先日、20代の青年らと話す機会があった。契約職やアルバイトを転々としながら希望がないと語った。人生の出発ラインでぞっとするような考えもする。「通貨危機がまた来てほしい。守るものも失うものもない。住宅価格が暴落して現在の状況がひっくり返れば最後のチャンスがくるのではないだろうか」。
1990年代に生まれた20代は大韓民国の建国以降、初めて親より貧しい世代になる可能性が高い。統計庁によると、20代の賃金勤労者353万人のうち40%の141万人が非正規職だ。2016年の32%から現政権の5年間に40%に増えた。30代(23%)、40代(29%)、50代(36%)よりも高い。相対的な弱者の20代が最初に非正規職に追い出されたからだ。「非正規職ゼロ(0)」を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権としては悲惨な結果だ。
資産の差も全年齢帯で20代が最も大きい。上位20%(3億2855万ウォン)と下位20%(844万ウォン)の資産の差が39倍にのぼる。20代から大きな差が生じるのは、親から資産を受けたかどうかが決定的な要因だ。 (中略)
微妙なことがもう一つある。男女不均衡の問題だ。20代の男性が女性より41万人も多い。昨年、20代の男性は372万人、女性は331万人だ。男児が好まれた90年代に妊娠中絶があった結果だ。似た年齢の男女が結婚するという仮定のもと、男性9人のうち1人はパートナーを見つけることができない。男女不均衡は多くの社会問題をもたらす。女性に対する過度な嫌悪として表出したり、これに対抗して「男嫌い」が広がったりもする。 (中略)
年金だけでなく住宅価格と雇用問題で失望する20代の前で政府の肩を持つと良い声は聞けない。リアルメーターによると20代の文大統領の支持率(11月第1週)は22.9%にすぎなかった。全年齢帯で最も低い。70代以上(24.2%)より低い。
(引用ここまで)
……すごいな。
「通貨危機がまた来てほしい」なんてそうそう言える台詞じゃないですよ。
まあ、いまの20代の韓国人はほとんどがその様相を見ていないからこそ言えるのでしょうが。
97年だもんなぁ。韓国ではまさに天地がひっくり返ったかのような騒ぎでしたからね。
「国家が破産する日」という映画はかなりリアルに通貨危機の様子を追っています。わりとおすすめ。
新書のほうは10年後くらいに書かれたものです。紙の本で読んだ覚えあるな。
もうそのくらい韓国人の20代はやさぐれている。
もちろん、全員が全員そういうわけでもないでしょうが。少なくとも「土の匙」の基本的な感じはこれかなぁ……。
失うものがない、という怖さを持ち得ている。
まあ、就職氷河期を体験している楽韓さんも理解できないではないのですけどね。
そうした20代は「不公正」を極端に嫌っている。
ムン・ジェインはパク・クネを否定して公正な韓国を作ると約束したのに、なにもできていない。
けっきょく、チョ・グクやチュ・ミエらがこれまでと同じように「力のある親」であることを見せつけてきました。
そのムン・ジェインの後継者となるイ・ジェミョン候補の「ベーシックインカム」も気に入らない模様。「金を見せれば尻尾を振るとでも思っているのか」くらいの感じなんでしょうね。
一方で野党の国民の力の予備選挙で敗れたものの、ホン・ジュンピョ議員は「公正な競争」を掲げたので若者からの受けがよかったという話です。
ユン・ソンニョル(ソクヨル)候補は党の統一候補にこそなったものの、いまひとつ若者層に人気がないようです。
全斗煥を支持するとかいう発言だろうなぁ。
今回の大統領選挙、主力候補に国政経験もなければ若者からの支持もないっていう。
まあ……言ってしまえば「金の匙」以外で、一定以上の才能がない韓国人はもう救われないとは思うのですが。
韓国で宝くじの売上もそりゃ増えるでしょ、って感じですね。
それくらいしか階層を飛び越える機会がないのですから。
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