米国の製薬会社モデルナ社と2000万人分のコロナ・ワクチン供給で「合意した」とする青瓦台(韓国大統領府)の発表とは異なり、モデルナ側は「韓国政府と協議中」と説明した。そのため「青瓦台はワクチン供給契約についてやや先走ったのではないか」との指摘が出ている。
モデルナは29日(現地時間)「韓国に4000万回接種分のコロナ・ワクチン供給に向けた韓国政府との協議を確認する」という見出しのプレスリリースを公表した。その中でモデルナは「韓国政府と潜在的に4000万回接種分あるいはそれ以上のモデルナ・ワクチンを供給するため協議中であることを確認する」として「提案された合意内容によると、配布は2021年の第2四半期に始まるかもしれない」と伝えた。
前日に青瓦台は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領がモデルナのステファン・バンセルCEO(最高経営責任者)と27分間電話会談を行った」「韓国に2000万人分に相当する4000万回接種分のワクチンを供給することで合意した」と発表した。これはモデルナが発表した内容とはかなりの温度差がある。 (中略)
モデルナが韓国について使用した「協議を確認する」という表現は、通常であれば交渉中であることを正式に認める際に使う言葉のようだ。モデルナは8月24日「欧州に8億回分を供給するため、欧州連合執行機関との協議が進展していることを確認する」と発表した。それから3カ月後の11月25日「欧州連合が早期に8億回分の事前購入契約を承認したことを発表する」と説明した。協議から契約まで3カ月以上の時間を要したのだ。
青瓦台も今月28日、文大統領とバンセルCEOとの電話会談について発表する際、その時点では最終契約に至っていないことを明確にした。青瓦台の康珉碩(カン・ミンソク)報道官は「合意に基づき、政府とモデルナは(中略)ワクチン供給契約を年内に締結する計画」と説明した。しかし実際は年内の契約が可能かどうかは未知数だ。
(引用ここまで)
モデルナからワクチンを2000万人分、供給してもらうことに合意した……と韓国大統領府が宣言した……のが28日。
その際にも「契約ではない」とされていました。
で、モデルナ社からも「協議を確認した」というプレスリリースが出されただけだった、と。
Moderna Confirms Discussions With the Government of South Korea to Supply South Korea With 40 Million Doses of COVID-19 Vaccine(moderna・英語)
協議を開始したことを確認した、というもの。
朝鮮日報の記事に「日本政府は8月末に同様に『協議を確認する』という文言を出し、契約は2ヶ月後の10月末だった」とあります。
協議開始が4ヶ月遅れなら、契約も4ヶ月遅れの2021年以降ということになるかな。
であれば、ワクチン供給も4ヶ月遅れとなるんじゃないですかね。
行列の最後尾に並ぶということですから。
大統領府が「2000万人分のワクチン供給に合意した」と発表したのは「虚偽」までいかないにしても、「ワクチンの入手遅れ」を糾弾されたことの意趣返しに見られてもしょうがないですかね。
実際の供給時期が第2四半期のいつ頃になるか、初期供給量がどのていどか。
それを発表できれば不信感も和らぐのでしょうが。
契約もできてないのだから発表もできませんわな。