原則に基づくものだ」と記者団に語った。 (中略)

 青瓦台の高官は「唐氏の出席取りやめは諸般の状況を総合的に検討して決定したものと承知している」と伝えた。単に中国との関係だけでなく、韓国と台湾の外交関係が断絶されている状況なども考慮したということのようだ。
(引用ここまで)


 韓国政府の外交部、および大統領府が相次いで昨日のオードリー・タン氏へのドタキャンについて立場を表明。
 曰く、「諸般の状況を総合的に判断して決定」(外交部)、「中国を意識したのではなく、外交原則に基づいて決定」(大統領府)したとのこと。
 当日、実際のカンファレンス開始の1時間前に、総合的にかつ外交原則に基づいて決定……ね。

 楽韓Webでは幾度か「外交は言葉でするものではない」という話をしています。
 たとえ百万の美辞麗句で外交を飾ろうとも、ひとつの行動ですべてがあからさまになってしまうのですよ。
 その典型例が今回の事態だったといえます。


 韓国政府としてはそりゃ「中国を意識したものではない」って言うでしょうよ。
 そりゃ言うわな。
 でも、実際の行動は明らかに中国から叱責されることを恐れてのもの。
 今回はあまりにも言葉のすべてが上っ面を滑り散らかしていて苦笑すら出ません。

 あ、そうそう。
 中国当局からはお褒めの言葉をいただけたようですよ。

'Like a virus' - Taiwan pro-secessionist 'minister' disinvited from S.Korean conference after being snubbed by White House(Global Times・英語)
中国国営メディア、台湾閣僚の講演を中止した韓国に「正しい決定をした」(朝鮮日報)

 「韓国は中国のレッドライン(超えてはならない一線)を気にかけて正しい決定を行い、ソウル−北京間の関係を良好なものにした」ですって。
 よかったですね。中国様に褒めてもらえましたよー。
 まさに「狗としては正しい行動」といえるってところですかね。

 ま、斯様に「外交は言葉ではない、行動で示すものなのだ」ということです。
 日本も気をつけないとね。

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「中国に文句を言われれば即座に台湾を見捨てる」態度をはっきりと見せた韓国、有事であっても同じことが起きるはず

台湾、韓国に外交欠礼抗議…「閣僚級の演説突然取り消し」(中央日報)
台湾政府が、韓国の第4次産業革命委員会が国際カンファレンス当日に台湾閣僚による演説を突然取り消す欠礼を犯したとして公開的に抗議した。

台湾外交部は20日夜にホームページで韓国の第4次産業革命委員会が16日に開催した「2021年第4次産業革命グローバル政策カンファレンス」で唐鳳(オードリー・タン)行政院デジタル担当政務委員(閣僚級)がオンライン演説をする予定だったが、当日早朝に韓国側が取り消しを通知してきたと明らかにした。

台湾外交部は「韓国側の欠礼と関連し駐台北韓国代表処代理代表を呼び強い不満を示した。台湾の韓国駐在代表も同時に韓国側にわが政府の厳正な抗議の意を伝えた」と明らかにした。
(引用ここまで)


 正直ね、バカなんじゃねえかって思いますわ。
 韓国当局が中国から抗議を受けたら、こうなるのは100%分かりきっているんですよ。
 なんの抵抗もせずに台湾側を切り捨てるのは間違いない。
 台湾(中華民国)との断交時もそうだったように。
 今回も同じことです。

 招待した人が誰であろうとも、台湾と中国だったら中国を選ぶのが韓国です。
 韓国にとっての正解は「最初からオードリー・タン氏を呼ばない」ことだけです。
 もうね、すべてが間違っているんだよな。
 中国からの恫喝に耐える胆力なんてないんだからさ……。


 中央日報の記事にはありませんが、当日にドタキャンをかました理由は「両岸関係を考慮した」からだとされています。

台湾、韓国に「強烈な不満」表明 唐鳳氏の講演中止で(AFPBB)
韓国が台湾の唐鳳(オードリー・タン、Audrey Tang)政務委員(閣僚)を会合に招待して講演を予定しながら、「両岸関係」を理由に中止したことを受けて、韓国に抗議したと発表した。
(引用ここまで)

 「両岸関係」、つまり中台問題に配慮したということです。

 これ、要するに台湾有事の際には中国側につくという宣言ですからね?
 台湾側にオンライン演説すらやらせることができないていどの連中が、実際の戦争でまともな役割を果たすことができるのかって話です。
 ルトワックが中国4.0やラストエンペラー習近平で書いていたように、「韓国はゆっくりだが確実に、アメリカの影響圏から中国の影響圏に入りつつある」のです。

 その象徴が今回の件です。
 どうにも言い訳のできない形で、ですね。
 まあ、韓国の寝返りを防ぐためにも駐韓米軍撤退はそうはないとは思うのですが。イ・ジェミョンが大統領になれば、それはまた別の話です。

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ラストエンペラー習近平 (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2021-07-19

中国4.0 暴発する中華帝国 (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2016-03-18

中国の国力は間もなく衰退をはじめる……だからこそ危険なのだ、という話

カテゴリ:中韓関係 コメント:(86)
「最盛期の中国、衰退期を迎える前の10年が国際秩序にとって最も危険」(朝鮮日報)
China Is a Declining Power—and That’s the Problem(フォーリンポリシー・英語)
新興大国は、パワーが拡張し続ける時点では、中国のトウ小平が唱えた韜光養晦(とうこうようかい。目立たず、時を待ちながら力を養う)のように覇権国に対抗できる時まで「対決」を遅らせる。しかし成長が限界に突き当たり、覇権国と同盟勢力に包囲されて衰退期が目前の時期に至ると、新興大国は手遅れになる前に現在手に入れられるものを確保しようとして「戦争のわな」に陥りやすい。 (中略)

 ブランズ、バックリー両教授は「現在米国が懸念すべきなのは、スーパーパワーを夢見たが頂点に達してしまい、国家的野望と国民的期待をもはや一致させられなくなりながらも衰退のつらい結果の受け入れを拒否する中国」だと主張した。
(引用ここまで)


 ちょっと特別版で。
 朝鮮日報がフォーリンポリシー誌に掲載された「衰退する中国の力──それこそが問題だ」とする記事を取り上げています。
 内容としては今後10年ほどで中国の国力は最大に達し、以降は衰退していく。
 間近に迫った衰退を恐れて急激な拡張方針を執りうることがあるとの話を、戦前の日本や80年代前後のフランスなどの実例を挙げて示しているものです。

 そして、中国もその轍を踏みそうだ……というか、すでに傾向は出ている。習近平への権力の集中、富の蓄積なしでの高齢社会への突入等々の要因が中国の安定性を欠こうとしている。
 楽韓さんもTwitterでそんな話についてちらと語っています。


 よほどのマヌケでないかぎり、中国による台湾侵攻への方向性は今年になってからは理解できていたことでしょう。
 目端の利く人間であれば去年、もしくはそれ以前からじわりと感じられていたでしょうね。

 習近平が毛沢東と並び、かつそれ以上の中国における歴史的な政治家となるためのレガシーとしてどうしても「台湾との統一」が必要なのです。
 強引なまでの香港の併呑はその一過程にしか過ぎませんね。
 かつての中国の最大版図が記された「国恥地図」に近づくための一環なのです。




 トッドはその著作の中で「中国は最大の大国とはなり得ない。人口問題で深刻な危機を抱えるからだ」と述べています。
 男女出生比の極端な差だけを見ても超大国にはなり得ないとの話で、成長の終わりは見えている……というような主張でしたね。



 人口から見た中国の国力におけるピークがくるのが2035年前後。
 つまり今後の十数年間が中国の周辺国にとってはもっとも危険な時期となり得る、というのがフォーリンポリシー誌の記事の主張になるわけです。

 米中対立を書いた佐橋亮氏はそこまでをかわすことができれば……というような話をしています。
 ただ、アメリカがかわそうと思っていても中国がそうはさせない可能性を大いに考慮すべしと。
 この記事の主旨が日本語で読めるのが朝鮮日報の日本語版というのもなんか変な話ではありますけどね。
 まあ、朝鮮日報に載っているのをダシにしてこういう話があるのですよ、という紹介でした。たまにはよいでしょ、こういうのも。

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韓国外相「我々は中国が攻勢的な外交をするようにして、日本との外交を行っている」と自白してしまう

中国の攻勢外交を「自然」という韓国外交長官…「我々も日本に攻勢的」(中央日報)
訪米中に中国の攻勢外交(assertive diplomacy)について「自然だ」と述べた韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官がこれを釈明し「我々は日本に『assertive(攻勢的に)』する」と発言した。

1日に国会で開かれた外交統一委員会の外交部国政監査で、太永浩(テ・ヨンホ)国民の力議員は鄭長官の米外交問題評議会(CRF)対談(先月22日)での発言に言及しながら、「習近平国家主席時代に入って中国が核心利益地域で他国との衝突も辞さないとして攻勢外交という概念が確立された」とし「CRFの対談進行者がこれについて韓国外交長官の考えを尋ねたが、なぜ中国の肩を持つのか」と質問した。 (中略)

太議員は「実際に会った米シンクタンクの人たちは韓国の外交長官がこのように発言したことに驚いていた」と指摘した。

すると鄭長官は「発言の趣旨はそうでなかった。どこの国でも自国の立場を強くassert(主張する)することができる。しかし自国の立場をcoerce(強制する、強圧する)してはいけないというのが我々の立場」とし「最近、中国に対してはassertive(攻勢的)よりはcoercive(強圧的)という表現を使う」と説明した。 (中略)

特に、鄭長官は追加の説明をする過程で「そのような意味で話せば、我々もassertive(攻勢的に)している。日本に我々の立場を話す時、非常に強く陳述する」とし「中国だけでない」と話した。

これは日本の歴史および領土歪曲問題に対する政府の断固たる対応を意味したとみられる。しかし経済力を前に出した中国の高圧的な態度に対して使う「assertive(攻勢的)」という表現を韓国の正当な立場の陳述に、それも友好国の日本に対する外交的な態度に例えるのが適切なのかという指摘が出る。
(引用ここまで)


 帰国したチョン・ウィヨン外交部長官に対して、野党国会議員から「中国の強圧的外交態度は自然なことだ」と話したのはなぜか、と国会で質問が出まして。
 まあ、そりゃそうだって話ですわな。

 中国からの圧力を受けている度合いを見ると、韓国へのそれはかなり強度が強い。
 オーストラリアか韓国か、といったところです。
 韓国は三不の誓いを捧げて冊封され、あれだけ三跪九叩礼のようにして付き従っているにも関わらず、圧力はやむところを知らない。朝貢だけしていて返礼品がない状況が続いています。
 コロナ禍で外国人観光客は望むべくもない状況ですが、それ以前から中国人観光客が激減していましたし、現在でも韓国人芸能人は中国での活動の幅を極端に減らされています。

 それでもチョン・ウィヨン長官は「我々は中国からそのような圧力を受けたことはない」と釈明するなど、完全に中国に尻尾を振るような発言を繰り返しています。
 今回も「assertive(攻勢的)」と「coercive(強圧的)」は異なっている意味合いだから間違いではないと話しているのですが。
 最初の対談でCRFの司会者が「assertive」って言葉を使ったのはどう考えたって外交用語として、ですよ。
 角を丸めて刺さらないような言葉にしている。キャバクラの名刺のように。


 言葉遊びで「中国の態度は『攻勢的』か、それとも『強圧的』なのか」なんて話をしているわけじゃないんだよな……。
 中国の強い態度に出ている外交をどうするのか、という話をしているんだっていう。
 国内向けに言葉遊びに持ちこんでおきたいというのが本音なんでしょうけども。

 しょうがないんで「我々も日本に対しては攻勢的に、非常に強く陳述している。中国だけではない」と言い出しちゃったりしている。
 これ、要するに日本に対しては中国の真似事をしているっていう自白なんですけどね。
 ま、残念なことに日本は「韓国が中国に対するような及び腰の対応」をしていないので、なんの意味もないんですが。
 むしろ、自由主義国としてまともな対応をしているのは日本側ですからね。
 「中国のように攻勢的」にやればやるほど、周辺国からどん引きされるだけというオチになるのですよ。
 「うわ、韓国ってまるでプチ中国みたい」って。

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韓国識者「韓国は中国に対して譲歩できないラインを守らなければならない」……あれだけやられててまだ守るラインあるんだ?

カテゴリ:中韓関係 コメント:(62)
タグ: 中韓関係
【韓中ビジョンフォーラム】 「韓国、譲歩できないラインは守るべき」(中央日報)
政権交代とは関係なく韓米同盟関係、韓中パートナー関係という確実な根を下ろした状態で、中国に対して我々が譲歩できないラインは必ず守っていくということだ。低姿勢の対中外交の底辺には、南北関係を改善しようとする政府の善良な意思があるが、それでも絶対に変わらない原則を守っていく努力をしていかなければいけない。
(引用ここまで)


 韓国の識者が集まって「韓国も中国に対抗すべきところは対抗し、協力できる部分では協力しなければならない」といった毒にも薬にもならないような話をしているのですが。
 その中でちょっと面白い意見がありまして。
 THAAD葛藤からこっち、中国の圧力がとんでもないことになっている。
 韓国は譲歩できないラインを守るべきだ、というものなのですが。

 韓国の「譲歩できないライン」ってどこよ?
 三不を捧げて主権の一部を捨て去り。
 いわゆる東北工程で文化、歴史を中国の物であるとされて。
 キムチ、韓服は中国由来、高句麗の歴史は中国の地方政権のものとされている。
 国家元首は国賓として中国に招かれたはずなのに、出迎えたのは序列何位かもよく分からない役人(次官補級)で、ひとり飯連発。
 おまけに外相はアメリカくんだりまで行って「韓国は中国から圧迫を受けているとは思わない」とか発言して、中国国営メディアにお褒めの言葉をいただく始末。


 ……これ以上、なにをされたらライン超えになるんだよっていうね。
 しかも、「中国がやった」こともあるけど、三不の誓いをはじめとしてわざわざ韓国側から働きかけていることも多数ですからね、このあたりの問題。
 まあ、韓国人が「これはまだまだ大丈夫」って言うのであれば、日本人であるこちらとしては「じゃあ、しょうがないね」としか言いようがないのですが。

 ただ、世論調査を見るかぎりでは明らかに中国人に対して辟易している、という結果は出ているのですよね。
 このあたりをうまく拾い上げれば大統領選挙でも「対中国政策」を争点にできるのではないか、との話を以前にもしていますけども。
 まあ、付き従うも、跪くも、反抗するも韓国人の選択ですからね。
 日本の選択肢は「日米同盟」とその拡張でしかないのですが。

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韓国外相の「中国は強圧的な外交などしていない」発言に中国国営メディアがご満悦→「それこそが『韓国のためになる』発言」というものだ」……ですって

中国官営メディア、社説でチョン・ウィヨン発言支持……「親中国ではなく、韓国の利益を考えた真実」(朝鮮日報・朝鮮語)
チョン・ウィヨン外交部長官が中国による攻勢対外基調に対して「当然だ」と発言した中、中国の官営メディアが社説でこれを擁護した。

24日、環球時報インターネット版には「親中発言か? 韓国外交部長官は親国益(韓国の利益)である」というタイトルの社説が上がってきた。

媒体は「私たちが見るところ、チョン・ウィヨン長官は単にいくつか大きな真実を語っただけ」とし「どの国が主権と核心利益を守るにあたり強く出ていないのかと尋ねたい」と伝えた。続いて、「中国はいくつかの国と領土紛争がある。我々は明らかに立場を明らかにし、自分の利益を守ってきた」とし「中国の実力が増えたが、その力を私たちへの挑戦に対して反撃するために使ってはならないというのか」とした。

また「韓国は中国の重要な隣国であり、中国と米国の間に挟まれた、典型的な国」と表現し、「韓国は中・米間で一種のバランスを維持するために力を注いだ」とした。媒体は「これはオーストラリア、日本とは異なる韓国の外交の姿である」とし「明らかに韓国の戦略的空間を縮小したものではなく、拡張し、自国の利益を守ることができる外交的柔軟性を増大させた」と伝えた。また、「韓・中には社会相手の激しい情緒があるが、両国首脳がそのような激しい感情が相互関係を主導しないように建設的な方向を確固たるものにしたのは、両国が政治的知恵を見せてくれただろう」と付け加えた。
(引用ここまで)


 先日、韓国の外交部長官(外相に相当)が訪米中の対談で「中国が強圧的になっているのは自然なことだ」「中国はかつてよりも強くなっており、20年前の彼らではない」「中国が彼らの思うところを語るのは当然のこと」「我々は中国の言わんとすることを、よく聞かなければならない」といった発言を行いました。
 ちなみにこのエントリは楽韓Webでも指折りの佳作といえるので読んでおいたほうがよいですよ。

 んで、チョン・ウィヨン長官のこの発言に対してさすがに韓国国内からも「どこの外相なんだ」等々のブーイングが飛んだのですが、チョン・ウィヨン長官は平気な顔で「中国は各国から強圧的だとされているが、中国が韓国にそうしているとは考えていない」と飄々と反論しています。

韓国外相 中国の外交巡る発言を説明「強圧的ではない」(聯合ニュース)

 三不の誓いを捧げたのも強圧的な外交の結果ではなかったし。
 国賓として招かれたはずのムン・ジェインがひとり飯を繰り返し、最後には党序列が高いとはとてもいえない王毅に「よく来たな」とばかりに二の腕をばんばんと叩かれたのも強圧的ではないと。
 まあ……お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな。としか言いようがないのですが。
 すでに一部といえども主権を失っている国はこういう考えかたになるのか。


 中国の環球時報(Global Times)が社説でその発言を褒めたたえています。
 チョン長官の回答は親中国ではなく親韓国であり、真実を語っただけだと。
 中国共産党にとって100点満点の回答だったということなのでしょう。

South Korean FM is pro-SK interest rather than 'pro-China': Global Times editorial(Global Times・英語)

 しかも、コラムとかじゃなくて社説。
 ここのところ、AUKUSの原潜同盟やクアッド首脳会談等々、中国にとって気に食わない事態が連発していたわけですが。
 アメリカの同盟国である韓国をしっかりと籠絡できているという確認ができたことでご満悦ということです。
 まあ……そりゃルトワックも「韓国をクアッドに触れさせるな」と言うわけですわ。

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ラストエンペラー習近平 (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2021-07-19

韓国外相が「中国は強くなったので強硬姿勢を見せても当然のことだ」と発言……この発言、対日外交にあてはめると韓国人の本音が見えてきます

中国の強硬姿勢は「当然」 反中ブロックは冷戦思考=韓国外相(聯合ニュース)
国連総会に合わせて米ニューヨークを訪問している韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は22日(現地時間)、外交・安全保障分野の米シンクタンク、米外交問題評議会(CFR)との対談で、中国が国際社会で強硬な姿勢を見せているとする司会者のCNNキャスターの指摘に、中国の強硬外交は当然だとの考えを示した。

 鄭氏は中国の強硬な外交に対し、「経済的に一段と強くなっているため、当然だ」と述べ、「20年前の中国ではない」と指摘。「彼らは国際社会の他のメンバーに中国の声を伝えたいと考えている」とし、「私たちは中国が主張したがっていることを聞く努力をすべきだ」と述べた。

 また、司会者が米国と韓国、日本、オーストラリアを「反中国」国家のブロックと規定しようとしたことに、鄭氏は「それは冷戦時代の思考だ」と反論した。続けて、韓米同盟は韓国の外交の中心軸であり、中国は最も重要な経済パートナーだとしながら、「米国と中国がより安定した関係になるよう希望する」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国の外交部長官、すなわち外務大臣が「中国の見せている強硬外交は当然だ」と発言したとのこと。
 CFR(Council on Foreign Relations)はYouTubeで件の対談を公開しています。



 司会者が韓国、日本、オーストラリア、アメリカを「反中国(non china)」国家ブロックとして扱いたいという話をし、長官が「それは冷戦的思考だ」と返したのは11分過ぎくらい。
 ついで司会者が「中国はこの何年か『より積極的な(more assertive)』 態度に出ていると思いますか?」と問うたのが13分ほど。
 で、それに対してチョン・ウィヨン長官が「それは自然なことだ(I think it's natural)」「中国はかつてよりも強くなっている。20年前の彼らではない」「彼らが自分の思うところをアピールするのは当然のことだ」と答えている、と。
 それ以外にも「我々は中国の意見をよく聞かなければならない」というような話をしていますね。
 なるほど。この対談、けっこう面白い。まだ20分くらいしか見ていませんがあとで全編チェックしておこう。
 せめて自動でつく英語字幕はオンにしておいてほしいんだけどなー。


 で、韓国国内で「中国を擁護している」「戦狼外交が当然だというのか」と非難されているのですが。
 まあ、それはそれとして。
 今回のチョン・ウィヨン長官の話、とてもわかりやすい部分があるのです。

 というのは「中国は強くなったので、態度が変わって当然だ」という部分。
 これが韓国人の意見であるというところに注目したいですね。
 すなわち、韓国外交の基本にそういう部分があるということです。

 「中国は強くなった。より積極的に彼らの意見を伝えることは当然だ」=「韓国は強くなった。より(略)」となっているのです。
 「韓国はかつてより強くなった」ので、日韓基本条約や日韓請求権協定に従わなくても当然だ、と考えている。
 それを敷衍すると中国の戦狼外交に対しても「当然だ」という感想になってしまうわけですよ。

 ましてや日韓基本条約は軍事政権である朴正熙大統領政権下で結ばれたものであって、我々が関与したものではない。
 守る必要などない、と考えていることがこの発言から見えてくるのですね。
 他の人のことを語る場合、自分を基準にして語るしかないというのはよく言われることですが。
 まあ、それが如実に現れたといえるのではないでしょうか。
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