終戦宣言、無料はないという米国…「いつでも取り消し」容易にみる韓国(中央日報)
「韓国の終戦宣言提案を含め、さまざまなアイデアと構想を検討するために協力することを期待する」。
24日にソウルで行われた韓米の北朝鮮核問題首席代表協議の後、米国務省のソン・キム北朝鮮政策特別代表が述べた言葉だ。外交的修辞を除いてみると、北朝鮮を相手に終戦宣言ばかりでなく他の構想もすべきという意味であり、韓国の終戦宣言提案自体を受け入れるかどうかの内容も抜けている。文在寅(ムン・ジェイン)政権が任期末に総力を挙げる終戦宣言に対して米国の立場は事実上まだないとみられる。
これは根本的に終戦宣言の「重み」に対する韓米の考え方の違いによる現象だ。「終戦宣言は政治的な宣言にすぎず、いつでも取り消すことができる」(文在寅大統領、2018年9月の米FOXニュースのインタビュー)という韓国政府の立場とは違い、バイデン政権は終戦宣言の実質的な波及力と法的効力を重く受け止める雰囲気だ。
(中略)
政府は北朝鮮が米国に向けて敵対視政策の撤回を要求してきた点を挙げながら、終戦宣言がこうした不信感を解消して対話を再開する「呼び水」になる可能性があるとうい点で、米国を集中的に説得している。また、法的・規範的な拘束力がないため米国が大きな負担を感じる必要もないと話す。
(中略)
ワシントンの代表的な外交情報誌「ネルソンリポート」は22日(現地時間)のリポートで、終戦宣言に対する米国外交・安保専門家の多数の意見を伝えた。
「終戦宣言は無料ではない。米国の拡大抑止および不拡散努力が阻害されかねず、北朝鮮や中国など連合訓練や(韓米同盟の)徹底的な準備態勢に反対する側に口実を与えたり期待を抱かせたりする」「終戦宣言が発効すれば北朝鮮はまず在韓米軍と韓米同盟が終わったと大々的に宣伝するだろう。結局、戦争が『終了』すれば、米軍や同盟がなぜ必要なのか。北朝鮮はこれを楽しむはずだ」という内容だった。
(中略)
特にバイデン政権としては終戦宣言の議論が来年3月の韓国大統領選に影響を及ぼす状況を警戒するしかない。
韓米終戦宣言議論に詳しい情報筋は「米国は終戦宣言を支持する場合、与党に対する支持と解釈されるという点をよく知っているため、非常に敏感かつ徹底的な接近をしている」とし「バイデン政権の立場では重要な同盟である韓国の協議要請を拒否できないが、『大統領選介入』として映るリスクを負ってまで積極的に議論をする考えはないようだ」と話した。
(引用ここまで)
「ムン・ジェイン大統領の野望」として最大のものは南北関係の改善、できることであれば自分の任期内に統一への足がかりを残しておきたかったことが挙げられます。
また韓国から北朝鮮に国民が行き来ができるようになる、商業的な関係を構築するといったことも野望のうちだったでしょうね。
南北鉄道の再接続で「
日本の物流の根っこを韓国が握る」とかいう話も出てたほど。
そのためにアメリカには「北朝鮮は非核化の確固たる意思がある」と語り、北朝鮮には「アメリカはいくつか核施設の停止すれば満足する」と語っていたのですね。
で、両者が会談した時に「韓国が嘘をついていた!」と決裂したのですが。
ハノイでの米朝会談決裂以降、南北の公式会談はゼロ。
それどころか
南北共同連絡事務所が爆破される始末。
ムン・ジェインは「大統領としてのレガシー(遺産・実績)」をなにも残すことなく退任することがほぼ決まっています。
まあ、南北首脳会談を3回もやった大統領、とは評されるかな。
ムン・ジェインが最後に望みをかけているのが終戦宣言。
どうしてもレガシーとして必要であると考えているようですね。
ですが、アメリカは乗り気ではない。
韓国からは「
いつでも撤回できる」「
経済・軍事・政治的なものではない」として、カジュアルに出してしまおう、みたいな話になっているのですが。
だったらそんなもの、最初から出さなければいいんじゃないのってなるのも当然。
おまけにタイミングとして大統領選にかぶっている。
……いや、違うか。あえてかぶせようとしているのでしょうね。イ・ジェミョンへの援護として。
これまでムン派ではなかったイ・ジェミョンをウリ(我々の意。仲間意識)にしようと画策している部分もあるのかな。
なおのこと、アメリカが乗り気にならないわけですよ。
「
米軍は占領軍だった」なんてことをことさら強調しているような候補を支援することになるのですからね。
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