米国肉輸出協会(USMEF)集計の結果、昨年韓国が米国産牛肉の最大輸入国になったことが分かった。2008年のアメリカ産牛肉の狂牛病の議論と大規模なろうそく集会を経た後、13年ぶりのことだ。
9日(現地時刻)USMEFが公開した統計を見ると、昨年1月から11月まで韓国が輸入した米国産牛肉(副産物を除く)は25万3175トンで、2020年1~11月の21万8135トンより16%増加した。最後に相当する量であれば1〜11月21億3573 10 000 7000ドル(約2兆5622韓国で販売されている米国産牛肉の十億)の価値が2020年15億3427万7000ドルより39%増加した。
米国が昨年1~11月に世界に輸出した牛肉は104万3960トンで、韓国に輸出したのが全体の24.25%を記録した。米国の世界の牛肉輸出額86億932万7000ドルのうち、24 %が韓国に輸出したのだ。米国産牛肉の関税は段階的に撤廃される中で来る2026年には米国産牛肉が無関税輸入される見通しだ。
韓国政府は李明博(イ・ミョンバク)元大統領就任初年である2008年4月、国際水域事務局(OIE)が狂牛病の懸念がある部位と定めた特定危険物質を除くすべての部位の米国産牛肉の輸入を許可することに米国と合意した。以後MBC PD手帳が「緊急取材:米国産牛肉、果たして狂牛病で安全か」編を通じて「狂牛病にかかった牛を屠殺して韓国に輸出する」という認識を広げた。様々な狂牛病怪談がインターネットを通じて流布され、2008年5月、大規模デモ隊が「脳に穴が開く」「狂った牛ならおまえが食べろ」のようなスローガンを叫びながら通りを練り歩いた。
米国産牛肉の危険性が誇張されたという韓国、アメリカ政府の説得は通じなかった。進歩性向市民団体と労働団体などが組織した「狂牛病国民対策会議」が主導したデモ隊はソウル都心を占拠し、「MB退陣」スローガンを叫び大統領府に向かった。結局、2008年6月、韓米政府は追加交渉を通じて30ヶ月以上の牛肉を輸入せず、30ヶ月未満の牛肉でも頭骨・脳・目・背骨の中の神経など4つの部位も輸入対象から除外することにした。
狂牛病議論があった米国産牛肉は価格競争力を前面に出して徐々に韓国市場シェアを高めてきたと評価される。「グローバルプロダクトプライス」ドットコムの比較によると、昨年3月基準で韓国の牛肉1kgの価格は57.96ドルで、米国の24.18ドルより2倍以上高かった。韓牛と米国産の原価が直接比較されていないが、通常2~4倍ほど差が出ると言われている。
(引用ここまで)
14年ほど前にPD手帳というMBCのドキュメンタリー番組が「狂牛病の真実!」みたいな特集を流したのですね。
曰く──
・へたり牛のビデオを流して「これがアメリカの狂牛病だ」とする。
・韓国人はアメリカ人、イギリス人に比べて2倍、3倍の頻度で狂牛病にかかる。
・韓国人が狂牛病にかかった牛の肉を食べると94%の確率で狂牛病にかかる。
・アメリカでvCJDが生じても韓国政府ができることはなにもない。
……といった内容のものでした。
ちなみに番組内容のほぼすべてが虚偽。
PD手帳はファン・ウソクの卵子提供アカハラ疑惑をはじめ、ES細胞論文がすべて捏造だとする報道を行ったことで知られています。
その当時も当初の疑惑は「卵子提供」にまつわるものだけだったので、中央日報あたりは「こんな些細な疑惑で国益を損じるとはないごとだ!」という擁護に廻ったものでした。
ただし、その後にファン・ウソクの業績はすべてが虚偽であったことが判明して大騒ぎになるのですが。
この狂牛病騒動でも「この報道は虚偽ではないのか?」とする話も出たのですが、ハンギョレあたりが「こんな危険な牛肉を輸入しようとするイ・ミョンバク政権を打倒しなければならない」みたいなキャンペーンを張って、番組の報道内容を擁護したのですね。
「些細な間違いはあっても、危険性があることにはちがいない」として。
で、そこから野火のようにアメリカ産牛肉輸入反対運動が拡がって、第1次ろうそくデモが行われたのでした。
この番組を見た中学生とかが「アメリカ産牛肉を食べてしまった、もうだめだ!」とかやりだして、街に飛び出たそうですわ。
北朝鮮も混乱に乗じてこのデモを拡大させ、在日朝鮮人の工作員を通じてイ・ミョンバクを退陣に追いこもうとする動きを見せていたことが知られています。
いつものように左派がデモの主催を乗っ取って政府への抗議デモへと発展させ、デモ隊によって177台もの警察のバスが破壊された、とのこと。
とはいえ、虚偽報道がベースで拡がった運動であり、左派によってデモの先鋭化が続いたこともあって、運動そのものにそこまでの力強さは見られずになんとなーく収束していったのでした。
あの一件で韓国人がデマに翻弄されやすい側面を持つことを、強く認識するに至ったものです。
で、そこまでして反対運動をしたものを、現在では人口が2.5倍の日本よりも好んで大量に輸入しているという節操のなさ。
韓国が世界で最大のアメリカ産牛肉の消費国になった、というオチ。
ちなみに日本はオーストラリア産の牛肉を好んでいるようで、だいぶ前から輸入先ランキング1位はオーストラリア産。最近になってアメリカ産もかなり盛り返してはいるのですが。
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