危機の文氏、外治も難題山積…正恩氏の呼応も、菅氏の決断も難しくなる(中央日報)
7日の再・補欠選挙惨敗から始まった文在寅(ムン・ジェイン)政府の危機は内政だけでなく外治にも影響を及ぼす展望だ。主な外交懸案の当事者である相手国もレームダック危機を迎えた文政府と重要な懸案を進展させたり決着させたりするのは適切ではないと判断する可能性が高いためだ。
北朝鮮はすでに任期末に入った文在寅政府を無視するような態度を見せている。先月16日、金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は韓米合同訓練を非難しながら「今回の厳重な挑戦で、任期末期に入った南朝鮮当局の前途が非常に苦痛で平安でなくなるだろう」としながら「任期末期に入った」とわざわざ言及しながら皮肉った。事実、2019年2月米朝首脳間の「ハノイノーディール」以降、北朝鮮は韓国を事実上「パッシング」してきた。文政府は制裁柔軟化を公開的に主張するなど南北関係で前のめりすぎではないかという懸念の声にも北朝鮮に大小の協力を提案したが、すべて無視された。
今回の再・補欠選挙の敗北で文政府のレームダックが加速化する場合、北朝鮮は文政府を相手にする必要がないという判断をさらに強くする可能性がある。
(中略)
特に北朝鮮が韓国に期待する役割は制裁解除問題などで、北朝鮮に有利な方向に非核化交渉が進むように米国を説得することだが、米国政府がジョー・バイデン政府に代わって現実的にもこれはさらに難しくなった。北核問題に対して経験豊富な専門官僚が北核問題を主導しているため、ドナルド・トランプ政府の時とは違って粗雑な合意を期待するのは難しいという意味だ。
(中略)
昨年末から続く文政府の韓日関係改善ドライブにもブレーキがかかる可能性が高い。
(中略)
だが、日本は韓日関係を国内政治的に利用してきた文政府に対する不信を払拭できておらず、韓国が歴史問題などで先に前向きな提案をしなければならないとする態度を見せた。
(中略)
このように複雑に絡まった懸案を任期5年目まで引っ張ってきたあげくレームダックを迎え、文政府のさまざまな外交的課題は結局解決されないまま残される可能性が高まった。ただし、現政府内で触発された問題は任期終了前に収拾しなければならないという指摘もある。
朴チョル熙教授は「強制徴用問題が結局司法の領域で結論が下されるよう放置したことと慰安婦合意を破局に追い込んだことは文政府の責任なので、これを放置したまま最悪まで突き進んだ韓日関係を次期政権に譲るのは職務放棄」とし「また、文政府が市民社会界と連係が深いだけに、これを使って歴史問題解決のための共感を最大限広げておく必要がある」と話した。
(引用ここまで)
ソウル・釜山の同時市長選挙(補選。任期約1年)で与党が「ムン・ジェイン政権への批判票」で敗北、それも惨敗したことから、ムン・ジェイン大統領は完全なるレイムダックとして残り任期を過ごすことが決定しています。
残り任期が1年1ヶ月。
大統領選挙まで11ヶ月。
この間、ムン・ジェイン大統領になにかできるのか、ということですね。
そしてなにかを決めたとして次の政権がそれを継続させることができるのか、と。
有力な大統領候補のメンツを見てみると──
ムン・ジェイン派のイ・ナギョン前首相はムン・ジェインと共に没落することが決定済み。今回の選挙対策チームのトップでしたから。
イ・ジェミョン京畿道知事はムン・ジェイン派ではなく、党が同じというだけ。
ユン・ソンニョル(ソクヨル)前検察総長は反ムン・ジェイン。
ソウル市長選をまたしても譲ったアン・チョルスはもう政治家としての賞味期限切れ。
ムン・ジェイン政権の継承……ねえ?
北朝鮮は「有期の国家元首」である韓国側を「じゃあ、この政権は見切ろう」という形ですでに見切っています。
あと1年すれば政権が変わって、対応も変わってくるだろうと将来を見据えている。
無謬であるはずのキム・ジョンウン委員長(当時)がベトナムでの屈辱的な「ハノイノーディール」を食らったのはムン・ジェイン政権のせいであると認識しているのでしょう。
2018年以降、北は韓国を無視するか、一方的な嫌がらせをするかしかない。
南北共同連絡事務所の爆破なんて嫌がらせの最たるものですしね。
そして日本も同様にムン・ジェイン政権を信頼していない。
実際にムン・ジェイン政権が慰安婦合意を実質的に破棄した以上、韓国と交わした一切の約束が守られないというのが前提であるのは間違いない。
ムン・ジェイン政権にかぎらず、次の政権もその次の政権も保守革新に依らず信じることはできなくなっていますけどね。
ま、予想されたようにしっかりとしたレイムダックとなりました。
そして韓国は外交的変数としては無として扱われることでしょう。
韓国大統領府は4月中にも対面での米韓首脳会談を求めているとの話なのですが。
この状況のムン・ジェインと就任から3ヶ月のバイデン大統領が会談してなにかできるのか、という話でもあります。
ムン・ジェインの師匠筋であるノ・ムヒョンだったら破れかぶれで奇行に奔ったかもしれませんが、小物たるムン・ジェインには無理だろうなぁ……。
なにもすることなく、任期の終わりを迎えることになると思います。
突破口があるとすれば反日騒ぎなのですが……まあ正直なにかできるとも思えません。終わったのですよ、ムン・ジェイン政権は。