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2020年12月

韓国政府「60年前のチェコスロバキアもビラ禁止法を作っていた。なんの問題もない」→チェコ政府「なんのためにそんな話をしたのか意図を訊かせてほしい」

【独自】チェコが対北ビラ禁止法にかみついた原因は外交上の配慮に欠ける韓国統一部の資料か(朝鮮日報)
 チェコ外務省は先日、韓国政府に「対北ビラ禁止法(南北関係発展法改正案)施行の意図」について問い合わせてきたが、その際「人権増進はチェコの外交政策において優先順位が高い重要事項」との立場も伝えてきた。欧州連合(EU)加盟27カ国のうちチェコだけがビラ禁止法について問題提起を行ったが、その背景についてある外交筋は4日「その理由を推測する手掛かりが、ビラ禁止法を擁護するため統一部(省に相当、以下同じ)が作成・配布した資料の中にあった」と伝えた。

 ビラ禁止法は先月14日に国会で可決したが、その直後から統一部は14ページの分量の「法律改正説明資料」を国内外のメディアや韓国駐在の大使館など50カ所に配布した。資料には「金与正(キム・ヨジョン)下命法」との指摘に反論する部分で「冷戦時代における風船ビラによる国際紛争」としてチェコスロバキアの事例が取り上げられていた。西欧から飛ばされた風船ビラに怒ったチェコスロバキアは1956年、国際民間航空機関(ICAO)に問題提起し、これを受けてICAOの理事会が「風船は航空機の安全に決定的な脅威になる。加盟国は必要な措置を取らねばならない」とする決議を採択したことが記載されている。

 この資料を受け取った50の大使館などにソウルのチェコ大使館も含まれていたようだ。上記の外交筋は「チェコとしては自国の事例がビラ禁止法擁護の根拠に使われた以上、韓国側にその意図を問い合わせるしかなかったのだろう」「共産政権時代の恥ずべき歴史を思い起こさせられ、当惑した可能性も考えられる」との見方を示した。

 ある外交官OBは「内部資料であれば、第三国の事例も一つの参考として記載もできるだろうが、外部に配布され、しかも当事国も閲覧する文書であれば話は変わってくる」「表現の自由に対する制約や、北朝鮮に対する人権運動を萎縮させるとして大きな議論になっている法律を正当化するため、60年以上前の事例を引き合いに出し、しかもその当事国の立場も確認していなかったとすれば、これは外交非礼だ」と指摘した。これについて韓国外交部の当局者は「関連する動向を注視するしかない」とコメントした。
(引用ここまで)


 韓国国会が成立させたビラ禁止法について、これまでアメリカ、イギリスといった自由主義諸国が疑念を露わにしてきました。
 アメリカ議会ではビラ禁止法が人権委で公聴会が開催されると伝えられています。
 韓国政府は公聴会阻止のためにロビー活動を行っているとのこと。
 同様に日本でもかなり疑念を持たれているでしょうね。どこからも表明こそされていませんが、議員単位では「なにやってんだ、あいつら」くらいには思われているでしょう。

 そんな中、唐突にチェコからも「なぜこのような法案を策定したのか」という問い合わせが外交部にきたそうです。

チェコ外務省、韓国に「対北朝鮮ビラ禁止法」の意図を問う(中央日報)

 自由主義国から疑念が出ないほうがおかしいとはいえ、なぜチェコ……とは感じていたのですよ。
 記事には「EUでもビラ禁止法について議論があるだろう」とされていたので、EUのさきがけとしてチェコが出てきただけかな、とも思っていたのですが。
 違和感を否めなかったのも事実。

 で、その理由が「以前、チェコでも同様のビラ禁止法を作っていた」とビラ禁止法を作った経緯等を諸外国に説明するための資料に書いていたそうですわ。
 でも、そのビラ禁止ってやったのは共産主義時代のチェコスロバキアで、60年以上前のこと。
 つまり、「韓国は自由を制限する共産主義のような国になったのだ」という宣言だったというわけなのさ……。

ムン・ジェイン「拘置所の集団感染を解決せよ」→それまで集団感染に触れもしなかった法相「国民に心配をかけたことを謝罪する」

「東拘置所の特別点検」ムン大統領、靑会議で数回指示した(韓国日報・朝鮮語)
ムン・ジェイン大統領が新型コロナウイルス感染症(コロナ19)集団感染が発生したソウル東部拘置所に「特別点検をしなさい」という指示を参謀に下したものと3日に確認された。「確かに解決しろ」という注文も数回続いた。野党は「ムン大統領が東拘置所の集団感染を知らない体である」と批判し水位を高めている。

ムン大統領は、いくつかの参謀陣との内部会議で東部拘置所特別点検を強力に注文したという。東部拘置所でコロナ19集団感染が発生した先月中旬、関連記載があったものと思われる。東部拘置所で最初の感染が確認されたのは、11月27日にあるが、集団感染が具体的に確認されたときは、先月15日にある。この時から、法務部は東部拘置所の現場を緊急監査し、従業員および受刑者などを対象とした全数調査を実施した。

ムン大統領は最近も「東拘置所事態を確実に解決せよ」という趣旨の注文を参謀にしたという。先月30日朝にも関連指示があった。この日はムン大統領がキム・ジンウク憲法裁判所選任研究官を招待し、高位公職者の犯罪捜査部長の候補者に指名した日である。もちろん、年末開脚に世間の関心が注がれていた状況でも、東部拘置所の問題の解決に格別の関心を傾けたものと見ることができる。政府が直接管理している施設で、大規模な感染者が発生したことに対する責任を痛感しているという意味でも見ることができる。
(引用ここまで)


 イランによる拿捕関連の話はまた後ほどピックアップ予定。
 韓国の2400人収容可能な拘置所で新型コロナウイルスの集団感染が起き、1000人規模(4日時点で収容者1036人、職員22人)で罹患しているという地獄絵図となっています。
 その原因として収容した容疑者等にマスクも与えなかったこと、集団感染が起きてからも検査すら行わずに感染蔓延を放置したことなどが挙げられています。

 集団感染が判明したのは11月の終わり頃。
 それ以降も12月半ば頃に大騒ぎとなるまでなんの対策もとられていなかったことが分かっています。
 年末になって集団感染を引き起こしたことに対して、ようやくチョン・セギュン総理とチュ・ミエ法務部長官が謝罪しました。
 特にチュ長官はそれまで頑なにコメントすら拒んできましたね。
 で、年末になって謝罪した理由が「ムン大統領が『東部拘置所の集団感染について解決せよ』と指示したから」……なんだそうで。

 ……大統領が解決を支持したら謝罪する。
 そうでなかったら触れもしない。
 歪んでますわ。
 ワクチン確保ができていなかった際に「ムン・ジェイン大統領は幾度となくワクチン確保を支持していた」ってわざわざ大統領府がアナウンスしたことがありましたが。
 それと同じ構造を感じますね。「無謬な大統領」でなければならない、ということなのでしょう。

8日に新たな慰安婦裁判の判決、新たな日韓関係の火種となるか……主権免除についての判断はどうなる?

日韓の新たな火種に? 「慰安婦賠償請求で日本政府が敗北」するかもしれない驚くべき事情(エコノミストオンライン)
国交正常化以降で最悪の状況にある日韓関係は、2021年になっても改善の見通しが立たない。

それどころか年明け早々から、新たな火種になりかねない判決がソウル中央地裁で言い渡されることになっており、関係者が気をもんでいる。

その「新たな火種」とは、元慰安婦らが日本政府を相手取って起こした2件の損害賠償請求訴訟のことである。 (中略)

焦点となるのは、民事裁判における「主権免除」という慣習国際法の原則である。
(引用ここまで)


 毎日新聞の論説委員である澤田克己氏による記事。韓国について何冊か著書もある元ソウル特派員でもあります。
 この8日(金曜日)に判決言渡しが予定されている従軍慰安婦裁判で争われるであろう主権免除関連で、もっともわかりやすく語っているものだと思われます。
 一般的な考えかたであれば「主権免除で裁判は成立しない」で終わりなのですが。

 もはやいまの韓国はなにをするか分からない。
 2年前の徴用工裁判で「併合期間はなにもかもが違法」とされて賠償金支払いが命令された以上、日韓併合の間に行われた物事に対してなにもかもが賠償責任が生じるという判断になってもおかしくない。
 その文脈で見るかぎり、今回の判決は主権免除を認めないものとなるでしょう。

 最近になってようやくいくつかのメディアが、徴用工裁判が前例となってこれから生じるであろう「見えない原告」について語りはじめるようになってきましたが。
 今回の裁判はその「見えない原告」の端緒となるものです。
 単純に「また元慰安婦が訴訟を起こした」というだけの裁判ではないのですね。
 徴用工裁判が引き起こした新たな日韓間の問題がどこまで膨れ上がるか、その試金石ともいえる判決なのです。