12日、コロナ19重篤重症患者数が900人に迫って再び歴代最悪を記録した。
重症患者の病状がすでに飽和状態や変わらない状況で患者数が増え続け、実際の医療現場では病状を割り当てられず、緊急治療室で100時間以上待つ場合まで発生するなど、医療システムが事実上麻痺状態に陥ったものと見られる。 (中略)
状況が深刻な首都圏重症病床稼働率は86.5%(821床中710床使用)で、前日83.9%から2.6%ポイント上昇した。
ソウルと仁川は、重症病床稼働率がそれぞれ90.6%(361床中327床使用)、92.4%(79床のうち73床使用)で90%を超えた。京畿道は81.4%(381のうち310を使用)を記録している。 (中略)
「死者を最小化しようとする医療スタッフの努力が成功すれば追加の重症病状が出ず、死亡者が多く発生する日は追加重症病床が生じる」とし「医療陣として難しい状況」と吐露した。病床が飽和状態であるため、死者が出ると病床が生じるという皮肉かつ絶望的な状況が起きているという話だ。
(引用ここまで)
もしかすると韓国の新型コロナウイルスで、これ以上の重症者は出ないかもしれない、というニュース。
少なくとも統計上は。
今日の新規感染者数は6689人。土曜日(日曜日発表)の数字としては過去最大をまたしても更新。前週比で+1561人。約1.3倍。
重篤重症者は894人。死者は43人。
韓国の新規コロナ感染者6689人 重症者894人で最多(聯合ニュース)
重症者894人に日本との人口比である2.5をかけると2235人。
日本の重症者は9月3日に2223人という最悪の数字を記録しました。さくっと日本の重症者も追い抜いていく。しかも速度が半端じゃない。
ただ、「重症者はもうそれほど増えない」可能性が高い。
ここでいう重症者とはECMOや人工呼吸器を使用している患者のことを指します。
そして、そうした対応ができる病床がもう残り少ない。
残りの重症者向け病床は首都圏とされるソウルには34床、仁川に6床、京畿道に71床。
韓国の首都圏に住む人口は約2600万人。東京都ふたつ分弱。
韓国の全人口の半分が住んでいる地域に100床ちょっとしか残されていない。
しかも、この残されている病床も「空いたけども、ベッド・機器の消毒作業が残されている」というようなもので、余裕があるわけではないはずです。
治療を終えたECMOのメンテってどのくらいかかるんでしょうね?
少なくとも首都圏では重症者向け病床がほぼ残されていない。
自宅療養で症状が悪化しても「重症者病床を使っている」というわけではないので重症者扱いにはならない。
つまり、重症者と認定される患者はそれほど増えない……ということです。
ひどい話だ。
記事に曰く「患者が死なないとベッドが空かない」「重症者の治療が成功すれば追加の重症者は計上されず、死んでしまうと統計上の重症者が増える」という状況。
……完全に医療崩壊ですね。
明日から飲食店や遊興店に入る際にはワクチン接種完了証明か、陰性証明といった防疫パスが必要になるとのこと。
これで人流が抑制できて、ブースター接種が順調であればあるいは……というところですが、効果が出たかどうかが分かるまでざっと2週間はかかります。
正直、効いてくれればいいんだけどなぁと思いますよ。どの国であれ、医療陣への負担はもう増えてほしくないですわ。
ただまあ、部分的ロックダウンといえる飲食店の営業時間制限もしていない状況じゃ苦しいだろうな、とは思います。
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