国民の力青年自治機構の代表団が22日、釜山大でチョ・グク前法務部長官の娘の釜山医学専門大学院入学取り消しと不正入学疑惑真相調査を促した。この過程で、釜山大側はチョ前長官の娘チョミンス氏の事例は、不正入学疑惑だけで入学取り消したチェ・ソウォン(改名前チェスンシル)氏の娘チョン・ユラと事件と違う明らかにした。 (中略)
「釜山大がチョ・ミン不正入学真相調査に着手していないのは、正義を渇望する青年を裏切るだろう」と指摘した。 (中略)
大学が真相調査に出ないとの批判に対しては「当事者が訴訟を通じて事実かどうかを争っている途中であり、事実認定が確定されれば審議を通じて透明で厳正に処理するというのが、先任局長から受け継いできた釜山の公式の立場だ」と強調した。
(引用ここまで)
チョ・グクの娘であるチョ・ミンが釜山大学医科専門大学院から医師国家試験に受かった件で、そもそも大学院に不正入学したのだから受験資格がないのではないか云々とされていますが。
なかなか一度合格してしまった医師免許を剥奪するのは難しそう、という話がありました。
その一方で釜山大学もチョ・ミンの医科専門大学院への入学取り消しは裁判で確定したらというコメントを出してきました。
あくまでも裁判のなりゆきを見守ると。
チョン・ギョンシム教授の有罪判決はあくまでも地裁のものであって、控訴されればどうなるか分からない……という判断。
まあ、これはこれで説得力のある話ではなりますが。
ただ、チェ・スンシルの娘であるチョン・ユラは名門の梨花女子大学への不正入学が認められて入学そのものを取り消され、さらに高校の卒業資格まで取り消されるという事態であったのに、なぜチョ・ミンはそのままなのか……というのは国民感情として当然あることですね。
大統領府の国民請願掲示板にも「チョ・ミンの医師免許を取り消せ」とか「釜山大学は医科専門大学院への入学を取り消せ」といった請願が多く掲載されているそうです。
ふたつの事件の「権力者の親が入学に介入してきた」という構造はほぼ同じなのに、同じような対応が為されないのはなぜだ、と。
事件自体の構造自体は同じでも、まだ権力の在処が異なるということがいえるでしょう。
チェ・スンシルはもう明らかにダメでした。その背後にいたパク・クネの弾劾は確実で、ろうそくデモに反抗することは誰もできない状況下で娘のチョン・ユラも同じように高く吊られたわけです。
ところが、チョ・ミンの親であるチョ・グクにはまだ復活の目が十分にあるのです。
去年の信念記者会見でムン・ジェイン大統領はチョ・グクに対して「苦労をかけた。(私の)心に大きな負い目がある」と述べました。
有罪・無罪を問わず、「(本人と家族に対する)葛藤をもう終わらせてほしい」と。
そして、その後に行われた韓国の総選挙で共に民主党から離党した国会議員らによる「開かれた民主党」なる政党が比例代表で3議席を獲得しました。
その主たる結党目的は「チョ・グクの徹底擁護」「金大中、ノ・ムヒョン、ムン・ジェイン政治の継承」です。
いや、これを大真面目に言っているんですってば。ホントに。
国民の中にも「チョ・グクを擁護するだけの政党」に対して比例代表で3議席を取らせるほどにあり、かつムン・ジェイン大統領も糾弾をしていない。むしろ、自分の後継者として認めている節がある。
であれば、まだまだ韓国政界での復活の目はあるのです。
たとえ妻だけではなく、チョ・グク本人が有罪になろうとも、です。
場合によっては次の次の大統領まであり得ると楽韓さんは見ています。
とはいえ、それはイ・ジェミョン京畿道知事のような非ムン・ジェイン派が次期大統領にならず、ムン・ジェインが一種の院政をひけた場合ですけどね。
ですが、その確率は少なからずあります。
サイコロ振って1を出せばいいくらいにはあるのではないかな、と感じています。
というわけで、そんな復活の目がある「大統領のウリ(韓国語で「我々」。この場合は身内の意味)」であるチョ・グクを切ることは危険であると釜山大学側は判断した、ということです。
まだまだチョ・グクの背後にムン・ジェインの影がある以上は、こうしてチョ・ミンは擁護されるというわけですね。