バイデン米大統領が北京冬季オリンピック(五輪)の「外交的ボイコット」に言及して以降、国際的に関連議論が活発に行われている。理由は新疆ウイグル自治区などでの人権弾圧問題だ。
ブリンケン米国務長官はニューヨークタイムズ(NYT)に「同盟と五輪参加についてどう考えているかを議論中だ。対話が活発に行われている」と述べた。これに呼応するかのように英国、カナダ、オーストラリアなどからボイコットを検討中という海外の報道が次々と出ている。
ところが米国の同盟である韓国は静かだ。バイデン大統領のボイコット発言について尋ねると、韓国外交部の当局者は「外国の首脳の発言については言及する事項がない」と述べた。また「政府は北京五輪が南北関係改善のための転機となり、北東アジアと世界平和・繁栄に寄与する契機になることを希望するという基本立場を堅持している」という従来の原則的な立場を繰り返した。続いて「北京五輪の外交的ボイコットに関連し、米国側から協議の要請を受けたことはない」と話した。
北京五輪ボイコットは精巧な戦略的判断の領域に属する。普遍的価値である人権を守護するための努力という点で参加の名分があるが、外交的に及ぼす影響も考慮しなければならない。政府の慎重な態度は理解できる。
しかし問題は現在の文在寅(ムン・ジェイン)政権はこうした悩みや議論自体を避ける雰囲気という点だ。もちろん内部または水面下でどんな議論が行われているのかすべて把握することはできない。しかし文在寅政権が中国の人権問題に対して見せてきた立場を考慮すると、今回も似た態度を維持すると予想される。
(引用ここまで)
アメリカが「選手は参加するものの、政府関係者が開閉会式には参加しない」という「外交的ボイコット」を同盟国と議論するとブリンケン国務長官が述べたことに対して、各国が反応してますね。
それに呼応する形でイギリス、カナダ、オーストラリアが相次いで検討を示唆しています。
いまのところ、中国は「選手が主役である」「憶測にはコメントできない」としています。
日本は林芳正外相が「適切な時期に判断する」とのコメント。
岸田総理は「それぞれの国で立場があり、考えがある。日本は日本の立場で物事を考えていきたい」と現状では中立を示唆。
ですが韓国では「話すことはない」と宣言。
あたかも「外交的ボイコット」なんてものは存在していないかのような立場表明ですね。
今この段に至っても米中の間をうまくやり抜けられる、と思っているっぽいなぁ……。
まあ、「同盟国」といっても韓国はクアッドにもファイブアイズにもAUKUSにも入っているわけでもないしなぁ。
しかも、その同盟から抜け出そうと画策している。
戦時統制権を取り戻し、終戦宣言を出そうとしているっていうのはそういうことですからね。
アメリカからの影響を最低限に下げようという努力しか見えてこない。
その一方でTHAADミサイルに対する三不の誓いについては、中国からの要望をあっさりと認めてしまう。
韓国は自分の設定では「卓越した外交力」をスキルとして持っていることになっているようなのですが、外から見ると中国に向かっているようにしか見えないんですよね。
今回も「アメリカをはじめとして欧米がボイコットするなら、韓国の地位がその分上昇するのでは」くらいのことを考えてても不思議じゃない……というか、考えているんだろうなぁ。
アメリカが参加するなって言ったのにAIIBや戦勝パレードに参加したのはまんまそれですからね。
普通に見れば「中国に跪いている」という構図が固定されるだけなんですが。
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