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2020年11月

韓国の検察総長懲戒、「検察のレイムダック化」を狙う2ヶ月の停職処分……政権不支持率は過去最高の数字に

韓国で過去初めての検察総長懲戒…尹錫ヨル氏の「停職2カ月」は文大統領の手の中に(中央日報)
韓国法務部検事懲戒委員会で、尹錫ヨル(ユン・ソクヨル)検察総長が停職2カ月の処分を受けた。尹総長は今年1月の秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官就任以降、人事権を失った事実上「植物総長」だったが、月城(ウォルソン)原発捜査など政府の核心に対する捜査は引き続き指揮してきた。だが、この処分を大統領が裁可する場合、処分は確定して尹総長は2カ月間の指揮権まで喪失することになる。

16日、法務部によると、前日午前10時30分からこの日午前4時まで17時間30分程開かれた懲戒委で、停職2カ月案が可決された。懲戒委員4人は特別弁護人が退場した後の前日午後9時からこの日午前4時まで7時間近いマラソン会議を行った。懲戒委員は解任から停職6カ月と4カ月などさまざまな意見を出した。
(引用ここまで)


 15日の懲戒委員会によって、ユン・ソンニョル検察総長には「停職2ヶ月」という処分が相当であると決定されました。
 15日当日には結論が出せず、翌16日の早朝になってから発表されるという状況。
 しかも、出席しなかったユン総長の代理人である弁護士が「反論させてくれ」って言ったにも関わらず議論が打ち切られたっていう。
 そもそもその懲戒委員会も指定された委員が出席を拒絶して、なんとか過半数の出席を確保することで処分を出すことができたというもの。

 この停職2ヶ月という結果ですが、当初想定されていた「解任」よりはかなり退いたものになりました。
 懲戒免職で解任となれば、被選挙権すらも制限されて次期大統領選挙に立候補することもできなくなります。
 それに比べれば停職2ヶ月というのはかなり低くなった、という印象を受けるものです。
 ただ、検察総長の任期は2年単期。その中で2ヶ月はかなり大きなものとなります。
 さらに大統領府独自の捜査機構となる公捜処関連の法律が成立したために、公捜処は来年1月に発足することになります。
 つまり、2ヶ月の停職を受けている間に検察は大統領府への捜査権をほぼ失うわけですね。
 絶妙な選択をした、という感じでしょうか。
 まあ、本来は解任したかったのでしょうけども、世論のあまりの抵抗の強さに怯えたというのが実際でしょう。

 で、その停職2ヶ月という結果をチュ・ミエ法務部長官がムン・ジェイン大統領に報告して大統領による裁可が出た場で、チュ長官は辞意を表明したっていう。

韓国法務長官が辞意表明…文大統領「決断を高く評価、熟考する」(中央日報)

 「喧嘩両成敗」というような形で幕引きを狙ったもの。
 チュ長官は法務部長官の座を失ったのだけども、ユン総長は停職で済んだのだ……という形で落としどころを狙ってきたという感じですかね。

 ですが、歴代の検察総長11人中9人までが、この処分に対して反対声明を出すという異例の騒ぎになっています。

韓国歴代検察総長9人が異例の声明「民主主義に対する脅威の始まり」(朝鮮日報)

 法曹界からは今回のムン・ジェイン政権のやりようにかなり反感がたまっているということは何度か紹介しています。
 徹底したムン・ジェイン派の検察官以外はほとんど反対の声を上げているほど。98%ともされています。
 さらにユン・ソンニョル検察総長は懲戒委員会が違法だとして、法廷で決着をつけると宣言しています。

文在寅大統領vs尹錫悦検察総長…憲政史上初の戦い開始(中央日報)

 戦いの場を法廷に移して継続する、ということになりました。
 これらの戦いを韓国の世論がどのように受け取るかという話ですね。
 ちなみに最新の世論調査では政権支持率は微増。不支持率は過去最高値。

文大統領の不支持率が過去最高に 支持率も30%台で低迷(聯合ニュース)

 不支持率は59.1%。支持率は1.5%ポイント上昇で38.2%。
 やっぱり鉄板支持層だけで35%ほどの支持率がある……というのは実際かな。ここからいくらか剥離があるのか。それとも……といったところ。

イギリスでのG7に「ゲスト招待」される韓国、まだ自由主義陣営の一員として扱われている模様……もちろん、G7の正式メンバーというわけではありません

中国を封じ込める「海の長城」構築が始まった(Newsweek)
来年のG7議長国の英国 韓・印・豪をゲスト国で招待へ(KBS World Radio)
韓国は、来年イギリスで開かれるG7=主要7か国首脳会議にゲスト国として招待されました。
ロイター通信と共同通信が15日に伝えたところによりますと、イギリスの首相官邸はジョンソン首相が来年1月にインドを訪問すると発表したなかで、来年、イギリスが議長国を務めるG7サミットに韓国とインド、オーストラリアの3か国を招待する計画を明らかにしました。
共同通信によりますと、ジョンソン首相はインド訪問に先立ってインドのモディ首相に送った書簡で、招待の意思を表明したということです。
この書簡について、イギリス首相官邸は、韓国とインド、オーストラリアをゲスト国として招待するのは、共有された利益を増進し、共通の課題に対応するために、同じ考えを持つ民主主義国家との協力を図る首相の考えを伝えたものと説明しました。
(引用ここまで)


 一本目はこの秋からこちらに向けての対中国包囲網にフランス、イギリス、ドイツといった欧州主要国家が参加しはじめたという話。
 特にフランス、イギリスは「自由で開かれたインド太平洋」に対して大きくコミットメントしています。
 フランスは「クアッドはパートナー」と明言して日米の共同軍事訓練に参加することを決定していますし、イギリスは虎の子である空母クイーンエリザベスを日本近海に派遣することを表明しています。
 さらにドイツも数少ない艦船の中からフリゲートをインド太平洋地域に派遣すると表明しています。
 ドイツについてはコミットメントの度合いが低めに語られていたことから、艦船派遣はないだろうなと考えていたこともあってちょっと驚きでした。
 クアッドだけではなく自由主義陣営は対中国包囲網を構築することで同意しています。
 もうこの方向性は変化しないでしょう。

 そしてその一方でイギリスが来年のG7にインド、オーストラリア、そして韓国をゲストとして招待することを表明しました。
 あくまでもゲストであって、G7を拡大するものではないことに注意が必要ですかね。
 韓国政府はアメリカから招待された際に「ゲスト招待ではなく、韓国は拡大G7、G11の正式メンバーになるのだ」とか言っちゃって恥をかいていますが。
 インド、オーストラリアといったインド太平洋戦略にフルコミットメントしている国々と一緒に韓国が招待されていることに違和感を持つ人も少なくないでしょうけども。

 少なくともまだ中国陣営であるとは世界的には見られていない、ということです。
 まだ韓国の扱いは自由主義陣営の一員だし、アメリカの同盟国のひとつではあるのですよ。
 やや疑念の目では見られていますが。実際に対峙してきた日本、アメリカ以外からは「え、アメリカの軍事同盟国でしょ?」って扱い。
 ですがまあ、北朝鮮へのビラ散布禁止法令あたりでその「自由主義陣営の一員」であるということを自ら投げ棄てようとしているのですから面白いですよね。
 自分で掴んだ地位ではないから、そのメリットが理解できないのだろうなぁ……。

韓国政府、ワクチン導入に及び腰だったのは誰も責任を取りたくなかったから……「K防疫でいけるでしょ」と軽視していた模様

「米国のようにしていたら疾病管理庁長は監獄に入れられていた」…韓国がワクチン戦争で負けた理由(中央日報)
英国・米国・カナダなど海外の先進国が新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)のワクチン接種を次々と開始する中で、韓国はワクチンのない冬を送ることになった。

国会保健福祉委員会所属の姜起潤(カン・ギユン)議員(国民の党)が入手した保健福祉部の「海外国別ワクチン確保動向内部文書」によると、米国は最大24億回分、カナダは最大1億9000万回分、英国は最大3億8000万回分、EU(欧州連合)は最大11億回分、日本は5億3000万回分を確保していることが分かった。韓国はアストラゼネカワクチン2000万回分の契約が完了した状態だ。そのうえ国内ワクチンの導入時期は早くて来年2~3月と見込まれ、「ワクチン・デバイド(格差)」を懸念する声が高まっている。新型コロナ防疫先進国として注目されてきた韓国がワクチン導入競争ではなぜこのように出遅れることになったのか追跡してみた。

防疫当局によると、韓国政府が本格的なワクチン事前購入の協議に入ったのは今年7月だ。これより前の5月に検討に出たが、なかなか前に進まなかった。大韓ワクチン学会のマ・サンヒョク副会長〔昌原(チャンウォン)ファティマ病院小児科教授〕は「5月にワクチンに関して国内でタスクフォース(TF、作業部会)を作って運営した。ところが当時は患者の発生が多く、消極的に対応した側面があり、予算からも除外された」と説明した。

アストラゼネカ(7月)・ノババックス(8月)と契約意向書(letter of intent)をそれぞれ作成したほか、モデルナ(8月)・ファイザー(9月)・ヤンセン(10月)などと順に協議を始めた。米国・カナダなどが人口の数を超えるワクチン物量を確保している状況だったが、韓国政府は事前購入に躊躇(ちゅうちょ)した。結局、他国のワクチン接種が始まった現在の韓国が購入契約書の締結に成功したのはアストラゼネカワクチン(1000万回分)1カ所だけだ。政府はファイザーとヤンセンと今月内に、モデルナとは1月を目標に契約締結を推進している。アストラゼネカワクチンは2~3月に導入予定だが残りのワクチンはいつ供給されるのか約束がない。

ワクチン導入議論に関与したある関係者は、韓国が他国の後塵を拝した理由について、事後責任を恐れた政府官僚の保身主義が大きいと説明した。この関係者は「価格と臨床成否などのさまざまな不確実性があるため、政府が丁寧に(交渉を進行)したようだ」としつつも「われわれはリスクを最小化する方法を重要視してきた。米国はリスクを負ってモデルナに1兆2000億ウォン(約1135億円)の研究開発(R&D)資金を投資し、3億回分を事前購入した」と話した。あわせて「もし韓国が同様のことをしたら鄭銀敬疾病管理庁長が監獄行くことになったのではないだろうか。そうできるほどお金がある国でもなく、米国・英国のようにすることは容易ではない」と当時の状況を説明した。ワクチンを事前購入してミスを犯した場合、交渉を率いた誰かが責任を負わなければならない状況なので、政府が積極的に動くことができなかったということだ。

先月26日、国会保健福祉委員会全体会議で朴凌厚(パク・ヌンフ)保健福祉部長官は「本当に行政的な立場からみると、ワクチンを過度に備蓄した場合、それを数カ月以内に廃棄しなければならない問題が生じかねないが、それに伴う事後的な責任問題も実際はある」とし、責任問題に対して直接言及した。
(引用ここまで)


 韓国政府がワクチン確保に出遅れた理由が「交渉を率先して率いて失敗した場合、その誰かが責任を負わされる状況になるから」だという主張が出てきました。
 なんとなく構造が見えてきたかな、というところ。
 先日、シンシアリーさんがこんなつぶやきをしていまして。


 ワクチンの接種というものが「集団免疫獲得」ということにあるのではなく、防疫を失敗した連中がすがる最後の切り札だ……みたいな話になっているなというのは感じていたのですが。
 韓国にはK防疫があるから大丈夫で、ワクチンに殺到している欧米、日本は防疫に失敗したから製薬会社の言いなりになっているのだ、という言い分をしています。
 例の「なんだったら北朝鮮にワクチンを分けてもいい」というような気楽な発言はそのあたりからもきていると思います。もちろん、南北協議の発端にしたいというのが本音ではあるのでしょうが。

 「ファイザー、モデルナは韓国政府に対して早期に契約を結ぶように求めてきた」という発言を保健福祉部長官(大臣に相当)がしていましたっけ。
 つまり、K防疫で新型コロナを抑えこんでいる韓国政府は製薬会社に対して優位な立場にいるのだ……と主唱していたわけですよ。
 この発言が11月17日。ちょうど1ヶ月前。
 で、現在は「ファイザー、モデルナと早急に契約を結ぶよう交渉している。年内にも契約は可能だ」とか言うようになった、と。

 「ワクチンなんかいらない」というような与党議員の発言を含めて、まったくもって滑稽ですね。
 ワクチンは重症化を防ぎ、新型コロナウイルスを恐れずに暮らすためのもの。つまり、人と社会、そして経済の動きを以前と同じレベルに引き上げるための方策だということを理解できていないっていう。
 K防疫の広報動画製作やら対外広報のために1200億ウォンも費やしておいて、病床確保もしていなかった。
 ワクチン導入の契約もまともにできていなかったというオチ。
 「K防疫は世界で標準……そんなふうに考えていた時期が俺にもありました」って年明けあたりには言ってそうですね。