野党・国民の力の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長はこの日、本人名義の立場表明で「政権と結託した公務員が削除した関連文書は、執権勢力があれほど隠そうとした原発早期閉鎖のすべてのものが入ったブラックボックス」とし、特に「北に極秘に原発を建設しようとしたのは、原発ゲートを越え、政権の運命を揺るがしかねない衝撃的な利敵行為」と主張した。
続いて「一方的に強行した脱原発政策が誰のためのものかを推測できる」とし「想像を超越する利敵行為の実体を明明白白に明らかにすべきだ」と述べた。
これに対し青瓦台の姜ミン碩(カン・ミンソク)報道官が「金(鍾仁)委員長が『北に極秘に原発を建てようとした』『利敵行為』という表現までしたのは根拠のない主張」とし「いくら選挙を控えているとはいえ、野党代表の口から出た言葉とはとうてい信じることができない、世間を惑わす発言だ」と批判した。
また「北風工作と変わらない無責任な発言であり黙過できない」とし「金委員長は発言に責任を取らなければいけない。政府は法的措置を含めて強く対応する」と述べた。
青瓦台関係者は姜報道官のこうした立場表明について「青瓦台の公式的な立場であり、大統領の意と変わらない」と話した。野党代表に対する姜報道官の異例の直接的な批判は文在寅大統領の意向という説明だ。
しかし青瓦台はこの日、「政府が極秘に原発を建てようとした」という金委員長の発言に対して反論しただけで、産業部のファイル削除など残りの争点への反応は全く出さなかった。
(引用ここまで)
大統領府から「野党代表による『北に極秘裏に原発を建てようとした』とする言説は根拠のない主張」との反論。
とはいえ、削除されたファイルは南北首脳会談直前に作成されたもの。
かつ、ムン・ジェイン大統領がキム・ジョンウン委員長に対して「発電所の問題が……」と話しかけていたことも判明している。読唇術で、ですが。
そして産業通商資源部の官僚は「北原推」というファイル名をわざわざ選んで削除している。
さまざまな物証のひとつひとつが、すべてひとつの方向を向いているのですが。
まあ、北朝鮮に渡ったUSBメモリがどんなものかは明かされることはないでしょうから「根拠のない主張」というのも間違いではない。
復元されたファイルの中身がさらされることもないんでしょうかね。
ちなみにパク・ウォンスンが亡くなったことによるソウル市長選挙、およびオ・ゴドンがセクハラで辞任した釜山市長選挙が4月に同時に行われます。
釜山は歴史的に保守政権の地盤なのですが、2018年の地方統一選は与党の地滑り的大勝でした。
保守政党側としては、その選挙の争点としても今回の北朝鮮の原発推進疑惑を取り上げたいというのもあるのでしょうが。
ムン・ジェイン政権としてはそういた選挙の争点として扱われたくないのだろうなぁ。