相互RSS募集中です

カテゴリ:中韓関係の記事一覧

韓国外相の「中国は強圧的な外交などしていない」発言に中国国営メディアがご満悦→「それこそが『韓国のためになる』発言」というものだ」……ですって

中国官営メディア、社説でチョン・ウィヨン発言支持……「親中国ではなく、韓国の利益を考えた真実」(朝鮮日報・朝鮮語)
チョン・ウィヨン外交部長官が中国による攻勢対外基調に対して「当然だ」と発言した中、中国の官営メディアが社説でこれを擁護した。

24日、環球時報インターネット版には「親中発言か? 韓国外交部長官は親国益(韓国の利益)である」というタイトルの社説が上がってきた。

媒体は「私たちが見るところ、チョン・ウィヨン長官は単にいくつか大きな真実を語っただけ」とし「どの国が主権と核心利益を守るにあたり強く出ていないのかと尋ねたい」と伝えた。続いて、「中国はいくつかの国と領土紛争がある。我々は明らかに立場を明らかにし、自分の利益を守ってきた」とし「中国の実力が増えたが、その力を私たちへの挑戦に対して反撃するために使ってはならないというのか」とした。

また「韓国は中国の重要な隣国であり、中国と米国の間に挟まれた、典型的な国」と表現し、「韓国は中・米間で一種のバランスを維持するために力を注いだ」とした。媒体は「これはオーストラリア、日本とは異なる韓国の外交の姿である」とし「明らかに韓国の戦略的空間を縮小したものではなく、拡張し、自国の利益を守ることができる外交的柔軟性を増大させた」と伝えた。また、「韓・中には社会相手の激しい情緒があるが、両国首脳がそのような激しい感情が相互関係を主導しないように建設的な方向を確固たるものにしたのは、両国が政治的知恵を見せてくれただろう」と付け加えた。
(引用ここまで)


 先日、韓国の外交部長官(外相に相当)が訪米中の対談で「中国が強圧的になっているのは自然なことだ」「中国はかつてよりも強くなっており、20年前の彼らではない」「中国が彼らの思うところを語るのは当然のこと」「我々は中国の言わんとすることを、よく聞かなければならない」といった発言を行いました。
 ちなみにこのエントリは楽韓Webでも指折りの佳作といえるので読んでおいたほうがよいですよ。

 んで、チョン・ウィヨン長官のこの発言に対してさすがに韓国国内からも「どこの外相なんだ」等々のブーイングが飛んだのですが、チョン・ウィヨン長官は平気な顔で「中国は各国から強圧的だとされているが、中国が韓国にそうしているとは考えていない」と飄々と反論しています。

韓国外相 中国の外交巡る発言を説明「強圧的ではない」(聯合ニュース)

 三不の誓いを捧げたのも強圧的な外交の結果ではなかったし。
 国賓として招かれたはずのムン・ジェインがひとり飯を繰り返し、最後には党序列が高いとはとてもいえない王毅に「よく来たな」とばかりに二の腕をばんばんと叩かれたのも強圧的ではないと。
 まあ……お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな。としか言いようがないのですが。
 すでに一部といえども主権を失っている国はこういう考えかたになるのか。


 中国の環球時報(Global Times)が社説でその発言を褒めたたえています。
 チョン長官の回答は親中国ではなく親韓国であり、真実を語っただけだと。
 中国共産党にとって100点満点の回答だったということなのでしょう。

South Korean FM is pro-SK interest rather than 'pro-China': Global Times editorial(Global Times・英語)

 しかも、コラムとかじゃなくて社説。
 ここのところ、AUKUSの原潜同盟やクアッド首脳会談等々、中国にとって気に食わない事態が連発していたわけですが。
 アメリカの同盟国である韓国をしっかりと籠絡できているという確認ができたことでご満悦ということです。
 まあ……そりゃルトワックも「韓国をクアッドに触れさせるな」と言うわけですわ。

   Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローよろしくお願いします。→

ラストエンペラー習近平 (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2021-07-19

韓国外相が「中国は強くなったので強硬姿勢を見せても当然のことだ」と発言……この発言、対日外交にあてはめると韓国人の本音が見えてきます

中国の強硬姿勢は「当然」 反中ブロックは冷戦思考=韓国外相(聯合ニュース)
国連総会に合わせて米ニューヨークを訪問している韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は22日(現地時間)、外交・安全保障分野の米シンクタンク、米外交問題評議会(CFR)との対談で、中国が国際社会で強硬な姿勢を見せているとする司会者のCNNキャスターの指摘に、中国の強硬外交は当然だとの考えを示した。

 鄭氏は中国の強硬な外交に対し、「経済的に一段と強くなっているため、当然だ」と述べ、「20年前の中国ではない」と指摘。「彼らは国際社会の他のメンバーに中国の声を伝えたいと考えている」とし、「私たちは中国が主張したがっていることを聞く努力をすべきだ」と述べた。

 また、司会者が米国と韓国、日本、オーストラリアを「反中国」国家のブロックと規定しようとしたことに、鄭氏は「それは冷戦時代の思考だ」と反論した。続けて、韓米同盟は韓国の外交の中心軸であり、中国は最も重要な経済パートナーだとしながら、「米国と中国がより安定した関係になるよう希望する」と述べた。
(引用ここまで)


 韓国の外交部長官、すなわち外務大臣が「中国の見せている強硬外交は当然だ」と発言したとのこと。
 CFR(Council on Foreign Relations)はYouTubeで件の対談を公開しています。



 司会者が韓国、日本、オーストラリア、アメリカを「反中国(non china)」国家ブロックとして扱いたいという話をし、長官が「それは冷戦的思考だ」と返したのは11分過ぎくらい。
 ついで司会者が「中国はこの何年か『より積極的な(more assertive)』 態度に出ていると思いますか?」と問うたのが13分ほど。
 で、それに対してチョン・ウィヨン長官が「それは自然なことだ(I think it's natural)」「中国はかつてよりも強くなっている。20年前の彼らではない」「彼らが自分の思うところをアピールするのは当然のことだ」と答えている、と。
 それ以外にも「我々は中国の意見をよく聞かなければならない」というような話をしていますね。
 なるほど。この対談、けっこう面白い。まだ20分くらいしか見ていませんがあとで全編チェックしておこう。
 せめて自動でつく英語字幕はオンにしておいてほしいんだけどなー。


 で、韓国国内で「中国を擁護している」「戦狼外交が当然だというのか」と非難されているのですが。
 まあ、それはそれとして。
 今回のチョン・ウィヨン長官の話、とてもわかりやすい部分があるのです。

 というのは「中国は強くなったので、態度が変わって当然だ」という部分。
 これが韓国人の意見であるというところに注目したいですね。
 すなわち、韓国外交の基本にそういう部分があるということです。

 「中国は強くなった。より積極的に彼らの意見を伝えることは当然だ」=「韓国は強くなった。より(略)」となっているのです。
 「韓国はかつてより強くなった」ので、日韓基本条約や日韓請求権協定に従わなくても当然だ、と考えている。
 それを敷衍すると中国の戦狼外交に対しても「当然だ」という感想になってしまうわけですよ。

 ましてや日韓基本条約は軍事政権である朴正熙大統領政権下で結ばれたものであって、我々が関与したものではない。
 守る必要などない、と考えていることがこの発言から見えてくるのですね。
 他の人のことを語る場合、自分を基準にして語るしかないというのはよく言われることですが。
 まあ、それが如実に現れたといえるのではないでしょうか。
 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローよろしくお願いします。→

中国当局「K-Popファンのアカウントを停止したのは韓国を狙い撃ちにしたわけではない」と言い訳……まあ、K-Popだけじゃなくて気に入らないものはすべて取り締まり対象だからね……

カテゴリ:中韓関係 コメント:(99)
中国政府、Kポップのファンアカウント停止…中国大使館「韓国狙ったものではない」(ハンギョレ)
 在韓中国大使館が最近、中国政府の「インターネット浄化運動」という名の芸能界取り締まりの動きは、韓流など韓国を狙った措置ではないと釈明した。

 中国大使館は8日に公開した立場表明で、「最近、中国政府は芸能界やファンダムの混乱した状況を正すため、『清朗(中国のインターネット浄化運動)』という特別措置を取った。この過程で韓国芸能人を含む一部芸能人のファンクラブアのカウントが閉鎖された」と明らかにした。さらに韓国メディアは中国の措置は韓国を狙った側面があると見ているとし「中国政府の関連措置は公共秩序と良俗に反したり法律と法則に違反する言動だけを取り締まるものであって、他の国との正常な交流に支障を来すことはない」と説明した。

 これに先立ち、中国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の微博(Weibo)は、歌手のIUや「BLACKPINK」のロゼ、リサなど、多数の韓国芸能人ファンクラブのアカウントに対し、30日間停止措置を取った。 (中略)

 しかし、在韓米軍のTHADD(高高度防衛ミサイル)配備後、中国側が取った経済報復であるいわゆる「限韓令」(韓流制限令)が完全に解除されておらず、15日にソウルで開かれるチョン・ウィヨン外交部長官と王毅中国外交担当国務委員兼外交部長の会談に関心が集まっている。
(引用ここまで)


 先日、ウェイボーの韓国タレントらのファンアカウントが停止されたのですね。
 曰く、中国のインターネット浄化運動の一環である、ということで。
 まあ、中国当局としてはそう言うしかないでしょうね。
 韓国タレントを狙い撃ちにしたものではないというしかない。


 自国タレントのファンであろうと、韓国人タレントのファンであろうと中国国内で扱われている以上は等価であり、そのファンが目にあまる行動をするのであれば取り締まり対象。
 韓国人タレントを応援する文化が偶々行き過ぎていただけなのだと。
 誕生日のお祝いに飛行機にラッピングして飛ばそうとか、考えかた自体が尋常でないですけどね。


 中国はゲームやファン活動について圧迫を加えています。
 第2の文化大革命がはじまろうとしているのですよ。  共産党が認めるものだけが文化、なのですね。

 ゲームは1週間に週末に3時間まで。
 中国当局が新たに指定したゲームについては販売禁止。これにはどうぶつの森やウイイレ、GTAシリーズ、CoDシリーズなどが含まれています。
 テレビ番組には「政治的立場が不正確で、共産党・国家から心が離れている芸能人の起用を禁止」されました。
 中性的な容姿のタレントを禁止するという「ニャンパオ禁止令」をはじめ、芸能人に対して粛清と言ってもいい状況が続いています。

 映画でもマーベルのシャン・チーが上映禁止。
 理由は明らかになっていませんが、大元の設定で「主人公がアメリカに移民した中国人2世」であるというところからすでに気に入らない模様。
 中国市場をあてにして作られた映画なのにね。
 あらゆる面でこうした「第2の文化大革命」は続くでしょう。
 それでも韓国は中国とアメリカを両天秤にかけていくつもりなんでしょうかね?

 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローよろしくお願いします。→

ラストエンペラー習近平 (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2021-07-19

韓国人「中国はまたも韓流への規制をしかけてきた!」……いや、そうじゃなくてね

「中国の限韓令、いま始まったばかり」…BTS・BLACKPINKのファンアカウント続々停止(中央日報)
「これまでの『限韓令』とは違う次元の圧迫が始まるのではないだろうか」

7日、韓国のある大型芸能企画事務所の関係者は心配そうにこう話した。最近中国当局が芸能界に対して大々的な捜査政局を作りながらK-POPまで狙うようになると、韓国芸能企画事務所はその「火の粉」がどこまで及ぶのかを考えて悩みが深くなっている。

最近、中国の雰囲気が尋常ではない。最初は自国芸能人の脱税や高額出演料、二重国籍などに対する取締り程度に思っていたが、次第にその範囲がK-POPまで拡大している。

5日、中国ソーシャルメディアの微博で韓国ボーイズグループBTS(防弾少年団)のメンバーJIMINの中国ファンがお金を集めて彼の写真でラッピングしたチェジュ航空の飛行機を飛ばそうとしたが、フォロワー116万人に達するファンアカウントは60日間の停止処分を食らった。微博側は「社会公約に違反したので一時的に活動が中断された」と明らかにした。続いてBTSのRM・J-HOPE・JIN、BLACKPINK(ブラックピンク)のリサ・ロゼ、IU、EXO(エクソ)、少女時代のテヨンらのファンアカウントが次々と30日間の停止処分措置が取られた。 (中略)

それだけでなくアイドルのサバイバルオーディション番組やファンがスターのために募金をするなどのファンダム文化もすべて禁止した。あわせてこのような文化の根源にK-POPなど韓流があると認識している。 (中略)

ではBTSなどに心酔した中国の若者世代はこのような規制に対抗する「Army」になってくれるだろうか。キム博士は「ノー」と断言した。キム博士は「天安門事件の時の有名な話がある。『その日夜は曇り、月も浮かばなかった。私は窓を閉じてカーテンを下ろし、外でどんなことがあったのか知らない』。どういう意味かというと、自分たちは天安門事件について何も見なかったし、知りもしなかったということだ。中国人はある理想や理念のために抵抗するという意志はない。BTSファンも抵抗しないだろう」と見通した。
(引用ここまで)


 韓流のファンによる「誕生日広告」はエスカレートの一方だ、という話を何度かしています。
 K-POPのファンは地下鉄駅構内の柱やホームドアといった広告欄に「忠誠度の証」として広告を出すのです。事務所も見て見ぬ振りで、そうした広告に使える高解像度の画像とか提供している。
 安いところではLEDでメッセージの出せるバスのLED広告欄に、おめでとうメッセージを入れるとかもやっているようですね。
 デキ婚したアイドルを糾弾するメッセージとかも書かれたことがあるのですが。
 日本でいうところのフラワースタンドを出すような感覚。
 ですが、あまりにもそれが巨額になっている。

 で、そうした行き過ぎた広告出稿に中国当局が規制を敷きはじめた、という話なのですが。
 これが「K-POP全体を狙った規制だ」というように韓国では受け止めているっぽいのですけどね。
 ちょっと前に語ったように韓流を狙い撃ちにしたものではないのですよ。


 中国人が忠誠を見せるのは中国共産党に対してだけであるべき、という中国共産党の方針に過ぎない。
 そしてその頂点には習近平が存在すべき、というだけの話。
 別に対象は韓流だけじゃない。

 下手に知恵をつけることになる英語教育も禁止になる。
 インターネットは金盾越しに共産党の許したコンテンツしか見ることができない。
 BL作家は10年半の懲役を食らう。
 日本風のテーマ施設は営業停止になる。
 ジャック・マーは隠遁せざるを得なくなる。
 どれも同じ方向性の話なのです。

 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローよろしくお願いします。→

 ルトワックの新著も参考にどうぞ。
ラストエンペラー習近平 (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2021-07-19

中国の「中性的男性アイドル禁止令」は韓流への取り締まり……というわけでもない模様

中国の「女性らしい男性アイドル」にも退出令……「ニャンパオ根絶」(聯合ニュース・朝鮮語)
中国当局が芸能界の高強度の規制を発表した中で「女性らしい男性アイドル」にも退出命令を下した。

3日、香港サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)によると、中国の放送規制機関である国家グァンジョンチョングクが前日発表した放送・芸能界関連の通知には、「ニャンパオ」(娘炮)に言及し、「ニャンパオなど奇形的な美的基準を決然根絶する」という内容が含まれた。

「ニャンパオ」は外見や行動が女性らしい男性を意味する。る」という内容が含まれた。 (中略)

SCMPは「中国当局は別名『ニャンパオ』のトレンドと関連した批判の水位を高めてきた」とし「ニャンパオは伝統的な中国の文化の中の典型的な男性の像である『マッチョ』に準拠していないか、または化粧をするアイドル歌手などを含んでいる」と説明した。
(引用ここまで)


 中国で「中性的な男性芸能人を取り締まる」方針が決まりまして。
 一部の韓国人からは「韓流を取り締まるためのものでは?」というような声が出ています。
 この記事のコメントにもポツポツとそういったものがあるのですが……。

 実はTHAAD配備以降の中国当局による韓国人芸能人への圧力によって、活躍の場はとてつもなくせばめられているのです。
 ドラマの放映とかもほとんどされていませんし、音楽関連でもライブもほとんどないんじゃないかな。
 少なくとも韓国人アーティストによる中国公演ってとんと聞きません。
 中国人を取り込んだグループがコロナ禍で実質分割されて、中国側で活動している、くらいかなぁ。

 ビルボードのチャート1位を取っているBTSがアメリカでの活動に注力しているのは、勝算があったというわけではなく。
 中国で活動が禁止されたのでやむなくアメリカに転進した、というのが実際なのですね。
 で、「忠誠度の高い」ARMYとやらが、それを延々と支えるという構図。
 なので、今回の中国当局による「ニャンパオ禁止」措置は韓流とは直接の関係はないと思われます。韓国人は中国で活動していないのに取り締まりもないもんだ。


 そういえば中国では日本をテーマにした施設が営業停止に追いこまれたとの話もありました。

中国の日本テーマ施設、営業停止 「文化侵略」批判で(日経新聞)

 ま、一事が万事。
 中国では共産党が規定するものだけが文化であり、広めてよいものとなるのです。
 BL作家が「わいせつ物伝播罪」、「わいせつ物の製造・販売」で逮捕されて懲役10年半の判決が下っていましたね。
 あれは実際には「個人で出版をしてしまった」という部分も小さくはないのですが。
 でもまあ、共産党、習近平の意向から外れたものは文化として認められない。そういう国なのです。

 「メディア仲裁法」なるメディアのフェイクニュースはすべて懲罰的賠償の対象となる、という法律を作ろうとしている韓国も、志向性としてはそれほど大きく変わりはしませんが。


 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローよろしくお願いします。→

オーストラリア人「韓国は中国に操られるのをやめて、70年前の過去よりも現実に立ち向かうべき」……それができるようだったら日本はなにも苦労はしていないわけで

「中国におじけづき、惰弱な韓国の政治家たち…困難の末に勝ち取った自由と独立を守れるか」(朝鮮日報)
「中国は韓国の学界や政界、文化界、言論界の指導層全般に北京擁護論者や融和論者を確保しました。韓国の財界には北京の満足を唯一の目標として行動する強力な利益集団がありますね。中国共産党は(韓国で)インフルエンサーはもちろん、諜報(ちょうほう)工作員も動員しています」

 6月に韓国国内でも翻訳出版された『目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画』(原題:Silent Invasion)の著者で豪チャールズ・ステート大学教授のクライブ・ハミルトン氏はこのように語った。

 ハミルトン教授は1986年に英国サセックス大学で「韓国の資本主義的産業化」をテーマに博士号を取得しており、韓国との縁も深い。彼は最近の韓国の状況についてこのように診断した。

「韓国の政治指導層は早々と中国におびえ、中国と米国の間で『戦略的あいまいさ』という惰弱な態度を保っている。韓国政府が、中国と緊密な関係を維持しつつ韓国の独立も守ることができると考えているとしたら、それは『危険な賭け』だ」 (中略)

-韓国国内の反日感情は熱いが、反中感情は極めて弱い。

「韓国人は、現在の中国のウイグル人権弾圧のような犯罪行為には鈍感で、70年以上も前の過去の戦争犯罪には極めて敏感だ。驚かされる。だが真実は、北東アジアを支配しようとする中国の野望をけん制できる韓国の同盟は日本だという点だ。CCPは韓国国内の反日感情を激化(intensify)させるため、積極的に動いている。韓国国内の反日民族主義団体の一部はCCPのコントロールを受けている」
(引用ここまで)


 何度かおすすめ書籍としてあげてきた「目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画」の著者クライブ・ハミルトン氏が、韓国に対して警告を出しています。
 朝鮮日報から「いずれ中国の国力はアメリカのそれを超えると韓国人の多くは考えている」という問いに対して、「韓国は自由、独立を苦難の末に入手したのにそれを中国に売り飛ばそうとしている」と苦言。

 これ、19世紀末にイザベラ・バード女史にも同じことを言われているのですよ。「日本から独立というプレゼントをもらったものの、その使い方を知らずにいる」と。
 独立というものを持て余していた。
 そして現在も持て余している。

 まあ……中国による「目に見えない侵略」を覆そうと、経済的には血を流しながら戦っているオーストラリアの人には理解できないのでしょうね。
 というか、オーストラリアの石炭を買わずに火力発電所が稼働できなくなって、停電が頻発している中国もどうかと思いますが。
 もうすでに韓国派そうしたいざこざを恐れるあまりに、中国に対して三不の誓いを捧げてしまっている。
 すでに主権を放棄しているわけですから。

 あとは「70年前の過去には極めて敏感なのに、現在の人権侵害には鈍感だ」との指摘。
 これも中国からのコントロールを受けている、という話。
 中国共産党だけではなく、北朝鮮からのコントロールも十分に受けていると思われますが。
 いま助けられる人々の人権よりも、過去の人権侵害を「ニホンガー!」って言い続ける。
 現実における中国の圧力に対抗するよりも、日本と対立することを選んでいる。
 そりゃ、アメリカもその態度に呆れもするでしょ。
 その結果が「(徴用工・慰安婦の賠償問題について)日本の立場にフルコミットする」という話につながっているわけです。

 中国はオーストラリアにするような「静かな侵略」ではなく、目に見える形での圧力を韓国にかけている。そのほうが韓国には分かりやすいと考えているのでしょう。
 そして希望する通りの効果をきっちりと出している。
 おまけにその危険性に韓国人の大半が気がついていない。
 そりゃあ、まあクアッドからは距離を置かれて当然ですよね……。

 ちなみに北朝鮮から厳命されて米韓合同軍事演習は縮小するそうですよ。
 このあたりも実に中途半端で韓国らしいし、ムン・ジェインらしい。
 自由陣営国家としてのプレゼンスを順調に失ってますね。
 その分、日本の役割が増えているということでもあるのですが。

 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローよろしくお願いします。→

「中国のやりよう」というものを学ぶための一冊。おすすめ。
目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画
クライブ・ハミルトン
飛鳥新社
2020-05-29

韓国人「我々も同じように発言すべきだ」……麻生副総理の「中国の台湾侵攻時には集団的自衛権を行使」との発言を韓国でも大きく報道

カテゴリ:中韓関係 コメント:(111)
麻生副首相「中国の台湾侵攻時に日本は集団的自衛権行使できなければ」(中央日報)
メディア報道によると、麻生太郎副総理は5日に東京で開かれた政治資金パーティに参加し、中国の台湾侵攻は存立危機事態にあたる可能性があるとし、日本は集団的自衛権を行使できなければならないとの考えを明らかにした。

麻生副総理はこの日取材陣に対し、最も望ましい解決法は当事者間の直接会談を通して平和的解決を達成するということだと述べた。その上で、われわれが台湾海峡を通過できなくなるような多様な状況を考慮すべきとした。

一方、防衛省の中山泰秀次官は先月、中国の脅威が増加しており民主国家台湾を保護することが必要だと明らかにした。中山氏は「過去、台湾に対する中国の軍事的攻撃を『レッドライン(越えてはならない一線)』と称したことがある」とし「台湾を民主主義国家として守る必要がある」と話した。
(引用ここまで)


 麻生副総理が「中国によって台湾侵攻があるのなら、日本は集団的自衛権を行使しなければならない」と発言。
 このニュースが韓国でもけっこう大きめに報じられています。
 韓国最大のポータルサイトであるNAVERに東亞日報によるニュース記事がアップされてから2時間ほどで300ほどのコメントがついています。
 割と多め。

麻生太郎 「中国の台湾侵攻時、日本は集団的自衛権発動することができる」(東亞日報・朝鮮語)

 コメントの中に「我々も同様の発言をしなければ」とか「台湾侵攻時には韓国も(日本と同様に)海軍を送らなければ」というようなものが多めにありますね。
 先日のピューリサーチセンターの調査での垣間見えた「韓国人も中国を嫌っている」という調査結果に通じるとは思いますが。
 ま、統一新羅以外はまともに中国に対抗できたこともないわけで。アメリカから派兵依頼があったとしても出てくるかどうか。

 ちなみにこうして明言しておくことで「日本の戦力が加わる」ことを前提として中国は戦略を立てなければならなくなったわけですよ。
 そのあたりを曖昧にしておくと「出てこない可能性もある」という都合のいい考えかたになる場合がある。
 朝鮮戦争時(よりも前)のアメリカの失敗がこれに近い。
 曖昧にしたために北朝鮮(とソ連と中国)に「侵攻してもアメリカが出てこない」と踏ませてしまった。
 その後にどれほどの血を流さなければならなかったか、と。

 明言すれば「アメリカに加えて日本も参戦する」という前提で中国は動かざるを得ない。甘い見積もりをさせないためにも必要な話ですね。
 んで、さっそく中国が反応しています。

麻生副総理の“台湾侵攻”発言に 中国抗議「介入許さない」(NHK)
麻生副総理兼財務大臣が、中国が台湾に侵攻した場合、集団的自衛権を行使できる事態になりうるという認識を示したことについて、中国外務省の報道官は「両国関係の政治的な基礎を損なうものだ」として、強く反発しました。 (中略)

中国外務省の趙立堅報道官は6日の記者会見で「こうした発言は大きな誤りで危険だ。両国関係の政治的な基礎を損なうもので、強烈な不満と断固たる反対を表明する」と述べて、強く反発するとともに、日本側に抗議したことを明らかにしました。

そのうえで、趙報道官は「われわれは、いかなる国が、いかなる方法を持ってしても、台湾問題に介入することを決して許さない。中国国民が国家の主権を守ろうとする強固な決意と意志、そして強大な能力を見くびってはならない」と述べました。
(引用ここまで)

 うむ、きっちり発言について把握してもらったようで。
 なにを許さないのかよく分かりませんが、まあうまく伝わっているのであれば幸いです。

意外? 77%もの韓国人が中国を嫌っている……「嫌う」と「従う」は相反していないから、か

Large Majorities Say China Does Not Respect the Personal Freedoms of Its People(Pew Research Center・英語)
中国を最も嫌いな国は日本=米国世論調査機関(中央日報)
国際的世論調査機関である米国のピュー・リサーチ・センター(ピュー研究所)が中国共産党100周年を控えて評判調査を実施した結果、中国を最も嫌いな国は日本であることが分かった。また、調査国17カ国のうち15カ国が中国を否定的に見ていることが明らかになった。

同センターが米国、カナダ、オランダ、ドイツ、台湾、フランス、英国、日本、韓国など17カ国を対象に調査を実施した結果、15カ国で中国を否定的に見ているという回答が50%以上と出てきた。最も否定的な見解を持っている国は日本88%で最高で、その後をスウェーデン(80%)、オーストラリア(78%)、韓国(77%)、米国(76%)が続いた。

中国に対する否定的な見解が50%を超えなかったのはギリシャとシンガポールだけだった。
(引用ここまで)


 おなじみピューリサーチセンターの「中国ってどうよ?」というアンケート。
 各国の中国に対する考えが浮き彫りになっていて面白いですね。



 画像は「中国に対して不利な見方(nagative opinion of China)」についての回答一覧。
 以前から「ようやく欧州に『中国の脅威』というものが届きはじめた」という話をしてきましたが。
 20年以降はコロナ禍でそれが一気に認識されている、というところでしょうか。
 中国というものの存在を知り始めたというべきか。
 おおよそどこも2/3以上がネガティブに中国を見ている。

 例外はイタリア(60%)、スペイン(57%)、ギリシャ(42%)、シンガポール(34%)。まあ、中国人の移民国家としての側面も持つシンガポールは例外として扱ってもいいでしょうけどね。
 日本は安定して80%以上となってます。
 そして韓国でも77%。

 意外に、というべきか。
 韓国人の大多数は中国を嫌ってはいるのですよ。
 ですが、嫌っているということと従う意向があるというのは矛盾する話ではありません。
 歴史的に見ても李氏朝鮮は清について蛮族としていましたが、朝貢しなかったわけでもないし、恥辱碑を立てるのに反対したわけでもない。

 そんな相反する感情が韓国人にはある、ということでしょうね。
 でなければ自らの主権を否定する三不の誓いなんか立てることはできませんよ。
 あれは21世紀の恥辱碑ですからね?

 日本にはそういう部分がまったくないかといえばそうでもないのですが。
 でもまあ、韓国ほどじゃないよなぁ。
 でなければインド太平洋戦略を提唱したりはしませんからね。