「チョ・グク捜査は検察のクーデター」と言っていた韓国与党、有罪判決に戸惑い(朝鮮日報)
チョ・グク前法務部長官の妻、チョン・ギョンシム被告(東洋大教授)に対する検察の捜査をいわゆる「検察改革」に対する抵抗、「検察クーデター」だと批判してきた与党は23日、チョン被告に懲役4年、罰金5億ウォンという重い刑が言い渡されると、「想像できなかった結果だ」とショックを隠せずにいる。共に民主党の申栄大(シン・ヨンデ)広報は「判決があまりに過酷で戸惑っている」と述べた。
民主党議員は「判決は誤っている」と主張した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持勢力で「チョ・グク守護隊」と呼ばれた金容民(キム・ヨンミン)議員は「裁判所が違法捜査と起訴を統制しなければならないが、きょうはその役割を放棄したようだ」と述べた。金議員は「(検察総長の)尹錫悦(ユン・ソクヨル)が判事査察で狙っていたのはまさにこういうことだ」とも語った。裁判所が検察を意識し、チョン被告に有罪を言い渡したという主張と受け止められている。金南局(キム・ナムグク)議員は「胸が詰まる思いで、息ができない。世の中にはどこにも安心して真実を叫ぶことができる場所はないようだ」とコメントした。
ソウル市長補選への出馬を表明した禹相虎(ウ・サンホ)議員は「感情が入り交じった判決だ。失望を通り越して憤怒を感じる。どうかチョ前長官とチョン教授には頑張ってもらいたい」と述べた。鄭清来(チョン・チョンレ)議員は「悔しく憤りを感じる判決だ」と述べ、申東根(シン・ドングン)最高委員は「『検察改革に集中していて、司法改革ができなかった』という言葉を骨身にしみて実感している」と話した。尹永燦(ユン・ヨンチャン)議員は「その時代に子どものスペックに命を懸けたこの地の親たちに代わり、チョン教授に十字架を背負わせたのだろうか。残忍だ」と述べた。総選挙で「親チョ・グク」を掲げた開かれたウリ党も「頭を下げて善処を求めなければ有罪だという司法府」とコメントした。
民主党は昨年9月、検察がチョン被告を起訴した際、「チョ・グク氏の落馬を狙った検察のもう一つの国政介入」「(無理な捜査で)検察が自ら墓穴を掘った」などと主張した。秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官は「政権への揺さぶり」だと言い、民主党の金鍾民(キム・ジョンミン)最高委員は「(チョ前長官夫妻が)リンチを受けた」と話した。チョ前長官の息子に虚偽のインターン証明書を発行したとして起訴された崔康旭(チェ・ガンウク)開かれたウリ党代表は、今年4月の総選挙で当選後、検察に対し、「世の中が変わったということを確実に感じられるように仕返しをする」と語っていた。しかし、今回のチョン被告に対する有罪判決に彼らが沈黙した。
(引用ここまで)
昨日のチョン・ギョンシム教授への判決でなにが衝撃的だったかというと、有罪が出てそれが重かったということ以上に「被告はチョ・グクと共謀してインターン証明書を偽造した」と認定されていることなのです。
チョ・グクの公判はまだ続いていますが、昨日の判決でチョ・グクに対しても有罪、それもかなり重い判決が出ることが予想されます。
チョ・グク本人はこのあたりの罪状認否に関してはすべて黙秘という法廷戦術を展開しています。
というのも「公判自体がでっち上げられたものだ」という方向性を貫いているからだったのですね。
すなわち、ユン・ソンニョル(ソクヨル)検察総長による恣意的な捜査である、偽造の事実はないというものだったのです。
チョ・グクだけではなく与党側、大統領府側の持つ今回の捜査、および公判に対するおおよその認識は「検察改革に反対するユン・ソンニョルによって、検察改革を断行するチョ・グク法務部長官が狙い撃ちされたに過ぎない」というもの。
だからこそチョ・グクは黙秘を貫いていたし、チョン・ギョンシム教授は一切の罪を認めなかったわけです。
ですが、少なくとも一審では事実認定として「インターン証明書を偽造した」「感謝状も偽造した」となった。
チョ・グクもそれに共謀していると認定された。
与党、大統領府、チョ・グクらの前提がすべて否定されたも同然なのです。
与党側から見たら「ありえない判決が出た!」となるのですね。
これから司法側への圧力はさらに強いものになるでしょう。
ドルイドキング事件でムン・ジェイン最側近の
キム・ギョンス慶尚南道知事が有罪判決を出された時も「司法改革してやるからな!」って騒いでいましたね。
実際に
一審で有罪判決を出した裁判官は機密漏洩で起訴されています。
ですが、
高裁でも実刑判決は変わらず、でした。
今回も同様にチョン・ギョンシム教授に対して実刑判決が出て、かつチョ・グクの共謀も認めている。
「韓国は三権分立が確立されているから司法へは手が出せない」とかムン・ジェイン大統領は言っていましたが、実際にはこうして立法府側から司法へ圧力がかかりまくっている。
それにも関わらず、司法は有罪判決を出すことに躊躇していない、というのはある意味で健全なのですが。
……まあ、
ムン・ジェイン大統領によって抜擢された大法院長がいる大法院(最高裁に相当)ではどうなるか分かったもんじゃありませんが。
個人的にはなかなか面白い事態になってきてるなぁ……といったところ。
チョ・グクへの判決も楽しみですね。