キム・ドゥグァン共に民主党議員が30日にも「ユン・ソクヨル検察総長弾劾」を主張している。ユン・ソクヨル弾劾論については、党内でも現実性がないという指摘が出てきたキム・ドゥグァン議員は25日から、ほぼ毎日同じような主張を繰り返している。 (中略)
続いて「制度改革で突破しようとしたが、ユン・ソクヨル弾劾をしなければ制度改革もしっかりできない」とし「検察の既得権を完全に剥奪する改革と大統領と憲法に対抗するユン・ソクヨル弾劾を一緒にしなければならない。両方の手ではなく片手でのみ戦うとしていることを党員と支持者は全く理解できずにいる」と批判した。 (中略)
しかし、民主党内でもユン・ソクヨル総長弾劾は現実性がないとの批判が出ている。
民主党のスポークスマンは「弾劾は憲法裁判所の棄却につながる可能性がある。私たちも感情をコントロールしなければならない」とし「逆風の口実を提供してはならない。法的名分を徹底的に積まなければならない」と述べた。
キム・テニョン民主党院内代表はユン総長弾劾の意見を問う記者の質問に「ないない」と短く答えた。
(引用ここまで)
共に民主党側からはいまだに「ユン・ソンニョル(ソクヨル)検察総長を弾劾すべし」という声が出ています。
テクニカルに見るのであれば、国会で過半数の賛成で弾劾は可能。
現在、174議席を持つ共に民主党が一枚岩になるのであれば、弾劾は間違いなくできる。
ですが、ムン・ジェイン大統領は今回の問題を幕引きにかかっている状況。
内閣改造でチュ・ミエ法務部長官(大臣に相当)だけを交替させて、大きく報道させることで「検察VS.法務部の戦いは終結した」という印象を韓国国民に持たせようとしている(それ以外の長官らは指名したものの交替は翌日以降)。
かつ、大統領自らが「混乱を招いたことに人事権者として謝罪する」と述べている。
法相に元裁判官の朴範界氏指名 環境相・報勲処長も交代=文大統領(聯合ニュース)
韓国大統領、検事総長懲戒めぐり謝罪 「政権vs司法」の構図に拡大(産経新聞)
そもそもが弾劾したところで憲法裁判所に訴えられたら負けてしまう可能性が高い。
停職2ヶ月という相対的に低いレベルの懲戒(政権側は「神の一手」としていた)であっても、裁判所に覆されている。
であれば、弾劾したところでもはや法理としては通用しないのは目に見えているわけですね。
支持率低下の最大の理由はいまだに不動産高騰ですが、短期的にはこの「検察VS.法務部」が影響しているのは明か。
ムン・ジェイン政権全体、さらには与党に対しての信頼が損なわれているのですね。
もういちいち騒ぎ立てることなく、ユン総長にはそのまま7月の任期まで静かにやってもらって退任してもらうしかないのです。
ただ、それだと与党側のメンツが立たない。
ユン総長にやりこめられたままでは「チェミョン(体面)」が保たないのです。
共に民主党にはキム・ドゥグァン議員に同調する議員も少なからずいるでしょう。
ただ……過半数での弾劾成立は難しいかな。
憲法裁判所での棄却となったら二重にも三重にもメンツが潰される結果になりますからね。