米留学する韓国の高校球児たち…「落後者でなく先駆者」(朝鮮日報)
7月19日の剛速球によって、平良は日本プロ野球で歴代6人目となる“160キロクラブ”に加入したことになる。日本プロ野球で160キロ以上を投げた投手を球速順に並べると、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が1位だ。 (中略)
韓国プロ野球KBOリーグでは、160キロに到達した地元選手がまだいない。 (中略)
野球の専門家は韓国内に100マイル投手がいない理由について、基本技術の不足、薄い選手層、高校時代の負傷や酷使などを主な理由として挙げる。
新人王投手出身のイ・ヨンチョル解説委員は「プロ指名を受けた選手なのに50mのキャッチボールがまともにできない。私たちは最も基本であるキャッチボールからなっていない。野球のスタート地点であるリトル野球を見ても基本技ができておらず、見掛けだけだ」と指摘した。
イ・ヨンチョル解説委員は「日本の幼い選手たちはキャッチボールをしたとき、腕の角度からしっかりしている。キャッチボールの時間も長く持つ。韓国のリトル野球選手は、日本に比べて図体が大きい。ところが体を痛めずに行えるキャッチボールができず、上下のバランスが合わない。ステップも合っていない」と嘆いた。
(引用ここまで)
先月終わった2022韓国プロ野球新人ドラフトには1006人が申請し、計110人が10球団に指名された。小中高で野球一筋に打ち込んでも、プロのユニフォームを着る確率は10%を切るということだ。
では90%の人々の将来はどうなるのだろうか。ほとんどが韓国国内の大学野球部に進むか、野球をやめるか、という分かれ道の前で悩む。「プロ落後者」という不名誉な烙印(らくいん)も押される。しかし、最近は「第3の道」を歩む人が現れ始めた。野球宗主国の米国に留学するという道だ。通常2年制のコミュニティカレッジ(CC)野球部に入学するが、多様な専攻科目があり、英語も学びながら毎年100試合を超えるリーグ日程をこなして実戦感覚を身に付けるという選択だ。 (中略)
韓国の高校野球エリート選手は依然として学業面がおろそかなケースが多く、基礎科目の学習量は小学生レベルということもよくある。彼らが海外留学を考慮に入れないのも、このためだ。チェ・ビョンヨンさんはこの6カ月間、一日6時間以上机の前に座る訓練から始めた。そうして英語の不定詞・動名詞や、数学の方程式・関数など基礎から学び直した。
(引用ここまで)
野球ネタ2本をお届け。
韓国人で時速100マイルを投げる投手がいないのはなぜか、という話。
引用外に「韓国人ではパク・チャンホが時速100マイルを出したことがある」とされているのですが、以前に調べたかぎりではクアーズフィールドで1球だけだったはずです。
標高1600メートルほどにある球場なので、投手の球速は伸びるのですがそれ以上に長打が出やすいという場所。
ま、それはともかく。
韓国野球は筋力に優れる、というわりにはいうほどのホームランバッターもいないし、いうほどのパワーピッチャーもいないというイメージ。
韓国では1シーズンでのホームラン50本を2度経験していたイ・スンヨプも日本では40本超が1回だけ。
逆にプレミア12で大谷のストレートにはくるくる舞っていましたね。まあ、あれは落ちる球に慣れていないというのが大きかったように思いますが。
で、韓国人が時速100マイルを出せない理由を「基本がなってないから」「学生時代に肩を消耗しすぎているから」としています。
後者はありそうですね。
とにかく中学の頃から見どころのある投手を投げさせ続けます。そして高校でも同様。
4強制度、8強制度で勝ち続けなければ野球をまともに続けることもできませんからね。
結果、プロ入りの頃には肩なり肘なりを消耗しきっている、というパターンのできあがり。
「モンスター」と呼ばれていたリュ・ヒョンジンも学生時代にトミー・ジョン手術を受けています。ドジャース時代には肩をやってましたね。
もうひとつの記事はドラフトにかからなかった韓国人選手がアメリカに野球留学してから韓国に戻るか、アメリカで野球をするか……というラインができはじめている、というニュース。
まあ、やって後悔するよりもやらなかった後悔っていうのが厳しいというのもあるのかな。
韓国では上原のように浪人して大学野球で頭角を現すとか、元日本代表の中澤みたいに大器晩成するなんてことはないので、このあたりから手を入れたほうがいいと思いますけどね。
「日本では甲子園を目指して4000校も高校選手権に出場するのに、韓国では野球部があるのは50校だけ。それで日本に勝つこともできる韓国はすごい」なんて話に持っていこうとする連中も多いのですが、その層の薄さがいろいろな可能性を潰しているんじゃないかって思いますよね。
まあ、「通用しなかった」ということで次の人生を歩ませることに成功している……という言いかたもできるとは思うけど。
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