相互RSS募集中です

2021年01月

ムン・ジェインが「素晴らしい成果」と激賞したメーカーの注射器、韓国政府は1本も契約せず

ムン大統領絶賛した特殊注射器、政府は購入契約しなかった理由(中央日報・朝鮮語)
ムン・ジェイン大統領が直接訪問して「共存協力のベストプラクティス」で絶賛された特殊な注射器メーカーと関連防疫当局が「購入契約を結ばなかった」と明らかにした。それぞれの会社の注射器の大量生産システムが一歩遅れて整備なっている。ただしメーカーが政府に12万個ほどの注射器寄付の意思を明らかにし、初期接種が注射器が使われる見通しだ。

コロナ19予防接種対応推進団資源管理班長は20日のブリーフィングで、「プンリムファーマテックが提供する「最小残留型(LSD)注射器」の購入契約は締結されなかった」と明らかにした。 (中略)

国内接種には使われない。すでに政府が必要な注射器を購入する契約を終えたからだ。

両班長は「私たちが今年コロナ19ワクチンの予防接種のために使用する注射器は、大きく二つある。LDS注射器と一般的な注射器である。過去26日にLDS最小残留型注射器には約4000万個を契約して供給が開始されている。一般注射器も1月初め調達庁を通じて入札進行した」とし「LDS注射器4000万個、一般的な注射器4000万個購入する予定だ」と説明した。

「プンリムファーマテック注射器は全量が輸出されるのか」という質問に両班長は「まず全量輸出されるかどうかについては、私たちが具体的に確認したものではなくコメントできない」とし「ただプンリムファーマテックは今私たちと契約を締結していないが、韓国の防疫や予防接種に有用になりたいような意志がとても強いことを知っている。これと関連し、約12万回程度の注射器を寄付するという意思を明らかにしてきて、おそらく(国内)初期接種に使用することができると予想している」
(引用ここまで)


 ちょっと面白い。
 ムン・ジェイン大統領が直接視察に訪れて「中小企業の素晴らしい成果」とか褒め称えていたプンリムファーマテックのLDS注射器ですが、韓国政府は契約していないって話。
 もうすでに他のメーカーと契約済みなんだそうですわ。

 で、プンリムファーマテックのLDS注射器は政府に寄付される12万本を除いてほぼ全量が輸出に回されると。
 まあ、ムン・ジェイン政権的には1200億ウォンを費やして宣伝しているK防疫の宣伝材料になるんでいいんじゃないですかね?
 ワクチンであればともかく、注射器に注目するような人がそれほどいるとも思えませんが。

 ちなみに1アンプル(バイアル?)から6回の接種分が取れるようになる、っていうのは本来は5回分であったものを6回分として使えるというだけで。
 日本は1億4400万回分を契約していますが、これは5回分でのカウント。
 LDS注射器を使うと2880万回分、1440万人分のボーナスが得られるという話。
 大きいっちゃー大きいけど5回分が規定の使いかたである以上、さほどの問題でもないんだよなぁ。
 あと個人的には6回分取れるっていう最後の1ドーズ分には当たりたくないなぁ。

 とにかく新型コロナとワクチンを語るにはこれを読んでから。

韓国軍の軽空母建造に際したセミナーで軍事専門家から「艦載機をKF-Xにすることも検討事項」との発言……在野のノイズだけじゃなかったんだ

輪郭を現してきた軽空母事業、5兆ウォンの価値はあるのか(マネートゥデイ・朝鮮語)
韓国型軽空母が輪郭を現わした。去る4日、海軍が主催した「軽空母の導入セミナー」を通じてだ。海軍はこの席で軽空母概念図と「軽空母戦闘団」亢進度を初めて公開した。海軍の関係者は「軽空母は平時海上交通路の保護などの戦略的有用性に優れた最適な戦力」と「韓国海軍の作戦能力は軽空母戦闘団保有を通じて著しい成長をすることになるだろう」と主張した。防衛事業庁関係者は、「軽空母に国内技術を80%以上導入して経済的波及効果を最大化する」と公言した。

軽空母計画は昨年、軍当局が策定した。国防部は昨年8月に発表した2021〜2025年の国防中期計画」で、今年軽空母基本設計に着手、2030年代初頭に戦力化すると発表した。しかし、国会でブレーキがかかった状態だ。軍は当初、軽空母着手予算で100億ウォン編成案を作成、今年の予算案に反映しようとしたものの、事業の妥当性の調査の不備と導入実効性の論争に企画財政部の検討と国会審議の過程で縮小され、研究用役費1億万反映状態だ。これ軍当局は2月の事業推進の基本戦略を策定し、事業の妥当性の調査を経て、2022年に政府の予算に反映する案を推進している。海軍が主催したセミナーも、これらのプロセスの一環である。 (中略)

発表者として出たキル・ビョンオク忠南大学国家安全保障融合部教授は「軽空母の国家安全保障戦略と国家経済に及ぼす波及効果」を通じて軽空母の排水量は3万トンの長さ250m以上、艦載機は20代(F-35B垂直離着陸機12大とヘリコプター8台)を設定した。軽空母せん断は、1〜2隻のイージス巡洋艦、3〜4隻のイージス駆逐艦、ミサイルフリゲート艦と攻撃型原子力潜水艦など10隻で構成することを提案した。(中略)道教授は「艦載機としてF-35Bのみを選択する空対地作戦能力と作戦半径制限がある」と述べた。F-35B代わりに費用対効果が大きい「韓国型戦闘機(KF-X )軽空母(LAC)事業」の推進方策も検討事項と説明した。
(引用ここまで)


 これまで何度か「艦載型KF-X」についてお伝えしてきています。
 一番最初は2016年のものでチェ・オソクなる人物の「空母を作り、艦載型KF-Xを搭載すれば米中共に韓国に一目置かれる存在になるはずだ」「輸出できればすべてペイする」という話からはじまっています。そこからさらに「日本は国富を譲り渡すだろう」といった妄想にまで発展していました。
 最近にも「KF-Xネイビー」なる艦載型KF-Xの話が出てましたね。
 F-35Bは性能が低いので費用対効果に優れるKF-Xを艦載機として採用すればいいのだ、と。

 まあ、こうした記事を紹介しておいてなんですが、在野の人間の妄言くらいにしか思ってませんでした。
 意見としては面白いですし、軍事関連の妄想っていうのは楽しいですしね。
 ……そんな風に考えていた時期が俺にもありました。

 現在、韓国軍主催の「軽空母の必要性を広めるためのセミナー」というものが開催されています。
 このセミナーは軽空母開発に際して要求した開発予算を1/100に削られたことから、国民への空母の必要性をアピールする必要性に迫られて韓国軍が開催したもの。
 その中でキル・ビョンオクなる忠南大学の教授が「KF-X艦載型も選択肢のひとつ」と発言したと。
 このキル・ビョンオク教授は韓国のWikipediaで項目が作られている軍事関連の専門家、なのだそうで。
 あるていど「有用性のある計画」として認識されているということか。

 ちなみにKF-Xを共同開発しているはずのインドネシアの動向ですが、空軍参謀総長からは「2024年までにF-15EX、ラファールを導入する」との発言があったそうです。

インドネシア空軍参謀総長「2024年までに、F-15EX・ラファ戦闘機の導入」(聯合ニュース・朝鮮語)

 インドネシア軍が発刊した資料によると2024年までにF-15EXを15機、ラファールを36機導入。F-15EXについては来年までに引き渡しの予定。
 KF-X/IF-Xの戦力化は2026年だからセフセフ(そう?)。

ムン・ジェイン「ワクチンを無駄なく打てる注射器製造に成功したのは素晴らしい!」→韓国人「で、そのワクチンはどこよ?」

世界から引く手あまた ワクチンの特殊注射器メーカー視察=文大統領(聯合ニュース)
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日、新型コロナウイルスワクチン接種用の特殊な注射器を製造する中小医療機器メーカーのプンリムファーマテック(全羅北道群山市)を訪れ、注射器の生産現場を視察した。 (中略)

 文大統領は視察後、同社の関係者らに対し「K(韓国式)防疫に必要な製品を適期に、十分に確保できたのは挑戦と革新を恐れない中小企業のおかげだ」と述べた。また、危機の中にもチャンスを見いだし、防疫製品の国内供給と輸出に取り組む革新企業への支援を惜しまないと約束した。
(引用ここまで)


 このLDS(Low Dead Space)注射器をムン・ジェイン大統領が称賛しているのはふたつの意味で滑稽なのですよ。
 まず、なんといってもファイザーのワクチン用に作られた注射器なのに、ファイザーのワクチンは韓国に入ってきていない。
 1本たりとも入ってきていない。


 現在の契約だと韓国にファイザーのmRNAワクチンが入るのは7月以降。なんとかして第2四半期に繰り上げたいと言っているもののどうなるかは不明。
 半年ほどは注射器はあっても無用の長物でしかない。
 どっちにしても韓国には関係のないことでしょっていう。

 そしてもうひとつは、この注射器の生産に際してサムスングループが大々的に関わっているのです。
 生産のための資金提供はサムスン電子、金型製造もサムスングループから出向した人間が協力、FDA認定に際してはサムスンバイオロジックスが関与したとのこと。

サムスンが支援して一ヶ月ぶりに生産成功……大統領府「ワクチン注射器、K-防疫の神話」 (朝鮮ビズ・朝鮮語)

 「韓国の中小企業が持つ力を発揮した」だの「K防疫の神話」だの言ってますが、実際にはサムスングループの資金と技術力が導入されただけ。
 その協力したサムスングループの総帥は収監されてますけどね。
 おまけに「獄中経営も、出所後も経営関与はまかり成らん」として5年間の就業制限を通知しているんだそうですよ。
 今後、6年間はサムスングループに関与できないとのこと。

「実刑確定」李在鎔副会長に「5年間就業制限」通知…サムスン「超格差」に赤信号(中央日報)

 滑稽でしかない。

 ソウル市長選に出馬予定のパク・ヨンソン前中小ベンチャー企業部長官は「日本は残ったワクチンを捨てたと聞いた」とわざわざフェイスブックに書いた、のだそうで。
 韓国は捨てるワクチンがなくよござんしたね。
 打つワクチンもないようですけども。
 ちなみにこの注射器を使って月末に導入される予定のアストラゼネカ製ワクチンも接種するのだそうです。

 この注射器関連ニュースのコメントはおおよそ「すごいな、この注射器は。ワクチンを無駄なく打てるんだって……で、そのワクチンはどこ?」とか「サムスンに協力してもらったのに、その総帥は獄中ってwww」みたいなものがほとんど。
 さすがにこれでだまされる国民も少ないか。