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カテゴリ:ムン・ジェインの記事一覧

「GSOMIA破棄はムン・ジェインの公約だから当然だ」という話をチェックしてみる → 結果……

カテゴリ:ムン・ジェイン コメント:(117)
 GSOMIA破棄について「ムン・ジェインは公約として掲げていたのだから当然だ」とするコメントが散見……というか多数見られます。
 どこからそんな話を拾ってきているのかは分かりませんが、まあとりあえず「GSOMIAについての公約」とされているものを見てみましょうか。
 去年8月の産経新聞の記事。

【激動・朝鮮半島】韓国が日本との軍事協定延長へ 文在寅政権「北の非核化に必要」と判断(産経新聞)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年の大統領選の公約で「有用性を検討後、延長するか否かを決定する」とし、見直す可能性も示唆していたが、昨年は延長を決めた。
(引用ここまで)

 この時もムン・ジェイン政権に対して北朝鮮から圧力が加えられていたので「破棄するのではないか」との見方もありましたが延長しています。
 多くの場所でこの「公約」が扱われています。
 ざっくりいっても「破棄する」という話はしていません。自動的な延長はしないし、即座に破棄するわけでもない。中立。

 「有用性がない」と判断されれば破棄される、というようにも思えますが。
 これまで2回延長しているので、有用性はあると判断されてきているのです。

 ムン・ジェイン大統領から直接、エスパー国防長官に対して「GSOMIAを延長しない」と宣言したこの期に及んでもチョン・ギョンドゥ国防部長官は「GSOMIAは安保上、重要だ」という認識を述べています。

協定維持の前提 日本の輸出規制強化撤回と韓国国防相(産経新聞)

 重要であることは認めるのだけども、日本の輸出規制強化撤回が必要だという話。
 有用である、とここでも認めているのに破棄するというのは、むしろ「公約」に反しているとすらいえますね。


 と、いうかですね。
 実はこの「GSOMIAについて有用性を検討後、延長するか否かを決定する」って話、そもそもムン・ジェインの公約集に載ってないのですよ。

ムン選管提出の10大公約で「THAAD配備の国会批准同意」抜けた(聯合ニュース・朝鮮語)
当初「韓日軍事秘密情報の保護協定(GSOMIA)は国益次元の効用を検討した後、再延長するかどうか決定」とされていたフレーズも削除された。
(引用ここまで)

 選管に提出した公約からはさまざまな「公約」が抜けているのです。
 保守派に対して一定の理解を見せるため、ともされていますが。

 もちろん、それ以前のメディアに配布していた公約集では前述の「GSOMIAについて有用性を検討後、延長するか否かを決定する」という話はしていたのです。
 ムン・ジェイン政権がGSOMIAを自動的に延長するわけでも破棄するわけでもないという中立な立場であるというのは確かですが。
 事実として「公約としてGSOMIA破棄を語っていた」ということはありません。

 楽韓Webでも「GSOMIA破棄がムン・ジェインの公約である」という話をしたことはないんじゃないかな。
 この直前での変節を知っていたからです。

北朝鮮に拉致され、死亡したワームビア氏の家族が訪韓、ムン・ジェイン大統領に面会要請 → 「お祈り」回答書で拒絶

青瓦台、北に抑留され死亡した米ワームビアさん両親との面会を拒絶(朝鮮日報)
 北朝鮮拉致被害者の米国人大学生、故オットー・ワームビアさんの両親が、今月22日の訪韓を前に文在寅(ムン・ジェイン)大統領に面会を要請したのに対し、青瓦台(韓国大統領府)が面会要請を断ったことが14日までに確認された。

 青瓦台国家安保室は、ワームビアさんの両親の面会要請に対する回答書で「(文大統領の)国政運営の日程上、面会は難しい」と明らかにした。ワームビアさんの両親、フレッド・ワームビアさんとシンディ・ワームビアさんによる文大統領との面会要請は、6・25戦争拉北者家族協議会のイ・ミイル会長が今月1日に両親に代わって青瓦台に伝え、安保室の回答は13日にイ会長に渡された。ワームビアさんの両親は、今月22日にソウルで開催される「北朝鮮の拉致および抑留被害者たちの法的対応のための国際決議大会」に出席するため訪韓する予定だ。

 国家安保室は回答書で「送ってくださった書信はきちんと受け取って読んだ。大統領との面会を希望されるお気持ちは私どもも十分に理解している」としながらも、面会要請を断った上で「ご家庭の幸せと健康をお祈りする」とつづった。また、安保室は「(ワームビアさんの両親の)意向を十分にくんで政策の参考にし、国民との意思疎通を拡大することに最善を尽くしたい」とした。

 協議会側は、青瓦台がワームビアさんの両親との面会を拒否したことは、文大統領が掲げる国民疎通の方針とかけ離れていると反発した。イ会長側は「青瓦台が、北朝鮮政権によって息子が死亡し苦しんでいる両親に対し、一言の慰めもなく面会を拒絶し『家庭の幸せ』などといった常套句を送ってきたため、より大きな(心の)傷を負った」と述べた。文大統領は、就任以降一度も北朝鮮による(韓国人)拉致被害者の家族と面会したことがないという。
(引用ここまで)


 まあ、当然でしょう。
 記事中にもあるように、ムン・ジェインは北朝鮮による韓国人拉致被害者家族に面会したこともない。
 それどころか脱北者に面会したことすらないのですから。
 北朝鮮の逆鱗に触れるであろうことは一切しない、それがムン・ジェインの基本方針です。

 ここでワームビア氏の家族に会って、北朝鮮の機嫌でも損ねようものなら次の南北会談がいつになるかも分からなくなってしまう。
 経済・雇用・外交と目に見える範囲ですべてにおいて行き詰まっているムン・ジェイン政権にとって最後の魔法の杖となるのが対北関係ですから。
 どんな窮地に追いこまれても、ちょいと南北会談のひとつでもすれば支持率爆上げ。
 キム・ジョンウンが板門店の軍事境界線を一歩乗り越えただけでも盛り上がるわけです。

 去年まではその魔法の杖が使えていたのですが、今年になってからは渋い対応しかされていません。
 ムン・ジェインの支持率が右肩下がりなのはそのあたりも理由のひとつでしょうね。

 逆にいえばワームビア氏の家族を招聘して、面会申請をさせようとしている韓国の拉致家族協議会は拒絶されることが分かった上でやっているのでしょう。
 こうして「拒絶されたぞ」というアナウンスで揺さぶりをかけるために、ということです。
 ま、問題はそんなことを言われたところで、ムン・ジェインの北朝鮮信仰は揺るぎもしないとは思いますが。

GSOMIA、経済政策、雇用政策……いくら間違いを指摘されてもムン・ジェイン政権が「我々は間違っていない」と強弁する理由とは……

【社説】「GSOMIAが終了しても韓米同盟は弱体化しない」…韓国大統領府の際限ない安保強弁(朝鮮日報)
「青年雇用改善も実感されていない」…広報が問題という青瓦台(中央日報)
 韓国大統領府のある幹部が「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が終了しても、韓国と米国の同盟関係が弱まるとは考えない」と述べた。GSOMIA終了までわずか10日余りとなった今、米国務省や国防省などの高官が次々と韓国にやって来て「破棄の決定を見直せ」と圧力を加えているが、韓国大統領府は「米国に従わなくとも同盟関係に問題はない」と強弁しているのだ。(中略)韓国大統領府は今年8月、GSOMIA破棄を決めた直後にも「米国に理解を求めた」と説明していたが、これについて米国の政府関係者から「うそだ」と堂々と指摘された。このような安全保障政策のうそは実は今も続いている。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「北朝鮮の東倉里にあるミサイル施設が廃棄されれば、北朝鮮は核やミサイルで二度と脅迫できなくなる」と発言した。ところが北朝鮮は2017年だけで3回も移動式発射台(TEL)を使い大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。それでも韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は「北朝鮮のICBMは移動式発射台によって発射するのは難しい」などと軍事面での基本的な知識にさえ反する発言を行った。米国の軍事専門家が「開いた口がふさがらないほどのうそ」と指摘したほどだ。それでも大統領府安保室は逆にメディアの報道を「虚偽」「強弁」などと今も主張している。 (中略)

鄭義溶・安保室長は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「南朝鮮への警告」として新型の弾道ミサイルを相次いで発射したにもかかわらず、そのたびに「わが国の安全保障にとって大きな脅威にはならない」と説明した。鄭室長はさらに、核兵器を持たない韓国の軍事力について「核武装をした北朝鮮よりも優れている」とまで主張したため、野党などから「強弁するな」と言われた。強弁したから「強弁するな」と言われたのに、逆に目をぎらつかせてけんか腰だ。これでは彼らの強弁は今後も間違いなく続くだろう。
(引用ここまで)

高報道官はこの日、YTNニュースのインタビューでは、青年雇用の実感が低いのは広報不足という趣旨で述べ、論議を呼んだ。

高報道官は国政運営の「最も残念な点」として「雇用」を挙げ、「数値を見ると、全体の雇用率や青年層・女性・高齢者の雇用率は上がったが、青年は依然として実感できていないというのが事実」とし「(実感できない)理由を検討中で、数値が良くなっても国民が感じることができなければ、それは私たちが広く伝えることができなかった部分もあると考える。それで直接話すために生中継のインタビューに出てきた」と話した。
(引用ここまで)


 とりあえず言うだけ言う。
 「GSOMIAは日韓関係だけのもの。米韓関係は揺るぎない」って言ってみる。
 「青年雇用の数字はよくなっている。実感が伴わないのは広報不足」と言ってみる。
 他にも「経済停滞は『天候のせい』『海外のせい』『自由韓国党のせい』である」ってのもありましたね。
 広報不足については「さまざまな統計がよくなっている。それらの「数字を宣伝するためのタスクフォースを作っている」なんてのもありましたっけ。
 つまり、根本的に「政策は間違っていない」のですね。

 「~のせいだ」っていうエントリで書きましたが、革命政府というものは建前として間違っていないものなのです。
 間違っていた前政権を覆して政権奪取した以上、誤りは許されない。
 誤りを正した政権なのですべてにおいて無謬でなければならないのです。
 これ、フランス革命後の反革命勢力の粛正や、ソビエトの粛正癖なんかも同じ流れのものなのですけども。

 間違えるわけがない。なぜなら、間違いを正して生まれた政権だから。
 なので、誤ちがあれば「他に理由があるから」となるのです。
 経済政策も「政策自体は正しいけど、まだ成果が出ていないだけ」となる。だけども経済政策担当者統計庁長は更迭される。
 ま、そんな風に責任を他につけ回しているような連中が成長するわけがないですね。

元駐韓大使「日韓関係で宥和ムードを出してきたムン・ジェインの言葉を信じるな」と指摘

韓国・文在寅、ここへきて「反日」を封印している本当のワケ(現代ビジネスオンライン)
このところ、韓国では曺国前法務部長官をはじめとする与党関係者たちが「竹槍」や「反日」を唱えて対日強硬ムードをリードしてきた状況が一変している。

天皇陛下の即位の礼式典に出席するため来日した韓国の李洛淵首相は、文在寅大統領の親書を安倍総理に伝達した。ついでタイで開かれたASEAN+3会合の会場内控室で、文在寅大統領は安倍首相を控室に招き入れ、着席で11分間面談した。

これについての韓国側の発表によれば、「両首脳は日韓関係の重要性や対話で解決するという原則を再確認した」ということであり、文在寅大統領もツイートで「意味ある出会いだった」と述べている。 (中略)

文在寅政権の発言や断片的な動きで文在寅政権の姿勢を判断することは危険である。

文在寅政権の対応を見る上では、具体的な意味のある行動が伴った時に初めて文在寅政権の姿勢が変わったと判断できるだろう。

日韓間の最大の問題は、いわゆる元徴用工問題であり、これは日韓関係の基礎をなす日韓請求権協定の効力を脅かす重大な問題である。これについて韓国政府の抜本的な姿勢の変化が伴わない限り、日韓関係の修復はおぼつかない。

しかし、日韓の歴史問題に対する文在寅大統領の認識、元徴用工に関する大法院判決を生み出した文在寅大統領の行動から見て、極めてハードルの高い課題である。 (中略)

文在寅政権がGSOMIAの破棄見直しを決断すれば、それは韓国政府が日米との外交を真剣に見直し始めていることの表れと判断してもいいかも知れない。

その場合は元徴用工問題の解決について韓国政府の考えを聞いてもいいのかも知れない。
(引用ここまで)


 ここのところ、韓国メディアから一方的に「雪解けムード」を強要されている日韓関係について、元駐韓日本大使の武藤正敏氏によるコラム。
 簡単に言えば「ムン・ジェインの言葉を信じるな」という話。

 ムン・ジェインの言葉が本当になっているのであれば、いまごろ韓国には「雇用大統領」のおかげで雇用問題は存在せず、「すべての人々の大統領となる」はずなので保守・革新の左右葛藤も存在しない。
 もちろん、経済は絶好調で最低賃金が爆上げして最下層とされていた人々もほくほく顔で「我らのムン・ジェイン、最高です!」とか毎日のように言っていたはずですから(笑)。
 あと外交でも中国とアメリカと北朝鮮を手玉に取り、日本を抑えつける正義の大統領となっていたはずでしたね。

 ま、現実は経済・雇用・外交といいとこなし。
 日本に接近してきたのも要するに苦し紛れでやってきたに過ぎません。
 GSOMIAでアメリカからの圧力があまりにも苛烈で耐えかね、日本にそのツケを回したいというだけの話です。

 実際、この10日、そして11日と「日本が輸出規制強化を撤回するのであれば、GSOMIA延長を再検討する」と大統領府からも連日アナウンスがあるように、本質はなにも変わっていません。
 以前も書いたように、外交は言葉ではなく行動で示すもの。
 いくらムン・ジェインが浮ついた言葉で飾ってもその本質はもう見抜かれているのですよ。その最たる出来事がハノイでの米朝の交渉決裂だったのですから。
 安保を軽々しく外交カードにしてしまうと、こうなるということがよく分かります。
 トルコのS400導入とかも同様ですね。

 今日は米軍制服組トップとなるマーク・ミリー統合参謀本部議長が、明日にはマーク・エスパー国防長官が訪韓してGSOMIA延長に向けて圧力をかけ続けます。
 GSOMIA破棄まであと10日弱。

・4日  ASEAN+3開催(済)
・5日 スティルウェル国務次官補 訪韓(済)
・13日 ミリー統合参謀本部議長 訪韓
・14日 エスパー国防長官 訪韓
・15日 米韓定例安保協議(SCM)
・16日 ASEAN拡大国防相会議
・22日 この日いっぱいで日韓GSOMIA終了

 引用部分外で「いずれにせよ、この問題はさらに紆余曲折があるだろう」と書かれていますが、そうなるでしょうねぇ。
 このままなにもなくGSOMIA破棄で終わるとはとても思えません。むしろ注目は破棄後……かな。

文在寅という災厄
武藤正敏
悟空出版
2019/7/26

韓国人「ムン・ジェインの外交安保の成績は10点満点で4.6」……ただし、対日外交に関しては……

「文政府前半期の外交安保成績10点満点中4.6点」(中央日報)
4日、東アジア研究院(EAI)が韓国リサーチに依頼したアンケート調査の結果、外交安保政策全般に対する政府の対応と態度を0~10点標準(0~4点できていない、5点普通、6~10点うまくやっている)で評価する設問で42.1%が4点以下と答えた。6点以上は37.5%で、平均点数は4.6点だった。30代(5.2点)と40代(5.5点)を除く全年齢帯で「できていない」が優勢で、20代の平均点数が4.5点で50代の平均点数と同じだった。

今回の調査は全国19歳以上の成人男女1000人の携帯電話と電子メールを通じて行われ、信頼度95%に許容誤差範囲は±3.1%pとなっている。

韓国が直面している最大の脅威要因には、軍事安保よりも経済危機を挙げる回答者が多かった。周辺国間の貿易・技術摩擦を最も大きな脅威と考えている回答者は54.3%で、周辺国間の軍事的葛藤(48.0%)や不安定な南北関係(49.8%)よりも深刻に受け止めている(複数回答)。米中間貿易紛争、日本の経済報復の影響が反映されたものと分析される。

米中間葛藤が深刻化する場合、韓国の態度に対しては69.9%が中立を守らなければなければならないと答えた。だが、具体的に米国のインド太平洋戦略と中国の一帯一路戦略が衝突する場合を仮定して尋ねると、米国を選ぶべきだという回答が26.7%で最も多かった。「両方どちらにも参加」または「両方どちらにも不参加」はそれぞれ23.6%で同じだった。中国を選ぶべきだという回答は0.8%だった。

文政府の周辺国に対する外交的対応に対する点数は、対日(5.0点)>対米および対中(4.6点同点)>対北朝鮮(4.5点)の順となった。
(引用ここまで)


 この11月でちょうど任期の半分まで経過したムン・ジェイン大統領。
 韓国人によるムン・ジェイン政権の外交安保における成績は10点満点中で4.6点と採点されたそうですよ。
 意外に高いですね。
 しかも、もっともよくやっているという評価なのが対日外交。5.0点。
 強硬路線なのが受け入れられているのでしょうね。実際にGSOMIA破棄に対しても賛意のほうが多かったことですし。
 まあ、それでも合格点とは評価されていないところがアレですが。

 対北朝鮮については4.5点。
 南北融和を唱えるだけでなにもできていないというのは見透かされている……といったところですか。
 これが去年ならまだしも、今年になってからはハノイでの決裂以来、北朝鮮から罵倒以外のなにも得てませんしね。

 で、このアンケートでもっとも興味深いのは「米中葛藤が深刻化した場合、韓国はどのように対応すべきか」という設問。
 なんと69.9%もの韓国人が「中立を守るべき」と回答しているのですよ。
 これ、言い換えると「韓国は中立を保つことができる」、さらには「中立を保つだけの資格、国力がある」と思っているということなのですよ。

 地政学的に見れば中国の影響下であることは否定できない。
 経済的に見れば中国がより重要になっているものの、アメリカも市場として捨てることはできない大きさ。
 政治学的に見たときにはアメリカとの軍事同盟国であるのは自明。

 このふたつの大国が韓国の中立を許すかといったら絶対にそんなことはない。THAAD配備における中国からの圧迫はいまだに続いていますし、韓国はそれに対して三不の誓いを捧げてしまっている。
 アメリカもGSOMIA破棄後の対応を見ても短期的に韓国を手放すかといったら、その意向はないと考えていい。
 戦前、戦中のタイのように地政学的要衝地であれば、周辺国(の宗主国)ににらみ合いをさせたままでバランスボールの上に立つくらいの難易度をこなすことで独立を保つこともできるでしょうが。
 韓国にそんな腹芸ができるとはとても思えない。
 ムン・ジェイン政権であればなおのこと。

 それでも韓国人は「中立を保つことができる」と思っているのですね。それも7割も。
 自分たちの国格を見誤るというのは恐ろしいことですよ。いや、ホントに。

ムン・ジェイン政権が崩壊に向かうのか否か、それは次の法務部長官候補がどんな人物かによるという理由

文在寅の凋落とチョ・グク法相辞任の裏にある「左翼崩壊のセオリー」(現代ビジネス)
韓国のチョ・グク法相が辞任した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領には、もちろん痛手だ。左翼運動が終わるサインは「逃亡」と「裏切り」、それに「内ゲバ」と相場が決まっている。法相辞任は、文政権の「終わりの始まり」とみて間違いない。 (中略)

私は逃亡と裏切り、内ゲバを「左翼の一般理論」と呼んでいる(https://www.zakzak.co.jp/soc/news/191012/for1910120002-n1.html)。勢いがあるときは、みんな元気に気勢を上げるが、ひとたび潮目が変わると、逃亡が始まる。1人、2人と戦線からこっそり脱落するのだ。そんな人たちの多くは、もともと付和雷同なので、逃げ出しても、べつに「内心、忸怩たる思い」などない。

次が、裏切りである。それまで威勢が良かったので、周囲は唖然とするが、本人は「自分は終始一貫している」と言い張ったりする。なぜ、そんな態度が通用するかと言えば、もともと左翼は現実に目を向けずに、空理空論を唱えているからだ。

現実に関係なく、言葉で立派な理想を語っているだけなので、理屈はどうとでも言える。そうやって逃亡と裏切りが始まると、残った人は一層、過激な路線を唱えるようになる。付和雷同組がいなくなるから、過激さを競い合うのは自然な流れでもある。行き着く先が仲間割れと内ゲバだ。 (中略)

チョ氏辞任をめぐって、政権与党内にも「なぜ守れなかったのか」と不満が出ている、と報じられている。ここが重要なポイントだ。過激派は黙っていない。単なる不満表明にとどまらず、いずれ仲間割れが激しくなり、内ゲバになってもおかしくない。

次の節目は、法相の後任選びである。こんな展開になっても、文政権の法相を引き受けるような人物がいるのだろうか。私は法相空席、あるいは大統領の兼務になる可能性がある、とみる。あえて火中の栗を拾ったりすれば、政権崩壊で大統領と一蓮托生になりかねない。そんなリスクをとるのは、よほどの○○か○○○だ。

文大統領が法相の後任を選べるかどうか、そして次の閣僚辞任があるかどうか。そのあたりが、文政権の先行きを明確に示す材料になるだろう。
(引用ここまで)


 チョ・グクの法務部長官辞任がムン・ジェイン政権の崩壊のきっかけになるのではないか、というような話が日本でもけっこう出ています。
 その中でもちょっと面白かったこの記事をピックアップ。
 確かに左派の歴史は内ゲバの歴史と言っても過言ではなく、その結果としてより過激になっていくという方向性にあるのは間違いないのですが。
 ムン・ジェイン政権がその方向性に乗ってしまって崩壊するかどうか、というのは次の法務部長官がどうなるかによるのではないか、と感じています。

 ムン・ジェイン政権が次の大臣候補をどのような人物にするか、ということですね。
 かつてムン・ジェイン自身が「兵役逃れ、不動産投機、脱税、偽装転入、論文盗用を5大不正と見なし、関与した公職者は高位公職から排除する」と述べたことがありました。
 まあ、初手から失敗してこれにからまなかったような閣僚はいなかったのですけどね。
 特に偽装転入と不動産投機は「それなりに成功しており、閣僚に抜擢されるような韓国人」にとってはハードルが高すぎます。
 ただ、この5大不正をクリアできる、もしくは軽微な関与ていどで済ませられる人物を登用できれば崩壊からは遠くなるのではないかなと。

 はっきり言えばチョ・グクは素性が悪すぎた、というのが実際。
 韓国ではタブーのひとつでもある大学入試不正を娘に行い、同様にタブーのひとつである徴兵忌避を息子に行っている。
 それ以外にも投資関連で違法ギリギリの行為をしています。
 「検察改革」を主導する人物が疑惑まみれでどうするんだっていう。
 同じような人物が再度登用された場合、ムン・ジェイン政権は崩壊に向かうと思われます。

 ただ、果たして「有能でかつ(ムン・ジェインがいうところの)不正を行っていない韓国人」がどれだけいるのか……という根本的な問題があるのですよね。
 地位がある人物は多寡はあっても不正をしているというのが韓国社会。
 韓国国民が「これなら許容範囲内」と認められるていどの不正で収まるような人物がいるのかどうか。
 微妙なところだなぁ……と書いてて思いますわ。

 ただ、これをクリアしないかぎりはムン・ジェイン政権は潰れるまでいかないにしても、任期半ばで早くもレイムダック化し、来年の総選挙で敗北します。
 場合によってはそれを避けるために共に民主党の分裂もあり得ますね。
 左派100年政権構想を持つムン・ジェインにとってはもっとも避けたい事態ではあるのですが……。

連合赤軍「あさま山荘」事件 (文春文庫)
佐々 淳行
文藝春秋
1999/6/10

「タマネギ男」チョ・グクの妻、証拠隠滅等で逮捕、収監……その一方でムン・ジェインの検察改革は終わらない

チョン・ギョンシム電撃拘束……検察の「刃先」チョ・グクに(ソウル新聞・朝鮮語)
チョ・グク前法務部長官夫人のチョン・ギョンシム ドンヤン大教授が電撃拘束された。検察が捜査に着手してから58日のこととなる。今、検察の刃先はチョ前長官を向けられた。

24日の深夜に拘束令状を発行した、ソウル中央地裁ソン・ギョンホ令状担当部長判事は「犯罪相当部分が釈明され、現在までの捜査経過に照らして証拠隠滅心配があり拘束の妥当性が認められる」と理由を説明した。チョン教授に対する子供の入試不正、プライベート・エクイティ不正、証拠操作など11種類の疑義がほとんど理由になったという意味だ。チョン教授側はこの日、6時間50分行われた拘束前被疑者尋問(令状実質審査)で容疑を否認しており、健康状態に問題があり、拘束に耐えられないことを訴えたがソン部長判事を十分に説得できなかった。令状審査を終えてソウル拘置所に移動し、結果を待っていたチョン教授はそのまま入所手続きを踏んだ。
(引用ここまで)


 この8日にはチョ・グク実弟の逮捕状請求が棄却されて「検察は追いこまれた」とされていましたが、本丸一歩手前となる夫人の逮捕状請求は認められて即日拘束。
 その大きな理由は「証拠隠滅の恐れがある」ということでした。
 疑惑のひとつに「不透明な投資」が挙げられています。
 その主役を演じたと思われる証券会社の社員が、チョン・ギョンシム教授の自宅と大学にあったパソコンのハードディスクを交換しているのですよ。
 で、検察はその交換されたハードディスクを押収して「アイコラのように感謝状を偽造していた」ことを発見したのですね。

 ひとつの事柄でこうして証拠隠滅を図っているのだから、他の疑惑でもやっていても不思議はない。
 隠滅を防ぐためには本人を逮捕して拘束すべきだという話が説得力を持った、ということでしょうね。
 これで本丸であるチョ・グクへの手がかりを検察は掴んだといえるでしょう。

 その一方でムン・ジェイン大統領による検察改革への情念は変わらないと思われます。
 現状は「強大な権力を持つ検察 VS. ムン・ジェイン」という図式なのです。
 ムン・ジェインのやろうとしていることは単純に検察を改革しようというだけのことではなく、検察に追い詰められて自殺した僚友であり、師範でもあるノ・ムヒョンの仇討ちが主たる目的ですからね。
 以前にも書きましたが、ムン・ジェインはノ・ムヒョンと共同で弁護士事務所を開き、大統領になった時には首席秘書官として勤め、死の際には葬儀委員長を務めた人物です。
 政治家になったのはノ・ムヒョンの無念を晴らすためだ、とまで言われています。
 実際にノ・ムヒョンを追い詰めた片方の主役であるイ・ミョンバクはすでに逮捕され、地裁では実刑判決が出ています。

 もうひとつの片割れである検察を叩くことを諦めるわけがないのだよなぁ……。
 次期大統領としてチョ・グクを担ぐことを諦めたといても、検察改革自体は成し遂げるでしょうね。
 機務司令部を粛正したのと同じように。

ムン・ジェイン「温室効果ガスを2030年までに3億トン減らす」……なお具体的な方策はない模様……そんなところまで日本のあの政治家にそっくりかよ

韓国政府「温室効果ガスを2030年までに3億トン削減」具対策ないまま発表(朝鮮日報)
 韓国政府は22日「国内の温室効果ガス排出量を2030年までに2億7640万トン減らす」と発表した。しかし原子力発電所を一気に減らすことを受けた電力分野での削減策が明確になっていないため、結果的に産業界の削減割合を高めるしかないことから「企業の負担が重くなる」との不満が相次いでいる。

 韓国環境部(省に相当、以下同じ)はこの日、上記の内容を含む「第2次気候変動対応基本計画」が国務会議(閣議)を通過したと発表した。環境部など17の関係部処(省庁)が今後5年かけて合同で取り組む気候変動対策の最上位計画だ。当初は2016年に第1次基本計画が発表されてからこれが21年に見直されるはずだったが、昨年政府が30年の温室効果ガス排出量をさらに削減する「温室効果ガス・ロードマップ修正案」を取りまとめたことを受け、当初の予定よりも早く発表された。政府は30年の温室効果ガス排出予想を8億5085万トンとしているが、目標は5億3600万トンに設定した。その差のうち2億7640万トンは国内で削減し、残りは国際市場での排出権取引などを活用するという。

 しかし国内での削減計画については「具体性に欠ける」との指摘が相次いでいる。「石炭火力発電所の思い切った削減と再生可能エネルギーの拡大を推進する」とされるエネルギー分野の場合、削減目標(5780万トン)の半分以上に相当する3400万トンについては「来年までに方策を取りまとめる」という。石炭火力発電所60基のうち10基は閉鎖される計画だが、それによって減少する電力をどう賄うかについても具体的な計画はない。 (中略)

 産業部門は削減目標が9850万トンで、削減目標全体の35%とその割合が最も高いが、これについては「エネルギー効率を革新し、新技術の普及を通じて温室効果ガスの削減を実現する」としか記載されていない。産業界からは「脱原発政策によって石炭火力発電所が増え、それによって温室効果ガスも増加しているが、政府は民間企業にその対策や負担を押し付けている」など不満の声が上がっている。鉄鋼業界のある役員は「産業界も大枠では環境に配慮する方向に向かうのは当然だが、政府の政策速度があまりにも速く、それについていくのが大変だ」「環境関連の規制は米国や中国よりも厳しい欧州のレベルに合わせているので、企業にとっては大きな負担だ」などとコメントした。上記の環境部関係者は「2030年における産業部門の排出目標は3億8240万トンで、これを実際の排出予測と比較すると9850万トンを追加で削減する必要があるが、17年の排出量に比べれば1000万トンほどの削減ですむ」「高付加価値製品の生産構造に転換するといった努力をすれば削減できる量だ」と説明した。
(引用ここまで)


 「キレイナ韓国」はムン・ジェイン政権を貫く公約のひとつといえます。
 その「キレイさ」というのは環境的であったり、政治的であったりと多岐にわたるのですが、特に電力関連については主として環境問題を念頭に置いています。
 いわく「原発を減らし、かつ石炭火力も減らし、二酸化炭素も、微小粒子状物質も減らし、さらに電力は問題なく供給する」という問題に立ち向かっているのですよ。
 石炭火力を減らせば二酸化炭素とPM2.5が減るのは間違いありません。ただし、韓国の安価な電力供給が失われます。
 すでに原発は韓国最古の古里原発を廃炉にしています。そのセレモニーで「日本では原発事故で1368人死んだ」って発言がありましたね。
 実際にはイ・ミョンバク政権、パク・クネ政権と受け継がれてきた原発政策を否定したいだけなんじゃないかって気もします。

 閑話休題。  やろうとしていることが矛盾の塊。
 その解法はLNG火力と再生可能エネルギーとなるそうですよ。
 LNG火力は確かにPM2.5なんかは少ないのですが、燃やしているので普通に二酸化炭素は排出します。
 あと石炭火力から比べると相当に高価なのも弱点。

 再生可能エネルギーはドイツの例を見ても「ベース電力」となり得ない。
 おまけに太陽光パネルは台風上陸の可能性がある場所に設置が難しいことが分かりつつある。
 風力も同様。

 だけども「2030年には温室効果ガスを2億7640万トン減らす」と公約。
 まあ……排出権取引くらいだろうなぁ。
 そうそう、そういえば日本にも根拠なく「二酸化炭素を2020年までに25%削減する」とか言っていた政治家がいましたっけ。
 楽韓Webでは「ムン・ジェインはその政治家にそっくりだな」って何度も言ってます。
 いや、こんなところまで似てるとは。まさに生き写しですね。

アホな総理、スゴい総理 戦後宰相31人の通信簿 (講談社+α文庫)
小林吉弥
講談社
2009/12/20