チェコ外務省は先日、韓国政府に「対北ビラ禁止法(南北関係発展法改正案)施行の意図」について問い合わせてきたが、その際「人権増進はチェコの外交政策において優先順位が高い重要事項」との立場も伝えてきた。欧州連合(EU)加盟27カ国のうちチェコだけがビラ禁止法について問題提起を行ったが、その背景についてある外交筋は4日「その理由を推測する手掛かりが、ビラ禁止法を擁護するため統一部(省に相当、以下同じ)が作成・配布した資料の中にあった」と伝えた。
ビラ禁止法は先月14日に国会で可決したが、その直後から統一部は14ページの分量の「法律改正説明資料」を国内外のメディアや韓国駐在の大使館など50カ所に配布した。資料には「金与正(キム・ヨジョン)下命法」との指摘に反論する部分で「冷戦時代における風船ビラによる国際紛争」としてチェコスロバキアの事例が取り上げられていた。西欧から飛ばされた風船ビラに怒ったチェコスロバキアは1956年、国際民間航空機関(ICAO)に問題提起し、これを受けてICAOの理事会が「風船は航空機の安全に決定的な脅威になる。加盟国は必要な措置を取らねばならない」とする決議を採択したことが記載されている。
この資料を受け取った50の大使館などにソウルのチェコ大使館も含まれていたようだ。上記の外交筋は「チェコとしては自国の事例がビラ禁止法擁護の根拠に使われた以上、韓国側にその意図を問い合わせるしかなかったのだろう」「共産政権時代の恥ずべき歴史を思い起こさせられ、当惑した可能性も考えられる」との見方を示した。
ある外交官OBは「内部資料であれば、第三国の事例も一つの参考として記載もできるだろうが、外部に配布され、しかも当事国も閲覧する文書であれば話は変わってくる」「表現の自由に対する制約や、北朝鮮に対する人権運動を萎縮させるとして大きな議論になっている法律を正当化するため、60年以上前の事例を引き合いに出し、しかもその当事国の立場も確認していなかったとすれば、これは外交非礼だ」と指摘した。これについて韓国外交部の当局者は「関連する動向を注視するしかない」とコメントした。
(引用ここまで)
韓国国会が成立させたビラ禁止法について、これまでアメリカ、イギリスといった自由主義諸国が疑念を露わにしてきました。
アメリカ議会ではビラ禁止法が人権委で公聴会が開催されると伝えられています。
韓国政府は公聴会阻止のためにロビー活動を行っているとのこと。
同様に日本でもかなり疑念を持たれているでしょうね。どこからも表明こそされていませんが、議員単位では「なにやってんだ、あいつら」くらいには思われているでしょう。
そんな中、唐突にチェコからも「なぜこのような法案を策定したのか」という問い合わせが外交部にきたそうです。
チェコ外務省、韓国に「対北朝鮮ビラ禁止法」の意図を問う(中央日報)
自由主義国から疑念が出ないほうがおかしいとはいえ、なぜチェコ……とは感じていたのですよ。
記事には「EUでもビラ禁止法について議論があるだろう」とされていたので、EUのさきがけとしてチェコが出てきただけかな、とも思っていたのですが。
違和感を否めなかったのも事実。
で、その理由が「以前、チェコでも同様のビラ禁止法を作っていた」とビラ禁止法を作った経緯等を諸外国に説明するための資料に書いていたそうですわ。
でも、そのビラ禁止ってやったのは共産主義時代のチェコスロバキアで、60年以上前のこと。
つまり、「韓国は自由を制限する共産主義のような国になったのだ」という宣言だったというわけなのさ……。