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2020年12月

アメリカ、インド太平洋戦略に関する機密文書を急遽公開、バイデン政権へ対中政策を引き継がせるための圧力か

米軍機密文書「日本が太平洋における安全保障の軸、自衛隊の近代化を支援」(朝鮮日報)
米国のトランプ政権が日本を中国けん制のためのインド・太平洋安全保障における軸と考え、そのため韓国に対してより多くの貢献と緊密な韓日関係の維持を望んでいたことを示すホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)の文書が12日(現地時間)に公開された。このような戦略的判断は簡単には見直されないため、バイデン政権においても韓国に対する「中国けん制への貢献」と「穏やかな韓日関係」に期待する米国の考え方は続くと予想される。

 この文書において米国政府は「静かに、時には強圧的な影響力の行使を織り交ぜ、相手国の主権の弱体化を目指す中国の活動に対し、米国と世界のパートナーが抵抗力を持つこと」を理想的な状態としている。その上で「日本、韓国、オーストラリアに(中国をけん制する)この戦略の最終目的へ貢献させること」を目指す同盟政策を樹立した。とりわけ「日本の自衛隊に対しては近代化を支援する」「日本がインド・太平洋における安全保障の構造において、地域の統合的かつ技術先進国の軸になるよう後押しする」など、日本の役割を強調する内容も盛り込まれていた。韓国については「韓半島以外の地域における安保問題にもより大きな役割を果たせるよう勧告すること」を政策とした。この地域における米国の主要な同盟国の中で日本を対中けん制の核心軸とし、韓国もこれを補助させる構想を持っていたものと考えられる。
(引用ここまで)


 今日の朝日新聞朝刊でスクープされていた文書の中身についての話、ですね。

米内部文書、台湾の防衛明記 中国の統一攻勢に危機感(朝日新聞)

 アメリカのNSC、国家安全保障会議によって2018年に策定された機密文書が公開されたとのこと。
 文書はトランプ政権下におけるインド太平洋戦略について描かれています。
 主眼は台湾防衛、インド太平洋戦略における日本の安全保障における立場の確認といったところ。
 日米豪印で構成されるいわゆるクアッド、そしてクアッドにベトナム、韓国などを加えたクアッドプラス構想はこの文書が下敷きになっているようです。

 で、機密指定がされていた文書がわずか2年ちょっとで公開されるのは異例中の異例であるとのこと。
 背景にはアメリカの政権引き継ぎで混乱をきたしていることがあるようです。
 NSCとしても対中国政策を明白にしておき、それをバイデン政権にも引き継がせようという意図があるのでしょうね。

 アジアの主役として日本を立てる、ということがインド太平洋戦略の柱のひとつであることが文書から明らかになっています。
 そして韓国を日本の補助にできるような体制にすべき、ともあるのですが。
 日米韓の三角同盟で中国に対抗するというやりかたは、地政学的には満点のやりかたなんですけどね。

 さて、その一方でバイデン新政権は知日派であり、元国務次官補であったカート・キャンベル氏をNSCに新設されるインド太平洋調整官というポストに就かせることを発表しました。
 このインド太平洋調整官というポストの名称そのものが「自由で開かれたインド太平洋、FOIPについては戦略として引き継ぐ」という意思表明に見えますね。

知日家・キャンベル氏、アジア政策を統括…新設「インド太平洋調整官」に(読売新聞)

 キャンベル氏は第2次オバマ政権下でアジア回帰政策を主導した人物です。
 ただまあ、そうなると日韓関係の修復にもオバマ政権下と同じくらいの意欲を見せてくる……ということでもあるのだろうなぁ。
 とはいえ、そのようにして日本と韓国に合意させた慰安婦合意がどのような末路を辿ったかは当然知っているでしょうから、やりかたを変えてくるとは思いますけどね。
 ようやくバイデン政権のアジア戦略の一端が見えてきた……というところかな。

 ちなみにカート・キャンベル氏はLIXILの社外取締役。

韓国コーロン生命科学社、虚偽の製薬問題で三菱田辺製薬に敗訴、賠償金等で40億円の支払いへ……韓国人「よりによって戦犯企業に賠償金とは!」

コーロン生命科学、ICC訴訟で三菱田辺製薬に敗訴(中央日報)
Kolon Life Science社とのライセンス契約に関する仲裁判断のお知らせ(田辺三菱製薬)
コーロン生命科学が骨関節炎遺伝子治療剤「インボッサ」を技術輸出した日本の三菱田辺製薬に損害賠償金などを支払うことになった。

コーロン生命科学は12日、国際商業会議所(ICC)で三菱田辺にインボッサの技術輸出契約金25億円と利子、損害賠償金など約40億円を支払うよう判決が下されたと明らかにした。

国際商業会議所はこうした判決を下した理由について、「技術移転契約はインボッサが軟骨由来細胞であることを前提に締結されたが、インボッサが腎臓由来細胞と明らかになった」と伝えた。
(引用ここまで)


 韓国のコーロン生命科学社が開発した変形性膝関節症の治療薬として期待されていたインボッサという薬がありまして。
 2016年に三菱田辺製薬が日本国内での販売権を獲得していました。
 ところが「どうもコーロン側のやっていることがおかしい」ということから、早くも翌年には契約破棄を申し出ていたのですね。
 その後もコーロン生命科学側と協議を重ねていたものの決裂して、2018年には国際商業会議所の国際仲介裁判所(ICC)での裁定を求めて提訴。

 さらに2019年にはインボッサが申請されていた成分とは異なる、腫瘍を引き起こす成分を使っていたということが判明。
 第2のファン・ウソク事態だ、とまで言われていました。
 そのあたりの経緯については楽韓Webでもまとめてありますので参照してください。
 今回の報道では三菱田辺製薬は実際の薬剤を入手したあたりで「申請内容と成分が違う」ということに気がついていた模様です。

 インボッサは当時、韓国から輸出される医薬品としては最高の契約額を勝ち取り「メディカルコリア」なるかけ声のもと、「総額450億円以上の輸出になる」として新たな輸出品目として期待されていたのですが。
   なにもかもがウソだった、というオチになりました。
 治験で使われていた患者は白血病になった、というレポートもありましたね。
 インボッサによって引き起こされたかどうかはまだ不明。

 で、ICCは契約金25億円の返却、賠償金支払い等々で約40億円の支払いを命じたと。
 韓国メディアのニュースでは「よりによって戦犯企業の三菱系企業に賠償金とは!」とのコメントが散見されますが……そもそもコーロン生命科学に言えって話ですね。

製薬会社は生き残れるか
河畑茂樹
幻冬舎*
2019-07-29

韓国人「中国が韓国の歴史や文化を簒奪しようとしている!」「世界の教科書でも朝鮮半島が中国の領土扱いに!」……実際のところをチェックしてみると悲しげな事実が……

「朝鮮半島は中国に帰属」と海外の教科書に掲載された?(ノーカットニュース・朝鮮語)
東北工程は、過去2002年、中国が推進した東北3省(黒龍江省、吉林省、遼寧省)の歴史と文化に関する研究プロジェクトである。

この研究プロジェクトは、高句麗・渤海など中国の国境内で展開されたすべての歴史を中国史にするための試みとして、国内では「抗米援朝」と同様に、中国での歴史歪曲を指す代名詞としてよく知られている。

リー・ズーチーの歪曲に東北工程論議まで重なり、ネット上では「中国の東北工程によって海外の教科書では高句麗を中国史として認識している」という内容の文まで上がってきた。

特に「オックスフォード教科書で漢時期、朝鮮半島まで、中国の領土で記録されている状況」という具体的な問題提起も出てくる。果たしてそうだろうか。

ファクトチェックの結果、海外の歴史教科書で、韓半島の歴史を歪曲したという主張は事実である。

実際オックスフォード大学出版社が発行した2000年版の教科書」Ancient Worlds(古代世界の)」を見ると、本の冒頭に載っている「古代世界の文明(civilizations of the ancient world)」の地図で韓半島を古代中国の領土として含まさせている。 (中略)

ただし、中国東北工程に起因する意図歪曲なのかについては専門家の意見が分かれている。 (中略)

「事実、世界中の国でこのようなミス、エラーは多く発生している。私達が把握しているかぎりでは東北工程が出る前から、このようなミスが出てきた」とし「発見するとすぐに修正を要請しており、歴史的な事実であるため、ほとんど受け入れられている」と付け加えた。

外国からの韓国史研究が不十分で行われたエラーであるだけで、東北工程による意図的歪曲はない説明だ。
(引用ここまで)


 中国の東北工程は主として「高句麗(とその後継国の渤海)は中国であった」という主張をしているもの。
 場合によっては新羅も東北工程の範疇に入ることがあるようですが。
 歴史的事実を見てみると、高句麗(渤海)が中国文明圏であったのは間違いない事実で高句麗はそもそもの成り立ちが朝鮮半島側ですらない。

 高句麗は現在の中朝国境となっている鴨緑江の北側から発生して、そこから朝鮮半島へと領土を拡大していったというのが実際。
 韓国側からしてみたら「中国の歴史歪曲」ってなるのでしょうが。
 中国からしてみたら「いや、中国で発生した国だし」ってことになる。
 渤海も扱いが難しいところですが、版図は現在の中国部分のほうが大きいくらいだしなぁ。
 当時の唐との関係性が難しいところだけど。

 で、その東北工程によって世界各地の教科書や歴史について書かれた本で「朝鮮半島が中国の一部として扱われるようになった」という言説が韓国にはあるのです。
 昨今の「キムチの大元は中国にあり」という話についてもその文脈で語られますね。
 中国が韓国の文化を簒奪しようとしているのだ、と。
 地図に関していうなら、たとえば「メトロポリタン美術館で万里の長城が朝鮮半島にまで食いこんでいる」とか、そういうアレですね。

 「歴史の教科書で韓半島(朝鮮半島の韓国での呼び名)まで中国の一部として塗られてしまっている!」というのも、東北工程の一部である……というように受け止められているのですが。

touhoku1 (引用元:上記記事)

 ただまあ……日本列島は明白にユーラシア大陸から離れているので視認しやすいので、めったにそういったことはないのですが。
 朝鮮半島ってそう大きいわけでもないですし。
 記事中にもあるように「元々そのていどの扱いだった」というのが実際で、東北工程が影響を及ぼしているわけでない、とのこと。
 そういう実態がまた韓国人にとっては気に入らない部分なのでしょうが。
 各国での博物館での扱いとかと一緒で。

「韓国式三権分立」は日韓関係を破壊し、さらに韓国そのものを抑圧側へと向かわせる危険性も……

慰安婦訴訟「日本賠償判決」日韓関係を破壊した韓国「三権分立」の歪み(時事通信)
 韓国の裁判所が、日韓両国が積み重ねてきた和解と協力の歴史を実にあっさりと全面否定する判決を相次いで出していくのを伝え続けるにつれ、無力感にさいなまれるとともに、ひとつの疑問が頭をもたげてしまう。三権分立は「至高」ではないのかもしれない、と。 (中略)

 日本では、往々にして「韓国は政権と司法は一体化している」とみなし、徴用工訴訟での判決などに関して「文大統領が指示したに違いない」と憤る人が少なくないが、実情は異なる。

 「判事たちは、自分たちが大韓民国で最も優秀だと信じて疑わないのです」

 と、ある韓国外務省高官が私にため息をつきながら語ったのを思い出す。裁判所が政府の方針と乖離した判決を出すことは珍しくなく、そのこと自体は、三権分立が確立していることの証左だ。 (中略)

 日本の統治によって「精神的な苦痛を受けた」として、日本政府を相手取った訴訟が次々に起こされる可能性も低くない。極端な話かもしれないが、「学びたくもない日本語を学ばされた」として損害賠償を求める、などというケースもあり得る。韓国司法が「日本による併合」は「不法」という判断を定着させつつある以上、「なんでもあり」という想像したくない事態も頭をもたげる。 (中略)

 韓国では政権と司法が一体化しているわけではない、と前述したが、司法が政権の姿勢から影響を受けているのも否めない。文大統領は慰安婦問題での2015年の日韓合意を事実上反故にし、徴用工訴訟の判決で、「政府は司法判断に介入できない」という一点張りで解決に向けて遅々として動かなかった。こうした言動が、判事に対して、「主権免除」を否定しても構わないという「メッセージ」になってしまったことは容易に想像できる。 (中略)

韓国の司法権、すなわち裁判所は、「被告席に座るのが日本側なら、何をしても構わない」とでも言わんばかりに、国際的なコンセンサスのない独自の「強行規範」を持ち出して、国際法の原則や国際的な常識を次々と否定する判決を出している。今回の慰安婦訴訟の判決によって、日韓関係も、墜ちるところまで墜ちたという思いを拭うことができない。

 問題は、日韓という2国関係にとどまらない。

 韓国司法が一定の常識から逸脱し続けるのなら、三権分立は「至高」どころか「リスク」であるというシグナルを世界に発信する結果にすらなり得るように思えてならないのだ。誤解を恐れずに言うならば、中国のように権力がひとつ(中国共産党)に集中し、司法に独立性がない強権的な国家の方が「まだ分かりやすい」のではないか、という疑問まで提起しかねない。
(引用ここまで)


 NHKの元ソウル支局長であり、現在は報道局記者主幹の池畑修平氏による解説。
 楽韓Webでも「今回の判決はムン・ジェイン政権が望んでいたものではない」という話を何度かしていますが、同様のことを書いています。
 とはいえ、そのレールは「慰安婦合意(実質)破棄」「徴用工判決に対して2年以上無為無策」といったムン・ジェイン政権の行動によって敷かれたものであることも間違いなく、池畑氏もそこに言及してもいます。
 韓国の司法としてはその方向性をなぞっているだけですからね。
 逆に反抗するような判決を出したら、検察と同様に叩かれるのは間違いありませんし。

 今回の判決はムン・ジェイン政権、ムン・ジェインによって強いられたものではないのですが、司法としてはそこに方向付けられている。
 徴用工裁判での「日韓併合時代はすべてが違法だった」という判決に対して、ムン・ジェイン政権はなんら反対しなかったし、対応すらしなかった。
 であれば司法としては判例に従うしかない。
 今回の慰安婦裁判についても徴用工裁判と同様に「日韓併合時代に行われたことなので違法」とするしかなかった、というわけです。
 ムン・ジェイン政権としても、2年以上放置してきた話を「いや、やっぱりそれはまずい」とはいえませんからね。
 無為無策だったことが自縄自縛に転じている。

 行政は司法に干渉しない、できないという韓国型三権分立を確立してしまったというのも危険な兆候。
 これは三権分立を否定する動きであり、それが国際秩序を破壊しようとしている動きであるということもちらっと書きましたね。
 コロナ禍の際に楽韓さんは「韓国は自由を抑制し、より中国に近い方向に向かっている」「自由主義国と圧政を好む国々との戦いが新型コロナを媒介としてはじまった」という話をしていましたが。
 今回の判決でそれがよりブーストしそうな感じです。
 北朝鮮へのビラ散布禁止法案ムン・ジェインに対する批判を一切許さない姿勢等、完全に方向性が「抑圧側」に向かっているのですよ。
 日本において「韓国との協力」というもののハードルは上がり続けていくでしょうね。

韓国 内なる分断 (平凡社新書0917)
池畑 修平
平凡社
2019-07-12

楽韓さん、本日の動向 - いかんせん、20時閉店は厳しそう

【PR】Kindle Unlimitedが2ヶ月299円のキャンペーン中です。

 KADOKAWAのセールから何冊かピックアップ。

 打ち切られた後でTwitterでバズって続編が出たものの、続編は2巻が出ないというダブル打ち切りされた専門学校JKが半額。
 代アニ監修のサブカル専門学校あるあるな4コマ。
専門学校JK(1) (電撃コミックスNEXT)
ほっけ様
KADOKAWA
2017-09-27


 面白いのですけどね。
 こっちがリブート版。巻末に「それではまた2巻で」って書かれているところに哀愁を感じる。


 
 あと境界線上のホライゾンが原作のセールと、コミックスは2〜4巻が半額。1巻は?
 原作は9巻まで半額、それ以降は30%前後のオフって感じかな。



 最近のドリップバッグ(ドリップパック?」と隠蔽)でお気に入りは小川珈琲店のコーヒーショップブレンド。
 ほんのりとした甘みを感じるよいブレンドです。高いですけどね。



 10グラムとたっぷりめなのでけっこうおいしい。
 以前と比べると豆の消費量が減ったので自分で挽かなくなってしまったなぁ。
 終わり頃の豆の酸化が気になるようになってしまう。


 昨日はJR神田駅西口から徒歩1分のアーンドラダバでノンベジミールス。

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 左下からサンバール、ラッサム、山芋のカレー、エビのスパイス炒め、チコンコルマ、ラムカレー。
 なんとかがんばってほしいものだけども、20時閉店は本当に厳しそう。

 今日のKindle日替わりセールからのピックアップこちら。