旧日本軍「慰安婦」被害者が日本政府を相手取って起こした損害賠償訴訟の結論が8日、下される。韓国裁判所が被害者が直接提起した損害賠償訴訟に判断を下すのは今回が初めてだ。裁判の結果が今後の韓日関係にも影響を及ぼすという観測が出ている中、判決に対する関心が集まっている。 (中略)
8日宣告は2013年8月慰安婦被害者12人が日本政府を相手取って「1人当たり1億ウォン(約950万円)ずつ12億ウォンを賠償せよ」という民事調整申込書を出して始まった。だが、日本政府は「ハーグ送達条約第13条」を挙げて調整を拒否した。ハーグ送達条約は「自国の主権・安保を侵害するものと判断される場合」、送達を拒否することができるように調整する国際業務条約だ。これを受け、ペさんらは2015年10月事件を正式裁判にかけてほしいと求めた。裁判所はこれを受け入れて翌年1月ソウル中央地裁民事合議部に事件を配当した。
正式裁判は始まったが、日本政府が参加を拒否して4年間公判が開かれることができなかった。これによって裁判所は昨年1月「公示送達」の手続きを通じて裁判を開いた。公示送達は当事者の住所などが分からない、または送達が不可能な場合、書類を保管しながら裁判所の掲示板に掲示する送達方法だ。該当手続きによりペさんらは計4回の裁判にかけて昨年10月開かれた最終弁論を最後に8日最終宣告だけを残している。
裁判の最大争点は裁判所が「主権免除論」の例外を認めるかどうかだ。主権免除論とは、「一国の裁判所が他の国を訴訟当事者として裁くことはできない」という国際慣習法だ。日本政府はその間主権免除論を前面に出して訴訟参加を拒否しながら無対応の立場を守ってきた。
裁判所が日本側の論理を受け入れれば事件は却下されるが、例外を認める可能性もあるという分析もある。チェ・ポンテ弁護士(法務法人「サムイル」)は「ギリシャ・イタリアでもドイツ・ナチスによる被害者が提起した訴訟で主権免除論を排斥した」として「人権侵害にあった被害者が被害を補償されるための最後の手段として裁判に出ただけに主権免除原則を適用しないだろう」と見通した。
裁判所が原告である慰安婦被害者の軍配を上げるといっても日本政府が控訴する可能性は大きくないものとみられる。漢陽(ハニャン)大学日本学科のキム・ジヨン教授は「日本政府は裁判そのものを認めていないため、今回の1審が最終審になる可能性が大きい」と説明した。
今回の訴訟が韓日関係に影響力を及ぼすだろうという声も上がる。聖公会(ソンゴンフェ)大学日本学科のヤン・ギホ教授は「2018年10月大法院(最高裁)の強制動員被害補償判決以降、日本では関係回復に向けた韓国政府の提案を受け入れていない」として「象徴性が強い慰安婦被害者に対する賠償判決まで出る場合、日本側が外交的に韓国に圧力をかける可能性もある」と分析した。韓国政府は司法府判断に行政府が介入してはならないという立場だ。外交部関係者は「司法府の業務に政府が立場を出すのは適切でない」と明らかにした。
(引用ここまで)
さて、ついに慰安合意(実質)破棄、徴用工判決放置の次の日韓関係悪化3点セットのトリをつとめる慰安婦裁判の判決が明日となりました。
まず最初の問題は韓国の地裁が日本の主権免除を認めるか否か、裁判を棄却するか否かですが。
おそらくは認められないというのが韓国国内の、そして日本からの見方。
徴用工裁判での「日韓併合時期における日本政府の所業はすべてが違法」という観点からもしてもまず間違いなく日本政府の賠償を認める判決が出ることでしょう。
そして記事中にもありますが、日本政府は裁判の存在自体を認めないので控訴することなく判決が確定します。
で、その後どうなるかということですが。
記事中に「ギリシャ、イタリアではドイツの主権免除を認めなかった事例がある」とありますが、実はどちらも賠償請求は行われていません。
ギリシャのケースではギリシャ政府がドイツに請求を行わずに握りつぶしました。
イタリアのケースでは国際司法裁判所(ICJ)に持ちこまれ、主権免除が認められて賠償が認められませんでした。
というわけで、これまで主権免除が認められないという事例はないのですね。
なぜか韓国ではその後の経緯が描かれずに「主権免除が認められなかった事例がある」とばかり取り上げられているのですけども。
ただし、韓国の場合はどうなるかというのは分からないのですね。
というのも、日本がICJに提訴したとしても韓国が同意しない場合、裁判が成立しません。
となると、韓国政府が日本政府の所有する財産を没収し、賠償にあてることになるのですが。
そんなことをした日には、もう戦争寸前の状態となるわけです。
さすがに今回はICJへの提訴に同意するんじゃないかと思うのですが。
ただ、ムン・ジェイン政権だからなぁ……。
日本側はムン・ジェイン(および、ムン・ジェイン政権)の無能さ、ポンコツ具合を低く見積もりすぎていた感がありますね。それは楽韓Webも同様ですが。
まさかGSOMIAの破棄をするとは思わなかったし、まさか徴用工判決をここまで放置するとも思わなかった。
ムン・ジェイン、および韓国が「勘違いした三権分立」を標榜し続ける以上、日本への賠償を求めざるを得ないかなぁ。