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2020年12月

セウォル号の特別調査団「提起されている疑惑はどれも事実ではなかった」→「こんな結論は認められない」→なお捜査継続へ

セウォル号事件捜査、6年9カ月かかって結論 「大統領府の外圧なかった」(中央日報)
2014年に韓国で起きたセウォル号沈没事故を調べている特別捜査団(以下、特捜団)は、セウォル号惨事関連の捜査外圧、不法査察疑惑が提起されていた朴槿恵(パク・クネ)前大統領と金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長、黄教安(ファン・ギョアン)元法務部長官などを無嫌疑処分とした。残りの捜査対象疑惑事件もほぼ嫌疑なしで終結した。

特捜団は事件発生から6年9カ月、特捜団構成から1年2カ月経過した19日、このような内容を骨子とする最終捜査結果を発表した。特捜団は4回の検察捜査にもかかわらず、セウォル号関連の疑惑が払拭できていないことを受け、2019年11月に尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長の直属組織として立ち上げられた。

その間、4・16セウォル号惨事家族協議会など遺族の告訴・告発事件と社会的惨事特別調査委員会捜査依頼事件など大きく17件の事件を捜査してきた特捜団は、このうち13件を無嫌疑処分とし、2件を別の捜査機関に移行した。
(引用ここまで)


 セウォル号沈没事件について2019年の年末から捜査を行っていた「特別捜査団」なる組織がありまして。
 この時点で4回の捜査が行われていたのですが、遺族会が納得するような結論が出ていなかったために設立された捜査団です。
 で、1年2ヶ月の捜査を終えて「提示されていた疑惑はどれも存在していなかった」と結論づけて終了しました。

 あ、ちなみに去年の年末に特別検察官が新たに捜査するよう、国会で決議されて9回目の捜査が行われることが決定していますが。
 これとはまた別口です。

 ……まあね。
 要するにパク・クネが関与してセウォル号は沈められた、もしくはパク・クネが捜索を妨害したから被害者は生還できなかったというような結論以外、遺族会は認めないでしょうから。
 これからもこうして捜査し続けることなのでしょう。

 ちなみに取り上げられた疑惑のひとつである「セウォル号の船舶識別装置は操作されていた」というものがありまして。
 それを唱えていたのはキム・オジュンなるジャーナリスト。
 なんでもこの人物が言うには「セウォル号は故意に沈没させられ、船舶識別装置は操作されていた」そうで。
 その主旨を説明するための映画まで撮影、公開してるのだそうですわ。

金於俊「セウォル号故意沈没説」映画…制作費9億ウォンで売上44億ウォン(朝鮮日報)

 ちなみにこのキム・オジュンという人物はタレントで、ラジオ等に自分の番組を持っています。
 やっていることは現政権のコバンザメ。
 正義連元理事長のユン・ミヒャンが元慰安婦への寄付金を横領している等の疑惑に対して、この人物のラジオ番組にだけは出演して「自分のマンション購入資金に寄付金を回したという話があるが、前に住んでいたマンションを売ってから買ったのでなにも問題ない」という釈明をしたことがあるほどです。
 ちなみにこの釈明も大嘘だったことが判明しています。

 それ以外にも「(保守政党の強い)大邱はコロナ禍でもう損切りするしかない」とか「正義連を糾弾している元慰安婦があんな話をするわけがない。誰かが背後にいて操っている」とか言っているような人物です。

 イ・ミョンバク時代に我が世の春を謳歌していた「韓国広報専門家」を自称するソ・ギョンドクという人物がいました。
 あれの左派バージョンですね。
 ちなみにソ・ギョンドクは財団法人を設立して、イ・ミョンバク政権に近しい人物の天下りを引き受けるなどしてやりたい放題をやっていたのですが。
 パク・クネ政権時代には国情院とのつながりがあったことが判明して、ムン・ジェイン政権では冷や飯を食らわされています
 ここのところ、各国のサッカー協会等に「旭日旗を使うな」というメールを送るだけのメーラーデーモンと化しているのはそんな理由があったりします。

 ま、どちらにせよこうした陰謀論というものは、ハマる人間はとことんハマってしまうわけです。
 で、こうしたやっすい映画とか作って「これが真実だ!」って仲間内だけで盛り上がっているっていうパターン。
 ちなみにキム・オジュンはソウルの高級住宅地に一軒家を持っているそうで。
 陰謀論にはまった連中を栄養としておいしくいただいている、というわけですね。

 なお、今回の捜査で「船舶識別装置が操作されていたという事実はない」と結論づけられていますが、これについても遺族会の意向を受けて設立が続けられている「セウォル号社会的惨事特別調査委員会(社惨委)」は「既存の論拠を繰り返しているだけだ」と批判しているそうです。
 どうしても望んだままの結論がほしいのでしょうね。

イラン政府「韓国は凍結資金を解除するために可能なことはすべてすると約束した……が、そんな約束をしたのははじめてではない」……「約束」だけはするんだよな

イラン「韓国政府は凍結資金解除の意志見せるべき」(中央日報)
イラン中央銀行(CBI)総裁が韓国で凍結されている70億ドル(約7260億円)のイラン資金問題に関連し、「韓国が政治的解決の意志を見せるべき」と要求した。ヘンマティーCBI総裁は19日(現地時間)、ブルームバーグ通信の書面インタビューで、「韓国当局は凍結資金を解除するために可能なすべてのことをすると約束したが、彼らがこうした約束をしたのは今回が初めてでない」とし、このように主張した。

韓国の崔鍾建(チェ・ジョンゴン)外交部第1次官は今月10日から12日までイランを訪問した。崔次官は3日間の訪問日程で韓国タンカー拿捕とイランに拘束された韓国人5人の解放問題を解決しようとしたが、イランは資金凍結問題の解決を強調するなど立場の違いを埋められず帰国した。ヘンマティー総裁は韓国代表団の訪問に関連し、「韓国タンカー拿捕問題とイラン資金凍結問題は関係があるのか」という質問に対し、「そうではない」とだけ答えた。

しかし資金凍結問題に言及しながら批判を強めた。ヘンマティー総裁は「韓国代表団はこの問題を解決するための政治的意志があると話したが、問題は彼らが米国の政策と規制にも従おうとすることだ。韓国銀行(韓銀)はイランに対する米国の最大限の圧力政策に全面的に協力、屈服し、他国とは違ってイランとの協力を拒否している」とし「韓銀の資金凍結措置は国際法を違反する。過去2年間にイランに生じた被害は韓銀が負担すべきだ」と主張した。

イランは凍結資金をめぐり、最近は新型コロナウイルス感染症診断キットなど人道主義的な物品を購入するのに使う方法を韓国政府に問い合わせしてきた。医薬品など人道的物品を取引する場合、制裁の例外が認められる可能性があるからだ。

(中略)

さらにINSTEXのような方法論は「2番目の問題」であり、「まず重要なのは韓国政府の意志だが、今はそれが見えない」と主張した。
(引用ここまで)


 イランの本音が見えていて面白い記事。
 特にイランからの「彼らがこうした約束をするのは、今回がはじめてではない」というところ。

 韓国国内に原油代金用の口座を開設する際には色々と言っていたのでしょうね。甘いことを。
 「韓国はいつでもイランに寄り添っています」だのなんだの。「アメリカの制裁に負けません」とかも言ってたんじゃないかなー。
 でも利息もまともに払わないし、2018年にアメリカが核合意から離脱して独自制裁がきつくなったらさっさと口座凍結しておしまい。

 そりゃまあ、イランも「韓国は約束を何度もした」って言いたくもなるでしょうね。
 「まず重要なのは韓国政府の意思」って言いたくもなりますわ。


 原油輸出代金として凍結されている70億ドルから韓国から提案された救急車の輸出だけでなく、国連分担金を出してもらいたいってイランから提案があったそうですが。

イラン、「韓国内の凍結資金で国連分担金納付」を提案(ハンギョレ)

 っつーても滞納している分担金は1650万ドルとのことで……何年分払えるんだか。まあ、制裁下での使い道としてはありだと思いますけどね。

 「何度も約束した」っていうヤツに何年も何年も付き合わされているのが日本なのですけどね。
 世界遺産騒動での手のひら返し、慰安婦合意、河野談話が出るまでの経緯等々を思い出させます。
 韓国船籍タンカー拿捕については、韓国に同情もしますが。
 そこに至るまでの経緯を知っているのでなんともなぁ。



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韓国メディア「専門家はバイデン政権について韓国のあいまい戦略を否定し、慰安婦問題に介入しないと言っている」……期待とはだいぶ異なっている模様

「バイデン氏、米中間であいまいな立場の韓国を尊重しない」(中央日報)
「バイデン氏、対北朝鮮ビラ法を支持しない」…韓米関係が暗礁に(中央日報)
「バイデン氏、慰安婦問題に関与しないがGSOMIAには強硬」(中央日報)
専門家34人に対し、バイデン政権がトランプ政権の政策を継承するかどうかを事案別に尋ねた。10点標準(0点は「完全に排斥する」、10点は「完全に継承する」)で質問したが、対中国牽制用「クアッド(米国・日本・オーストラリア・インド参加)安保協議体構想」の継承点数が8.1点と最も高かった。ファーウェイ(華為技術)など中国産装備を5G通信網から排除する「クリーンネットワーク構想」の継承点数も7.7点にのぼった。中国に圧力を加えるためにトランプ政権が構想した政策の大きな骨格は維持する可能性が高いということだ。 (中略)

文在寅(ムン・ジェイン)政権が2017年10月、高高度防衛ミサイル(THAAD)韓国配備による韓中間の葛藤を決着させるため、いわゆる「3不の立場」(THAAD追加配備を考慮しない、米国主導のミサイル防衛システムに加わらない、韓日米軍事同盟に発展しない)を表明したのも潜在的な火種になるという見方が多かった。「バイデン政権が3不立場を支持する」という回答は1人だった。「立場は尊重するが、韓国が中国に傾斜したとみる」という回答が15人(45.5%)、「反対したり撤回を要求する」という回答は4人(12.1%)だった。

そのほかを選んだ回答者も13人(39.4%)にのぼった。「THAADを追加配備しない限り問題にならない」(3人)、「韓米関係を考慮して圧力を加えない」(3人)、「事実上の3不立場の変更や撤回につながる措置を要求する」(4人)などだった。
(引用ここまで)

北朝鮮にビラやUSBなど物品を送れば懲役刑も可能にする「対北朝鮮ビラ禁止法」(改正南北関係発展法)に対し、人権など普遍的価値を重視するバイデン政権はどのような立場なのか。専門家34人に尋ねた結果、「支持する」と答えた人は一人もなかった。また、バイデン政権が「ビラ法に反対するが韓国に問題提起はしない」という回答者は14人(41.2%)、「ビラ法に反対して韓国に問題提起もする」という回答者は16人(47.1%)だった。 (中略)

慰安婦問題に対するバイデン政権の立場について尋ねると、専門家らは「韓日間で解決すべき問題であり、米国はすぐには関与しないはず」という回答が13人(38.2%)で最も多かった。梁起豪(ヤン・ギホ)聖公会大教授は「米国は両国間の問題に基本的に強く介入しないという立場」とし「韓日が解決する問題ということに傍点を打つだろう」という見方を示した。 (中略)

しかし専門家らは韓日間の別の懸案である輸出規制およびGSOMIA(軍事情報包括保護協定)問題については、慰安婦問題とは全く違う予想をした。34人の専門家のうち「バイデン政権は関与しないという立場を見せるはず」と回答した人は3人(8.8%)にすぎなかった。一方、「日本が経済報復を続けても韓国はGSOMIAを終了すべきでないという立場」は25人(73.5%)にのぼった。
(引用ここまで)


 中央日報が日米韓の専門家34人に「バイデン新政権下での米韓関係、日米韓関係はどのようなものになるか」と質問した結果、というもの。
 なぜか韓国メディアの間では「人権を重視するバイデン政権は韓国により同情的で日韓であれば韓国の肩を持つだろう」というような論評が多いのです。
 慰安婦問題にしてもそういった視点からの記事がほとんどで、韓国側に有利な考えを持っているに違いないといった主張。
 「慰安婦合意を結んだ張本人のひとり」としてのバイデン副大統領(当時)のことなど記憶の彼方に消し去っているかのようなものばかり。

 専門家からは「この件についてアメリカは大きく関与しないだろう」との意見が多数。
 韓国がパク・クネ政権時代のように「慰安婦問題が解決しなければ日韓首脳会談すらない」とか言い出せば別なのでしょうが。
 そう言い出せば「じゃあ、慰安婦合意はなんだったのか」という話にもなる。
 韓国側からもこの話題を日米韓の間で持ち出すことは難しいんじゃないでしょうか。
 というか、ムン・ジェインの頭の中にはそんな話題なんてどこ吹く風で、戦時統制権返還から駐韓米軍撤退への道筋をつけて北朝鮮にほめてもらうことくらいしかないはずです。
 ムン・ジェインの脳内にもうひとつスペースがあれば、そこに入るのは「米朝会談をリブートしてほしい」くらいですかね。

 バイデン政権がオバマ政権後期の外交政策を継承すると考えるのであれば、韓国にいいことなんてひとつもないと思いますわ。
 そして実際に継承されるであろうことは閣僚の多くがオバマ政権から引き継がれていることを見れば確実。
 かつ中国に対してはアメリカ国民の対抗意識の高まりで厳しくなる、という形になるでしょう。
 今朝はWHO脱退の撤回が報じられましたし、中国のいやがる「インド太平洋」という名称のついたインド太平洋調整官のポストを新説。
 パリ協定に復帰し、CPTPPにも加入の意向を出すことでしょう。

 今朝、イギリスはCPTPPへの加入について正式な申請をすることを表明しています。
 そしてすでにクイーンエリザベスを東アジアへ派遣することを決定している。フランス、ドイツもインド太平洋戦略にコミットしている。
 インド太平洋戦略とCPTPPは軍事と経済における対中国包囲網の両輪です。
 そしてそれを牽引しているのが日本という構図。
 韓国にとっては面白くない展開になりそうですけどね。