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カテゴリ:ムン・ジェインの記事一覧

韓国軍長官「兵役中の休暇延長はメッセージアプリでOK」「ダメなら上官の配慮が足りていない」→軍幹部「そんなわけあるか! 1分でも帰営が遅れたら脱走扱いだ!」

【コラム】ヘル朝鮮の魔王らに投じる質問(中央日報)
当初、秋美愛長官は息子の件に一切関与していないと白を切った。「小説を書くつもりか」。これはすぐに嘘だと明らかになった。親が連絡を入れた記録があると、国防部が発表したのだ。議員室補佐官が部隊に何度か電話をした事実も明らかになった。さらに国防長官政策補佐官が通訳兵の選抜に関連してあちこちに不適切な請託をし、「行動に気をつけなさい」という警告を受けた事実も明らかになった。

証拠が出てくると第2段階に入った。「KATUSA(在韓米軍管轄下の韓国陸軍兵士)自体が楽な職務なので休暇を取ったか取らなかったかは特に意味のない話」(禹相虎議員) 、「電話をしたのは事実だが、圧力ではない」(金南局議員)、「補佐陣は公私の境界線にいて、問い合わせの電話は問題にならない」(洪翼杓議員)、さらには「親子関係も切らなければいけないのか」(張耿態議員)という抗弁、「連絡することは権力を行使することではない」(ソル・フン議員)という詭弁までが出てきた。

事件が「特別なこと」になると第3段階が始まった。支持者が「自分の子どもをよくみろ」と叫ぶ。金南局(キム・ナムグク)議員は野党に矛先を向けた。「野党には軍隊に行っていない人たちが多い」。ところが確認してみると、兵役免除を受けた議員は民主党が野党より3倍も多かった。兵役免除を受けた議員の2世の15人のうち14人が民主党所属だ。これに鼓舞された野党議員はチャットルームで軍隊に行った子どもの写真コンテストをした。 (中略)

民主党独特の特性が表れたのはやはり第4段階だ。なぜか。民主党の辞書には「尻尾切り」という言葉がないからだ。チョ・グク、尹美香(ユン・ミヒャン、正議連元理事長)も、秋美愛も切らない。民主党の方法は、この人たちがいかなる過ちも犯していない代案世界を創造し、国民をそこに移住させることだ。そのバーチャルリアリティはもちろん幼稚な陰謀説ととんでもない美談で構成される。

民主党の金鍾民(キム・ジョンミン)議員は「これらすべてのことが秋長官を中心に推進中の検察改革を揺さぶろうする陰謀」と主張する。キム・オジュン氏は「弾劾を否定する太極旗部隊の作品」と規定する。この陰謀説とセットになる感動的な美談も作られた。キム・オジュン氏のラジオ番組「ニュース工場」は匿名のKATUSA出身者を出し、ソ一等兵(秋長官の息子)は「十字靭帯破裂」だったと語った。彼は軍隊に行く必要もなかったのに行った愛国者だったということだ。

国防部はこれらすべてが適法だったと釈明した。その釈明は民主党と調整したものであることが確認された。国防部の立場ではなく民主党の立場だったということだ。国防部が法務部の支庁に転落したのだ。この件がある3カ月前、国防部は「診療目的の請願休暇は10日間であり、延長が必要な場合は軍病院療養審査委員会を通すべき」と指示したという。

最善の防御はやはり攻撃だ。秋長官は暴露者と彼の証言を報道した放送局を告訴した。数年前、秋長官はこう話していた。「内部告発者は大きな決心と勇気が必要であり、告発後には背信者と見なされて生きていくのが現実だ」。その告発が自分に向かうと考えが変わったようだ。さらにある民主党議員は情報提供者を犯罪者と呼び、検察に「徹底的な捜査」を促した。 (中略)

秋長官の前任も変わらなかった。チョ・グク前長官もヘル朝鮮の現実を糾弾した。「どの家に生まれたかが人生を決めてしまう社会、ぞっとしませんか」。そういう人たちがそのぞっとする地獄の高い地位に座って魔王の役割をしている。その破廉恥にもかかわらずチョ・グクを任命しなければ「悪い前例を残すことになる」と言った大統領。「良い」と「悪い」の基準が逆さになった人だけに、その人の役割に期待することもできない。
(引用ここまで)


 チュ・ミエ法務部長官(法相に相当)が息子の兵役からの脱走に対してなにをしてきたのか、ということがよく分かるコラム。
 段階が追って解説されているので分かりやすいですね。
 当時、チュ・ミエは共に民主党の党代表という立場。その立場を全力で使って息子の脱走を擁護していた様が分かります。
 もちろん、それがバレた現在でも法務部長官という地位を使ってありとあらゆる手段で捜査を妨害するし、国防部は前例を覆してでもチュ・ミエの息子とチュ・ミエ本人を擁護する。

 これ、典型的な「ウリとナム」案件です。
 「韓国のウリ意識とは何か」ということを解説するために、これほど適した例もないんじゃないかっていうくらいの「ウリとナム」となっています。
 この場合はウリ(「我々」の意味≒仲間意識)はチュ・ミエでなにがあろうとも彼女を守ることは決定しているのですね。
 なので、国防部もこれまでの「帰営まで1分でも遅れたら脱走兵扱い」という前例を覆して「カカオトーク(LINEのようなコミュニケーションアプリ)で休暇延長を申請してもなんの問題もない」「もし却下されたとしたら部隊長の問題」とか言いだしているのですね。

ネットユーザー「我々も秋法相の息子のように電話で休暇延長を申請しよう」(朝鮮日報) Web魚拓
「アプリで休暇延長する狂った指揮官がどこにいる」 与党幹部に軍の怒り爆発(朝鮮日報) Web魚拓
秋美愛法相の息子を救おうと自ら軍を崩壊させた韓国軍(朝鮮日報) Web魚拓
鄭景斗国防相も「電話で休暇延長してやらないのは指揮官の配慮不足」(朝鮮日報) Web魚拓
鄭長官はこの日、野党の攻勢で言葉に詰まったり、ひどいときにはうろたえるような気配を見せた。
(引用ここまで)

 さすがに国防部は叩き上げの人間が長官になることも多いので「ウリによるウリのための政治」に慣れていないのでしょうね。
 兵役中に電話で「休暇延長よろしくね」なんていう前例がないことは骨身にしみて分かっているので、うろたえざるを得ない。
 それでもウリは最後まで守らなくてはならないので、「指揮官の配慮不足だ」なんてめちゃくちゃな発言をしているというわけです。

 タマネギ男ことチョ・グクの際にも本当にひどいものでしたが、今回はそれに輪をかけたひどさ。
 もっとも高潔であるべき、法相が2代連続してこうですからね。
 そりゃま、20代男性からの支持率はもうこれ以上、落ちる余地がないくらいにまで落ちることでしょうよ。
 韓国というものを伝えるためのサンプルとしてはおいしいですけどね。

韓国法相の息子による軍脱走を糾弾した当直兵、国会議員によって実名・写真が暴露される……なんなのこの国……

【社説】秋美愛を守ろうと情報提供者に犯罪者の烙印を押して脅迫するだなんて(朝鮮日報)
与党共に民主党の黄熙(ファン・ヒ)議員が記者会見で秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の息子に対する兵役特別待遇疑惑の情報提供者の実名と写真を公開し、「無分別な人間の火遊びで山全体を焼いてしまった。単独犯だとは思えない」と述べた。権力が軍の服務秩序に介入していた状況をメディアに知らせた20代の情報提供者について、黄議員は「単独犯」という表現を使い、犯罪者と決め付けた。一体この青年がどういう罪を犯したのか。情報提供者は秋長官の息子が19日にわたる病気休暇が終了してから2日たっても部隊に復帰しない事実を知り、電話をかけて部隊復帰を促した当直兵だった。彼が帰るように告げた秋長官の息子が戻ってこない代わりに、陸軍本部の部隊マークを付けた大尉が現れ、「休暇延長処理をしたから、未復帰報告を上げるな」と指示するというとんでもない状況が起きた。秋長官の息子はさらに4日、一般休暇を取得後に帰隊した。元当直兵の青年は一般の兵士には到底ありえない特別待遇について情報を提供しただけだ。

 黄議員が情報提供者の実名と写真を公表したのは、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の熱狂的支持層に座標を示し、いじめるように攻撃開始命令を下したものだ。実際に親文在寅のネットユーザーは情報提供者に対する人身攻撃的な暴言を浴びせ、「厳罰」「膺懲(ようちょう)」といった脅迫めいた文章を投稿している。情報提供者に対する加害行為であると同時に、秋長官の疑惑について追加的な暴露を行う可能性がある潜在的情報提供者を脅し、さるぐつわをはめるものだ。公益的な情報提供者の保護強化を大統領選の公約で掲げ、100大国政課題にも盛り込んだ政権の与党がそんなことをしている。 (中略)

秋長官は息子の事件について、家宅捜索ができないように妨害した大検察庁幹部を息子に対する捜査の総責任者であるソウル東部地検長に据えた。権力を狙った捜査を法律と原則に従い、所信通りに行ってきた検事たちが現政権でどんな運命に直面したのかはよく知られている。秋長官が真実の瞬間を待つという検察の捜査結果がどういうふうに出るのかは馬鹿でなければ推測できる。権力さえあれば、どんなことを犯しても後のことを心配する必要がない世の中だ。
(引用ここまで)


 チュ・ミエ法務部長官(法相に相当)の息子が兵役から脱走していたことを当時の党代表だった母親の権力でもみ消していた件でまた新たな展開を迎えています。
 共に民主党のファン・ヒなる国会議員がチュ・ミエ長官の息子が脱走していたと証言した当時の当直兵の実名をFacebookで暴露したのですね。
 これ、どういうことかというと、ムン派に対して「いまだ、ゴーゴーゴー!」「こいつを高く吊せ!」ってやっている状態。

 韓国にはソウルの地下鉄やらニューヨークのタイムズスクエアにムン・ジェインの誕生日だってことで「ムン・ジェイン大統領様、愛しています」みたいな広告を打てる連中がいます。
 熱狂的というか、狂信的なムン・ジェイン支持派といっていい連中が。
 そのカウンターとしてイルベ民がMCムヒョンの広告をタイムズスクエアに出していた、なんてこともありました。

 で、そいつらに対してこの当直兵の実名をさらせば、どうなるかは火を見るよりも明らか。
 SNSのIDバレからはじまって出身大学からなにからさらされているとの話。
 ちなみに件のファン・ヒ議員ですが、自由韓国党……ではなくて、未来統合党……でもなくてえーっと「国民の力」党から突き上げを喰らって一度は実名を引っ込めたのですが、今度は実名と一緒に写真もアップしているとの話。

 「ムン・ジェインは共産主義者だ」と語った弁護士に名誉毀損で有罪判決が出た、なんてことがありましたが。
 ムン・ジェイン政権の行おうとしている検察改革に対しての邪魔者に対しては何をしてもいい、というような感覚なのでしょう。
 ファン・ヒ議員曰く「単独犯であるはずがない」「国民の力が共犯だ」という認識の模様。

 チュ・ミエ長官に「この当直兵の証言は嘘だ」と言われた際には「なんだったら国会に行って証言してもいい」とまで言っていた当直兵ですが。
 ここまで追い詰められたら逆襲に出かねないとも思いますけどね。


ムン・ジェイン政権「国民が投資しやすいように」と元本保証の株式ファンドを創設してしまう……なお、損失が出たら税金で補填、だそうで

【朝鮮日報コラム】大統領がファンドを集める国(朝鮮日報)
青瓦台で今月3日に開かれた韓国版ニューディール戦略会議は「大統領はそもそも何をする存在なのか」という基本的な質問を国民に投げ掛けた。青瓦台は同日の会議に国内の金融機関の代表40人余りを呼んだ。大統領は巨大与党の代表、経済副首相、金融委員長、青瓦台秘書陣を脇に従え、「ニューディール成功のためには金融による積極的な下支えが必要だ」と述べた。香港の証券会社はその姿が珍しかったのか、「韓国の大統領がファンドマネジャーとして乗り出した」というリポートを出した。厳密に言えば比喩が間違っている。大統領はファンドの資金を運用するファンドマネジャーではなく、ファンドの資金を集める官製ブローカーまたは互助組織の発起人として乗り出したのだ。

 その席には参加しても問題ない人物は一人もいなかった。権力であれ組織暴力団であれ、市場では力が介入したセールスのことを押し売りという。大統領を筆頭とする経済の権力府が全て参加することで、その席は会議ではなく押し売りの現場となった。 (中略)

 青瓦台での会議直後、メディアは損失が出た場合、結局税金で元本を補填するファンドの設計を問題視した。実際にこのファンドは国家財政をテコに巨額の民間資金をかき集める前代未聞の優遇ファンドであり、投資の自己責任原則を崩壊させ、金融市場を混乱させる怪物ファンドだ。国民の税金を担保に民間資金を借りて創設する政権ファンドにほかならない。過去の政権も官製ファンドに資金を誘導したことはあった。しかし、税金を担保に元本を保証することはなかった。「カネを稼ぐにはカネが必要になる」格好でこれは投資商品と言えるのか。損益に関係なく、大韓民国の証券市場にそんなファンドが登場すること自体が問題だ。

 さらに大きな問題は大統領の本分に関する問題だと思われる。大統領がファンドの資金集めに走る姿は果たして正常だろうか。 (中略)

 文政権が大きな政府を目指すのは仕方がない。哲学だというから。しかし、任期5年の政権の哲学を実現するため、借金400兆ウォン(約36兆円)を国民に押し付け、それでも足りずに大統領は「国民にもっと安定的な収益を可能にする」という名目で、頼母子講の資金を集めるようにファンドの資金集めに乗り出した。これは大きな政府、小さい政府の問題ではない。大統領と政府の役割を完全に別な次元に向かわせようとしている。
(引用ここまで)


 韓国政府が元本保証をするというファンドを設立するということで、マスコミ、金融界がざわついています。
 いやぁ……ムン・ジェインにはここまで経済的なセンスがなかったのかというべきか。
 国民に広く投資をしてもらうべき案件であり、公共財的な性格があるために元本保証で、下がった分は税金で補填するんですって。

 投資は原則個人責任で「儲かるのも自分の手腕、損をするのも自分の手腕」というものです。
 最近の日本では「それを避けるために分散投資で〜」というような流れになりつつある。以前に比べるとだいぶまともな市場環境になっているな、という感触があります。
 韓国でも不動産投資偏重から株式や投資信託へ目がむきつつあるというのは実際のところのようですね。
 目が向きつつある、レベルであってまだまだ不動産に対して未練を残している……というか、できるのなら不動産投資をしたいというのが本音っぽいですが。

 これまでもいくつかこうしたファンドは設立されてきてはいました。
 代表的なものは1997年の通貨危機後の愛国ファンドで「国を思うなら金(ゴールド)を供出せよ、そして現金をこのファンドに投資せよ!」と大いに宣伝されていたものです。
 途中、韓国経済の立ち直りとともにかなり値上がりしていたのですが、2001年のITバブル崩壊で完膚なきまでに打ちのめされて損失を出していましたね。
 韓国人の投資先が不動産に偏っているのはあれも影響しているのかなぁ……と思うていどにはやられた感じがあります。

 というような背景があるので今回の韓国版ニューディールファンドでは政府によって元本が保証される、という話になったようです。
 20兆ウォンが用意され、そのうち13兆ウォンが民間金融機関と投資家のお金だそうで。
 もし、この「元本保証のファンド」が出るのなら、生活に必要な資金以外の7割をぶち込んでもよいと思います。
 ま、実際には為替リスクがあるので買いませんけども。韓国人であればそのくらいやってもよいということです。

 あ、そうそう。
 ちょっと面白いのはもはやどこも「Kニューディール」ではなく「韓国版ニューディール」という言葉を選択していること。
 大統領府も含めて。
 つまり、どういうことかというと文頭にKをつけて「韓国のものである」と強調するのは「K防疫」からはじまったわけですが。
 そのK防疫自体が失敗しつつある。少なくとも「韓国人の誇り」としては使えないな、と感じつつあるということなのでしょう。
 投資案件で失敗を匂わせるような言葉を使いたくない、というわけですね。

ムン・ジェイン、鉄板支持層だったはずの若者から見放される……法相の息子による軍脱走の擁護が悪影響か

20代に異変…文大統領の支持率、1週間で10%ポイント下落(中央日報)
最近、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対する20代の支持率が30~60代とは違った流れを示している。秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官息子の軍服務特恵問題に最も敏感に反応しながらだ。

(1)30~60代は不動産イシューに最も敏感

11日、世論調査専門機関である韓国ギャラップによると、20代を除く全年齢帯で、8月第2週調査で支持率は最低値を記録した。8月上旬に国会を通過した不動産3法と後続の不動産政策発表に対する否定評価が反映された影響だ。30代(60%→43%)で下落幅が最も大きく、文大統領支持率も就任後最低値である39%を記録した。20代支持率は8月第1週と同じ38%を記録するなど動揺する様子はそれほどなかった。不動産企業「トモア」のユン・テゴン政治分析室長は「586世代にとっては不動産イシューが重要だが、20代は江南(カンナム)やマンションについての話からは距離がある」と説明した。つまり「住居価格を安定させる」という政府発表に一喜一憂する必要がないということだ。

(2)20代、就職・兵役で公正性を重視

その代わり、20代支持率は9月第1週調査で大幅に下落した。8月第4週40%から10%ポイント下落した30%を記録した。他の年齢帯では2~4%ポイントの小幅下落か反騰を示していた。韓国ギャラップのホ・ジンジェ取締役は「正直言うと、これ以上低くなる余力があるのかと思うほど20代支持率が落ち込んでいる」とし「チョ・グク前長官事態以後、下落した支持率がコロナで回復するかと思われると、『公正』という話題が再びイシューになって下落している」と話した。秋氏の息子の兵役イシューが影響を及ぼしたという指摘だ。実際、20代支持率は仁川(インチョン)国際空港公社事態が大きくなった直後に発表された6月第4週世論調査(41%)で前週よりも8%下落した。
(引用ここまで)


 チュ・ミエ法務部長官(法相に相当)の話をけっこう追っていますが、これは韓国社会にとってかなり大きな話題なのですよ。日本からの視点だと理解されにくいですけどね。
 今回の世論調査の結果として、それがクローズアップされたと感じます。
 特に20代男性、兵役対象者にとっては大きな問題です。

 韓国人男性にとって兵役は「行きたくはないけども、行かざるを得ないもの」。財閥の子女が行っていないという現実はありますが、それでも大半の人間は行っている。
 兵務庁もそれを理解しているから、どんなに誓願等があっても芸能人やスポーツ選手を徴兵することに躍起になっています。
 「芸能人やスポーツ選手でも兵役に就くのだから、一般人は言うまでもなく就くべし」ということですね。

 パク・クネ政権を打倒する際、ろうそくデモに多くの若者が参加していることが報道されていました。選挙権のない中高生が数多く参加していたのはチェ・スンシルの娘であるチョン・ユラが一流大学のひとつである梨花女子大学の推薦入学枠を無理矢理に奪っていったからともされています。
 そして、弾劾を経てムン・ジェイン政権が生まれたことで韓国はすべてがうまく行く……というような認識の錯誤に陥っていました。
 日本人の定年バックパッカーが大統領選前にインドのダージリンで出会った韓国人の若者3人組の言葉からはそういった錯誤がありありと浮かび上がっていました。

 暗黒の時代は終わりを告げ、公正な社会が訪れると信じていたのですね。信じていたかったと言うべきか。
 でもま、実際にはチョ・グクの娘はさほど優秀でもないのに大学院に進学して医者になり、チュ・ミエの息子は軍を脱走しても「休暇扱い」にしてもらえる。
 大統領府の高官の多くは複数の住宅を構え、大統領に近しい連中は公企業の役職を貪る
 パク・クネを駆逐してやってきたのは同じような輩であった、といういつもの韓国オチですね。

公正が売りだったはずのムン・ジェイン政権、法相が息子の兵役脱走を擁護して支持率低下へ……

KATUSA休暇は米軍の規定に準拠?…でたらめな釈明をする秋美愛長官(朝鮮日報)
【独自】「土スプーン」の一等兵は部隊復帰に17分遅れて刑務所行き(朝鮮日報)
 秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の息子、S氏側は8日、KATUSA(在韓米軍管轄下の韓国陸軍兵士)で兵役に就いていた期間に病気休暇と年次休暇を相次いで取得したことが規定批判だったという疑惑について、「KATUSAの休暇は韓国陸軍ではなく、米軍の規定に従うものだ」として、「特別待遇」を否定した。しかし、韓国軍当局は国会などに提出した資料で、「KATUSAの休暇は韓国軍の規定に従う」と説明した。S氏側が特別待遇疑惑を否定する根拠として示した在韓米軍の規定にもKATUSAの休暇は韓国軍の規定の適用を受けるという内容が含まれていることが分かった。野党からはS氏が結果的に虚偽の説明をしているとして、「KATUSAではなく、米軍に行ってきたのか」と批判した。

 S氏側の弁護士は同日の声明で、「S氏が兵役に就いたKATUSAは陸軍の規定ではなく、『在韓米陸軍規定』が優先的に適用され、病気休暇と(年次)休暇には何ら問題がない」と主張した。そして、「一部メディアは陸軍の規定を根拠として、初回の病気休暇が終了した場合、部隊に復帰して改めて許可を取らなければならないと報道しているが、まず在韓米軍にはそうした規定がなく、韓国陸軍の規定にもどこにそんな内容があるのか分からない」と反論した。S氏がKATUSAで兵役に就いていた2017年6月5-14日(10日間)の病気休暇が満了したにもかかわらず、部隊に復帰せずにすぐ2回目の病気休暇(6月15-23日)を9日間取得した。しかし、KATUSAは在韓米軍の規定の適用受けるので、いかなる問題もないというのがS氏の主張だ。

 しかし、韓国軍当局の立場は異なる。陸軍は最近、国会に提出した資料を通じ、「KATUSAの休暇は『陸軍規定120 兵営生活規定』を適用する」と説明した。KATUSAの外出や外泊は在韓米軍の規定に従うが、休暇は韓国陸軍の規定に従うという趣旨だ。 (中略)

 野党・国民の力は同日、秋長官の別の説明にも全面的に反論した。秋長官サイドは、2017年6月21日発行のサムスンソウル病院の診断書に基づき、2回目の病気休暇には問題があると報じた点は間違いだと主張した。しかし、陸軍中将出身の申源湜(シン・ウォンシク)議員は「病気休暇の判断は診断書の内容次第だ。診断書なしで病気休暇を延長することはできず、年10日を超える病気休暇は軍病院の療養審議を経なければならない」と指摘した。S氏は2回目の病気休暇が始まった17年6月15日から6日後の21日に診断書の発行を受けた。

 このように、S氏の休暇延長などに関する秋長官と韓国軍当局の主張が食い違い、野党が秋長官の主張に反論したことで、検察による捜査や軍当局の真相調査でどちらの主張が正しいのかを究明すべきだという指摘も出ている。
(引用ここまで)

 普通軍事裁判所(一審)は17分遅く外泊から復帰したA一等兵に軍刑法第30条の軍務離脱罪を適用して懲役6月を言い渡した。裁判所は「A一等兵は以前も軍務を離脱して執行猶予期間中だったが、再び軍務を離脱し、厳しい環境の中でも黙々と国防の任務を遂行している周囲の同僚兵士たちの士気を損なった」と判決理由を述べた。 (中略)

 同様の事例は他にもある。B二等兵は2017年9月4日から3泊4日の休暇を取ったが、7日まで復帰しなかった。B二等兵はモーテルなどに身を隠し、部隊側に「自首する」と連絡をしていたが、48時間後に憲兵に捕まった。B二等兵は法廷で容疑を認め、「これからは一生懸命服務する」と述べた。普通軍事裁判所は軍務離脱罪を適用して、B二等兵に懲役1年、執行猶予2年を言い渡した。C一等兵も同年8月に3泊4日の休暇を取った後、復帰せずにサウナやネットカフェを転々として40時間後に自首した。普通軍事裁判所はC一等兵に「全軍の士気を低下させ、軍紀を乱した」として懲役1年、執行猶予2年を言い渡した。
(引用ここまで)


 徴兵を経ていない男子は「玉なし野郎」くらいの扱いを受ける、という話をしましたが。
 本当に病弱や古傷が原因で徴兵を受けられないという層も一定数いるわけですね。
 彼らはかなりの鬱屈を抱えて生きることになるとの話。
 社会人となった男が何人か集まれば「お前はどこの所属だった?」みたいな話になるのは当然のことで、そういった会話に加わることができないコンプレックスはとんでもないものだそうですよ。

 このチュ・ミエ法務部長官の息子であるソ某氏もいま、針の筵に座らされている気分でしょうよ。
 兵役には行ったものの自宅に逃げ帰ってしまい、本来であれば脱走兵として懲役1年、執行猶予2年ほどの判決を受けてもおかしくない罪状だった。
 それを当時与党の党代表だった母親の権威で見逃してもらったわけですからね。
 玉なしの脱走兵の上にマザコンかよっていう扱い。

 で、チュ・ミエは弁護士を雇ってこの疑惑に対応しているのですが、これがまたひどい。
 ソ某氏を告発している当時の当番兵に対して「彼は当番兵ではなかった」「言っていることはすべて嘘」と完全否定。
 それに対して当時の当番兵が「嘘つきとは何事だ」と国会で証言してもいいと言い出してしまって完全にヤブ蛇。
 今度は「ソ某氏は米軍管轄下のKATUSAにいたために、休暇申請は米軍の様式に倣うのであって韓国軍は関係ない」と言い出して、国防部が「それはない」と否定に回らなければならなくなったっていう。
 チュ・ミエ長官本人はこの件について追求しようと国会で質問していた野党議員に対しては「小説を書いている」と言い放ち、メディアに対しては「もう息子に触れないでほしい」と発言。
 火に油を注ぎまくっている。

 兵役は韓国において微妙な話題であり続けるのですね。
 なにしろ、人口の半分がほぼ2年(今年からは18ヶ月に短縮)を経験するわけで。
 こうして適当な嘘でごまかそうとしてもすぐに見破られる。
 「脱走ではない。診断書なしで休暇延長を願い出ただけ。かつその連絡がメールであってもいい。むしろそれが普通だ」とかいう言い訳に対して、ほとんどの男が「そんなわけあるか!」って突っ込んでいる。

 このチュ・ミエの息子の件で一時期は上昇基調にあったムン・ジェイン政権の支持率がまたもやゴリゴリと削られている状態。
 しっかりと公の場で疑惑をスッキリと解明するか、チュ・ミエを更迭するかしないと収まりがつかないでしょうね。

韓国最高裁「政権に近しい団体ならすべて無罪。保守派・チンイルパはすべて有罪」

金命洙大法院長の法解釈「味方は合法、味方以外は違法」(朝鮮日報)
 韓国大法院(韓国最高裁判所)の全員合議体が3日、全国教職員労働組合(以下、全教組)の2013年朴槿恵(パク・クネ)政権「法外労組」処分が違法だとの判決を下したことをめぐり、法曹界では「法の最後の砦(とりで)とされる大法院がかえって法を揺るがしている」と批判が殺到している。最高司法機関である大法院が結論ありきの法解釈で事件の本質を覆い隠す判決を相次いで出していることから、韓国の司法制度と法秩序の安定性をむしろ害しているということだ。今回の全教組判決がその代表例だと指摘されている。

 労働組合法第2条は「労働者でない者の加入を許可する場合は労働組合と見なさない」と明確に規定している。憲法裁判所(以下、憲裁)とこの件の一審・二審は規定に基づき、解職教員9人を組合員とする全教組に対し、政府の法外労組措置は適法であると判断した。 「解雇教師組合員」に固守する全教組の違法行為がこの件の本質だからだ。

 ところが、金命洙(キム・ミョンス)氏が大法院長(最高裁判所長官)を務める大法院は全教組に対する法外労組通報措置が法律ではなく、下位施行令に基づいていたため違法だとして、憲裁の判断を180度ひっくり返した。この判決で本質的な「全教組の違法」は覆い隠され、「朴槿恵政権の違法」だけを浮き彫りにした。法曹界から「大法院は全教組のために法を作り出した」という言葉が出てくるのはこうした理由からだ。

 現政権になって大法院が「進歩系大法官(最高裁判所判事)」ばかりになって以降、こうした「コード(理念が同じ人物による)司法」傾向はいっそう顕著になっている。大法院は最近の控訴審で、違法政治資金疑惑により当選無効判決を受けた京畿道城南市の殷秀美(ウン・スミ)市長事件で、検事が控訴理由をきちんと書いていなかったとして控訴審を破棄した。それまで問題なかった裁判所の慣例を突然問題視したものだ。今年7月にはテレビ討論会でうそを言った李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事に「積極性がなかった」として無罪を言い渡した。ある元大法官は「大法院は時流に迎合的な判決で法の境界を自ら壊している」と言った。 (中略)

 大法院が適用する法理は人や団体によってまちまちだという批判も出ている。大法院は全教組法外労組処分が無効であると判断した論理として「法律留保」という憲法原則を掲げたが、全教組の労働三権のような基本権を制限する際は法律に基づいていなければならないということだった。しかし、大法院は今年6月のある企業の件ではこの原則を適用しなかった。株式会社を経営する李という人物が2011年、自分の兄に会社の株75億ウォン(現在のレートで約6億7000万円)相当を譲渡したが、国税庁はこれを「特殊関係者間取引」と見て、株式譲渡額に30%を割増した金額で税金を課した。ところが、「30%割増」は所得税法には明記されておらず、下位施行令に基づくものだった。今回の「全教組判断」通りならば、このケースも「国税庁は李氏の基本権(財産権)を法ではない施行令に基づいて侵害したため違法だ」と判決すべきだが、当時の大法院全員合議体は「法律の委任範囲内にある適法措置」だと説明した。あるベテラン弁護士は「大法院は自分と同じ側の不利益は違法であり、自分と違う側の不利益は適法だという、ゴムひも(変幻自在な)政治判決を続けている」と話す。 (中略)

 金命洙大法院長下の大法院は昨年11月、李承晩(イ・スンマン)元大統領と朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領を「悪質な親日派」「腐った石頭」と規定したドキュメンタリー『百年戦争』について、「主な内容は客観的事実と合致していて問題ない」と判決した。また、大法院は昨年3月、「旅順事件」について71年ぶりに再審開始決定を下した。1948年当時、全羅南道麗水・順天地域の反乱軍と協力したという理由で家族が死刑になったと主張している遺族の要求を受け入れたものだ。それ自体は問題ない。ただし、それを裏付ける関連捜査記録や裁判記録はなかった。再審は確定判決の効力を失わせる手続きなので、新たな事実や捜査機関の拷問などがはっきりと確認された場合にのみ、制限的に許容される。だが、大法院は「22日後に死刑が宣告され、執行されたことなどを見ると、違法な逮捕監禁があったものと見られる」という推定を再審事由とした。
(引用ここまで)


 キム・ミョンス大法院長は2017年8月、つまり大統領に当選してから3ヶ月後のムン・ジェイン大統領によって大法院長に抜擢されました。
 「大抜擢」という言い方がふさわしいもので。
 それまで地裁の裁判長をしていた人物が一足飛びどころでない大出世を遂げたものです。
 地裁裁判長が大法院長になることははじめてのこと。
 大法官(最高裁の裁判官)の経験がない人物が大法院長になるのは実に56年ぶりの快挙でした。

 大法院長に指定された当時から「これで日韓関係は終わった」という指摘がされていました。
 楽韓Webを含めて。
 で、そのように徴用工裁判判決が行われ、日韓関係終焉のカウントダウンは順調に進んでいます。
 ムン・ジェイン政権が期待した通りの行動ですね。

 そして、さらにムン・ジェイン政権に近しい団体、人物に有利になるような判決を連発しています。
 高裁では「兄を精神病院に強制入院させたことはない」という知事選での発言は虚偽であり、公職選挙法に違反するとして知事職を失う寸前まで行っていたのですが、大法院では無罪を前提とした交際差し戻し判決でした。
 先日の「ムン・ジェインは共産主義者」という発言について有罪となり、表現の自由があてはめられなかった高裁判決もそのラインのひとつとして挙げられるでしょう。

 今回の全教組 ── 韓国における日教組のような教師の労働組合は左派であるのは言うまでもない事実。パク・クネ政権で非合法組織として認定されたのですが、ムン・ジェインが政権についてからというもの勝手に活動をしていました。
 チンイルパの作曲した校歌を変えろ、とかいう活動なんかもしてましたね。

 で、ついに法理をねじ曲げて、大法院の合法化認定に至ったとのこと。
 こんな感じで韓国は政権に近い団体ならそれだけで無罪。
 政権にたてつく人物、団体であればそれだけで有罪という時代になったわけです。

ムン・ジェイン政権「我々はすべてにおいて正しい。間違っているとしたら他の誰かだ」……こいつらホント危険なんだよな……

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【萬物相】無誤謬政権が主婦を責める(朝鮮日報)
 2017年に長官(閣僚)候補者が相次いで落馬すると、青瓦台と与党は「前政権が用いていた検証方式を使ったところ、候補者をしっかり分別することができなかった」と主張した。教師任用試験の選抜人数が減り、教育系学部の卒業生の不満が爆発した際にも「前政権のせい」だと言った。殺虫剤汚染卵の騒動では民主党が「原因を特定するならば、食品の安全管理を徹底できなかった前政権にある」という声明まで発表した。文在寅(ムン・ジェイン)政権初期に起きた問題は全て「前政権の積弊のせい」だった。

 その後、「野党のせい」「メディアのせい」がバトンを引き継いだ。文大統領が遅々として進まない規制改革について「残念だ」と発言すると、与党指導部は「規制革新法を野党の非協力で協議すらできなかった」と主張した。与党の政策委員会議長は「常習的な国会の空転とまひのせいで輸出と経済が予想よりも困難に直面している」と述べた。輸出不振も野党のせいだ。チョ・グク氏の破廉恥が明るみに出たことで支持率が急落すると、与党は「フェイクニュースのせいだ」と言って、メディアを責めた。

 総選挙で圧勝後、「他人のせいウイルス」はさらに悪性化した。大統領の腹心とされる民主党議員は「脱北者出身の国会議員誕生も北朝鮮にとっては大きなメッセージだ」と発言した。今年の北朝鮮による対南圧力が「脱北者議員のせい」というわけだ。北朝鮮の核問題は「米国のせい」で、韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相の収賄有罪判決は「検察のせい」だと言う。仁川空港公社の正規雇用転換を巡って青少年が怒ると、「フェイクニュースがきっかけだった」「野党が非正規雇用の正規雇用転換を望んでいないようだ」などと、メディアや野党のせいにした。

 秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官がこのほど、「不動産急騰は投機勢力のせいだ」と言い、「一般主婦に続き、若い層までもが投機の隊列に加わった」と述べた。マイホームを手に入れようとする主婦や若者がなぜ投機勢力なのか。彼らに「一生で家を買えばとんでもないことになる」という不安を抱かせたのは誰か。先ごろ、与党の元院内代表は「朴槿恵(パク・クンヘ)政権の不動産3法がマンション高騰の原因」だと語った。過去3年間で23回の不動産政策失敗を反省せず、「前政権のせい」でも足りず、「主婦・若者のせい」にまでした。
(引用ここまで)


 もちろん、ムン・ジェイン政権は常に正しいので、間違っていたとしたらどこか他に原因があるに決まってるのですよ。

 たとえばムン・ジェイン政権における経済政策の背骨ともいえる所得主導成長が成果を出せていない。
 それはイ・ミョンバク、パク・クネと9年ちょっと続いた保守政権の経済政策がまずかったせい
 なので、ムン・ジェイン政権は常に正しい。

 南北協力はムン・ジェイン政権の念願ですが、ハノイでの米朝首脳会談からこちらというもの韓国は完全に無視されている状況が続いている。
 もちろん、北朝鮮による「非核化する」という誠意ある言い分を聞き入れなかったアメリカのせい
 ムン・ジェイン訪欧時にヨーロッパの国々が制裁解除に反対したのは日本のせい

 20数回に及ぶ不動産価格対策が効果を及ぼすことなく、むしろ不動産価格高騰の度合いで近年の政権で1位を飾ることになったのもムン・ジェイン政権の問題ではない。
 むしろ、不動産融資規制をしてきたパク・クネのせい。
 あるいは主婦・若者まで巻きこんだ投機勢力のせい

 経済でも外交でも防疫でも「あいつが悪い」って敵を作り上げることしかやっていない。
 まあ、こういった「あいつが悪い」式の言い訳をする連中がなにかを成し遂げられるかっていうと、そんなことはないわけで。
 この路線を突き詰めていくと、最終的には「インテリが悪い」「眼鏡をかけている連中は悪い」「雀が悪い」ってなるんですよ。
 ホントに紙一重でしかない。

文化大革命 (講談社現代新書)
矢吹晋
講談社
2013-06-28

韓国人弁護士「ムン・ジェインは共産主義者だ」→表現の自由は適用されずに前科者に……

【社説】「表現の自由」は政権側にだけあるという判決(朝鮮日報)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領を共産主義者と呼び、裁判にかけられていた高永宙(コ・ヨンジュ)弁護士が、控訴審で一審の無罪判決が覆り、懲役10カ月、執行猶予2年を言い渡された。高弁護士は2013年、あるイベントで「文在寅は共産主義者であって、この人物が大統領になったら国が赤化されるのは時間の問題」と発言した。検察は文大統領が就任した直後の17年9月、高弁護士を起訴した。

 一審の裁判部は「主観的評価に伴う意見の表現」だとして無罪を言い渡した。憲法上の「表現の自由」に属し、処罰できないというのだ。「公的な存在(公人)の影響が大きければ大きいほど、イデオロギーに対する広範な問題提起が許容されるべき」とも判示した。二審では政権側の判事が裁判を担当し、全てがひっくり返った。二審の崔瀚敦(チェ・ハンドン)判事は、金命洙(キム・ミョンス)大法院長(最高裁長官に相当)就任後に韓国の裁判所を牛耳っている「国際人権法研究会」の中心メンバーといわれる。

 高弁護士が「共産主義者」と言ったのは、具体的事実を適示したものというより意見の表明と言えるが、崔判事は「虚偽事実の適示に伴う名誉毀損(きそん)」だとした。また「文大統領の社会的評価を阻害し、表現の自由を逸脱した」と判じた。2018年に大法院は、李正姫(イ・ジョンヒ)元統合進歩党代表夫妻に対して「(北朝鮮に追従する)従北」「主思(主体思想)派」という表現を用いることは名誉毀損に該当しない、とした。それと正反対の解釈だ。

 判事によって法の解釈や判決が違うということはあり得る。しかし最近の状況は、そういう常識的な範囲を超えている。大法院は、テレビ討論でうそをついた李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事について「積極的に虚偽事実を表明したものでない限り処罰できない」として無罪判決を下した。与党側は「表現の自由を伸長させる判決」と歓迎した。この国で「表現の自由」は政権側にのみある。
(引用ここまで)


 とある弁護士が2017年の大統領選挙前にムン・ジェインのことを「共産主義者」と呼び、「大統領になったら国が赤化される」と称したことで、就任後に名誉毀損で起訴される。
 一審では「表現の自由の範囲内」ということで無罪判決。
 ですが、高裁判決で政権に近しい立場の裁判長によって有罪とされました。
 懲役10ヶ月、執行猶予2年。このまま大法院(最高裁)でも変わらなければ、政権に反逆したということでめでたく前科者扱いとなります。

 こういうのを見ると、産経新聞の加藤達也元ソウル支局長も収監される寸前だったのでしょう。
 国外の報道陣を渡航禁止にして、かつ国内で同じことを言っていた新聞はスルーしておきながら加藤氏だけは告訴なんていうめちゃくちゃだったから注目を受けたというだけで。
 注目を受けた結果、なんとか無罪判決を受けることができたというだけ。
 最後の最後に大統領府(外交部)から裁判所に向けて圧力が加わったのも大きな原因とは思いますが、その圧力自体も国際的に注目を受けたから、ですからね。

 こうやって政権側に恩を売っておけば、あとでおいしい角砂糖がもらえるのですよ。
 検察への人事発表が木曜日にあったのですが、それがなかなかのウリとナム状態。

【社説】政権の忠犬なら被疑者も昇進、文在寅の所有物になった検察(朝鮮日報)

 検事長のスマホを奪い取ろうとしてマウントポジションをとった検事部長が次長検事に昇進。
 それ以外にも政権側についている検事は次々と昇進していて、検察総長であるユン・ソクヨルについたり、政権への捜査をしてきた検事は地方に飛ばされています。
 チュ・ミエ法務部長官の息子が軍から脱走したのではないかという疑惑があるのですが、それを捜査していた検事も飛ばされたとのこと。
 こうして検察の牙を抜いておいて、かつ公捜処を設置したことによって、おそらくはムン・ジェインが退任後に逮捕されるという事態からは免れることができるでしょう。
 その代償はかなり大きいのではないか、という気がしますけどね。

 あ、ついでにチュ・ミエ法務部長官の息子の件もちらっとここで書いておこう。
 単独で扱いたかったんですが、うまいことエントリにするまでもない記事ばかりだったので。

「秋美愛の息子は軍休暇から2日たっても未復帰、電話したら家にいた」(朝鮮日報)
 A氏は最近、未来統合党の金度邑(キム・ドウプ)国会議員事務所との面談で、当時部隊復帰しなかった息子と秋長官に連絡を取ったという。面談の内容は動画で記録された。17年6月25日、軍部隊で当直を担当していたA氏は「理由なき未復帰者(秋長官の息子)がいると報告を受けた」とし、「外出帳簿を見たところ、復帰日は6月23日となっていた」と語った。A氏が秋長官の息子による未復帰の事実を知った時点(6月25日)で、息子は脱走2日目だったと解釈可能だ。

 A氏は秋長官の息子との当時の通話内容もはっきりと覚えていた。A氏は「未復帰の事実を認知してすぐ、夜9時ごろにソ一等兵に電話をかけ、今どこにいるのかと尋ねると、『家だ』と答えた」と証言した。そして、「今すぐにタクシーにでも乗って部隊(京畿道議政府市)に来るよう指示し、『分かった』というので午後10時ごろまでには来ると思った」と語った。A氏は「秋長官の息子の態度には開いた口が塞がらなかった」と話した。

 しかし、部隊に訪ねてきたのは秋長官の息子ではなく、上級部隊の大尉だったという。A氏は「大尉が『君がソ一等兵に電話した当直兵か』と尋ねるので、(もう脱走兵を)捕まえに来たのかと思った。ところが大尉は『休暇は自分が処理するから、報告には未復帰ではなく、休暇者と記載するように』と語った」と証言した。その後、部隊の同僚兵士の間では「母親が党代表ならば、軍の休暇から復帰しなくてもああなるんだ」といったうわさが流れたという。
(引用ここまで)

 タマネギ男ことチョ・グクの娘、チェ・スンシルの娘であるチョン・ユラのふたりは親の七光りによって大学へ不正入学したという意味でまったく同じだ、と書いたことがありますが。
 このチュ・ミエ法務部長官の息子の件もまったく同じ。
 政権が持つ力で無理を通して、道理が引っ込んでいる。

 どんなに清廉を旗印にした人間が政権につこうとも、韓国では実際の権力についたらこうなるのだっていうことです。