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2021年01月

セクハラで自死を選んだソウル市長の未亡人、「夫はそのような人ではない」とセクハラを認めない模様……さすがに無理だと思うけどなぁ

朴元淳前ソウル市長夫人「夫はそのような人ではない」…被害者側「事実の歪曲、2次加害招く」(朝鮮日報)
故・朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長の妻であるカン・ナンヒ夫人が書いた直筆の手紙がインターネット上で拡散されている。昨年7月、秘書に対するセクハラ(性的嫌がらせ)疑惑が浮上するや自殺した朴前市長について、「朴元淳は『そのような人』ではない。彼の道徳性を回復させなければならない」という内容だ。朴前市長の側近は「カン・ナンヒ夫人が書いた手紙は正しい」と言った。 (中略)

「朴元淳を記憶する人々」という団体の関係者は「カン・ナンヒ夫人が当方に送ったもの」と語った。同団体は朴前市長を追悼するため昨年末設立された団体だ。市民団体「参与連帯」「美しい店」「希望製作所」など朴前市長と共に仕事をしたことのある各界の人物たちが参加している。

 カン・ナンヒ夫人は直筆の手紙で「朴元淳は自らの命が尽きる瞬間まで私の同志」「私の夫・朴元淳はそのような人ではないことを、私はあまりにもよく知っている。朴元淳の生涯を信じ、最後まで信頼する」「朴元淳の精神の本質は道徳性」「私と私たち家族は朴元淳の道徳性を信じ、回復させなければならないと考えている」と書いている。 (中略)

 カン・ナンヒ夫人は手紙の最後に、人権委に提出した嘆願書を添付した。先月22日に作成されたこの嘆願書で、カン・ナンヒ夫人は「私の夫・朴元淳は人生のすべてを人権と公益のためにささげた人だ。女性の人権に礎を置いていた」と書いている。この文章をネット上でシェアした朴前市長の支持者たちは「目覚めている市民である我々は既によく知っている。市長の高潔な人格と品格を」「私も朴元淳の同志になる」などのコメントを寄せている。
(引用ここまで)


 「セクハラで告発された」という情報がもたらされた直後に失踪し、翌日に遺体で見つかった前ソウル市長のパク・ウォンスン。
 直接の起訴判断では「被疑者死亡で不起訴」となって、支持者団体からは「告発した自称被害者を殺人罪で告訴する」とかやってましたが。
 ソウル市職員が起訴された裁判ではパク・ウォンスンによるセクハラが事実認定などされてました。

 で、今度は夫人から「パク・ウォンスンは『そのような人物ではない』と知っている」とのメッセージがきたそうですわ。
 なんとかしてパク・ウォンスンがセクハラ犯であったという事実を打ち消したいのは、左派にとっては「屹立する英雄」として扱いたいからなのですが。
 さすがに無理だよなぁ。
 「死人に口なし」を地で行くやりかたですが、まあ信者であればなんでも信じるでしょうし、まともな人間は信じないってだけ。
 生きていれば影響力も残せたでしょうが「死んで不起訴になった」という時点でね……。

 それにしてもソウル特別市、釜山広域市、忠清南道知事とすべてセクハラで自死、辞任。
 3人共に左派の大物で特にパク・ウォンスン、アン・ヒジョンは次期大統領ともされていたのですが。
 韓国の権力者のありようというものを見せつけてくれましたね。

韓国で10年ぶりに日韓海底トンネルの話題が……その背後にあるしょうもない理由とは?

韓国野党幹部が言及した韓日海底トンネル…「飛行機に乗ったほうがいい」「日本は無関心」(中央日報)
「10年ぶりの召還?」

韓国野党「国民の力」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長が今月1日、釜山(プサン)を訪れて論争になっている加徳島(カドクド)新空港に対する支持を宣言し、「加徳島と日本・九州をつなぐ韓日海底トンネルも積極的に検討する」と明らかにした。4月に予定された釜山市長補欠選挙を念頭に置いた発言だ。

2011年李明博(イ・ミョンバク)政府当時、国土海洋部が韓日海底トンネルと韓中海底トンネルはともに経済性がないと発表したが、それから10年を経て中央政界から事実上初めて韓日海底トンネルに再言及した。

与党「共に民主党」では日本だけに有利な事業だと批判するなど親日論争まで広がっている。すると金委員長は「加徳島空港が長期的に経済性を維持するにはモノとヒトが集まる方法を探さなければならない」とし「そのために海底トンネルについて話した」と反論した。 (中略)

さらに大きな問題は日本政府が韓日海底トンネル建設に特に関心がないという点だ。韓国交通研究院のアン・ビョンミン上級研究委員は「日本は本州と北海道をつなぐ青函トンネルを建設しながら、莫大なメンテナンス費用に頭を悩ませているのが実情」としながら「日本政府と政界は、経済性や実効性がどちらも不透明な韓日海底トンネルにほとんど関心がない」と伝えた。

釜山発展研究院の報告書に関与した専門家も「九州地域の一部の政治家が関心を表明しているだけで、日本全体が韓日海底トンネルに関心を寄せているわけではないと承知している」と話した。
(引用ここまで)


 えーっと、これはけっこう解説が必要な記事ですね。
 なんで日韓海底トンネルがクローズアップされるようになったか。
 まず、釜山市長選、そして加徳島国際空港計画から話さなければなりません。

 釜山市知事のオ・ゴドンはセクハラで辞職して、4月にソウル市長選挙と同日選挙が予定されています。
 与党は選挙対策として、釜山にある加徳島に国際空港を建設することを決定したのですね。
 大規模土木工事はそれだけで大きな利益を地元にもたらします。
 前市長がセクハラで辞任したというマイナスポイント、さらにはもともと釜山が保守系の地盤であるということも吹き飛ばすくらいのポイントを稼げるのではないかとされています。

 ですが、そもそもこの加徳島国際空港計画は以前から存在していたものの、「経済的に不適当」という判定を受けている計画なのです。
 韓国南部に新規空港を建設するか、既存の空港に滑走路を増やすかした場合、どれが経済的に最適な計画であるかを審議するために国外機関に候補地採点を依頼したということがありまして。
 もっとも経済性が高いのは釜山市にある金海空港に滑走路を増設するという計画でした。
 加徳島に新規空港を建設するというプランは滑走路1本が最下位から2番目の数字、滑走路を2本にすると最下位という結果に終わっています。

韓国南部新空港、4年ぶりに白紙化…政治議論に巻き込まれ(中央日報)

 それに対して与党は「経済的に妥当性がなくても建設できる」という法律を作ってしまいまして。

加徳島全額国費支援に予備妥当性免除、税金を食う「空港共和国」の種をまいた(東亞日報)

 与野党共に競うかのように加徳島空港事業費を計上することに血眼になっています。
 公共事業は地方選の要ではありますけどね。

 ただ、それでなくとも釜山は韓国の中では台風上陸数がもっとも多い土地柄。
 素人考えでも「無理臭くない?」とか「アクセスどうなってんの」って感じますわな。
 ちなみに現在、加徳島は朝鮮半島側からは橋でつながっていますが、鉄道の類いは敷設されていません。
 まあ、そのあたりのインフラも含めて工事する、ということなのでしょうけども。

 で、野党として国民の力は加徳島空港だけではなく、さらに追加でなんらかの事業を持ってくるぞと明らかにする必要性があった……というわけです。
 それが「日韓海底トンネル」である、ということなのですね。
 要は韓国国内の公共事業をどれだけ地元にもたらすことができるか、という競争に過ぎないということです。

 ま、どちらにせよ日本側からはこれといってアクセスの必要もありませんし、10年前にすでに経済性の低さは確認済み
 実現の可能性はかぎりなく低い……っていうくらいかな。
 なんでも韓国国内では「南北鉄道接続で物流に革命が起きて、日本はおいてけぼりにされる」みたいな話もあるのですが(笑)。
 まあ、そのあたりも含めてがんばってね。

ムン・ジェインが韓国の伝統市場に姿を現す→地元民は歓迎のために「美白肌の文在寅」「宇宙美男」等のプラカード、横断幕を掲げる……「北朝鮮のようだ」との非難もあるものの……

「宇宙美男」「美白肌の文在寅」赤面物の歓迎…青瓦台「指示していない」(朝鮮日報)
 文大統領はこの時、「世界最大洋上風力発電団地48兆ウォン(約4兆5000億円)投資協約式」に出席した後、近くの昔ながらの市場に立ち寄った。昨年8月に豪雨被害を視察するため全羅南道求礼郡を訪れて以来、6カ月ぶりの全羅南道訪問だった。市場前では同道庁職員十数人が文大統領訪問を歓迎しようと、花束や手作りのプラカード、横断幕を持って出てきた。「文在寅 あなたはシカ、私の心をノギョン(『溶かす』あるいは『シカの角=漢方薬の材料』の語呂合わせ)」「知ってる? わたし、グル(牡蠣〈カキ〉=同地の名産品)が好きなこと? 文在寅のオルグル(顔)」「宇宙美男」「文在寅 星に、私の心の星に」「なぜ今やっといらっしゃったんですか」「大統領様は私たちの幸せ」などの内容だった。同道庁関係者たちは与党・共に民主党のカラーである青いマスクをしていた。 (中略)

 また、青瓦台はこの時、「文大統領は(昔ながらの市場である)『新安塩辛タウン』に立ち寄り、体感景気を確認した」と明らかにした。しかし、書面の報道資料には商店関係者たちの実際の声が書かれていないとの批判もある。文大統領は総菜を購入した時、「商売はどうですか」と聞いた。すると、1人の商店関係者が「観光と旅行が減った」と答えたが、ほかの商店関係者たちは「大統領様、頑張ってください」「お元気で」と叫んだ、と青瓦台では明らかにした。
(引用ここまで・太字引用者)


 北朝鮮ではキム一族の呼称は「敬愛なる○○同志」とか「指導者が備えるべき風貌を完全に持つ親愛なる指導者」とかいったものですが。
 別にあれ、北朝鮮独自のものではないのですよ。
 韓国でも多分に似たような話は行われています。
 パク・クネ政権時代にも大統領府は「MERS禍で人気のなくなった伝統市場にさっそうとパク・クネ大統領様が!」みたいな演出をやってましたし。
 周囲も「大統領様がお歩きになった公園」みたいなことをやる。
 こうしたおもねりは権力者に対して、朝鮮半島に住まうものが行う基本的な行動なのですね。

 華々しい呼称で飾り立てていい気分にさせる必要があるのです。
 威圧するためにも、差別化するためにも。
 「まるで北朝鮮のようだ」というのは実際の感想でしょうけども、その感性というのは間違いなく韓国のほうにも根付いているのですよ。
 朝鮮中央通信のあの女性アナによる過剰なアナウンスも、韓国人にとってはさほど違和感のないものなんじゃないでしょうかね。

 朝鮮民族に内包され、歴史的に育てられてきた感覚のひとつであると感じますよ。
 南北でていどの違いこそあれども。