China Is a Declining Power—and That’s the Problem(フォーリンポリシー・英語)
新興大国は、パワーが拡張し続ける時点では、中国のトウ小平が唱えた韜光養晦(とうこうようかい。目立たず、時を待ちながら力を養う)のように覇権国に対抗できる時まで「対決」を遅らせる。しかし成長が限界に突き当たり、覇権国と同盟勢力に包囲されて衰退期が目前の時期に至ると、新興大国は手遅れになる前に現在手に入れられるものを確保しようとして「戦争のわな」に陥りやすい。 (中略)
ブランズ、バックリー両教授は「現在米国が懸念すべきなのは、スーパーパワーを夢見たが頂点に達してしまい、国家的野望と国民的期待をもはや一致させられなくなりながらも衰退のつらい結果の受け入れを拒否する中国」だと主張した。
(引用ここまで)
ちょっと特別版で。
朝鮮日報がフォーリンポリシー誌に掲載された「衰退する中国の力──それこそが問題だ」とする記事を取り上げています。
内容としては今後10年ほどで中国の国力は最大に達し、以降は衰退していく。
間近に迫った衰退を恐れて急激な拡張方針を執りうることがあるとの話を、戦前の日本や80年代前後のフランスなどの実例を挙げて示しているものです。
そして、中国もその轍を踏みそうだ……というか、すでに傾向は出ている。習近平への権力の集中、富の蓄積なしでの高齢社会への突入等々の要因が中国の安定性を欠こうとしている。
楽韓さんもTwitterでそんな話についてちらと語っています。
まあ、共産党の普通の行動といえばその通り
— 楽韓Web (@rakukan_vortex) October 9, 2021
習近平は30年代に訪れるであろう中国繁栄の頂点に向けて手綱を緩めることはないでしょう https://t.co/MKwZC7VCt4
「米中対立」の著者が出演して、「30年代の中国繁栄の頂点」について語っている動画
— 楽韓Web (@rakukan_vortex) October 9, 2021
視聴をおすすめ
“台湾戦争”は起きるか?最大の米中リスクを徹底解説【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2021年10月5日) https://t.co/J9YnVSGCMb
よほどのマヌケでないかぎり、中国による台湾侵攻への方向性は今年になってからは理解できていたことでしょう。
目端の利く人間であれば去年、もしくはそれ以前からじわりと感じられていたでしょうね。
習近平が毛沢東と並び、かつそれ以上の中国における歴史的な政治家となるためのレガシーとしてどうしても「台湾との統一」が必要なのです。
強引なまでの香港の併呑はその一過程にしか過ぎませんね。
かつての中国の最大版図が記された「国恥地図」に近づくための一環なのです。
トッドはその著作の中で「中国は最大の大国とはなり得ない。人口問題で深刻な危機を抱えるからだ」と述べています。
男女出生比の極端な差だけを見ても超大国にはなり得ないとの話で、成長の終わりは見えている……というような主張でしたね。
人口から見た中国の国力におけるピークがくるのが2035年前後。
つまり今後の十数年間が中国の周辺国にとってはもっとも危険な時期となり得る、というのがフォーリンポリシー誌の記事の主張になるわけです。
米中対立を書いた佐橋亮氏はそこまでをかわすことができれば……というような話をしています。
ただ、アメリカがかわそうと思っていても中国がそうはさせない可能性を大いに考慮すべしと。
この記事の主旨が日本語で読めるのが朝鮮日報の日本語版というのもなんか変な話ではありますけどね。
まあ、朝鮮日報に載っているのをダシにしてこういう話があるのですよ、という紹介でした。たまにはよいでしょ、こういうのも。
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