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2020年12月

韓国メディア「日本政府への賠償命令が出た……が、実際どうやって賠償を求めるのか?」と困惑気味

<慰安婦被害者賠償判決>日本政府の資産で賠償は…「大使館不可侵、差し押さえ、売却できず」(中央日報)
ただ、実際に賠償金を受けるのは容易でない。まず裁判自体を認めない日本が賠償する可能性が低い。この場合、日本企業強制徴用賠償判決のように被害者が日本政府の国内資産を差し押さえた後に売却して賠償金に変える方法を見いださなければいけない。 (中略)

問題は韓国国内に差し押さえ可能な日本政府の資産があるかという点だ。訴訟を遂行したキム・カンウォン弁護士も判決直後、「強制執行が可能な財産があるかは別に検討すべき事項であるため、即答は難しい」と述べた。外交部もこの部分は正確に把握できないという。

まず在韓日本大使館の建物と敷地、大使館の車両などは強制執行が不可能だ。ウィーン条約第22条第3号は「公館、公館内にある用具類その他の財産及び使節団の輸送手段は、捜索、徴発、差押え又は強制執行を免除される」と規定している。

日本文化院も外務省所属の政府機関であり、各国派遣大使館(または総領事館)の一部としてウィーン条約の特権が保証されるという。 (中略)

法曹界は今回の訴訟が日本政府の不法行為と賠償責任を明確にしたという「象徴的な意味」が大きいとみている。今回の判決は他国を訴訟の当事者として裁判はできないという主権免除原則に例外を認めた国内最初の事例であるからだ。 (中略)

崔鳳泰弁護士は「国内裁判所が強制執行に入る場合、日本政府との外交的摩擦が避けられない」とし「今回の判決をきっかけに日本政府を交渉テーブルに引き込むことが重要だ」と強調した。
(引用ここまで)


 韓国メディアからも「日本政府に賠償命令が出ているが、なにができるのか」という話がいくつか出ています。
 で、けっきょくは「なにもできないのでは」という結論になりつつあります。
 大使館、公館の類いには手が出せないし、日本文化院(公報文化院)も日本大使館所属の施設として保護対象。
 というか、そもそも日本政府の財産に手を出すようなことになったら、大使館撤収まであり得ますわ。
 強制執行の手続き中に大半の元慰安婦も亡くなるでしょうしね。

 で、「メッセージを強く見せる側面が強い」とか「日本政府をテーブルに引きこむことが重要」とか言い出している。
 そんなん言われても訴訟にすらミリほども対応しなかった日本が乗ってくるわけもないのにねぇ。
 日本政府の財産に被害が出れば同額相当の対応をすることになるでしょうし。
 実際の被害が出ればエスカレーションは止まらないでしょう。
 そこまでは韓国政府も(少なくとも現在は)求めていないと感じます。対米関係を含めても。

 やっぱり韓国政府にとっては「コレジャナイ」判決だったように感じますね。司法判断があまりにも大きく日韓関係にそのものに踏み込みすぎている。
 慰安婦合意で日本政府から供出されている金額の残りでなんとかするのか。
 ですが、元慰安婦らは「金じゃない、求めているのは日本政府の謝罪だ」って重ねていってますしねぇ。
 さて、どうするつもりなのやら。

セクハラ犯のはずが「左派の英雄」としてパク・ウォンスン前ソウル市長が祭りあげられる

【コラム】「セクハラ2次加害」をほう助するソウル市(朝鮮日報)
 韓国警察は12月29日、朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長のセクハラ疑惑事件の捜査を終えた。5カ月以上かかったが、新たな事実関係は明らかにできなかった。親与党系のコミュニティーでは「偽のミートゥー(me too)じゃないのか」と被害者を非難する書き込みが相次いでいる。呉成圭(オ・ソンギュ)元ソウル市秘書室長は「『4年の性暴力』という主張の真実性は疑わしい」とコメントした。これに先立ち12月23日には、被害者が秘書として勤務していた際に朴・元市長に送った手紙を、ミン・ギョングク元ソウル市人事企画秘書官が自身のフェイスブック上で公開した。文書がシェアされる過程で被害者の実名がさらされた。漫画家のパク・チェドンは「パパ、4年間セクハラされたというけれどこの手紙は何?」という内容の風刺漫画を京畿新聞に載せた。

 随所で「2次加害」だという批判が起きた。複数の女性団体が市庁前で記者会見を開き、市民団体「法治主義立て直し行動連帯」は人権委に陳情を行った。慶煕大学の学生らは「2次加害はなくさなければならない」という声明を出し、オンライン署名を集めた。選挙の際に朴・元市長の陣営で働いていた元関係者8人も「これは違う」として「2次加害に反対する立場文」を発表した。しかし肝心の、被害者が所属するソウル市は動かなかった。攻撃されている同僚を守ってやるどころか、これまで沈黙し続けている。 (中略)

 12月30日、韓国検察による捜査結果の発表で、事件の実体が次第に明らかになりつつある。検察によると、朴・元市長は極端な選択をする前、側近らに「被害者と4月の事件以前にショートメールをやりとりしたことがあるが、問題になる余地がある」という趣旨のことを話していたという。被害者の暴露に信頼性を付与するものだ。にもかかわらず、事件初期に被害者を「被害呼訴人(被害を受けたと訴えている人)」と呼んでいた市は、まだ口を閉ざしている。ソウル市が被害者を、「われわれの懐に戻ってくるべき同僚」ではなく、依然として「被害呼訴人」と見なしているのではないかという疑念が湧く理由はここにある。
(引用ここまで)


 パク・ウォンスン前ソウル市長のセクハラ事件について、警察は「被疑者死亡で不起訴」と公式に捜査を諦めています
 これによって「見たか、罪などなかったのだ」くらいに左派は小躍りしているそうです。

 しかし、韓国では警察以上の捜査能力を持っている検察によってその実態が暴かれつつあります。
 ちなみに大統領府が執拗に検察を弱体化させようとしているのは、この強力な捜査力があるからこそ。
 公捜処を作って上から抑え込み、下からは警察の捜査力を強化することで権力に及ぼす圧力を回避しようとしている部分があります。余談。

 で、検察によって「パク・ウォンスン市長がセクハラで告発され、捜査される」という情報が誰からもたらされたのかということも明白になりつつあります。

パク・ウォンスン市長のわいせつ容疑提訴をソウル市に伝えた議員、「長い沈黙」(ハンギョレ)
ソウル北部地検は、被害者がパク前市長を「MeToo事件」で告訴する予定だという事実がキム・ヨンスン常任代表→ナム・インスン議員→イム・スニョン・ソウル市ジェンダー特別補佐官を経て、パク前市長にまで伝わったと明らかにした。ナム議員は韓国女性団体連合の事務総長や常任代表などを務めたが、比例代表で政界に入った。イム特別補佐官はナム議員の補佐官を務めた。
(引用ここまで)

 告訴され、捜査が予定されているという情報を流出させ、パク・ウォンスンを自死に追いこんだ国会議員がいた、とのこと。
 で、さらにですね。
 このナム議員が被害者に対して例の「被害呼訴人」(被害を主張している人物)という名称を用いることを提唱し、共に民主党で受け入れられたとのこと。
 なんとしてでも「左派の英雄」であったパク・ウォンスンの名誉を守ろうとしていた、ということですね。

 ちなみにソウル市は「再発防止措置をとる」と言明したものの、ろくに動いていない。
 セクハラ現場になったのではないかとされる、市長の仮眠室を廃止したとのことですが。これも「証拠隠滅するつもりか」くらいに扱われているっていう。
 「セクハラがあった」と認めること自体に及び腰になっているのです。
 政治団体である参与連帯を設立し、左派のドンとして君臨してきたパク・ウォンスンは聖人と化しているということですね。
 少なくとも現政権であるうちは被害者にまともなケアも施されないのでしょうね。

韓国政府「なんて判決が出てしまったんだ」と頭を抱えている模様……一縷の望みは「慰安婦合意」の復活?

韓国政府「判決尊重、韓日の協力続くよう努力」 元慰安婦勝訴受け(聯合ニュース)
旧日本軍の慰安婦被害者12人が日本政府を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、韓国・ソウル中央地裁が8日に原告勝訴の判決を下したことについて、韓国外交部は同日、「政府は裁判所の判断を尊重し、慰安婦被害者の名誉と尊厳を回復するためにできる限りの努力を尽くす」とする報道官論評を出した。

 また外交部は「政府は2015年12月の慰安婦問題を巡る韓日政府の合意が両国政府の公式合意である点を確認する」とした上で、「同判決が外交関係に及ぼす影響を綿密に検討し、韓日両国の建設的かつ未来指向的な協力が続くよう努力を傾ける」とした。 
(引用ここまで・太字引用者)


 8日の午前、そこそこ早くに元慰安婦ら原告が勝訴したという一報が入ってきまして。
 韓国政府は延々と反応を見せなかったのですね。
 ようやく外交部が夕方になってから「政府は裁判所の判断を尊重し、慰安婦被害者の名誉と尊厳を回復するためにできる限りの努力を尽くす」という木で鼻をくくったかのようなリリースを出したのみ。
 大統領府はなんの反応も見せていません。
 まあ、そのまま週末に入ってしまったのでこれ幸いとばかりに沈黙を保っているという感じ。

 ただ、全体的なトーンとして韓国政府も判決について戸惑っているというイメージ。
 ここ2ヶ月ほど、韓国政府は対日関係を改善したいという意向を明らかにしないまでも、いくつかのメッセージを送ってきていました。
 「知日派」とされているカン・チャンイル前議員が新たな駐日韓国大使として指名されたことなど、ですね。
 これはアメリカがバイデン政権に移行することで、これまでのトランプ政権下で半ば以上放置されてきた日韓関係にメスを入れるようになるという予測があったからでしょう。
 少なくとも「韓国政府は日韓関係を改善しようとする試みはしている」という話にしたい、という部分があった。
 で、「韓国政府は改善に前向きなのに、日本がそれを拒絶している」という絵を描きたかったわけです。

 ところが裁判所が「慰安婦らの扱いは違法だった」くらいのことを言い出して、執行してしまったら最後、日韓関係が不可逆的に壊れてしまうほどの判決を出してしまった。
 ムン・ジェインらのやってきたことが反映されている判決であるからこそ、頭を抱えている感がありますね。
 韓国政府にはもはや打つ手がないレベル。

 そこで希望を見いだしたのが、慰安婦合意ではないか……という感じ。
 財団を解散させるなど実質的な破棄をしてきましたが、実際にはペンディングされている状態。なにもしてはいないものの、破棄をしきっていない。
 2015年の年末に形成された合意にはアメリカも大きく噛んでいました。オバマ政権下で当時のバイデン副大統領もその一員として関わっていたわけです。
 バイデン氏は副大統領として「アメリカの逆側に賭けるのはよくない」とパク・クネ大統領(当時)に語りかけたように、中国に傾倒する韓国に対して傾向をし続けてきた人物でもあります。

 というわけで韓国政府は慰安婦合意に一縷の望みをかけはじめた……という感触なのですが。
 そもそも、「この合意は被害者が望んだものではない」として(実質)破棄を主導したのはムン・ジェイン大統領本人なのですがね。
 国際的な公約としての「慰安婦合意」に従うことはアメリカからも好ましく見られるでしょうが。
 じゃあ、その「堕落」をムン・ジェイン支持派はどのように受け止めるか、という話でもあると思うのだけどなぁ。

 ムン・ジェイン政権は理想と現実を一切すりあわせることなく、理想だけを追求する方向性でここまで運営されてきました。
 それを放棄するのか、放棄できるのか。
 そして放棄した時に「頭が壊れても文在寅支持」としてきた強硬的なムン・ジェイン支持派がどのように動くのか。
 そのあたりが注目点ですかね。

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