政府は来月初めにもCPTPP加入を申請する計画である。協定参加をめぐって協議を重ねたが、中国と台湾が相次いで加入申請書を提出したために政府の足取りが速くなった。ただし加入申請後も越えなければならない山が少なくない。米国が去った後、CPTPPを導いてきた日本が韓国の加入を気に入らないこともあって、登録が容易ではないという懸念が大きい。
「協定に加入しようとぶらさがる必要はありません。私たちの戦略的価値を携え、堂々と交渉に臨まなければなりません。日本もCPTPPをより躍動感のある協定にしたい場合は、当然、私たちを加入させる必要があります」 (中略)
ユ大使が「堂々とした交渉態度」を注文したのは、談話ではなく実利的な判断である。商品開放レベルが高いCPTPP登録のために、韓国は日本産製品の一部関税を下さなければならない。韓国は過去10年間、日本との交易で毎年200億ドル前後の貿易赤字を出した自動車などの商品関税率が追加で低くなると貿易赤字の規模はさらに膨らむと予想される。ユ大使は「CPTPPに加入することになれば、韓国としては素材・部品・機器部門や農産物市場の開放圧力が大きくなるだろう」とし「交渉過程で、私たちの価値を優先させるとき開放圧力を調整することができる」と説明した。
ユ大使は、日本を除いた他の加盟国が「諸手を挙げて韓国の加入を望む状況」を、日本が引き続き拒むことも容易ではないと予想した。ユ大使は通商交渉本部長在任当時、域内包括的経済連携協定(RCEP)会談で世耕経済産業相と向きあった逸話を紹介し、「各国がRCEPのような多国間貿易協定を締結するために努力することは、国家間のサプライチェーンを安定させるためですが、肝心の日本は輸出規制にサプライチェーンを毀損していると強く指摘した」と回顧した。ユ大使は「議長国としてCPTPPの能力を高めなければならないはずの日本が政治的問題で韓国の加入に反対するなら、韓国だけでなく他の加盟国の批判に耐えなければならない」と指摘した。また、日韓関係の政治的な理由も経済部門も韓国と距離を置く、日本の態度が変わらなければならないと強調した。
(引用ここまで)
かつて産業通商資源部の通商交渉本部長であったユ・ミョンヒが韓国のCPTPP加盟申請に対して「日本は加盟を妨げることができない」と言い出しました。
いわく──
・「堂々と交渉に挑まなければならない」
・「日本はCPTPPの位相を高めるためにも韓国の加入を認めるべき」
・「日本を除いたすべての国が韓国の加入を歓迎している」
・「日本が反対すればそれら加盟国から批判されるだろう」
……ですって。
このユ・ミョンヒという人物、WTO事務局長選挙でも日本から反対に回られて、決選投票で敗退していた人です。
実質的に敗退した後も敗北宣言を出さずにぐだぐだやってましたね。
当時の世耕経産相に対してRCEPの場で閣僚級会合をしてほしいって言い出して「RCEPはそういう場じゃねえから」って言われてましたね。
もうひとつ言うと日本政府による半導体材料の輸出管理強化時にアメリカに飛んで、なんの成果も出せなかった一員でした。
日本からしてみたら「なんなんこいつ」くらいの人物と言っても過言ではありません。
そもそも韓国も台湾も日本に対して、水産品の輸入規制をやっていて撤廃するつもりがない以上、CPTPPへの加入を認めるべき相手とはいえません。
アメリカも先日まで日本から食料品の輸入規制を敷いていましたが、先日22日に撤回しました。
米国、日本産食品の輸入規制を撤廃 福島産コメなど(日経新聞)
これ、将来のCPTPP加入への前段階かな、と個人的には感じています。
CPTPPはルールを守るのであれば、非加盟国に比べて有利な条件で自由貿易を行うことができるという枠組み。
そこにルールを守らない国がやってきても「これがあるから無理」って言えるのですよ。
日本は今年まで議長国(来年はシンガポール)ですが、いつであろうとも「原加盟国が反対すれば加盟できない」決まりですから。G7と同様。
日本はルールに則って反対するだけでしょうね。それで他の加盟国に叩かれるわけがないのです。「ルールに則る」というのはCPTPPの基本精神ですから。
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