韓国の最大野党「国民の力」の大統領候補、尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長の選挙戦を支える同党の選挙対策委員会は3日、「総括選対委員長、常任選対委員長、共同選対委員長、総括本部長をはじめ、新時代準備委員長まで全員が尹候補に対し、辞意を表明した」と発表した。
ただ尹氏が辞意を受け入れたかどうかについては、確認されていない。
尹氏陣営を巡っては、尹氏の支持率下落が続き党内で危機感が高まり、金鍾仁(キム・ジョンイン)総括選対委員長がこの日午前、選対委の全面刷新を示唆していた。
(引用ここまで)
韓国大統領選挙に動きが出てきました。
野党である国民の力の選対委員会の「総括選対委員長、常任選対委員長、共同選対委員長、総括本部長、新時代準備委員長」といった幹部クラスが一斉に辞意を表明したとのこと。
ユン・ソンニョル(ソクヨル)候補は完全に行き詰まっていまして。
支持率は誤差範囲を超えて負けがコミつつあります。
韓国大統領候補の支持率、李39.4%-尹29.9%…若者が李候補支持へ [中央日報世論調査](中央日報)
ちなみにこの調査では中道とされているアン・チョルス候補が10.1%と二桁を超える数字を獲得しています。
ユン陣営に見切りをつけた保守派からの支持が集まったのではないかと見られています。
そうした状況を脱するための全面刷新であるとされてはいるのですが。
すでに党代表であるイ・ジュンソク氏は選対常任委員長を辞任しています。
党として見放しつつあるというのが実際かな、という感触。
そもそもユン・ソンニョル候補自身が保守派というわけでもなければ、政治家というわけでもない。
単にムン・ジェイン政権と対抗していた検察総長であった人物でしかないのです。
保守本流を守ってきたという自認のある国民の力の政治家らにとっては、外様でしかない。
これまではイ・ジェミョンに対して互角以上に戦えてきた、という実績があったのでなんとかまとめてきたものの。
数字が落ちればこうなるのは見えてました。
さらに「1日1回、失言をしないではいられない」というほどの失言具合。
別に暴言があるとかそういう話ではないですが。
どこか間の抜けた話をしてしまう。
「全斗煥はクーデターと光州事件を別にすればしっかりやったという人たちは多い」とか言っちゃう。
いや、確かにそういう側面はあるんですよ。全斗煥はなんだかんだで韓国の高度成長を国家元首として永年指揮してきた人物であるのは間違いなくて。
毀誉褒貶あるにしても評価できる部分は少なくない。
でも、光州事件ひとつでその評価はプラマイゼロどころかマイナスになっている。
そんな人物にわざわざ言及しちゃうところがダメ。政治的感覚というかセンスが絶望的にない。
アン・チョルスへの一本化は充分にあり得ますね。
というか、中道層を引っ張ってくるにはもうそれしかないと思われます。
まあ、アン・チョルスも左派ではあるのですが。ムン・ジェイン路線ではないだろうし。
国民の党としては忸怩たる思いでしょうが、共に民主党に続けさせるよりは……という判断が働くのではないでしょうかね。
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